BSRサーフリゾートはアメリカン・ウェーブ・マシンを搭載した人工サーフ・プール。 WavegardenとSurf Ranchと同じ淡水を使用する3大プールシステムの1つ。そのBSRサーフリゾートでサーフィンしていた男性が「脳を食べるアメーバ」に感染し死亡。BSRにはアメリカ疾病管理予防センターの調査が入り、BSR側も自主的に閉鎖をしている。
ニュージャージの29才のサーファー、ファブリジオ・スタービレさん29歳は、アメリカ・テキサス州中部にあるBSRサーフリゾートでサーフィンを楽しんだ数日後に亡くなった。
アメリカ疾病管理予防センターは、サーファーを殺した「脳を食べるアメーバ」の原因を現在調査している。そのサーファーがウェイブ・プールで感染したのかどうかの分析結果が決定するまでBSRサーフ・リゾートはプールを自主閉鎖する方針だ 。
被害者となったスタービレさんは漁師で、ニュージャージー州環境保護局(NJDEP)とBass Pro Shopsで働いていが、サーフィンやスノーボードも趣味で楽しんでいたそうだ。
フォーラーネグレリアは、暖かい淡水の湖や川、土壌に見られる、稀有で極めて有害な自由生活微生物アメーバ。しかし、「脳を食べるアメーバ」感染症は、塩素が不十分なスイミングプールや温水や汚染された水道水、温泉、地熱飲料水、給湯器などでも発生する可能性があるという。
ファブリジオ・スタービレさんは、BSRサーフ・リゾートを訪ねた後にフォーラーネグレリアで死んだ。汚染された水は、水泳者やダイバーの体に鼻から入り、脳に行き、そこで原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)を引き起こす。言い換えれば、この感染は脳組織を破壊して脳の腫脹および死を引き起こす。しかし、汚染された水を飲んでフォーラーネグレリアに感染することはなく、バクテリアを食べているアメーバは塩水には見られない。
また高温で生育し、短期間生存することができる。この感染は、人から人に伝染することはないが、初期症状には、頭痛、発熱、悪心、嘔吐などがあり、感染後1日から9日までに発症。病気は急速に進行し、5日間で人間を殺すことができる。
この「脳を食べるアメーバ」に感染した患者には、有効な治療法はまだなく、1962年から2017年の間に、アメリカで143人が感染、そのうち139人が死亡し、4人が生存している。
今回の事件は、日本でもウェイブプールが注目を集めているサーフィン業界だが、その施設を利用するサーファーのことを考えて、水質管理をもう一度見直す必要があるという警告なのかもしれない。