
写真、リポート:山本貞彦 2019年3月30日、31日の2日間に渡り、「2019年 サーフィン強化指定選手強化合宿」が千葉県鴨川市東条海岸/マルキポイント)で開催された。この合宿に招集されたのは今年度は75名(男子 50名、女子25名。ただし、五十嵐カノアはWSLのCT第1戦が控えているため欠席。)
この強化指定選手は毎年、NSA(日本サーフィン連盟)、JPSA(日本プロサーフィン連盟)、 WSL JAPAN(ワールドサーフリーグ日本リージョナル)の日本のサーフィン3団体が協議し、強化指定選手を選考。

また、今回は来年に東京オリンピックを控えている事もあり、多くのメディアが取材に訪れ、この 「強化合宿」を取材。それに併せてNSAではメディアに向けて「サーフィン競技の現場アナウン ス・メディア講習会」も行われ、実際にアナウンサー向けにMCを実況体験、記者向けにインタ ビュー講習も行われた。
今回のヒート形式トレーニングは、ヒートを戦って勝ち上がる方式ではなく、各自が2ラウンドを戦って、それぞれのベスト2×2ラウンド=ベスト4が自分の持ち点となり、その合計点の上位12 名が「JAPAN OPEN OF SURFING」の出場権がもらえるというもの。

この「JAPAN OPEN OF SURFING」は男女各16名が参戦できるが、12名がこの「強化合宿」 で決まり、残りの男女各4名はNSA推薦枠として協議の上、後日、NSAのホームページにて発表される。
それは今回の「強化合宿」を欠席する選手(正当な理由や怪我でサーフィンができないな ど。実際に西優司、脇田紗良など)もおり、その救済処置として考えられたもので、選考はそれも含め、今までの大会結果など実績を重視し選出するとした。

鴨川のマルキポイントは初日はコシハラのサイドオフからオンへ。今回はヒートの進行は男女間の差別を無くす事も考えられ、男子4ヒート後に女子4ヒートと交代で進行する形をとった。女子は第1日目で2ラウンド全て終了。2日目はオンショアが吹き続けた事もあり、ハラムネにサイズアッ プ。男子のラウンド2も無事終了することができた。

その2ラウンドのベスト4。あくまでも公平に個々の実力をみるために考えられたものだったが、 潮の干満によっては割れずらく、ヒートの時間帯で実力を出しきれず苦労する選手も見られた。 公平にこだわったものの、やはり、サーフィンは自然相手のスポーツ。全てうまくカバーできないのが現実だ。

ヒートでの勝敗ならば、全員が同じ条件で戦うから結果が全て。しかし、選手の実力を測るとされたヒート形式トレーニング。やはり波運が左右する中で、個々を数字で判断する難しさも改めて露呈した形となった。

ただ、波のコンディションがどうあれ、そこでどう演技するか。それは選手の実力次第だから判断できるという考え方も理解できる。でも、それを獲得する得点で順位を つけるは少々厳しい気がした。
同じ条件が作り出せるウェーブプールならまだしも、自然の海でやることの難しさ。ならばどうだろう。強化指定選手の中にはグロムの選手もおり、身体の小ささで不利は否めない。





もちろ ん、育成という部分で早くからこういう場で戦うことで学ぶことの重要性は理解できるが、それは別に分けてやることはできないか。この強化合宿もそのグロムを除けば人数が減るわけで、そ うすれば時間帯を調整することは可能であり、潮の干満で不利になるようなことは避けられると思う。



「JAPAN OPEN OF SURFING」への出場し、ここで優勝すると9月開催のISA世界選手権への一 枠に入り、さらにここでアジアNo1になるとオリンピック出場候補に内定と続く。選手にとっては一生を左右するだけのイベントだ。選手選考でより公平性を重視しするならば、きっちりパ フォーマンスを見せることができる場を提供する事も運営側への与えられた課題だろう。

そして、2日目の午後には会場を鴨川グランドホテルに移し、「ドーピングセミナー」や「JISS 動画説明会」に加え、「ISA世界選手権、世界ジュニア選手権国別ダブル優勝報告会」も行われた。 選手の功績を称え、記念品の贈呈やミュージシャンの平井大さん(上山キアヌ久里朱選手が大ファン)からのお祝いメッセージと歌のプレゼントなどもあり、会場は大変な盛り上りとなった。
また、個々の挨拶では世界大会への想い、そして、各自が「勝つ」ことへのこだわりと新た な決意表明もあり、日本の強さが本物になりつつことを実感することができた報告会となった。
最後にNSA強化部からは、今後のスケジュール、「JAPAN OPEN OF SURFING」、オリンピッ ク選考基準についてが発表された。2020年はこの「強化合宿」は1月から3月に。「JAPAN OPEN OF SURFING」は1月から4月に開催され、そのまますぐに1月から6月「ISA世界選手権」、 7月「東京オリンピック」へ続く。
非常にタイトなスケジュールになることが報告され、その選考基準の説明も改めて行った。そして、今年のプレオリンピックに代わり、7/18~21に会場の千葉 県の釣ヶ先海岸(志田下)で、テストイベントも行うことも併せて発表された。
オリンピックまであと500日を切った。世界に日本のサーフィンの強さを魅せるチャンスでもあ る。頑張れ!日本!Go!NAMINORI JAPAN!
2位松田詩野 18.86
3位 黒川日菜子 18.10
4位中塩佳那 17.27
5位大村奈央 16.166
6位野中美波 15.93
7位、橋本恋 15.30
8位、前田マヒナ 15.26
9位、庵原美穂 14.88
10位、都筑有夢路 14.70
11位、鈴木姫七 13.26
12位、都築虹帆 13.03
「JAPAN OPEN OF SURFING」出場決定選手
男子
- 1、村上舜 23.36
- 2、新井洋人 22.60
- 3、伊東李安琉 20.83
- 4、大橋海人 20.40
- 5、大音凛太 20.26
- 6、田中大貴 20.13
- 7、稲葉玲王 20.03
- 8、大原洋人 19.87
- 9、加藤嵐 19.20
- 10、森友ニ 19.16
- 11、安室丈 18.87
- 12、堀越力 18.30
http://www.nsa-surf.org/news/20190331-gassyuku-day2-men/
女子
- 1、川合美乃里 20.76
- 2、松田詩野 18.86
- 3、黒川日菜子 18.10
- 4、中塩佳那 17.27
- 5、大村奈央 16.16
- 6、野中美波 15.93
- 7、橋本恋 15.30
- 8、前田マヒナ 15.26
- 9、庵原美穂 14.88
- 10、都筑有夢路 14.70
- 11、鈴木姫七 13.26
- 12、都築虹帆 13.03