ニューサウスウェールズで最も人気のあるポイントブレイクであるレノックスヘッドが、WSLのチャンピオンシップ・ツアーイベント開催提案を却下した。
既にお伝えしたようにWSLは、ニューサウスウェールズ州のニューカッスルでのCTイベント開催を発表しているが、WSLは当初、ニューサウスウェールズで最も人気のあるポイントブレイクであるレノックスヘッドを今年のオーストラリアCTレッグの会場として追加したいと考えていた。
だが地元のサーファーや住民からの抗議があり、その提案を拒否する形となっていたのだ。
バリナ・シャイア・カウンシルは、レノックスヘッドを含むオーストラリア、ニューサウスウェールズ州のノーザンリバー地域にある地方公共団体。
彼らのイベントへの支援を提供しないという決定は、新型コロナが蔓延するリスクと、ホリデー期間中の密集と快適な暮らしの喪失によって引き起こされる悪影響に基づいている。
また、バリナ・シャイア・カウンシルは、民間団体が他のすべてのユーザーを除外して地元のサーフィン保護区を使用することはできないと述べ、最後に政府は、WSLがイベントの実際の申請書を提出しておらず、適切なコミュニティ協議が行われていないことを指摘。
WSLの計画では、2021年4月1日から11日まで男女のCTイベントを開催することだったが、 臨時会議では、2人の評議員が反対票を投じ、1人がイベントの開催に賛成票を投じた。
デビッド・ライト市長は賛成票を投じ、地元のボードライダーズクラブのジュニアサーファーがイベントのワイルドカードを受け取る予定であり、この地域には1,000万ドルの経済効果が見込まれると述べた。
だが、会議に出席した地元のサーファーは、イベント開催が許可された場合、抗議パドルアウトでさえ辞さない構えであるとアピール。この提案は物別れに終わり、代替案としてニューカッスルの話が成立したということになる。
WSLは、地元のサーファーや主要なコミュニティグループの代表者と話し合っていたが、全員からの支持は得られていなかった。
またWSLは、アメリカからシドニーへアスリートとクルーを乗せたチャーター便を使って、14日間の検疫に従うことを計画していたが、地元のサーフィンコミュニティは、外国人サーファーに、そのサーフブレイクを17日間占有させることに納得がいっていなかった。
レノックスヘッドがCT会場を断ったのは、これが初めてではない。 2008年、リップカールによるサーチ・コンテストを提案したが、提案は却下されたという経緯もあった。
コロナ禍で今年のツアーもこの先どうなるか分からない状況。ハワイのキャンセルやサンタクルーズの延期などで打撃を受けていたWSLに救いの手を差し伸べたのがオーストラリアだった。
CTはこの後ブラジル、南アフリカ、ケリーのプール、タヒチと続く予定にはなっているが、現段階では開催できるのかも不安な状況。となれば4月と5月の2ヶ月間でオーストラリアを周り10戦中4試合を終えてしまうことになる今年のツアー。
このオーストラリア・レッグを制したものが今年を制することにもなりかねない。