撮影、取材:山本貞彦 「2018年サーフィン強化指定選手強化合宿」最終日。まずは昨日からの実戦トレーニングの続き。男子のR-3H-5からスタート。男女共決勝まで行われた。
今日はサイズダウンでムネカタ。風はサイドオフ。上げに向けて、つながり気味になり難しいコンディションに。ファイナルまで勝ち上がった選手は、男子が西修司、大原洋人、大橋海人、三輪紘也。女子は川合美乃里、松田詩野、野中美波、中塩佳那。
結果は男子が大原洋人、女子は松田詩野が優勝。今回、結果だけの判断でなく、各選手の実力及び試合運びなどをチェックした。
実戦トレーニングの後、午後からは講習。今回、この講義。「サーフィンをスポーツに。」「サーファーをアスリートに。」これをテーマにそれぞれ細かく各部署でレクチャー。
まずは国立スポーツ科学センターから「JISS nx」の使い方。これは大会で映像を撮り、それを自分の携帯端末、PCで確認できるシステムの紹介。いつでも自分のライディングをチェックできるとの提案。
続いて、アンチドーピングセミナー。ドーピングとは?から始まり、現在の違反の状況。アスリートとしての自覚を促す講義。また、実際に普段から使っている風邪薬、のど飴など、身近なものでも禁止されているものが含まれることもある。
なので、具合が悪くなった時は、JADA(公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構)のHP(http://www.playtruejapan.org/ )にアクセスすれば、近くのアンチ・ドーピングの知識を持ったスポーツファーマシスト(薬剤師)を検索できるようになっている。
また、薬を飲む前に、その薬が問題ないか、自分で調べるシステム「global DRO」という検索サイトもここに載っている。これは日本だけでなく、アメリカ、カナダ、イギリスで共同で運営されているとのこと。特にサーファーはこの部分の知識が無いから、JADAのHPにアクセスして、自身でも気をつけるようにしないといけないだろう。
日本代表コーチのウェイド・シャープ氏からは選手としての自覚。メンタル、ポジティブシンキングからフィジカル、エキップメントの調整など選手として基本を促した。
また、アスリートとして必要なこと。自分の頭で考えて言葉にする訓練。グループディスカッションで実践。これからのインタビュー含めいろいろなところで役に立つと提案。
続いて、強化指定選手について。また、オリンピック代表選手選考、JOC強化指定選手選考についてを説明。そして、今年からオリンピックの2020年までの選考基準を発表。
ただ、そのオリンピックの各国の選手枠は、未だIOCの理事会で最終決定がなされず、最終決定は先送り。メディアのフライング的な「代表が確定」情報は確定でないことを選手に説明した。
最後にISAの世界選手権で金メダル!そして東京オリンピックにつなげたいと講義を終了。オリンピックが現実味を増した中での今回の強化合宿。実戦トレーニングに加え、実のある講義となった。
ここで選手に助言。各協会でランキングを上げるのも必要だが、ISAの世界選手権での活躍が大事。それはオリンピックの日本がもらえる参加枠に関わってくるからだ。NSAとしてはここを重視している。JOCの評価、認定もここが在りきだ。
だから、オリンピックを目指すなら、ISAの世界大会に出場することが重要。年間スケジュールを考えた時、これを頭に入れて大会を選択した方が良いだろう。
今日はあの東日本大震災。さらなる復興を願い、海岸に出て黙祷。
日本選手の強化はこの三団体の協力があってこそ。JPSA牛越氏、NSA坂井氏、WSL ASIA加藤氏。
3月末で退任のJPSA牛越理事長に花束の贈呈。
撮影、取材:山本貞彦
協力:NSA(日本サーフィン連盟)、JPSA (日本プロサーフィン連盟)、WSL ASIA(ワールドサーフリーグ日本支局)