現地からオーストラリアの最新情報を伝える【SURFMEDIAオーストラリアSURFNEWS】。第51回となる9月のゴールドコースト。AUSTRALIAN ロングボード・タイトル、キラジュニア&ウィメンズチームチャレンジが開催。
取材、文、写真:菅野大典
9月のゴールドコースト。
北風の吹く日が続き暖かい日が続いています。月末こそ天候が崩れたものの、晴れた日の日中は25度程度となりとても過ごしやすい季節になっています。
毎年カランビンで行われているスウェルイベント。綺麗に舗装されているゴールドコーストの海沿いではイベントも盛んに行われています。
ビーチの目の前の芝生では、ヨガなどのエクササイズのレッスンも頻繁に行われています。身体を動かす事が大好きなオージーには人気のアクティビティ。
昔と違い人口が増えたのとビーチ沿いが舗装されたのが理由なのか、移動手段としての電動バイクも最近よく見かけるようになりました。
建設ラッシュはハイライズだけでなく海沿いの施設も。日本と違い一度工事が始まると完成までにかかる時間は長いですが、ゴールドコーストの特色を生かした街づくりがされているように感じます。
ビーチではボードショーツ一枚で遊んでいる姿がたくさん。春を通り過ぎて夏を思わせる雰囲気が広がっています。
ゴールドコーストの波の状況は、ローシーズンという事もありコンディションの良くない日が続いています。
ほとんどの日の日中は、北風の吹く波の小さな日が続き、風をかわしてうねりを拾いやすいゴールドコーストの北端のスピットや、ツイードコーストのバックビーチが、メインの場となってサーフィンが行われています。
久しぶりにスウェルマグネットのD-BAHでカイトサーファー1人しかいない光景を見ました。
少しうねりが上がればスクールホリデーという事もありメジャーポイントは大混雑。
キッズを中心に夕方暗くなるギリギリまでサーフィンしている姿が見られました。
先月のビッグスウェルによりポイントの砂はなくなり湖状態に。スナッパーロックスの岩裏からブレイクする極上のライトハンドブレイクは見る影もありません。
レインボーベイにはたくさんのロングボーダーが。ブレイクの厚いコンディションを優雅にクルーズしています。
陽が登っている時間も長くなり夕方の時間にビーチに来る人も増えてきました。海を眺めているだけでも気持ちいい季節です。
ゴールドコーストの南に位置するフィンガルビーチ。一昔前では特別いいコンディションでない限りガラガラのイメージでしたが、今では人気のビーチに。
ロングボードからショートボードまでたくさんのサーファーで溢れていました。
月末には巨大な爆弾低気圧が突如現れ急激にサイズアップ。時間帯によっては良いコンディションもありましたが、雨風の強いストームコンディションとなりビーチはクローズになるなど、せっかくのサイズアップも過酷なコンディションとなりました。
カランビンではジェットスキーが何台も出てステップオフやトーインサーフィンが行われていました。
今ではサイズが上がれば当たり前のように使われているジェットスキー。プロサーファーだけでなく一般サーファーやキッズサーファーも使用している姿が見られます。
ゴールドコーストがいまいちな波の状況の中ですが、オーストラリアの南側に位置する場所はサーフィンのハイシーズン。まだまだ寒さが残る地域ですが、波のコンディションは良い状況となっています。
オーストラリアの秋から春までがハイシーズンとなるウェスタンオーストラリア。マーガレットリバーのメインブレイクでは素晴らしいコンディションに。PHOTO:Russell Ord
CTイベントが行われる事で有名なベルズビーチがあるビクトリア州のサーフコーストは、最近の10年間で最も良い9月とも言われており、今月だけでなく今年は大当たりの年となっています。PHOTO : @aframephotos
AUSTRALIAN LONGBOARD TITLEが開催。
9月12日から17日にNSW州のキャバリタビーチでAUSTRALIAN LONGBOARD TITLEが開催。各州で行われた予選を勝ち上がった選手と招待選手によってイベントが行われました。
アンダー18からオーバー70までの幅広い世代のオーストラリアンチャンピオンを決める大会。オープンディビジョンの優勝者は、来年度のISAワールドロングボードチャンピオンシップの代表権もかかる大事な一戦となっています。PHOTO:SURFING AUSTRALIA
オープンディビジョンで優勝したデクラン・ワイトンとタリー・ホワイト。WSLワールドツアーを回る実力者の2人が見事チャンピオンに輝いた。PHOTO:SURFING AUSTRALIA
キラジュニア&ウィメンズチームチャレンジが開催。
9月20日から22日にはキラジュニア&ウィメンズチームチャレンジが開催。オーストラリア中から総勢24クラブ(ジュニア)と12クラブ(ウィメンズ)のボードライダーズが集結。それぞれのクラブが代表メンバー(U-18、16、14の各男女、U-12の男子、オープン女子)を選出しヒートが行われました。
会場となったD-BAHにはオーストラリア中からボードライダーズが集結。
天気も良くサーフィンをしない一般人から選手までビーチにはたくさんの人が。普段の遊び場でサーフィンのイベントが行われているというのは、いかにゴールドコーストでサーフィンが身近にあるかが感じられます。
昨年のISA ワールドジュニアのアンダー18で2位のフレッチャー・ケレハー。フレッシュウォーターボードライダーズの代表メンバーとして出場。
ヒート終了間際に7.33pを出し見事大逆転勝利したバーレーボードライダーズのチャーリー・ヘイトリー。
代表メンバーの試合をみんなで旗を振りながら応援し、戻ってきたら祝福。毎ヒートがファイナルなので常に盛り上がりが続いています。
女子ながらアンダー18のボーイズのヒートに出場していたノースエンドボードライダーズ代表の斎藤麗。
ヒート序盤に痛恨のインターフェアを犯しながらもその後に落ち着いてスコアを重ね、見事ヒート勝利を収めたパームビーチボードライダーズ代表の丸山晴凧。
現在通っているPBC高校を11月に卒業する予定のハルタ。高校生活最後の年に嬉しい勝利を飾りました。
圧巻の演技を見せたのは昨年度のISAジュニアチャンピオンであるデーン・ヘンリー。じっくりと良い波だけを選び高得点を連発。
8.33pt、9.27ptとスコアし、最後には10ptライドをスコア。小波の試合ながら格の違いを見せつけた。
ジュニアではスナッパーロックス、ウィメンズではバーレーヘッズのボードライダーズが優勝。ゴールドコーストの2大クラブが層の厚さを見せる形となりイベントが閉幕しました。
10月からはオーストラリアンボードライダーズバトル(通称ABB)の予選が各州で開催しています。
2024/25 Hyundai Australian Boardriders Battle Series
Event 1 – ABB WA州 – 14th Sept – Trigg Beach
Event 2 – ABB NSW州 North – 28th Sept – Coffs Harbour
Event 3 – ABB VIC州 – 6th Oct – Phillip Island
Event 4 – ABB QLD州 -12th Oct – Sunshine Coast
Event 5 – ABB South Australia州 – 19th Oct – Fleurieu Peninsula
Event 6 – ABB Tasmania – 26th Oct – Clifton Beach
Event 7 – ABB NSW州 South – 2nd Nov – Wollongong
Event 8 – ABB NSW州 Central – 9th Nov – North Narrabeen
Grand Final – 8th – 9th Mar – Burleigh Heads, QLD
今年3月に今までに類を見ないほどの大盛り上がりを見せたABBグランドファイナル。バーレーヘッズで行われる本選に出場できるかできないとでは大きな違い。
14日に行われたウエスタンオーストラリア州予選ではヤリンガップボードライダーズが優勝し、見事グランドファイナルの出場権を獲得。
9月28日に予定されていたNSW州北地区の予選は特大ストームでのコンディション不良の為、関係者とチームの代表者が話し合い延期する事に。重要な大会の予選ともあり慎重な判断が下されていました。
10月からはデイ ライト セービング(サマータイムによる時差)も始まり、夏ももう間近のオーストラリア。各州でのABBの予選やウエスタンオーストラリアでWSL QSのイベントも予定され、国内のサーフシーンも盛り上がりを見せてくれそうです。
菅野大典:オーストラリアのゴールドコーストを拠点にして13年余り。サーフボード・クラフトマンとして働きながら、サーフィン修行のために来豪する日本のサーファーをサポート。写真や動画撮影のほか、昨年は大村奈央の試合に帯同、大会のジャッジやサーフコーチなどマルチに活動している。
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