五十嵐カノアのワールド・チャンピオンシップツアーでの舞台裏を記録する「EYE OF THE STORM」のエピソード25が公開

五十嵐カノアのワールド・チャンピオンシップツアーでの舞台裏を記録したシリーズ「EYE OF THE STORM」のエピソード25が公開された。この映像では、ドリーム、モーメント、そしてメモリーを追い求めるカノアの1年の軌跡を描く。

 

 

エピソード 25「SHARK IN A HEAT! 」では、ジェフリーズ・ベイでコンテストがスタート。ヒートとフリーサーフィンの合間に、ラインナップでサメが登場。

 

「まるでトライアスロンだよ。スイム、サーフ、ラン…あとはバイクだけだね!」

 

熱気に包まれた大会当日。カノアは、厳しいコンディションの中での戦いをそう表現した。刻一刻と変化する波と風、そして予期せぬ中断。トップサーファーたちが繰り広げる戦いの裏側には、想像を超えるドラマが隠されていた。

 

ヒートの時間は残りわずか。優先権を手にし美しい波を捉える。「ヒア・ウィー・ゴーズ!」実況の声が響く中、カノアは波の壁に見事なカーブを刻み込み、次のセクションへと滑り込んでいく。フィニッシュまで全力を出し切るその姿に、観客は固唾をのむ。

 

「あれはきつかった。本当に大変だったよ」ヒートを終えたカノアは、陸に上がると息を切らしながら語り始めた。「あの瞬間、風が信じられないくらいひどくなったんだ。強すぎて、ただの”チョッピー”で、まともにサーフィンできなかった。ボードのレールを維持することさえできなくて、『これじゃターンもできない、どうすればいいんだ』って感じだったよ」

 

悪コンディションの中でも、彼は一瞬のチャンスを逃さなかった。仲間から「でも、いい波を掴んだじゃないか」と称賛されると、「そうだね、あの波がうまく自分を押し込んでくれたから乗れたんだ」と、安堵の表情を見せた。

 

静寂を破る衝撃の訪問者

 

大会は一時中断。選手や関係者が次の展開を待っていると、沖で信じられない光景が目撃された。モニターに映し出されたのは、悠然と泳ぐ巨大なサメの姿だった。


「信じられない…ジェットスキーより大きいぞ!」

 

現場には驚愕と緊張が走る。その大きさは推定4メートル。まさに海の主とも言える存在が、選手たちが戦っていたラインナップを漂っていたのだ。「もうサーフィンしなくて済んでよかったよ…」と本音を漏らす。恐怖と同時に、その圧倒的な存在感に畏敬の念を抱いているようだった。

 

決戦は金曜日へ

 

このサメの出現と、不安定なコンディションを考慮し、大会運営は準々決勝以降のスケジュールを金曜日に延期することを決定。「ファイナルズデーは金曜日に100%開催する」とのアナウンスがされた。

 

カノアは、この予期せぬ休息日をウォームアップと調整に充てる。「しっかり準備して、金曜日のゲームデーに備えるだけさ」その言葉には、次なる戦いへの静かな闘志がみなぎっていた。

 

波との戦い、自然の脅威、そしてファンとの絆。様々なドラマが交錯する中、大会はクライマックスへと向かう。決戦の金曜日に波はかなり良さそう、一体どんな戦いが繰り広げられるのだろうか。期待は最高潮に達している。

 

制作:ベルナルド・カロ・デ・ソウザ、五十嵐カノア