
ISA国際サーフィン連盟のYouTubeチャンネルで、公開中のパリオリンピックに出場する様々な国の選手を紹介するミッチェル・サラザールのオリンピック・インタビュー。その エピソード4に日本の五十嵐カノアが登場したので紹介したい。
このシリーズには、これまでブライアン・ペレス、ヨランダ・ホプキンス、アロンソ・コレアが登場。オリンピック開幕を前に様々な想いを語っている。今回カノアは日本語での取材では語られない思いが綴られているので要チェック。

Q:さて、ここで重要なのは、日本チームには現在4人のサーファーがいるということです。2022年にカリフォルニアのハンティントンビーチで開催されたISAワールド・サーフ・ゲームズでの活躍したことによって、男子に3人目の枠ができたわけです。
男子では、特にコナー・オリアリーが加わりました。日本チームは今週、ここタヒチにおいて、どれくらいの手応えを感じていますか?
Olympic Interviews with Mitchell Salazar – Episode 4: Kanoa Igarashi
KANOA:ええ、本当に大きな意味がありました。僕たちのためにその出場枠を空けてもらえたんですからね。2年前から目標に向かって努力してきたんです。
オリンピックはとても大きなイベントです。1週間前、2週間前から準備を始めるようなものではありません。何カ月も何カ月も、何年も前から準備をするんです。
そして今週、オリンピックに臨みます。チャンスは大いにあるように思いますね。チームは本当に団結しています。今はみんな一緒にステイしていて、完全に団結しています。
チーム間の相性は最高。もちろん、海の中ではコナーや詩野、レオをサポートするために僕ができることは何もないけど、後ろから支える気持ちというか、何かできると思うんです。それはISAの試合でずっとやってきたこと。それを大きなステージに繋げたいとと思います。
Q:会場となるタヒチにはどのような意味がありますか? そして、それがあなた自身にとってどのような意味を持つのか。
KANOA:そうですね。タヒチは自分にとってとても大切な場所。子供の頃ここに来ることをとても恐れていました。初めて本当に恐怖を感じたのを覚えています。
海における本当の恐怖がここにはあり、それを乗り越えて、海の中で自分の居場所と快適なサーフゾーンを見つけ、精神的なハードルを乗り越えることができました。
それ自体が僕にとって、どんな優勝やメダルや賞金よりも大きな意味を持っています。というのも、精神的に大きな障害を乗り越えることができたからです。
だから、幼少期から恐怖心を抱いていたチョープーを克服し、今こうしてオリンピックで、何年もかけて練習してきたことを発揮することができるのは、自分にとって特別なことなんです。
僕にとって本当に特別な気持ちで、気持ちよくサーフィンができることに興奮しています。本当にベストを尽くして、最高のパフォーマンスを見せられると思います。
ファンに違う種類のサーフィンを見せることができるなんて素晴らしいこと。
Q:チャンピオンシップ・ツアー選手の予選は、他の選手とは少し違っていましたね。そして、フォーマット自体はCTイベントに非常に似ています。どのように思いますか? 普段からこのような大会に出場していない他の選手と比べて、あなたのパフォーマンスにどのような影響があると思いますか?
KANOA:正直言って、最終的なゴールはみんな同じだと思います、 パドルアウトして、30分間でベストを尽くすということです。そして、どんなフォーマットで競技に慣れていようと、どんな海であろうと、海にパーフェクトなプレイブックはありません。
みんな同じ目標を持って 、2人でも、3人でも、4人でも。25分でも40分でも。プライオリティがあってもなくても。でも、結局のところ、ベストな波をつかみ、その波でベストのサーフィンをしようとしているのです。
タイムアップになって誰のサーフィンがベストなのか。どんなサーフィンに慣れていても、結局はそのサーフィンが勝つんだと思います。
Q:今回の会場は、世界トップクラスの波があり、最も安定した波がある場所でイベントを開催できるなんて、本当に素晴らしいですね。
KANOA:そうですね。本当です。ファンに違う種類のサーフィンを見せることができるなんて素晴らしいことですよ。
東京でやっていたのは、もっとハイパフォーマンスで、エアリアルなマニューバーで、フェイスでもっとパフォーマンスする感じでした。
そしてチョープーは海との勝負。本当に海と戦っているんです。その流れに乗り、怖い波を捕まえ、精神的なハードルを乗り越えるんです。自分を崖の上から突き落とす感じですね。
同じサーフィンで違う2つの側面を見せられると思います。
パリの会場からは離れているけど、サーファーとして、オリンピックの真っ只中にいる人間として、オリンピックには何かあるような気がします。選手村にいるよりも、他の選手を見るよりも。ある種のエネルギーを感じますね。
その瞬間が来ると同時に、試合が始まります。プレッシャーが高まっているのがわかります。僕たちは静かで居心地の良い場所にいます。でも、オリンピックのエネルギーは間違いなく伝わってきます。


東京オリンピックは多くのストレスを抱えていました。
Q:初めてオリンピックのジャージを着て、初めて自分がオリンピック選手だと自覚したときのことを覚えていますか?
KANOA:ジャージを掴んだだけで、とても感動しました。自分がオリンピック選手だと言えることは、これからの人生でずっと持ち続けることができる宝です。
そのスポーツに情熱を持っている人間として、それは最高の地位です。そして、ベストを尽くし、国を代表し続け、笑顔を絶やさないようにするつもりです。
東京オリンピックは多くのストレスを抱えていました。本当にクレイジーな精神的戦いでした。プロセスを楽しみ、瞬間を楽しむこと。でも、それはとても難しいことでした。
これだけ多くのことが懸かっているのに、すべてを笑顔でこなすのはとてもハードでした。
このような試合では、もう少し楽しみを増やしたいと思っています。 でも、もちろん、いつも頭の片隅に、笑顔でいたいという思いがあるから。国のためにメダルを持って帰れるように、いろいろなことがあります。
でも結局のところ、僕たちはただ海の中でサーフィンをしているだけなんだから、その程度にシンプルにできればいいなと思います。

オリンピックのプレッシャーがが自分自身のベストを引き出してくれるような気がします。
Q:オリンピックは、プレッシャーがなければ、もっと楽しいと思いますか?
KANOA:いや、だからオリンピックはこんなにも大きなイベントなんです。プレッシャーを感じ、そのプレッシャーの中で人々が成長する姿をを感じることです
オリンピックのプレッシャーは、4年に1度、必ずあります。間違いなく僕にとってはね。それが自分自身のベストを引き出してくれるような気がします。外では笑っていないかもしれないけど、内心ではね。それは分かっています。
僕は楽しんでいます。一瞬一瞬が大好きです。正直に言うと、オリンピックまであと1週間ですが、僕にとって、このオリンピックの旅は、同胞と分かち合えること、そしてこのすべてを成し遂げること自体がすでに大きな勝利であり、とても素晴らしいものなのです。

自分のベストを尽くすことができれば、本当に素晴らしいことができると思っています。
Q:最後に、これはおそらく、世界中のサーフィンを目指す多くの子供たちにとって最も重要なことだと思います。あなた自身は成功の基準をどう考えるか?
ここ数年、自問自答してきたことです。成功とは何か?成功することとは何なのか?
自分自身にとても厳しく、いつも「「自分はまだまだだ」と自分に言い聞かせています。あるいは、負ける瞬間もあります。でも最後に、僕はそのことに気づきました。毎日、毎日、海に入ったり、トラックを走ったり、ジムに通ったりして、自分のベストを引き出すことに集中すれば、自分自身のベストと最大を引き出しているのだと思います。
だから僕は、このようなキャリアのピークを迎えたいと思う。 自分のベストを発揮できるようにしたいんです。
それで十分なら最高。そうじゃなかったとしても……僕はベストを尽くしたんです。自分のベストを尽くすことができれば、本当に素晴らしいことができると思っています。だから、それが僕が立ち向かおうとしているメンタルバトルなのだと思います。
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