無敵の大野修聖。ファイナル終了間際の奇跡の大逆転! JPSA開幕5連勝! 国内7勝目。
茨城県大洗町大洗海岸で開催中の、JPSAショートボード第5戦「第18回 I.S.U茨城サーフィンクラシックSCPさわかみ杯」は大会最終日。会場の磯場ポイントの天候は曇りのち雨。なんとか腰腹のサイズをキープ。男子のクオーターファイナルからスタートし、男女ともファイナルへ向けて盛り上がりを見せた。クオーターファイナルでは、地元期待の小野 嘉夫をはじめ、今シーズン好調な小川幸男、林 健太、田中樹が惜しくも敗退。セミファイナルは、ヒート1で加藤嵐と仲村拓久未というヤングガン同士の対決、ヒート2では大野修聖、田中英義というグランドチャンピオン対決となった。
セミファイナルのヒート1でオープニングウェイブは加藤嵐がゲット。バックハンドの2マニューバーで5.0o。続けて仲村拓久未もフォアハンドのカーヴィングのコンビネーションで5.50をスコア。スタートから激しいゲーム展開となる。続けてライトブレイクを見つけた仲村は、素晴しいフォアハンドのリエントリーとハードなターンで、7.75、7.25を続けてスコア。ヒートスコア15.00として、リズムを掴んだ仲村が完全にヒートをリード。今回勢いのある仲村拓久未がファイナルへ勝ち上がった。
セミファイナルのヒート2は大野修聖と田中英義の対決。スタートから両者ともライトブレイクでハイパフォーマンスを連発。バックハンドで6.00をスコアした大野修聖は、じっくり波を待ち再びライトのセットをキャッチ。オープンフェイスの波にフローターとリエントリーのコンビネーションで4.90をスコア。大きく右側にポジションを移した田中英義は、4.50、5.25をスコア。ヒートスコア9.75で2位のポジション。再びバックハンドで6.25をスコアした大野は、ヒートスコアを12.25をとしてリードを広げ、ファイナル進出を決めた。
大野に対し、仲村がファイナルを支配する。
男子ファイナルは大野修聖と仲村拓久未という2人のフォームサーファーによる戦いとなった。大会を通してイベント・ハイエスト・シングル・スコアを叩き出して来た仲村拓久未。JPSA5連勝目前の大野修聖。スタートからコンパクトながらフェイスの張った波をフォアハンドで攻める仲村。ライトの良い波を捕らえた大野は、バックハンドのトップターンを試みるもスタック。彼らしくないワイプアウトを見せる。しかし、その直後。大野はねじれて入って来るレフトを巧みにコントロール。クリティカルなセクションでのフォアハンドのリエントリーの2マニューバーで7.50をスコアする。
仲村拓久未は、セカンドウェイブでエアリバースを試みるもインコンプリート。そして、大野は右奥のアウト、仲村はインサイドで同時に演技。それに対して大野修聖がインターフェアを猛アピールするもノーコール。仲村はその波で6.25をスコア。大野もバックハンドで4.10をスコアしてリードを広げるが、ファイナルはスタートからワイプアウトが続いていた。
ヒート中盤、ビッグセットのライトを掴んだ仲村拓久未が、2つのビッグターンを決めて、6.25をスコア。さらにライトブレイクで7.25をスコア。ついに仲村がトップに躍り出る。リズムを掴んだ仲村は再び7.50をスコア。ヒートスコアを14.75としてファイナルを完全に支配した。大野のところにライトブレイクが入り、3マニューバーで6.40をスコアするが逆転は出来ない。大野が逆転に必要なスコアは7.26。
残り時間45秒、優先権を持っていた仲村の痛恨のエラー。大野修聖、奇跡の大逆転。
残り時間は10分を切り、完全に追い込まれた大野。優先権は仲村。セットは入って来ない。完全に大野をマークする仲村。しかし残り時間45秒、優先権を持っていた仲村が、ライトの波を大野に渡してしまう。それは大野に許された最後の12本目の波。渾身のバックハンドのノートリムのターンを連発で決めて、大野は雄叫びを上げてガッツポーズ。そして海から上がってスコアのコールを待つ大野。そしてコールされたスコアは7.65。仲村拓久未は痛恨のエラーで目前の勝利を逃し、大野修聖は奇跡の大逆転でJPSA開幕から5連勝と負けなしの記録更新! 国内7勝目を決め、今シーズンの「I.S.U茨城サーフィンクラシック」は劇的な幕切れとなった。
庵原美穂、新島に続く2連勝でリードを固める。
女子のファイナルは、セミファイナルで田原 啓江を下した野呂玲花と、大村奈央を下した庵原美穂の対決。ファイナルは、スタート直後、両者が接触するトラブルがあったものの、庵原がセカンドウェイブでフォアハンドで5.50をスコアして、ヒートをリード。プライオリティを持って、再びフォアハンドのワンマニューバーで3.00をスコア。ヒートスコア8.50でリードする。リズムを掴んだ庵原は次々と波を掴んで行く。それに対し、追い込まれた野呂玲花はスコアリング・ウェイブを探し続ける。ヒート終盤、バックアップを塗り替え、リードを広げる庵原。野呂玲花の追い上げを振り切り庵原美穂が、新島に続く2連勝で、ランキングトップの座を固め、グラチャンに一歩近づいた。
今回の茨城で男子ショートボードのグランドチャンピオンは、大野修聖に決定。そして、今シーズンのJPSAショートボード第6戦(最終戦)となる「ムラサキプロ 鴨川 supported by 海童」が9月26日(木)~29日(日)千葉県鴨川市 東条海岸 (マルキ)で開催される。そこでは女子ショートボードのグランドチャンピオンも決定する。
次回もサーフメディアでは現地から最新情報をお伝えしますのでお楽しみに。
撮影、フォトキャプション:山本貞彦
マーは最後の演技終了後、雄叫びを上げた! by yamamoto
決勝ではプライオリティを持つマーは右奥のアウト、拓久未はインサイドで同時に演技。マーはインターフェアを猛アピール。しかし、ジャッジの判断は 同じウェイブではないと判断。さらに、マー自身の演技を邪魔していないということでノーコール。これで、マーがJPSAの大会で初めてリードを許し、追い つめられることに。
誰もが拓久未の優勝を信じた残り45秒。プライオリティは拓久未。マーはニード7.26ポイント。しかもマーはマキシマム12本のうち11本の演技 を終え、残り1本。セットが入り、拓久未がスルー。マーはその波を逃さず際どいポジションから無理矢理のノートリムで3発。これに7.65ポイントがつ き、なんと大逆転で今大会の栄冠を手に入れた。
ポイントコールがあり、優勝が決まると勝ち名乗りでも感情を爆発させた。
応援のみんなが駆け寄り、マーを囲んでハグの嵐。
表彰式で、ふとした安堵の表情。
これでJPSAは開幕から5連勝!JPSAでは勝率10割!国内戦は7勝目!優勝おめでとう!次回の鴨川も参戦を表明。さらに気合いが入る。
仲村拓久未 JPSAの初優勝はお預け。しかし、決勝は良く戦った。準優勝おめでとう!ここまでマーを追い込んだのは初めて。課題はまだあるものの、バリエーションも増え、戦略もこなれてきた。あとは経験。最後にスルーしたのではなく、行こうと思ったが引っかからなかったとのこと。これも試練か。次だぜ!
田中英義 マーを倒すのはヒデだと思っていた。しかし、プライオリティの使い方はマーが一枚上手。波のセレクトもコントロールされてしまった。
加藤嵐 怪我の影響も感じさせず、ヒートを追うごとに調子を上げてきた。あとは完全復調を待つのみ。
田中樹 攻めに攻めたがポイントは伸びず。残念。
林健太 マーを相手にエアーで勝負。インコプリートだったもののスタイルは魅せた。
小野嘉夫 地元からの声援はスゴかった。スピードある素早いリッピングは嘉夫ならでは。
小川幸男 常勝できるようになったが、今はQFが壁。しかし、幸男ならこの壁も崩すのは時間の問題。
庵原美穂。次回の最終戦は地元の鴨川。グラチャンに期待もかかる。セミでは大村奈央と対決。マンオンマンは初。大村がいない時にグラチャンを獲得したからこそ、戦いたい相手だった。ファイナルのスタート後、アクシデント。玲花とドルフィンしている時に接触。レールが頭にヒット。しかし、その後はアドレナリンが出たか、波を取りまくり完勝。
野呂玲花 決勝はまるっきり違うコンディションに翻弄された。またアクシデントにも動揺し、自分のサーフィンができなかった。残念ながら優勝はのがしたものの、また新しい経験を積んだ。これでさらに強くなるよ。ゴー!レイカ!
大村奈央 パワーサーフィンが全開ならば、次回は優勝間違いない。
田原啓江 マイペースこれ大事。ベテランらしさを見せてくれた。
田中樹 ステッカーが間に合わず「おにーる」(笑)。
メンズファイナリスト
ウイメンズファイナリスト
エクスプレション セッション椎葉順と 加藤嵐
JPSAショートボード第5戦「第18回 I.S.U 茨城サーフィンクラシックSCP さわかみ杯」
男子
優勝 大野修聖
2位 仲村拓久未
3位 加藤嵐、田中英義
5位 小川幸男、小野嘉夫、林健太、田中樹
女子
優勝 庵原美穂
2位 野呂玲花
3位 田原啓江、大村奈央
5位 橋本小百合、宮坂莉乙子
エクスプレション セッション
ベストパーフォーマー ( 10万円) 椎葉順
グッドパフォーマー ( 5万円) 加藤嵐
【Surfing for all がんばろう日本!】
JPSAジャパンプロサーフィンツアー2013 ショートボード第5戦第18回 I.S.U茨城サーフィンクラシック
SCP さわかみ杯期日:9/6~8 会場:茨城県大洗町 大洗
特 別 協 賛:株式会社ソーシャルキャピタル・プロダクション