
ワールドサーフリーグ (World Surf League 以下“WSL”) は、WSLの日本事務所を今年の5月末日をもって閉鎖。それに伴って、日本のオペレーションはオーストラリアのWSLアジアパシフィックAPACオフィスで行うこととなった。
そして、この度WSLは更なる大きな大会開催を目指し、日本でのイベント開催を継続していくため、WSLの計画方針に基づき、慎重に考慮した結果、長期日本在住経験のある、元プロサーファーのマシュー・ピッツ氏をWSL日本代表とすることを発表した。
マシュー氏は、オーストラリアはクーランガッタにあるWSLアジアパシフィック・オフィスを拠点とし、日本のサーフィンイベントにフォーカスし、業界の更なる躍進を目指す。そんなマシュー氏がサーフメディアのインタビューに応えてくれた。

SURFMEDIA(SM):日本はいつ頃住んでいたんですか?
90年代は宮崎に住んでいて、そこから2005年ぐらいまで住んでいて、その後オーストラリアに戻ってきました。オーストラリアに戻ってからは年に2回ほどの割合で日本に行っていました。
SM:いまオーストラリアでは、どこに住んでいるんですか?
今はクーランガッタに住んでいて、スナッパーやDバーなどで仕事の前に朝一でサーフィンしています。
SM:今回マシューさんは、WSLのどんなポジションにつかれたんですか? そして、どんな仕事をしていく計画ですか?
まず、これまでWSLには日本のオフィスがありました。オーストラリアとは別の形でやっていたんですが、今年からコロナなど、いろいろな問題があって日本のオフィスをクローズすることになって、このクーランガッタ・オフィスから始めることになりました。そして、WSLはクーランガッタに住んでいて日本のことをよく知っている人を探していて、それで僕のところに連絡が来たということです。
僕のポジションは、日本のサーフィンイベントを大きくすること、日本でのイベントを成功させること、日本のジュニアサーファーを世界で活躍する選手に育てることを目的としています。
SM:マシューさんが日本にいた頃と比べると、日本で行われるWSLの試合は減ってしまった感じですよね?
そうですね。昔は千葉の部原や新島などで1年に2回CTが行われていた時もあって、凄くサーフィンが盛り上がっていました。だから、またその時のようにイベントが増やせるように考えていきたいと思っています。

SM:今後、日本でWSLはどのような目標を立てていますか?
もちろん再び日本でCTイベントをやりたいですね。そしてWSLには、チャンピンシップツアー(CT)、チャレンジャーシリーズ(CS10000イベント)、クオリファイシリーズ(QS1000~5000)という3ステップのシステムができました。
これはQSをパスしたらCSに出れる、CSのトップランクに入れればCTに出れるという新しいシステムです。日本の若い選手にとってはQSイベントで経験を積む素晴らしいシステムです。
今回のシステムでは、日本のトップランカーがチャレンジャーシリーズに出ることになります。チャレンジャーシリーズは来年の8月のハンティントンビーチでスタート。7、8戦が予定されていて、12月のハワイが最後になります。そこでランキングが決まって、上位の選手がCTのパイプマスターズに出場することになるんです。
だから、日本で行われるクオリファイシリーズはとても重要になってくるわけです。そのトップがチャレンジャーシリーズに出れ、それらのイベントで獲得できる賞金は高額で高ポイントになります。
来年はコロナの関係で特別に日本で開催する試合は、日本人選手のみが出場できることになっていて、そういう意味では日本人選手には凄くチャンスな年だと思います。女子に関しては、まだ決まっていません。
SM:日本のサーファーがもっと世界で活躍するために必要なことはなんでしょうか?
これは昔からずっと聞かれてきた難しい質問で、もっとトレーニングするとか、海外の試合で経験を積むとか、英語を勉強するとかあるんですけど、WSL側も日本人にもっとCTにクオリファイして欲しいと思っているんです。僕たちも協力していくので、皆さん頑張ってください。
最後に、これまで日本と世界の距離を縮めるために尽力されてきた、水垣さんと近江さんにとても感謝しています。本当にありがとうございました。
SM:日本のサーフシーンから世界で活躍するサーファーが育っていくことを願っています。本日はお忙しい中ありがとうございました。
プロサーファーとして、世界で様々な戦歴を残してきたマシュー氏は、91年から日本にベースを移し日本のプロサーキットに参戦。95年と99年には年間チャンピオンとなるなど活躍。またミュージシャンとしての顔を持つ彼は、シンガーソングライターとしてもCDデビューするなど多彩な才能の持っている。
これまでも多くのWSL主催大会の運営に携わり、日本におけるサーフィンコミュニティに関する幅広い知識を持つマシュー氏は、WSLチームと協力し、今後のWSL主催大会と日本のアスリートのために力を注いでいく。来シーズンに向けて、日本でのWSLの活動に注目していきたい。
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