カリッサが設立したムーア・アロハ財団とUSAサーフィンが来日。NSAジュニア代表チームらとサーフ交流合宿

撮影:佐原健司  http://kenjisahara.com/

 

東京五輪女子サーフィン競技金メダリストのカリッサ・ムーアが設立した「ムーア・アロハ財団」と「USAサーフィン」が静岡県牧之原市を来訪。

静波サーフスタジアムにおいて、ISA世界ジュニア選手権の日本代表女子チームと合同合宿、相良高校サーフィンサークルと下田中学校サーフィン部とサーフ交流を行った。

 

今回はプロサーファーというよりもムーア・アロハ財団の活動として来日したカリッサ。
素晴らしいサーフィンを披露し子供たちに勇気を与えたカリッサ・ムーア。
また今回は同じチームの馬庭彩が、カリッサから通訳を依頼されてイベントに参加。憧れのカリッサと過ごす素晴らしい経験となった。
USAチームのカイ・クシュナーにアドバイスする父のウォーレン。
カリッサの父でコーチのクリストファー・ムーア(右)、カイの父で元プロサーファーのウォーレン・クシュナー(左)

 

今回は、カリッサ・ムーアをはじめ、USAサーフィン代表選手のカイ・クシュナー、カリッサの父でコーチのクリストファー・ムーア、カイの父で元プロサーファーのウォーレン・クシュナー、そしてコーディネータでUSOPC元日本代表駐在員であるジョン・オオモリが参加。

 

カリッサにアドバイスする父でコーチのクリストファー・ムーア

 

今回の牧之原の滞在日程の前半に、静波サーフスタジアムを利用した、NSA(日本サーフィン連盟)ジュニア代表チームや相良高校生などとのサーフトレーニングが組み込まれ、東京オリンピックの事前合宿時は実施できなかった小学校訪問や日本文化体験などが実現した。

 

朝のセッション前のミーティング

 

朝のセッション前のミーティングでは、「良いコーチングをするために、両親や個々のコーチとよく話をすることが大切だと思いますが、今回それはできないので、即席のコーチングになってしまいます。」とクリスが言った。

 

「既存のコーチが白、でも彼が黒と言ったら選手は混乱してしまいます。だから事前に相談し同じレベルで理解してコーチングすることが大切です」とオオモリさんが選手たちに説明した。

 

 

自分のライディングをその場でチェック。宗像コーチと中塩佳那。

 

またジュニア日本代表選手たちのことを彼らは高く評価。2028年のロサンゼルス五輪に出場し活躍する可能性があるといった。

日本サーフィン連盟の宗像コーチは「金メダリストを育てたカリッサのお父さんのコーチングが、どのように行われるかにも注目しています」と話していた。

 

 

勝間田小学校5・6年生との交流会で記念撮影

 

早朝のサーフトレーニングを終えたカリッサ一行は、昼前にジュニア日本代表チームとともに勝間田小学校を訪問。温かく迎えられ、生徒たちによる歓迎のダンスが披露され、カリッサへの質問タイム、また記念品の贈呈も行われた。

 

質問タイムでは、カリッサのライバルは誰ですか?という問いに対し「CTでは若くて才能ある多くの選手と戦っていますが、ライバルは自分の中にあると思っていて、自分自身が一番のライバルです」と答え、子供たちを驚かせていた。

 

 

「素晴らしいダンスを見せてくれてありがとう。」と感動のカリッサが言った。

 

 

アロハの心を勝間田小学校の生徒たちにシェアしたカリッサ。


「牧之原が大好きです。ここに戻ってこれて嬉しいです。昨年金メダルを取る前、牧之原で練習できたことが成功に大きく貢献しました。

 

金メダルを取るという夢が実現できました。その夢を実現するためのトレーニングは辛いものでした。夢を実現するには情熱、愛情、それを達成しようとする意志が必要なのです。

 

あなたたちには大きな夢がありますか? その夢を実現するために親や周りの人たちはサポートしてくれていますか? 

 

自分の夢を達成するためには3つの大きなことがあります。まずは自分を信じること、そして感謝すること。

 

感謝することで、強さを見つけられたり、どんな壁が立ちはだかっても、感謝することで自分を強くすることが出来る。何かに夢中になることは自分自身の可能性を無限大にしてくれるのです。

 

私がここにいる理由は、私が受け取った愛やサポートを生かして、またその愛を次の世代に届けるためです。私たちをここに呼んでくださって、ありがとうございました。」

 

 

先生からはカリッサ選手の話が聞けて生徒たちも希望が持てたと思いますとお話もあり、最後には記念品の贈呈もあった。

 

 

午後から再びサーフスタジアムでサーフ交流。相良高校サーフィンサークルの生徒たちがセッションに加わった。

 

「緊張しましたけど、カリッサさんが『楽しんで!』って優しくアドバイスをくれて、楽しくサーフィンできました。」と日が暮れるまでサーフィンを満喫した生徒が瞳を輝かせながら話した。

 

 

相良高校サーフィンサークルのみんなと
池田美来
このプールでサーフするチャンスにも感謝していた馬庭彩
今回はカリッサのためにオーストラリアへ戻る予定を変更して、このまま日本から台湾の試合にいくと言っていた馬庭彩
サーフスタジアムでアルバイトをする佐藤李も今回のトレーニングに参加。慣れた波でチャージする姿が印象的だった。
カリッサ・ムーア
カリッサ・ムーア
夕日の中でリップするカリッサ
最後にエアの波を出してくれるということで暗くなってもサーフィンを続けた。松岡亜音
アクションも派手に決めるイケメンのカイ・クシュナーは人気者となっていた

 

ジュニア日本代表の選手たちから今回のキャンプを終えて一言。

 

最高の機会をありがとう。

 

松岡亜音

 

「カリッサ・ムーア選手と一緒にサーフィン出来ることは、とても光栄なことですし、本当に楽しかったです。この2日間、このウェイブプールで習得したい技とか、やりたい技の練習がたくさんできました。カリッサ・ムーアのお父さんにもコーチングしてもらって、最高の機会をありがとうございましたと思っています。

彼らからは『諦めないこと、やり続けること。思い続ければ夢は必ず叶うから諦めないで続けること』そんな言葉が自分の中には残っています。」

 

高橋花音

 

今回13歳という最年少で参加した花音はオーストラリアに留学中。「もともとお父さんが仕事で帰る予定だったんですが、今回これがあると聞いて自分も日本に帰ってくることにしました。」

 

「自分の悪い点とかを意識できたと思うし、少しレベルアップできたと思います。アドバイスは、同じボードばかり使うのではなくて、たまに違うボードに乗ることがいいって言われました。

 

世界チャンピオンのカリッサと海に入れて凄く刺激を受けたし彼女のサーフィンを見て学べたので本当に良かったです。」

 

中塩佳那

 

「オリンピックの金メダリストと一緒にサーフィンできて、自分の足りないところだったり、改善出来るところが、たくさんあると思ったので、もっと練習したいです。

最後にエアの練習をしていた時に、カリッサのお父さんが、自分を信じて飛べば出来るって言われたので、信じて練習しようかなって思います。

今年、JPSAでは凄くいい結果は残せたんですけど、QSでは全然ダメだったので、来年はQSにフォーカスしていくつもりです。

JPSAでは取れるところは全部とったので、JPSAは楽しむって感じで10ポイントを狙いながら回れるところは回るつもりです。来年はQSに集中して来年のCSに出れるように今年は練習したいなって思います。」

 

池田美来

 

「ウェイブプールって自分的に凄くレベルアップしやすい場所だと思っているんですけど、それに加えてカリッサ・ムーア選手や彼女のお父さんが参加することによって、凄くレベルアップできた2日間だったなって思います。

 

彼らから言われた言葉で心に残っている言葉はたくさんあるんですが、チャレンジ精神を忘れないとか、自分の中で忘れていたことを思い出させてくれた感じがしました。

 

今シーズンは、自分自身もっと頑張れたかなって思いが凄くあって。悔いも残っているんですけど、この悔しい思いを来年に繋げれるように、もっと練習頑張りたいと思います。」

 

 

鈴木 莉珠

 

「カリッサ・ムーア選手とカリッサさんのお父さんにコーチングしてもらったり、一緒にサーフィンできて嬉しかったです。本当に尊敬するサーファーで、この機会を本当に楽しみにしていたので、凄く刺激をもらえました。

 

世界のレベルの高さも知ったので、これからもっと成長していけるように頑張ろうと思いました。

 

彼らからは、自分が出来ない技でも挑戦してみて、落ちてもいいから何回でもやってみるというチャレンジする気持ちを学びました。

 

今年、全日本(ガールズ)で優勝しましたが、それはまだ通過点だと思っています。これからは世界に出てみて、勝てないことも凄くあると思うんですけど、レベルの高さを知ったり、自分が何処まで出来るかを試してみたいです。将来的にはCT、そして2028年のオリンピックに出たいと思っています。」

 

 

今回の合同合宿では、サーフィンの技術はさることながら、アロハの精神(優しさや謙虚さ、忍耐など)、諦めずに夢に向かって突き進むこと、異文化を理解し柔軟に受け容れる楽しさを学んだ世界ジュニア選手権の日本代表女子チーム


貴重な機会を作っていただいた牧之原市 杉本市長はじめ、静波の地域の人々や、静波サーフスタジアムに対して感謝の気持ちを持って牧之原市を後にし、次の試合に向けて旅立っていった。

 

協力:日本サーフィン連盟