田岡なつみがクオーターファイナル進出。WSLロングボードツアー第3戦サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシック大会初日

田岡なつみ Credit: WSL / Max Physick

アラブ首長国連邦アブダビ、フダイリヤット島(2025年10月24日金曜日) 2025年ワールド・サーフ・リーグ(WSL)ロングボードツアー第3戦サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシックがスタートを切った。

 

本日から10月26日まで、世界最高のロングボーダーたちが中東で競い合う。大会初日は女子のオープニングラウンドからキックオフし、続いてラウンド2が行われる。明日2日目は男子オープニングラウンドとラウンド2、最終日に男女QF、SF、ファイナルというスケジュール。

 

 

 独自の競技フォーマットと先進的なウェイブテクノロジーが導入され、トップ選手たちの実力が試される。第2回サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシックの頂点に勝ち取る者は誰か。

 

大会フォーマットは、オープニングラウンドは各ヒート4名のサーファーが出場する。ヒート勝者のトップ通過の選手は直接クオーターファイナルへ進出。そして、ラウンドを通じて次に高いスコアを記録した上位6名がラウンド2へ進む。

 

この試合が終了した時点でのランキング上位8名がサーフシティ・エルサルバドル・ロングボードチャンピオンシップへ進むため、各ヒートでプレッシャーがかかる。

 

サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシック第1ヒートには、現ランキング4位のクロエ・カルモン(BRA)に加え、13歳のジンジャー・カイミ(ITA)、シヴ・ジャラード(ASM)、クリスタル・ヒューレット(RSA)が出場。

 

ヒューレットはサーフシティ・エルサルバドル・ロングボードチャンピオンシップの出場権獲得ライン外に位置している。

レクサスUSオープン・オブ・サーフィンで3位、ベルズビーチで5位を獲得したクロエ・カルモンは、ロングボードチャンピオンシップへのスポットを確実にするため、アブダビで3位以上に入る必要がある。

 

吉川広夏  Credit: WSL / Max Physick
吉川広夏  Credit: WSL / Max Physick

 

現在ランキング2位のアヴァロン・ガル(USA)と3位の吉川広夏(JPN)は既に2025年サーフシティ・エルサルバドル・ロングボードチャンピオンシップのクオリファイが確定しているが、アブダビの第3戦でも勢いを維持したいところ。

 

井上楓  Credit: WSL / Max Physick

 

ガルはヒート3で、ワイルドカード出場のジャスティン・デュポン(FRA)、ホノルア・ブルームフィールド(HAW)、井上楓(JPN)と対戦。

 

3度の世界ロングボード王者ブルームフィールドは2021年にウェイブプールで実績を残しており、その経験をオープニングラウンドで活かすだろう。一方、ロングボードツアールーキーである井上はキャリア初の突破を目指す。

 

しかし、ヒートは予想を遥かに超えるエクセレントヒートとなり、アヴァロン・ガル(USA)が9.33、ホノルア・ブルームフィールド(HAW)が8.67を含む3本のエクセレントをスコア。井上も7.00と6.17という好スコアを出すも惜しくも3位。

オープニングラウンドのトップ6に入ってラウンド2に進んだ井上だったが惜しくも5位でラウンドアップならず。9位でフィニッシュとなった。

 

吉川広夏はH2でメイソン・シュレマー(USA)、田岡なつみ(JPN)、コーラル・サラス(HAW)と対戦。サーフ・アブダビのウェイブプール初参戦の吉川は、波との歯車が最後まで噛み合わず、スコアを伸ばせずに3位で敗退。SNSで波に対する恐怖心があったことを明かした。

 

「初めてのアブダビプールでの試合、最後まで波への恐怖心が無くならず、メンタルも上手くいかず最低な試合をしてしまいました。たくさんの応援ありがとうございました! 世界トップのライディング見て、色々と吸収し切り替えて次、頑張ります!」

 

 

田岡なつみがクオーターファイナル進出

 

田岡なつみ Credit: WSL / Max Physick

 

一本乗るごとに大きなプレッシャーがかかるこの「サーフ・アブダビ」。2度目の経験を活かした田岡なつみが見事なパフォーマンスを披露し、日曜日のファイナルラウンドへの進出を決めた。

 

ヒート後のインタビューで、彼女は「緊張しすぎないように、ただ楽しむことだけを考えていました」と、プレッシャーを乗り越えた秘訣を語った。その言葉通り、ヒート開始直後の1本目の波で7.17ポイントという高得点をマーク。「あの一本で自分のリズムを掴むことができました」と笑顔を見せた。

最終的には2本目のライトで7.20、レフトで6.37とスコアを伸ばし、ヒートトータル13.57でトップでクオーターファイナル進出を決めた。

 

また、今シーズンは思うような結果が出せていなかったと明かし、「あまり考えすぎずに、この完璧な波を楽しむことに集中しました。またここで戦うチャンスを得られて本当に嬉しいです」と、この勝利の重要性を語った。

 

インタビューの最後には、日本のファンへ向けて日本語でメッセージを送った。


「日本で応援してくださる皆さん、ありがとうございます。1位でラウンドアップし、日曜日のラウンドに駒を進めることができました。次の試合も頑張りますので、応援よろしくお願いします!」と力強く語り、感謝の気持ちと共に次戦への意気込みを示した。

 

バリ島で行われたイベントで優勝し、見事な集中力と楽しむ心で重要な一勝を掴んだ田岡なつみ。日曜日の決勝ラウンドでのさらなる活躍に期待がかかる。

 

サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシックはWorldSurfLeague.comでライブ配信中だ。

 

サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシック 女子第2ラウンド結果:

1位 – ホノルア・ブルームフィールド(HAW) 9.80

2位 – アリス・リモイン(FRA)

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3 – エミリー・レスブリッジ(AUS) 7.17

4 – ナタリア・ワンダーリッヒ(HAW) 6.77

5 – 井上楓(JPN) 6.40

6 – オフェリー・ア・クエン(FRA) 2.33

 

サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシック 女子クオーターファイナル マッチアップ:

HEAT 1:レイチェル・ティリー(USA) vs. タリー・ホワイト(AUS)

HEAT 2:アヴァロン・ガル(USA) vs. アリス・リモイン(FRA)

HEAT 3:クロエ・カルモン(BRA) vs. 田岡なつみ(JPN)

HEAT 4:ケリス・カレオパア(HAW) vs. ホノルア・ブルームフィールド(HAW)

 

サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシック女子オープニングラウンド結果:

HEAT 1:クロエ・カルモン(BRA)15.57 DEF. ジンジャー・カイミ(イタリア)9.73、クリスタル・ヒューレット(RSA)9.10、シヴ・ジャラード(アメリカ領サモア)8.40

HEAT 2:田岡なつみ(JPN)13.57 DEF. メイソン・シュレマー(USA)12.27、吉川ひろか(JPN)8.54、コーラル・サラス(USA)5.67

HEAT 3:アヴァロン・ガル(USA)17.16 DEF. ホノルア・ブルームフィールド(HAW)17.00、井上楓(JPN)13.17、ジャスティン・デュポン(FRA)11.64

ヒート4:ケリス・カレオパア(HAW)15.66 DEF. アリス・リモイン(FRA)15.43、キラ・モルナー(AUS)10.46、マリア・イラガン(USA)10.04

HEAT 5:レイチェル・ティリー(USA)13.50 DEF. ナタリア・ワンダーリッヒ(HAW)13.26、キャッシュ・フーバー(USA)12.34、ルアナ・ソアレス(BRA)11.86

ヒート6:タリー・ホワイト(オーストラリア)15.66 DEF. ソフィア・カルヘイン(HAW)12.73、エミリー・レスブリッジ(AUS)12.40、オフェリー・ア・クエン(FRA)10.70

サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシック 男子オープニングラウンドのマッチアップ:

ヒート1:テイラー・ジェンセン(USA)vs. エドゥアール・デルペロ(FRA)vs. ジョマリー・エブエザ(PHL)vs. ジェフソン・シルバ(BRA)

ヒート2:マックス・ウェストン(AUS)vs. ジョン・マイケル・ヴァン・ホーエンシュタイン(HAW)vs. スティーブン・ソイヤー(RSA)vs. イグナシオ・ピニャタロ(URY)

HEAT 3:カイ・エリス=フリント(AUS)vs. 井上鷹(JPN)vs. オリバー・パッカム(RSA)vs. カイ・マクフィリップス(USA)

HEAT 4:ケビン・スクバーナ(USA)vs. カイ・サラス(HAW)vs. ベン・スキナー(イギリス)vs. サム・クリスチャンソン(RSA)

HEAT 5:ロジェリオ・ジェイ・アール・エスキヴェル(PHL)vs. カニエラ・スチュワート(HAW)vs. チェイス・リーダー(USA)vs. アントニオ・ダンタス(POR)

HEAT 6:デクラン・ワイトン(AUS)vs. コール・ロビンス(USA)vs. クリントン・ゲスト(AUS)vs. トニー・シルヴァーニ(USA)

 

 

ライブ中継を見る

サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシックは、2025年WSLロングボードツアーの第3戦。競技期間は2025年10月24日から26日までで、WorldSurfLeague.comと無料のWSLアプリでライブ中継される。

2025年サーフ・アブダビ・ロングボード・クラシックは、モドン、サーフ・アブダビ、アブダビ文化観光局の協賛により開催される。

詳細はWorldSurfLeague.comを参照のこと。