現地からオーストラリアの最新情報を伝える【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】。今回はキラ・チームチャレンジのリポートなどからインドネシア・ボートトリップも。今回はバニャックエリアからテロアイランドエリアまでをクルーズ。
取材、文、写真:菅野大典
8月のゴールドコースト。
晴れた日はとても暖かく、空気の澄んだ綺麗な空が広がっています。
海の上にくっきりと映し出されているサーファーズパラダイスの高層ビル。
外の空気が気持ちいいこの時期は、見晴らしの良い場所にたくさんの人が集まります。
ゴールドコーストの波の状況は上旬からサイズのある日が続き、この時期に見合わず波に恵まれる月となりました。
ポイントブレイクからビーチブレイクまでさまざまな場所で良いコンディションが続いた8月。水も綺麗に透き通り気持ちの良いセッションができました。
2週間ほどゴールドコーストに滞在していた岡野漣。波にも恵まれ良いトレーニングができていた様子でした。
8月1日から3日には、今年3月に発生したサイクロン『アルフレッド』の影響で延期になっていたキラ・チームチャレンジがDーBAHで開催。

このイベントはオーストラリア全土から合計32ボードライダーズクラブが集まり、それぞれの代表選手(オープン6名、ジュニア2名)による個人戦の合計点(1位4pt、2位3pt、3位2pt、4位1pt)によって順位が決められる、世界でも最も長い歴史を持つサーフィンのチームイベント。
今回の賞金総額は14,250ドル(優勝6000ドル)あり、多くのメンバーが試合に出れることから各クラブにとっても重要なイベントとなっています。
毎試合がファイナルなので1位の選手は担がれたり、トンネルを作ったりと大盛り上がり。代表でないチームメンバーも前に出て旗を振りながら応援しているのが印象的でした。
素晴らしいエアリバースを決め10ptと9ptをスコアした、スカボローボードライダーズのマニックス・スクイアーズ。
普段試合で見れない選手も観れるのがボードライダーズのチーム戦。スタブの今後の注目シェイパーに名を連ねたコービーもキラボードライダーズの代表として参加。
バーレーヘッズボードライダーズのヘッドコーチを務めている相澤日向。チームメイトのコーチをするだけでなく自身も代表選手としてヒートを勝利していた。
最終日はサイズが上がり極上のコンディション。フリーサーファーもコンテスト範囲ギリギリの位置までステイしながら、良い波に乗ろうと海に張り付いていました。
ファーストライドから8ptを出しチームの勝利に貢献したヌーサボードライダーズのベン・ローレンソン。
素晴らしいライディングを繰り出し、見事自分のヒートを勝ちとったパームビーチボードライダーズ代表の井上龍一。
多くの日本人サーファーが所属するパームビーチボードライダーズ。1ヒートながらチームの代表としてヒートを勝ち上がるのは嬉しい。
総合優勝は8名中7名の代表選手が1位を獲得するという驚異的な強さを見せたスナッパーロックスボードライダーズが優勝。
同じ日程でキラビーチでは、キラ・ロングボード・クラシックが、サンシャインコーストのサンシャインビーチではクイーンズランド州スクール・サーフィン・タイトルが開催。イベント盛りだくさんの週となりました。
サウスコースト代表メンバーとして高橋花音と高橋花梨が選出。アンダー19ガールズのディビジョンで高橋花音が2位となった。
8月4日にはこの時期には珍しい大型の低気圧が、オーストラリア東海岸の沖合に発生し素晴らしいうねりを届けてくれました。
夏のサイクロンスウェルまでとはいかないものの、キラの波らしい高速バレルが出現。オフシーズンには嬉しいサイズのある波のブレイクが届きました。
ジェットスキーも出現。キッズ達も学校を終わりに急いで駆けつけ、貴重なキラの波を味わっていました。
グリーンマウントには何発もアクションを入れれるロングウォール。
シドニーのクイーンズクリフでは、トム・マイヤーが4月に引き続きエピックなバレルをメイク。PHOTO :@stunet
低気圧が離れた後もしばらくうねりが続き日が暮れるまでたくさんのサーファーが、さらに8月下旬にもまた大きなうねりが届き、オフシーズンながら波に恵まれた8月となりました。
インドネシアのボートトリップへ
私ごとですが、今月はインドネシアのボートトリップに行ってきました。前回のメンタワイのボートトリップも記事で書かせていただきましたが、
(https://surfmedia.jp/2024/04/27/australia-dnews-46/)今回のトリップ先はバニャックエリアからテロアイランドエリアまでをクルーズしてきました。

バニャックエリアを代表するサーフポイントであるトレジャーアイランド。コンディションによっては1つの波でトリプルバレルが出現するワールドクラスのサーフポイント。
普段はなかなかうねりの入りにくい場所が多いですが、ハイシーズンであるこの時期は大きなうねりが入る事もあり、初日から大当たりとなりました。


今回一緒に旅をした和光大。なかなか巡り会うことのできないトレジャーアイランドの波に興奮し何度もバレルに身を包んでいました。

ボートトリップでの撮影はいつも大変。何回も経験していますが、このトレジャーアイランドへの上陸は今までで1番困難でしたが、それだけ価値のある波が割れていました。なかなか陸からの映像が少ないポイントで貴重な経験ができました。

波を求めてどこへでも足を運ぶ須藤裕司。今回のトリップでトレジャーアイランドにうねりが入る事を知り、休む間もとらずに海に浸りながらチャージしていました。

近場にたくさんのサーフポイントが広がるベイオブプレンティー。中心となるガンタースというポイントは生きた珊瑚がボトムに広がり、綺麗な夕焼けも広がり、豊富な自然の中でファンウェーブを満喫しました。

サイズが下がる頃に南下し、ニアスの北部にあるASC(ASIA SURF CO)のイベントも行われたアフルへ。
風がすぐに吹き出し、朝1のみのセッションとなってしまったが、質の高い波がブレイクしていました。近場にもたくさんのサーフポイントがあるそうで、是非また訪れてみたい場所となりました。

ニアス中部の沖合に並ぶヒナコ諸島。波はそこまでだったのですが、水が透き通り、綺麗な自然と仲間と貸し切りサーフィンというボートトリップの醍醐味から、個人的には一番印象の強い場所となりました。

旅の終盤は、小さな島がいくつも点在するテロアイランドへ。サーフポイントが無数に広がるこの地域は、どのレベルのサーファーも楽しめる場所。ファンウェーブを満喫しました。
インドネシアのボートトリップといえばメンタワイを想像してしまいますが、ハイシーズンとなると至る場所でワールドクラスの波がブレイクしています。波の豊富さで言うとメンタワイが人気の場所となっていますが、それだけ混雑も。
今回のトリップでも空港でCT選手やトップのフリーサーファーに会ったりと、やはりこの時期のインドネシアは特別な場所であると感じました。まだまだ発見されてない未知のサーフポイントも点在していそうで、ボートトリップの世界もどのように発展していくのか、今後に期待の膨らむ旅となりました。

前回のメンタワイトリップと同様、今回もメンタワイサーフトリップのスターコート2でクルーズさせていただきました。
また現在は、初の単独日本人オーナーによるインドネシアボートトリップの船を造船しており、今後の日本のサーフィン界を盛り上げる事と日本人サーファー(選手、フリーサーファー問わず)の育成を応援する計画を進行しています。
世界サーフトリップでもなかなか手の届かない究極のサーフトリップであるボートトリップ。新たな発表をお待ちください!!
今月はオーストラリアとインドネシアからお届けしました。
菅野大典:オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして13年余り。サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、昨年は大村奈央の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。
INSTAGRAM :https://www.instagram.com/nojiland/





