フィリピン・バレアー・ サバンビーチ(2025年11月21日金曜日) – ワールド・サーフ・リーグ(WSL)のクオリファイシリーズ(QS)4000およびロングボードクオリファイシリーズ(LQS)イベントであるバレアー・インターナショナル・プロの5日目は、風で乱れた2~3フィートのスウェルがコンディションを難しくした。

特にストームの前線が潮の満ち引きと共に通過したため、選手たちにとって厳しい状況となった。しかし、スウェルが日中に増すにつれ、波は競技可能な状態となり、LQS準決勝とQSクオーターファイナル前半を完了させた。

3日連続で、西優司(JPN)が男子QS競技で最高得点をスコアした。既に金沢 太規(JPN)に対して大きなリードをホールドしていた西は、力強いバックハンドで8.75(満点10点)をスコア。これは現時点でQS大会最高のシングルウェイブ・スコアである。
これに6.00を加えた2ウェイブ・トータル14.75(満点20点)は、金沢が逆転するにはほぼパーフェクトなスコアを必要とする状況に追い込まれた。
西は今シーズン、QS2000大会で自身初のファイナル進出を果たし、ソリッドな勢いを維持したまま、初のQS4000大会における準決勝進出を決めた。

準決勝で西が対戦するのは、稲葉玲王(JPN)だ。稲葉は男子第2クオーターファイナルでディラン・ウィルコクセン(INA)を接戦の末破った。パリ2024五輪でクオーターファイナル進出以来、QSで安定感を欠いていた稲葉にとって、今季初の準決勝進出となる。
稲葉と同様に、松田詩野(JPN)もパリ五輪が行われたタヒチ・チョープー大会で滑らかなスタイルとバレル(チューブ)の読みの良さで注目を集めた後、リズムを取り戻せずにいる。


今日、松田はレフトの波への鋭いフォアハンド・アタックで、現在のチャレンジャー・シリーズ選手である池田美来(JPN)を破り勝利を収めた。
2021年のチャレンジャー初シーズン出場以来、松田は復帰を目指してきた。現在アジアQS地域ランキング8位の23歳は、バレアーでの好成績が自身の挑戦にどれほど役立つかを理解している。


「このHEATは自分にとって重要な大会だから集中していましたが、波が本当に楽しくて人々が親切だから、ここでの時間も楽しもうとしてます」と松田は語った。
「最近は良い結果が出てなかったから、ここで結果を出したいけど、サーフィン自体も楽しみたいです。
海の中では結果なんて考えず、ただ波に集中しています。 厳しいHEATになるのは分かっていたし、波の状況も一日で大きく変わったので、勝てて本当に嬉しいです。母と一緒に来ていて、この美しい場所を楽しんでいます」
さらに2人のグーフィーフッター、川瀬心那(JPN)と松岡亜音(JPN)がクオーターファイナルで勝ち上がり、ディフェンディング・イベント・チャンピオンの野中美波(JPN)がレギュラーフッターとして唯一残った。


野中美波はこの日も女子競技で最高得点となる11.50のHEAT合計をスコアした。今シーズン序盤、川瀬は地元日本で開催されたQS2000で連勝を勝ち取っており、21歳の彼女は今回、QS4000レベルでは初となる準決勝進出を果たした。


女子LQS準決勝では田岡なつみ(JPN)と井上桜(JPN)がそれぞれマラ・ロペス(PHL)とカイラ・ジェーン・デラ・トーレ(PHL)を破り、日本勢による決勝戦が実現した。
井上家の三兄妹の中で最年少の桜は、兄の井上鷹と姉の楓(いずれもロングボードツアーの選手)に続き、自身初のLQSファイナルズ進出を果たした。
「今日のコンディションは予想以上に波が高く、練習していないボードでのライディングは難しかったが、勝ち上がれて良かったです」と井上は語った。「次は田岡なつみとの対戦となります。日本人同士だと少し気が楽です。とにかくファイナルだから、もっと良い波を掴みたいですね」

男子LQS準決勝はフィリピン人同士の対決となり、2025年ロングボードツアー出場権を争う選手と、2026年出場権獲得を目指すサーファーが対戦した。
最初の試合ではジュン・エスキベル(PHL)とロジェリオ・ジェイ・アール・エスキヴェル(PHL)の兄弟が激突。しかし試合は兄ロジェリオが完全にコントロールし、終始優位に立った。
2試合目では、エドガー・カルボ・ジュニア(PHL)とジョマリー・エブエザ(PHL)が激闘を繰り広げた。

リードが何度も入れ替わる接戦となったが、2025年ロングボードツアーの新人エブエザが7.75を記録。終了ブザーが鳴った時点で、カルボはほぼエクセレントスコアが必要となる状況に追い込まれた。
QS女子セミファイナル
H1川瀬心那 vs 松岡亜音
H2松田詩野 vs 野中美波
QS男子セミファイナル
H1西優司 vs 稲葉玲王
H2
LQS女子ファイナル
田岡なつみ vs 井上桜
WSL ASIAのQS大会予定
11/26-30 ウエストパプア / マノクワリ
QS 2000「Manokwari Pro Pro Junior(2025年ジュニア最終戦)」
12/11-17 中国海南島 / 万寧市日月湾
QS 4000「WSL International Wanning Corona Cero Pro Pro Junior」
ゴールドコースト・オープンQS4000(オーストラリア・クイーンズランド州バーレーヘッズにて2026年2月18日~22日開催)のエントリー受付を開始したことをWSLが発表した。
本大会はアジアおよびオーストラリア/オセアニアのデュアル公認大会となる。すでに数名の日本人選手がエントリーしている。
Wanning Pro Juniorは、来年度の2026年アジア・ジュニア・ランキングにカウントされる大会となります。マノクワリ・プロジュニアが、2025年ジュニアシリーズ・ランキングにカウントされる最終大会となります。
2025年バレアー・インターナショナル・プロは、2025年11月17日から23日までサバンビーチで開催される。詳細情報や結果については、www.WorldSurfLeague.com を参照するか、無料のWSLアプリをダウンロードすること。




