撮影、リポート:Sirena Magazine 米地 有理子 http://sirena-magazine.com/
ISA世界アダプティブ・サーフィン選手権大会にてAS-1初代ウィメンチャンピオンという快挙の内田一音さん、アジアサーフィンツアー2017で初代の年間グランドチャンピオンに輝いた関口海璃さんの功績を称える祝賀パーティーが3月4日に逗子にて開催された。
発起人は2人のサーフボードのスポンサーのブルーワーサーフボード社長の和田浩一氏で、「二人が頑張ったのでお祝いしてあげたい。これをきっかけに、これらの大会が盛り上がっていけば」という思いからだ。その熱い思いにブルーワーサーフボードの関係者、鎌倉のローカルサーファー、遠くは愛知、福島からサーファーが駆けつけた。
内田一音さんはNSA湘南鎌倉支部の支部長であり、JPSAロングボードのプロ資格を持ち、JPSAの試合にも参戦していたが、左股関節全廃という障害を持つ。2017年よりISA世界アダプティブ・サーフィン選手権大会でAS-1クラス(立って乗る方及び膝立ちで乗る方のクラス)の女子クラスが開始され、代表選手として参戦し見事優勝、初代のチャンピオンとして名を刻んだのだ。
また、関口海璃プロはショートボードのJPSA公認プロであり、昨年から始まったアジアサーフィンツアーに参戦し、全3戦中、静岡・静波で行われた第2戦でショートボード、ロングボード共に3位、フィリピンで行われた最終戦でショートボード優勝、ロングボード2位で、初代の年間グランドチャンピオンとなった。
2人とも湘南藤沢、湘南鎌倉の女子サーファーであり、地元湘南のサーファーにとっては、もちろん日本のサーファーとして誇りとなるうれしいニュースを届けてくれた。
内田一音さんは、「私の障害を知って頂いてる方は鎌倉の皆様の他数少ないですが、その方々が大会出場にあたって背中を押してくれました。この優勝は皆様のサポート無くしては取れなかった栄冠です。本当に感謝致します。
また、 “アダプティブ”とは“適応”という意味を持ちます。競技サーフィンもありますが、障害のある皆様にいろいろなボード、また、いろいろな乗り方が出来ることを知って頂けたらと思っております。私のアダブティブサーフィンの活動はこれからですが、アダプティブ・サーフィンを沢山の人に知って頂けたらと思っております」とコメントをくれた。
また関口海璃プロは「ここ四年間ずっと表彰台に立てることなく、自分に自信がなくなり、引退という言葉もよぎりましたが、2017年アジアサーフィンツアーの最終戦でショートボードで優勝をし、年間グランドチャンピオンにも輝くことができました。とてもうれしいです!
ファイナルの相手の選手は自分よりもスキルを持っていたので、心が折れそうになりましたが、自分を信じて絶対あきらめないと心に誓って挑んだ結果、ヒートの中で一本しか入って来なかったセットに乗ることができ、自分のパフォーマンスを出しきることができました。
自分の生まれた国が所属する大好きなアジアという地域でチャンピオンになるということは本当に嬉しいことだし、自信に繋がりました。
「次はいろいろな世界に行ってみたいと自分を向上させてくれる試合だったとも思います。この結果がなければ私のコンペティションは終わっていたかもしれません。勝った喜びをまた味わいたいと思ったし、うれし涙を流せるならまた頑張りたいと思えました。
今回いろいろお世話になっているスポンサー様や、家族、友達、ローカルの皆様に支えてもらい、こういう形で報告ができて嬉しいです! そして、祝賀会を開催して頂いた、ブルーワーの和田さんをはじめ、来てくださった方々に、感謝の気持ちでいっぱいです。
またこのパーティーでいつも私を一番にサポートしてくれているお母さん、お父さん、妹に自分の晴れ舞台を見せることができ、本当に嬉しく思っています。また今年も自分を信じて諦めずに、ベストなパフォーマンスをしていけたらと思っています。これからも応援よろしくお願い致します!」と語ってくれた。
アダプティサーフィンもアジアサーフィンツアーも、まだまだ広く知られてはいないかもしれない。けれどもの2人の活躍が知るきっかけとなって、さらに日本で広く知られていき、日本そしてアジアのすべてのサーフィンが盛り上がっていくことを願う。2人の初代チャンピオン女子サーファーを称えるとともに、そのはじめの一歩を祝うパーティーにもなったといえるだろう。