ラグンドリ・ベイ、ニアス/インドネシア(2024年6月11日火曜日)-ラグンドリ・ベイのエッジに位置するインドネシア最高峰のライトハンダー、ニアスは今日、ワールド・サーフ・リーグ(WSL)クオリファイング・シリーズ(QS)の歴史の中で最も記憶に残る1日となり、2024ニアス・プロQS 5000のコンペティターに最高の波を提供した。
男子のラウンドオブ32に出場したサーファー達は、まるで絵に描いたような6~8フィート・プラスのスタンドアップ・バレルでメイクし、50本以上のエクセレントスコア、26本の9ポイント、4本のパーフェクト10、そして1本のパーフェクト・ヒート(20点満点)をスコアした。今日はコンペティティブ・サーフィンの歴史に残る一日となった。
ヒート・トータル18.00以上が14本、19.00以上(20点満点)が4本もあったこの日、トーキーのザビエル・ハクスタブル(AUS)はパーフェクト・ヒートでショーの主役となり、2本のパーフェクト10ライドをスコアしてラウンド16進出を決めた。
ハクスタブルは、最も大きく、厚く、スティープなセットを2つ見つけると、その両方で深くプルインし、チャンネルにスピッツアウトし、歴史的勝利を飾った。
ハクスタブルの勝利は、彼のベストメイトであり、同じトーキーのボードライダーズであるタリー・ワイリー(AUS)が2ウェイブ・トータル18.90. をスコアしてヒートを勝ち上がった直後のことだった。このパワフルなグーフィーフッターは、バックサイド・チューブライディング・クリニックを披露し、2023年のこのイベントでの2位をさらに上回ろうとしている。
「上手く今の気持ちを説明できません。言葉になりませんね。」と語ったハクスタブル。「ただパドルアウトして、ヒート中の最高の仲間を見ながら、ただ順番にバレルをメイクするだけでした。
タリー(・ワイリー)が2、3本9点を出していたし、ジャックも8点と9点、カージーもジャービスもみんなスコアしていました。だから僕もスコアを出したかったんです。
今まで見た中で最高の波。もちろん、このまま勝ち進んで優勝したいけど、それとは関係なく、あの波で見たビジョンは私の心に永遠に残るでしょう。人生で最高の波で、しかもヒートの中で。素晴らしい。信じられません。」
ハクスタブルの他に、オーストラリアのコビー・クレメンツ(AUS)と日本の伊東李安琉(JPN)もパーフェクト・ライドをマーク。クレメンツはディープなフロントサイド・チューブ、伊東はクリティカルなバックハンド・テイクオフをスコア。レールから手を離し、ノーハンドでバレルを駆け抜けた。
男子ラウンドオブ32のオープニング・ヒートでは、新しいスウェルの到来とパーフェクトなタイミングとなり、日本のチャレンジャー・シリーズのホープである安室丈(JPN)が、最初の2本の波で2ウェイブ・トータル19.77をマーク。安室の最初の波は長く深いチューブで、ビハインドピークからライディングだった。
「今までで最高のヒートだった」と語った安室。「特にコンペティションで、このようなバレルを手に入れることができて、とても興奮しています。スタートで9点を取ってからは、ただリラックスして楽しみました。それからもう1本、もう1本って感じで。こんな経験ができて本当に嬉しいし、勝利できたのはもっと嬉しい。」
大会4日目は女子ジュニアからスタート。ラウンドオブ16のクオーターファイナル H1では中塩佳那、清水ひなた、清水ひなのが登場。中塩佳那が1位でラウンドアップ。今回のルームメイトで母親が日本人のインドネシアのリディア・カトーが2位に入り、清水姉妹は惜しくも敗退となった。
「1本目のライディングで6点を出せて安心したんですが、欲を言えばセット乗ってチューブにトライしたいなっていうのがあったんですけど、トライ出来ずに終わってしまったんですけど、次の試合はトライしながら頑張りたいです」と中塩が言った。
H2では佐藤李、鈴木莉珠が登場。佐藤と鈴木がワンツーでラウンドアップを決めた。
「朝よりもサイズが上がっていて、急遽プロジュニアからやるってことになって、とりあえず勝てて良かったです。今回は奈央ちゃん(大村)がコーチをやってくれていて、リップも良いけどカーブも評価されるからカーブも自信あるんならカーブでも良いんじゃない?って言ってくれて、そういう組み立てにしました。」と佐藤が言った。
H3では池田美来、松山黎音が登場。前回のクルイではW優勝という快挙を成し遂げた池田が5点台を2本しっかりと揃えて余裕の1位通過。松山は惜しくも3位で敗退となった。クルイから好調を維持している池田美来(JPN)は、女子のクオーターファイナルで最高のヒート・トータル11.60を記録した。
「前のヒートを見ていた感じは、もっと波来ていたなと思って。自分のヒートはあまり波が来ないなって思ったんですけど。決めることができて良かったです。あまり考えずに良い波が来たら乗るだけだって思っていました。
「あのヒートをメイクできて本当に嬉しいです。クルイでは良い成績を残せたし、ここの波もとても好きなので、ここで良い成績を残したいです。このまま調子を上げていければ嬉しいです。」と池田が言った。
H4では川瀬心那、庄司梨花が登場。川瀬はスタートからバックハンドでチャージし、スコアした6.17を5.33でバックアップ。見事1位でラウンドアップ。庄司は惜しくもここで敗退となった。
「最初の10分以内に2本揃えることができたので、落ち着いてヒートを運べました。以外と肩のない波が多かったので、ちゃんと張っているセクションでリップできるように、ターンするイメージをしていました。去年もこの大会のプロジュニアで優勝できて、ニアスの波は大好きなので、思い切り楽しんでサーフィンしていきたいと思います。」と川瀬が言った。
男子プロジュニアもスタートし、ラウンドオブ36が行われ、H2ではバリ島在住の一色 海平亜(カヘア)が2位でラウンドアップ。
ジュニアで中塩佳那、佐藤李、鈴木莉珠、池田美来、川瀬心那がセミファイナル進出。
女子プロジュニアのセミファイナル・マッチアップ
その後オンホールドを経て、昨日の男子QSラウンドオブ64の続きが行われ、H11の本郷拓弥は惜しくも敗退。
新しいスウェルが到着して、チューブ合戦となったH14で加藤翔平は、スタートから2本連続でチューブライドを決めて、ヒートをリード。
そして、3本目で大きなセットを掴んで再びバレルライドを決めて、9.43をスコア。残り5分でもさらにバレルライドで9.40をスコア。乗った波全てがチューブという物凄いヒート。
しかしバックハンドのサクソン・リーバーが9.93 と 9.50をスコアして、トップとなり、9ポイントを2本揃えた加藤だったが2位でラウンドアップ。
ここからのヒートはエクセレント・ライドの連続となる。
H15の田中大貴も素晴らしいバレルライドを決めたが、惜しくも敗退。
H16の伊東李安琉のヒートは、ヴァルン・タンジュンがビッグバレルで9.27をスコア。伊東は5.90で2位につける。これも凄いヒート展開となり、爆弾セットにチャージしたコビー・クレメンツがついにパーフェクト10をマーク。
それに負けじと伊東もディープバレルで9.73をスコア。トップに躍り出る。後半に入り、クレメンツ8ポイントをスコアしてトップ。2位の伊東はバックアップを7.17に塗り替えて、3位以下をコンビネーションに追い込んで圧勝した。
続けて、男子のQS5000のラウンドオブ32がスタート、H1では安室丈、鈴木仁、矢作紋乃丞が対戦。これまた見たこともない凄いチューブ合戦となった。
昨日も素晴らしいヒートを演じた安室は、今日も深いポジションからバレルをメイク。9.80をスコア。そして、今日最大のセットに突っ込んだ安室は、大きなチューブに包まれてスピッツアウト。9.97というほぼパーフェクトなスコアを叩き出す。
これには3名のジャッジが10点を出した。四国の河口で培った完璧なテクニックを思う存分披露した安室は19.77というトータルスコアを叩き出した。
神奈川の河口で育った鈴木も、そのスキルを披露して9.53をスコアする。しかしバックアップがなく4位を強いられる展開となったが、最後に9.07をスコア。2位のポジションにジャンプアップ。そのまま安室と鈴木がラウンドオブ16へ勝ち上がった。
「今までで最高なヒートでした」と安室が言った。「9.97のライディングで乗った瞬間、スタンディングでいっちゃいました。最高でした。勝ちたい気持ちは忘れずに、楽しんでやりたいと思います。」
H2には須田喬士郎、西慶司郎がクレジット。スタートから西がバックハンドでディープバレルをメイクして9.77をスコア。須田は2本の5点台でヒートをリード。しかし後半に8.50を持っていたアクセル・クロッタが9.90をスコアしてトップ。
9.17をスコアしていたカイアス・キングも最後に8.97をスコアして2位に。アクセルはラストライドで駄目押しの9.73をスコアしてコンビネーションで圧勝。9.77を持っていた西はバックアップが見つけられず悔しい4位敗退となった。
本日の最終ヒートとなったH7に伊東李安琉が登場。爆弾セットの数は少なくったが、待てばその波は入ってくる。そう信じた伊東は、12分間全く波に乗らず、優先権を持ち目標としてた波しか見向きもせずに、その特大セットにパドルを開始。
レイト気味に落ちるようにテイクオフし、そのまま大きく口を開いたバレルにプルイン。伊東な体が小さく感じる程のクリーンな絵に描いたようなビッグバレルを深々とメイク。それがなんとパーフェクト10となった。
そして、そこから次の爆弾セットを待ち続けた伊東の元に波が来たのは残り3分。再びパドルを開始した伊東。テイクオフからボトムまでの間に身体を使ってストール。見事なまでに波とシンクロさせて、大きな空洞の中に包まれて、9.07をマーク。
なんと伊東は19.07というヒートトータルで圧倒。
伊東李安琉は、安室丈、鈴木仁とともにラウンドオブ16へ勝ち上がった。
明日は、本日行われなかったH8に加藤翔平が登場。明日も波が続くとされているが朝はどのようになっているのか。いまから夜明けが待ち遠しい。このままサイズが続くことになれば、男子QSは続けて行われていくとになるだろう。
明日は日本時間8時半スタート予定。