CT第8戦VIVOリオ・プロは男女オープニング・ラウンドが終了。カノアとコナーは敗者復活戦へ。

コナー・オレアリー(JPN) © WSL / Thiago Diz

プライア・デ・イタウナ、サクアレマ、ブラジル(2024年6月26日水曜日)コンディション不良で開幕が遅れていたワールド・サーフ・リーグ(WSL)2024チャンピオンシップ・ツアー(CT)の第8戦、VIVOリオ・プロ Presented by Coronaがようやくスタートを切った。

 

プライア・デ・イタウナのビーチには4~6フィートのパワフルなスウェルが入り、女子と男子のオープニング・ラウンド、そして女子と男子のエリミネーション・ラウンドがスタートした。

 

Highlights From Day 1 Of Vivo Rio Pro Presented By Corona 2024

 

 

レクサスWSLファイナルズ前の最後から2番目のイベントとして、ファイナル5へのレースは激化しており、男女トップ5の10人中6人が敗者復活戦のエリミネーション・ラウンドへ追いやられた。

 

タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA) © WSL / Daniel-Smorigo

 

女子のドローに登場した3人のグーフィーフッター、ソイヤー・リンドブラッド(USA)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、そして2023 WSLチャンピオンのキャロライン・マークス(USA)は、オープニング・ラウンドで卓越したレフトでのフォアハンドで圧倒し、クオーターファイナル進出を決めた。

マークスは、トップ5の中でエリミネーション・ラウンドをスキップした唯一のサーファーとなった。

 

 

 


ミッドシーズン・カットを勝ち残った唯一のCTルーキーであるリンドブラッドは、若いキャリアで2度目となるオープニング・ラウンドのヒート勝利でこの日をスタートさせた。

この18歳の唯一のオープニング・ラウンド勝利は、CT初出場となった2024 Lexus パイプ・プロで、このヒートでは早くから注目を浴びていた。

今日は、わずか2本の波でアグレッシブなフォアハンド・アタックを披露し、ラウンド最高のヒート・トータル11.77(20点満点)を獲得し、今シーズン4度目のクオーターファイナル進出を決めた。

そのヒートでモリー・ピックラム(AUS)とジョアン・ディフェイ(FRA)のカレント世界ランキング4位と5位をエリミネーション・ラウンドに送り込んだ。

 

ソイヤー・リンドブラッド(USA) © WSL / Thiago Diz

 

「今朝はたくさんの水が動いていて、ちょっと難しかったですね」と語ったリンドブラッド。「念のためにステップアップを持ってきたんですけど、結局それに乗ることにしました。とてもリラックスできました。レイデイの間、ここは毎日とても美しかったので、本当に楽しかったです。サクアレマでの時間を楽しんでいます」。

 

ウェストン-ウェブとマークスは、プライア・デ・イタウーナのレフトでフォアハンドを駆使して勝利を掴んだ。

サーフシティ・エルサルバドル・プロで今シーズン初優勝を飾ったばかりのマークスは、ワールド・タイトルの防衛を目指し、ランキングを上昇中で、現在ケイトリン・シマーズ(USA)に次ぐ世界ランキング2位につけている。

 

シマーズはディフェンディング・ウイナーであり、イエローのリーダージャージを着ているが、ウェストン-ウェブによってワイルドカードのタイナ・ヒンケル(BRA)とともにエリミネーション・ラウンドに送られた。

 

タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)© WSL / Thiago Diz

 

「ブラジルの観客の声援は世界一です」と語ったウェストン-ウェブ。「ホームの観客の前でサーフィンができるのは本当に幸せなこと。時々、リズムがどちらか一方に偏ってしまうことがあるのですが、ヒートの序盤は自分がリズムを持っているように感じました。ヒート勝利はヒート勝利だし、クオーターに進むことができたので、本当に感謝しています。」

 

ルアナ・シルバ(BRA)© WSL / Thiago Diz

 

ルアナ・シルバ(BRA)は、ウェストン-ウェブ、タイナ・ヒンケルとともに2024年パリ・オリンピックへの出場資格を持つ3人のブラジル女子の1人だ。

 

ミッドシーズン・カットでツアーから落ちたシルバは、ブラジルでのCT初出場で、ワイルドカードで世界ランキング3位のブリサ・ヘネシー(CRC)と6位のガブリエラ・ブライアン(HAW)を下してヒート勝利を収め、今シーズン3度目のクオーターファイナル進出を決めた。

 

 

シマーズ、ピックラム、ヘネシーがクオーターファイナル進出、トップ5をキープする

 

ケイトリン・シマーズ© WSL / Thiago Diz

 

トップ5サーファーのうち4名がエリミネーション・ラウンドに降格したため、ランキングの変動が起こる可能性があったが、この4名のうちケイトリン・シマーズ(USA)、モリー・ピックラム(AUS)、ブリサ・ヘネシー(CRC)の3名がヒート勝利を収め、クオーターファイナル進出を決めた。

 

現在世界ランキング5位のジョアン・ディフェイ(フランス)は、同6位のガブリエラ・ブライアン(HAW)に敗れたが、タイブレークにより今のところポジションをキープしている。

 

イベント・ワイルドカードのタイナ・ヒンケル(BRA)は、エリミネーション・ラウンドの第1ヒートでシマーズを追い詰めたが、ブザービーターでシマーズが黄色のリーダージャージを背負い続けた。

 

ケイトリン・シマーズ(USA)© WSL / Thiago Diz

 

「”ケイトリン、何してるの?”っていう感じでした。」と語ったシマーズ。「自分にプライオリティがあったのに、彼女が波を取っちゃったから。それに、ここには波がたくさんあるから、スコアを伸ばせると思ったんです。

最初の2本の後、『これかもしれない』と思いました。あのような状況では、自分が何をしているのか意識しすぎてしまうので、とても面白いです。半分気を失っているような状態なんだけど、半分は、このターンをしなければならないということを意識しているんです。でもその感覚が好きで、だからやっているんです。だから楽しいんです」。

 

ソフィア・メディーナ(BRA)と兄のガブリエル © WSL / Thiago Diz

 

敗者復活戦でピックラムは、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)に今シーズン4度目の勝利を収め、ヘネシーはワイルドカードのソフィア・メディーナ(BRA)と僅差の接戦を繰り広げた。3度のWSLチャンピオンに輝いたガブリエル・メディーナ(BRA)の妹は、兄とCT初出場を分かち合うことができたが、ここで敗退となった。

 

トップ5入りを目指すブラジル男子が力強いスタートを見せる。

 

ガブリエル・メディーナ(BRA) © WSL / Daniel-Smorigo

 

ブラジルの3人のCT男子、3タイムWSLチャンピオンのガブリエル・メディーナ(BRA)、2019WSLチャンピオンのイタロ・フェレイラ(BRA)、そしてディフェンディング・イベント勝者のヤゴ・ドラ(BRA)は、オープニング・ラウンドのヒート勝利でラウンドオブ16にストレート・アップした。現在、ランキングはそれぞれ6位、7位、8位だが、3人ともホームのブラジルで結果を残し、トップ5入りに望みをつないでいる。

 

最も印象的なスタートを切ったのはメディーナで、スムーズなオープニング・フルローテーションを含むフォアハンド・マニューバーの多彩なコンビネーションで8.00(10点満点)をマークし、今大会最初のエクセレントスコアを獲得した。

 

 

 

 

彼のサーフボードにはブラジルの国旗が描かれたフレッシュなレールスプレーが施され、観客の人気を集めた彼は、さらにクリティカルなフォアハンド・エア・リバースで6.93をマークし、この日最高のヒートトータル14.93を記録した。メディーナは、国際的な大成功を収め、2022年のサクアレマ・プロではチャレンジャー・シリーズで優勝したにも関わらず、母国のCTレベルではまだセミファイナルを突破していない。

 

ガブリエル・メディーナ(BRA)© WSL / Thiago Diz

 

「最初のヒートを勝ち上がれて興奮している」とメディーナは語った。「ちょっとハードだけど波があって、数日間それを待っていたから、良い波を掴んでスタートできて気分が良いし、勝てて本当に嬉しい。

ブラジルは僕にとって特別な場所だ。ここでいい結果を残したい。トレーニングをして信念を貫くなど、自分の出来ることをやってきたつもり。いつかブラジルの大会で勝てる日が来ると思うけど、ただヒートをメイクできればいいと思っています」

 

イタロ・フェレイラ(BRA) © WSL / Daniel-Smorigo

 

一方、フェレイラは地元の大観衆を釘付けにした。残り40秒でテイクオフし、6.95が必要な状況で、オリンピック金メダリストは、バックハンドでフルローテーションに近い技を繰り出し、2本のソリッドなリエントリーで締めくくった。スコアは7.50となり、リアム・オブライエン(AUS)とクロスビー・コラピント(USA)に勝利した。

 

男子はロビンソンとユーイングのオーストラリア・チームメイトがリード。

 

男子トップ5のオープニング・ラウンドの混戦の結果、2度のWSLチャンピオンで現在世界No.1のジョン・ジョン・フローレンス(HAW)と世界No.3のグリフィン・コラピント(USA)がエリミネーション・ラウンドに送られ、No.5のジョーディ・スミス(RSA)はNo.2のジャック・ロビンソン(AUS)とNo.4のイーサン・ユーイング(AUS)と共にヒート勝利で順位をキープした。

 

ジャック・ロビンソン(AUS)© WSL / Thiago Diz
ジャック・ロビンソン(AUS)© WSL / Daniel-Smorigo

 

オーストラリアの男子オリンピック・サーフィン・チームのメンバーであるロビンソンとユーイングは、ヒート・トータルで同じ12.87をスコアし、ラウンドオブ16進出を決めた。ロビンソンの7.00は、午前中のハイライトのひとつとなった。西オーストラリア州出身のロビンソンは、妻もコーチもブラジルの出身で、ブラジルと強い絆がある。

 

「ここはすごくいいエネルギーがあるんです。」と語ったロビンソン。「みんなすごく興奮しているし、ここに来るともうひとつのホームみたいに感じるんです。だから大好き。」

 

ジョアオ・チアンカ(BRA)とジョンジョン © WSL / Thiago Diz

 

フローレンスはエリミネーション・ラウンドの第1ヒートでサクアレマ・ローカルでワイルドカードのジョアオ・チアンカ(BRA)を破り、ライバル対決を制し、イエローのリーダージャージを手にしてラウンド16にアップ。

コラピントもまた、ワイルドカードで出場した2022年大会準優勝のサミュエル・プポ(BRA)の果敢な挑戦を凌ぎ、男子のトップ5がラウンドオブ16進出を決めた。

 

 

カノアとコナーは敗者復活ラウンドへ。

 

コナー・オレアリー(JPN) © WSL / Thiago Diz

 

男子オープニング・ラウンドH 1では、コナー・オレアリー(JPN)が、イーサン・ユーイング(AUS)コール・ハウシュマン(USA)と対戦。H2では五十嵐カノア(JPN)がセス・モニーツ(HAW)グリフィン・コラピント(USA)と対戦。

 

コナー・オレアリー(JPN)© WSL / Daniel-Smorigo

 

ユーイングがバックハンドで高得点を2本揃える中、コナーはフォアハンドで2本の4点台をスコアして2位につける。しかしユーイングを逆転するにはエクセレントが必要でそのままタイムアップで、2位でエリミネーション・ラウンドへ。

 

五十嵐カノア(JPN) © WSL / Thiago Diz

 

ブラジルに一番ファンが多いというカノアは、スタートからバックハンドでキレのあるターンを披露して大きなスプレーを上げ5.67をスコア。それに対してセスもバックハンドのクローズアウト・リエントリーで7.17をスコアしてトップへ。

後半に入りビッグセットを掴み、5.63をスコアしたカノアはトップに躍り出る。しかし終了間際にセスがラストライドで逆転。カノアは2位となりエリミネーション・ラウンドへ。

 

エリミネーション・ラウンドでは、H5でコナー・オレアリー(JPN)はジェイク・マーシャル(USA)と対戦。H8で五十嵐カノア(JPN) はライアン・カリナン(AUS)と対戦。がんばれ!日本!

VIVOリオ・プロ Presented by Corona

女子オープニング・ラウンド結果:
HEAT 1:ソイヤー・リンドブラッド(USA)11.77 DEF. ジョアン・ディフェイ(FRA)10.60、モリー・ピックラム(AUS)7.00
HEAT 2:タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)9.66 DEF. タイナ・ヒンケル(BRA)5.67、ケイトリン・シマーズ(USA)5.30
HEAT 3: キャロライン・マークス(USA)11.67 DEF. ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)5.26、ソフィア・メディーナ(BRA)4.83
HEAT 4:ルアナ・シルバ(BRA)11.16 DEF. ブリサ・ヘネシー(CRC)9.70、ガブリエラ・ブライアン(HAW)9.30

男子オープニング・ラウンド結果:
HEAT 1:イーサン・ユーイング(AUS)12.87 DEF.
コナー・オレアリー(JPN)8.83、コール・ハウシュマン(USA)7.50
HEAT 2:セス・モニーツ(HAW)12.40 DEF.
五十嵐カノア(JPN)11.30、グリフィン・コラピント(USA)7.70
HEAT 3: ジャック・ロビンソン(AUS)12.87 DEF.
ライアン・カリナン(AUS)11.23、サミュエル・プポ(BRA)8.30
HEAT 4:ラムジ・ブーキアム(MAR)10.30 DEF.
ジョアオ・チアンカ(BRA)10.27、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)8.10
HEAT 5:ジョーディ・スミス(RSA)10.40 DEF.
バロン・マミヤ(HAW)10.10、イマイカラニ・デヴォルト(HAW)7.17
HEAT 6:ガブリエル・メディーナ(BRA)14.93 DEF.
和井田リオ(INA)12.60、レオナルド・フィオラバンティ(ITA)6.87
HEAT 7:イタロ・フェレイラ(BRA)14.50 DEF.
クロスビー・コラピント(USA)13.94、リアム・オブライエン(AUS)8.50
HEAT 8:ヤゴ・ドラ(BRA)13.60 DEF.
マシュー・マクギリブレイ(RSA)11.33、ジェイク・マーシャル(USA)7.73

女子エリミネーション・ラウンド結果:
HEAT 1:ケイトリン・シマーズ(USA)12.50 DEF. タイナ・ヒンケル(BRA)12.00
HEAT 2:モリー・ピックラム(AUS)12.23 DEF. ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)6.90
HEAT 3:ブリサ・ヘネシー(CRC)8.50 DEF. ソフィア・メディーナ(BRA)6.60
HEAT 4:ガブリエラ・ブライアン(HAW)10.84 DEF. ジョアン・ディフェイ(FRA)4.06

男子エリミネーション・ラウンド結果(HEAT 1 – 4):
HEAT 1:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)12.34 DEF. ジョアオ・チアンカ(BRA)7.13
HEAT 2:和井田リオ(INA)12.70 DEF. レオナルド・フィオラバンティ(ITA)11.07
HEAT 3:グリフィン・コラピント(USA)12.50 DEF. サミュエル・プポ(BRA)11.97
HEAT 4:リアム・オブライエン(AUS)10.66 DEF. バロン・マミヤ(HAW)7.50

男子エリミネーション・ラウンド・マッチアップ(HEAT 5 – 8):
HEAT 5:ジェイク・マーシャル(USA)対コナー・オレアリー(JPN)
HEAT 6:コール・ハウシュマン(USA)対マシュー・マクギリブレー(RSA)
HEAT 7:クロスビー・コラピント(USA)対イマイカラニ・デヴォルト(HAW)
HEAT 8:五十嵐カノア(JPN) 対ライアン・カリナン(AUS)

女子クオーターファイナル・マッチアップ
HEAT 1:キャロライン・マークス(USA) 対ソイヤー・リンドブラッド(USA)
HEAT 2:ブリサ・ヘネシー(CRC)対タティアナ・ウェストン-ウェブ(BRA)
HEAT 3: ケイトリン・シマーズ(USA) 対 ルアナ・シルバ(BRA)
HEAT 4:モリー・ピックラム(AUS)対ガブリエラ・ブライアン(HAW)

 

詳細はWorldSurfLeague.comを参照のこと。

 

 

大会オフィシャルサイト:

VIVO Rio Pro

Presented By Corona

Saquarema, Rio de Janeiro, Brazil