エリン・ブルックスのCT入り確定。都筑有夢路も大逆転でベスト16進出。CS最終戦コロナ・サクアレマ・プロ

ブラジル、サクアレマ、プライア・デ・イタウナ(2024年10月13日(日)) – ワールド・サーフ・リーグ(WSL)CS最終戦のコロナ・サクアレマ・プロ presented by Banco do Brasilでは、短いながらもインパクトの強い一日となった。

女子ラウンドオブ32は、プライア・デ・イタウナの3フィートから4フィートのクリーンなコンディションでスタート。8ヒートが行われて終了、男子のヒートはオフとなった。

 

Highlights from Day 2 of the Corona Saquarema Pro presented by Banco Do Brasil

 

次世代のスター、エリン・ブルックス(CAN)が、2025年のチャンピオンシップ・ツアー(CT)へのクオリファイが決定した。

 

この日を迎える時点で、女子の5つのCTスポットのうち2つしか残っていなかったが、トップシードの選手たちが登場した時点で、10人のサーファーが争っていた。

 

激化する女子のクオリファイレースの行方

 

父親と抱き合って喜ぶエリン・ブルックス(CAN)© WSL / Thiago-Diz

 

前回のポルトガルで開催されたEDPエリセイラ・プロでクオリファイを決めたサリー・フィッツギボンズ(AUS)、ベラ・ケンワージー(USA)、イザベラ・ニコルズ(AUS)の3名に次いで、ブルックスとナディア・エロスターベ(EUK)はランキングトップ5に入った。

 

しかしエロスターベを含む複数の女子選手が早々に敗退し、ブルックスは今日のヒートで勝ち進むことでクオリファイのチャンスが生まれた。エロスターベは敗退したものの、ライブランキングでの順位は維持しており、今後は他の選手の動向を見守ることとなった。

 

最後に逆転して勝ち上がったルアナ・シルバ(BRA)は安堵の表情を浮かべる© WSL / Thiago-Diz

 

一方、ブロンテ・マコーレイ(AUS)、アリッサ・スペンサー(USA)、キラ・ピンカートン(USA)、テッサ・タイセン(FRA)のキャンペーンは早々に打ち切られたが、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)、ルアナ・シルバ(BRA)、ヨランダ・ホプキンス(POR)、ソフィア・メディーナ(BRA)は夢を生き続けるために勝ち進んでいる。

 

 

ディフェンディング・イベント・チャンピオンのエリン・ブルックスがCTクオリファイ

 

イザベラ、エリン・ブルックス(CAN)© WSL / Thiago-Diz

 

ヒートにパドルアウトするまでは、そのシナリオを知らなかったものの、ブルックスはサクアレマで良いパフォーマンスをしなければならないことは理解していた。

今シーズン最初のイベントである「Bonsoy ゴールドコーストプロ」で優勝し、次の「GWMシドニー・サーフ・プロ」では2位となったカナダ出身の彼女は、プレッシャーが高まるにつれ、不安定な結果に苦しんでいた。

 

この波で9ポイントをスコアしたエリン・ブルックス(CAN)© WSL / Thiago-Diz

 

しかし、今日、彼女はヒート勝利をほぼパーフェクトな9.00という、これまでのイベント最高得点で飾り、2025年のCTルーキーの座を確実にした。

 

エリン・ブルックス(CAN)© WSL / Thiago-Diz
エリン・ブルックス(CAN)© WSL / Thiago-Diz
エリン・ブルックス(CAN)© WSL / Thiago-Diz

 

「とても素晴らしい気分です」とブルックスは語った。「ビーチのアナウンサーがクオリファイを告げたので、もちろん嬉しいのですが、私はもう1ヒート戦わないといけないと思っていました。

ですから、私はまだクオリファイしたことを知らず、父や他のみんなに確かめたんです。本当にクオリファイしたのかと。

本当に最高の気分です。神様は本当に素晴らしいです。なぜなら、神様は私にサーフィンを上達させる良い方法を与えてくれたのですから。ここ数回のイベントではあまり良い結果を出せていなかったので、今回は本当に緊張していました。最後のイベントというだけで、大きなプレッシャーを感じていました。ただ、今はとても幸せです。」

 

エリン・ブルックス(CAN)© WSL / Thiago-Diz

 

17歳のブルックスにとって、CT初体験は歴史に残るものとなった。ワイルドカードで出場した2024年のコロナ・フィジー・プロで優勝し、世界チャンピオンのステファニー・ギルモア(AUS)とタイラー・ライト(AUS)に続く、デビュー戦優勝を果たした6人目の女性となったのだ。CTクオリファイの重圧から解放されたブルックスは、2023年のサクアレマでの優勝を再現することに集中している。

 

「私はサクアレマが大好きです。間違いなく、チャレンジャーの中で一番好きな場所です。昨年ここで優勝し、今年はここでクオリファイすることができました。

本当に素晴らしい場所で、とても美しく、海の中から教会が見えます。神様がどれほど素晴らしいか、そして、神様が私たちに用意してくださったこの美しい世界で、このコンテストがどれほど素晴らしいかを考えていました。」

 

ブラジリアンのルアナ・シルバとソフィア・メディーナ、ヴァヒネ・フィエロとともにクオリファイを目指す

 

ヴァヒネ・フィエロ(FRA)© WSL / Thiago-Diz

 

ヴァヒネ・フィエロ(FRA)は、CTクオリファイの望みを繋ぎとめるためには勝利が必須であることを理解した上で、強豪ひしめくヒートに参戦した。

フィエロは、同じくクオリファイの可能性があるソフィア・メディーナ(BRA)と、ペルーのオリンピック代表選手ダニエラ・ロサス(PER)、そして初日トップパフォーマーのひとりアレクシア・モンテイロ(BRA)と対戦した。

スローで緊張感のあるヒートが展開され、フィエロの序盤の5ポイントライドが高得点となり、メディーナは僅差で2位をキープし、進出を決めた。

 

フィエロは、チャレンジャー・シリーズ・シーズンの最終イベントに4年連続で出場し、CT資格を得る可能性が高いポジションに今回もつけている。

 

2017年のWSLワールドジュニアチャンピオンは、CSランキングで6位につけ、予選通過ラインの1つ下のスポットにいるが、サクアレマで好成績を収めなければ、その1つ上のスポットに上がることはできない。

 

ヴァヒネ・フィエロ(FRA)© WSL / Daniel-Smorigo

 

「私はヒートごとにすべてが重要だと考えています。そして、ここに来るにあたって、このようなポジションに立てたことをとても嬉しく思っています」とフィエロは語った。

 

「ブラジルには、ヒート勝利のために利用できるエネルギーが溢れていると感じます。そして、ヒートは少しスローペースでした。前のヒートでは良い波がたくさんあり、良いスコアが続きました。そして私たちのヒートではスローペースになりました。私は、アベレージな波をスコアに変えることができて良かったです、ボードのフィーリングも最高です。」

 

ソフィア・メディーナ(BRA)© WSL / Thiago-Diz

 

メディーナは恐らくファイナルに進出しないとクオリファイはできないが、彼女の同胞であるルアナ・シルバ(BRA)はフィエロと直接対決することになる。

シルバはカナダのオリンピック代表サーファーであるサノア・デンプフレ・オリン(CAN)に次いで2位で厳しいヒートを勝ち抜いた。2人はキラ・ピンカートン(USA)と松岡亜音(JPN)とのデッドヒートを勝ち抜いた。シルバは次ラウンド16でエリン・ブルックス(CAN)と対戦する。

 

ヨランダ・ホプキンス、イベント最高得点をマーク。

 

ヨランダ・ホプキンス(POR)© WSL / Thiago-Diz

 

元CTサーファーのブロンテ・マコーレイ(AUS)を抑えたヨランダ・ホプキンス(POR)はヒート終了1分前に波を掴み、ライト方向へパワフルなフォアハンドの連続3ヒットを決め、6.83に7.83を加え、女子ヒート最高得点となる14.66をマークした。

マコーレーは次の波で妥協せざるを得なかったが、その波では1ターンしかできず、8.17というエクセレントなスコアをスコアしたノラ・リオッタ(HAW)を上回るには不十分だった。

 

ヨランダ・ホプキンス(POR)© WSL / Daniel-Smorigo

 

CSランキング9位のホプキンスは、CT出場権を得るためには好成績が必要だが、26歳のオリンピック2回出場選手は、そのことを考えずに、この経験を楽しむことに集中しようとしている。

 

「私はブラジルが本当に好きですが、これまでここで良い成績を収めたことがありません」とホプキンスは語った。「少し考え方を変えてみようと思ったんです。波は最高に楽しいですからね。サクアレマで見た中で一番いいと思います。フリーサーフィンも本当に楽しんでいます。他の年は自分にプレッシャーを感じていましたが、今年は自分のサーフィンを信頼しています。友達と一緒にいるので、とにかく楽しいです」

 

 

都筑有夢路が大逆転でベスト16進出。

 

都筑有夢路 © WSL / Thiago-Diz

 

都筑有夢路は、ラウンドオブ32のH6でCTリクオリファイを目指すアリッサ・スペンサー、テッサ・タイセン、アネット・ゴンザレス・エチャバリと対戦。ヒート前半は全く波とリズムが合わずにスコアを伸ばせなかった都筑。

 

都筑有夢路 © WSL / Daniel-Smorigo
都筑有夢路 © WSL / Daniel-Smorigo

 

前半はスペンサーとタイセンがヒートをリードしたが、ヒート後半に都筑は5.03をスコアして3位に浮上。

そして、残り時間2分を切って、クリティカルなビッグターンとクローズセクションでのリエントリーを決め、ガッツポーズも出てエクセレントの8.00をスコア。

 

トータル13.03をスコアして一気にトップへ躍り出てラウンドオブ16へ勝ち進んだ。 ラウンドオブ16ではヒート6ではスペインの姉妹ジャニール・ゴンザレス・エチェバリと対戦する。

 

都筑有夢路 © WSL / Thiago-Diz

 

「最初の20分は波を見つけられずにいたんですが、自分ならできるって言い聞かせて、最後に8ポイントの波をつかめて本当に嬉しかったです。やっと自分のサーフィンが出来て、次も応援よろしくお願いします。」と都筑が語った。

 

野中美波© WSL / Daniel-Smorigo
松岡亜音 © WSL / Daniel-Smorigo
都築虹帆 © WSL / Thiago-Diz

 

女子ラウンドオブ32ではH2で昨日ワンターンで7ポイントを叩きした都築虹帆が登場するも惜しくも敗退。

H7の松岡亜音はスタートから好調にスコアを伸ばしてリードするも、終盤のデッドヒート中で逆転されて惜しくも敗退。H8の野中美波もチャージを見せたが惜しくも敗退となった。

 

明日の大会3日目でトップシードが登場する男子ラウンドオブ64がスタートとなれば、H5大音凛太、西慶司郎、H-10大原洋人、H-11伊東李安琉が登場する。

 

ライブ中継を見る

コロナ・サクアレマ・プロ presented by Banco do Brasilは、10月12日から10月20日まで、ブラジルのサクアレマのプライア・デ・イタウナで開催される。この大会はWorldSurfLeague.com無料のWSLアプリでライブ中継される

オフィシャルサイト:Corona Saquarema Pro

Presented By Banco do Brasil

Saquarema, Rio de Janeiro, Brazil