写真・文/米地有理子
20周年記念のいすみ市サーフタウンフェスタが5月18日より3週に渡って土日開催された。
今年で20周年となるサーフタウンフェスタということで、各週内容の濃いイベントが目白押しで、メイン会場となった太東海岸はすでに夏を感じさせる賑わいを見せた。
梅雨入り近い時期ではあるが、天気も3週連続土日天気に恵まれ、ファイナルデーが終わると同時に雨が降るという幸運となった。
まず5月18日、太東海岸で常日頃からサーフィンを楽しんでいる人たちのサーフィンチームチャレンジ「TAITO MEET」から始まった。
サーフィンチームチャレンジ「TAITO MEET」
これは初の試みであり、企画をした、いすみ市サーフィン業組合の中新茂理事長曰く、「日頃太東でサーフィンをしている人たちが一同に会するサーフィン運動会」みたいなもので、ロングボード、ショートボード、ボディボード、アマチュア、プロ、老若男女ごちゃ混ぜにした10人6チームで10ヒートの合計点と最後の綱引きヒートの点で一位を決めるというもの。
チームの顔触れのバラエティさに観ている人も楽しくなるヒートが繰り広げられた。
砂浜で最後に行われた団結のチーム対抗綱引きでコンテストは最高潮に。大爆笑で優勝が決定した。
優勝チームの各選手には、優勝の盾、太東漁港名物のタコ壷にコンテスト名を入れたもの、太東海岸名物の植木鉢、Tokyo beansのコーヒー詰め合わせ、白子の玉ねぎが贈られた。
今回このようなコンテストは太東で初めての開催となったが、参加者の多くの喜びの声を聞き、たくさんの笑顔があった。
そのポイントを愛好する人たちが顔を合わせて様々なサーフボード(ボディボードも含めて)で楽しむ光景に、皆で楽しい時間を共有できる海の姿を見ることができたのではないだろうか。地域行事のようなサーフィン運動会、今後も開催されるとよいのではと思う。
コンテストの中盤にはステージで太東ポイントのレジェンドたちへのインタビュー、写真撮影が行われ、レジェンドたちが一同に会する貴重な機会となった。
展示ブースでは、太東ポイントにまつわる歴史の写真(TED SURFの阿出川輝雄氏、TANY SURFの大谷秀美氏、Sea Egle有志所蔵)やサーフタウンフェスタの歴代Tシャツが飾られ、老若男女が立ち寄り、興味深くじっくり観たり、歓談に花が咲いていた。
また海で大盛り上がりのヒートが繰り広げられている一方で、ステージでは太東レジェンドのKennyこと泉健二氏率いる「波楽バンド」によるサーフミュージックライブ、華やかなタヒチアンダンスやフラダンス、また、来春の世界選手権出場権を獲得したチームも輩出した「外房チアリーディングクラブ コースターズ’99」のチアリーディングの演技も行われ、多くの来場者を惹きつけていた。
夕方から夜にかけては、昨年も好評だったサーフジャムのライブ。夕暮れに向かって海辺で心地よい音楽に合わせて体を揺らしながら過ごすひとときは格別な時間となったことだろう。
日頃から太東ポイントでサーフィンを楽しむ人たちが一同に集結
バラエティな6チームの中から栄えある優勝を手にしたチームの皆さん
3度のJPSAグランドチャンピオンを獲得した河野正和プロ
眞木蔵人氏も参加し、自由なライディングを見せた
波をシェアする砂川治久プロとローカルサーファーの吉野信次さん
”イーパンさん”さんの愛称で知られる工藤勇氏も
サーフタウンフェスタ実行委員でもある櫻岡甲太プロ
ボディボードの近藤真弓プロも参加を楽しんだ
心地よい音楽で盛り上がった1日を振り返るひととき
「4th SURF TOWN FESTA KIDS CONTEST」
打って変わって5月19日は「4th SURF TOWN FESTA KIDS CONTEST」。今年で4回目の開催となったが、今年は毎年人気のプッシュクラスに、小学生ビギナー、小学生オープン、中学生オープンと4クラスのコンテストとなり、さらに盛り上がりを見せた。
田中志門くんの選手宣誓から始まり、子供たちが見事なライディングを見せ、日頃の練習の成果に皆が大声援を送り、今後の活躍に拍手を送っていた。
またステージではフラダンスに加え、昨年好評だった「BREAKIN」のダンサーによるショーケース、1番かっこよかったダンサーを決めるサイファーキングというイベントが開催され、会場内を沸かせた。
海辺に多くの子供たちが集い、それぞれの時間を楽しみ、笑顔が溢れる光景はまさに平和と希望を与えてくれる1日となった。
【結果】
小学生プッシュクラス
1位 米澤 舞織
2位 小林新
3位 ayris ozawa
4位 赤城隼冬
小学生ビギナークラス
1位 清水駿芯
2位 齋藤海怜
3位 渡邉カレン
4位 酒井 達海
小学生オープン
1位 ハラダ カイマナ
2位 クボタ カイル
3位 ヤマモト リリ
4位 フジモト マウナ
中学生オープン
1位 イシヤマ タイチ
2位 ハシモト タイガ
3位 サトウ トモ
4位 イシヅカ イツキ
「Taito Beach Club Classic」
2週目の5月25日、26日は太東ポイントのサーフクラブ”TAITO BEACH CLUB”がプロデュースする恒例の「Taito Beach Club Classic」が開催された。
今年は3週目に「Taito Beach Club Classic 2024 – Log Pro Invitational -」が行われることになり、アマチュアコンテストとして、ロングボード メンクラス(10~44 歳)、ロングボード マスタークラス(45 歳以上)、ロングボード ウィメンクラス(年齢不問)、ロングボード ビギナークラス(年齢・性別不問)、ロングボード レジェンドクラス(60 歳以上)のカテゴリーで行われ、メンクラス、マスタークラス、ウィメンクラスのそれぞれ上位2名が「Taito Beach Club Classic 2024 – Log Pro Invitational -」の出場権が与えられるというもの。
全国からロングボードを愛好する選手たちが太東ポイントに集結し、オンショアコンディションではあるもののフェイスを見つけ果敢にノーズライディングを見せ、熱いヒートを繰り広げた。結果は以下となり、次週のロングボードの祭典へと大会は繋がった。
【結果】
ビギナークラス
1位 コトブキカイト
2位 マツダショウケン
3位 フジタトシユキ
4位 マツダミツコ
レジェンドクラス
1位 ノジリシンヤ
2位 オリハシヒロヤ
3位 イチカワシンジ
4位 ヒラヤマテツオ
ウィメンクラス
1位 セイミヤサトミ
2位 ナカゾノキクノ
3位 オオツカカノン
4位 クボチハル
マスタークラス
1位 セイミヤヒデキ
2位 クボケンイチ
3位 ヤマグチヒデアキ
4位 ワタナベアキラ
メンクラス
1位 ヨコテリンタロウ
2位 カドクラヒロト
3位 オクムラタイヨウ
4位 サカマキシュンスケ
ベストライディング賞 ヨコテリンタロウ
おおきに賞 オクムラタイヨウ
Taito Beach Club Classic 2024 – Log Pro Invitational
サーフタウンフェスタ20周年記念第1弾のファイナルウィークとなる3週目の6月1日、2日はフィナーレに相応しいイベントで大盛り上がりとなった。
太東海岸では「Taito Beach Club Classic 2024 – Log Pro Invitational -」、三軒屋海岸では日本プロボディボード連盟 2024 年 JPBA ツアー第1戦「 ISUMI PRO」が開催された。
「Taito Beach Club Classic 2024 – Log Pro Invitational -」では日本を代表するプロたちが顔を揃え、ウィメンクラスは海外からも選手が招待され、ロングボードサーファーにとってプロの素晴らしいライディングが一挙に見られる絶好の機会となった。
前週に出場権を獲得したアマチュア選手たちも貴重なヒートを経験できたことだろう。メンクラスは世界戦に出場し日本を代表する選手のひとりである浜瀬海を太東の波で育った森大騎が破り見事優勝、マスタークラスは太東をホームとするコンテストディレクターでもある尾頭信弘、ウィメンクラスは同じく日本を代表する選手のひとりの田岡なつみが優勝した。
また、「おおきに商店エキシビジョン」も行われることになり、まさしくロングボードの祭典のような数々のパフォーマンスが見られ、観客も楽しい時間を共有していた。
【結果】
メンクラス
1位 森大騎
2位 浜瀬海
3位 塚本将也
4位 武川慎
マスタークラス
1位 尾頭信弘
2位 ユージン・ティール
3位 宮内謙至
4位 阿隅寛典
ウィメンクラス
1位 田岡なつみ
2位 吉川広夏
位 マヒナ・アカカ
4位 菅谷裕美
おおきに商店エキシビジョン
中山祐樹/川上聖斗/小熊海ノ介
マスタークラスは尾頭信弘プロがホームで優勝
太東から世界へ羽ばたく選手となった田岡なつみプロがウィメンクラス優勝
メンクラス優勝の森大騎プロも太東がホーム
”おおきに”ポーズをキメる森大騎プロ
ハワイのマヒナ・アカカもファイナルヒートを楽しんだ
尾頭信弘プロはコンテストディレクターも務める
JPBA第1戦 ISUMI PRO
三軒屋海岸で開催されたJPBA第1戦のISUMI PROも今年最初のプロの大会に多くの観客も訪れ、十分なサイズの波でプロの技に魅了されていた。ウィメンズでは世界ツアー(IBCワールドツアー)の2024年の開幕戦で優勝した大原沙莉が強さを見せて優勝。メンズは昨年に続き粂総一郎が優勝を手にした。【Photos:Koji Sekitani】
メンズクラス優勝の粂総一郎ウィメンズクラス優勝は大原沙莉
【結果】
MENSクラス
優勝:粂 総一郎(公認プロ)
2位:加藤 優来(公認プロ)
3位:近藤 義忠(公認プロ)
4位:相原 法央(公認プロ)
WOMENSクラス
優勝:大原 沙莉(公認プロ)
2位:山下 海果(公認プロ)
3位:西村 優花(公認プロ)
4位:刀根 真由美(公認プロ)
DKクラス
優勝:山田 幸久(公認プロ)
2位:藤岡 慶(公認プロ)
3位:Agus Santosa(アマ)
4位:川名 祐介(アマ)
JUNIORクラス
優勝:藤岡 海莉(アマ)
2位:瀬田 七海(アマ)
3位:宇井 愛花(アマ)
4位:阿部 みゅう(アマ)
シニアマスターMENSクラス
優勝:高橋 宏増(アマ)
2位:加藤 栄樹(アマ)
3位:渡邊 大輔(アマ)
4位:Kevin Jimenez(アマ)
シニアマスターWOMENSクラス
優勝:今泉 智子(アマ)
2位:中山 響子(アマ)
3位:福田 康子(アマ)
4位:松原 玲子(アマ)
いすみ市長賞:粂 総一郎、大原 沙莉
petit alohawarmee賞
WOMENS、ジュニア、シニアマスターWOMENSクラスのファイナリスト
JPBAオフィシャルサイト http://www.jpba.org/
コンテスト特設サイト https://www.surfontap.com/2024/05/surf-town-festa-2024-isumi-pro/
そして6月2日のファイナルデーに太東海岸ではBAYFMで繋がったサーフィンを愛するアーティストチーム”波音組-はねぐみ-“によるアコースティックライブステージ「Surf in Music」が開催。
「Ocean TRIBE」のDJ TSUYOSHIさんのMC&DJ PLAY、大黒摩季さん、光永亮太さんらのライブが無料で観られ、太東海岸は大賑わいで最高潮に。最後にいすみ市長、サーフタウンフェスタ実行委員会がステージ上に呼ばれ、大黒摩季さんのヒット曲をみんなで大合唱して有終の美を飾った。
3週に渡って開催された20周年記念サーフタウンフェスタ第1弾ではスポンサーである明和地所が主催のビーチクリーンをはじめ、サーフタウンフェスタ2024実行委員会による能登半島沖地震の被災地域のサーフィン復興支援のための「日本サーフィン連盟 石川支部」への募金・寄付活動をし、会場では有志によるチャリティー商品を販売、コンテストエントリー費からも募金を。「Surf in Music」のライブ後にも大黒摩季さんが能登半島沖地震への募金活動を行った。
チャリティ商品購入で寄付を
いすみ市サーフィン業組合ではAEDのための募金としてサーフタウンフェスタの記念Tシャツ販売と能登半島沖地震被災地への募金活動をした
太東ポイントのサーフィンの歴史を辿りつつ、また一つサーフタウンの素晴らしい歴史を参加者みんなが築いた20周年記念サーフタウンフェスタとなったのではないだろうか。みんなの笑顔が海辺に輝いていた。