今年で8年目に入ったJJP(ジャパン・ジュニア・プロジェクト)から選手育成やコーチングについての提案。

JJP8年目にして表彰台に上がった日本チーム

サーフィン・ジャーナリストの山本貞彦氏が立ち上げた、日本のサーフィンを引き継ぐ次世代 「ジュニア」の一環した育成プロジェクト「JAPAN JUNIOR PROJECT / ジャパンジュニアプロジェクト」。

 

結成から8年目に入った今年、WJCの歴史の中でも最高の成績を収め、安室丈が日本人選手として初のファイナリストとなり準優勝。また西優司、川合美乃里もセミファイナルに進出。昨年の成績を超える3位という結果を残した。

 

このプロジェクトは山本氏が個人で各スポンサーからの協力を仰ぎ、プロサーファーの田中樹をメインのコーチとして雇い、WJC日本代表となったジュニアたちを様々な面でサポートをするもの。そんなJJPも選手の年齢が下がったことなど、多くの問題を抱え、新たな局面を迎えようとしている。ここにJJPからの今大会の結果報告とともに、次のステップを提案する山本氏からのメッセージを紹介する。

 

 

 

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 WSLの世界ジュニア。7地域のリージョナルから18歳以下の代表選手が集まり、2017年度のチャンピオンを決める大会だ。昨年に続き、今年もオーストラリアのカイアマ、ボンボビーチで開催された。

 

 今年の会場は水温が冷たい。日中は晴れていても風が吹けば、外気も寒い。期間中の波のサイズは2-3フィート。癖のあるスウェル。ただ、難しい波であるものの、日本人選手でも十分戦えるコンディションだった。

 

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 WSLのアジアリージョナルの日本からは、国内予選を勝ち上がった都筑百斗、上山キアヌ久里朱、安室丈、小笠原由織。女子は松田詩野、脇田紗良。さらにインターナショナルからの推薦でワイルドカード枠に西優司と川合美乃里が加わり、最強のメンバーが揃った。

 

安室丈
安室丈

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 結果から。今大会はWJCの歴史の中でも最高の成績を収めることができた。安室丈が何と日本人選手として初の表彰台で、準優勝という成績でフィニッシュ。また、西優司、川合美乃里もセミファイナルに進出。昨年の成績を超える3位という成績を収めた。

 

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西優司
川合美乃里
川合美乃里

 

 都筑、上山、小笠原、松田、脇田は僅差での敗退。本人たちは結果に満足いかなかったかもしれないが、次に繋げることができる戦いだったと思う。経験を積むことができたことに加え、今の自分に何が足りないかを現場で知ることができたはずだ。

 

JJPはメーカーの育成システムができるまでの肩代わりとしてスタートして、今年で8年目に入った。

 

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 そして、今回はコーチングについての提案。昨年から各々がコーチを雇い、スキルやメンタル、タクティクスなどを学ぶ選手が増えた。オリンピックのおかげで選手自身の意識が高くなったことや、世界を相手に戦うためには一人では無理だということが、やっと理解されたこともある。

 

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 WSLの大会はISAと違って、パーソナルな戦い。だからこのジュニアの試合では、親御さんのフォローがまず在りき。そして、ライダーとして雇用しているメーカーがそれをサポートするのが理想。そして、コーチ。もし、普段からコーチングをお願いしている人がいるなら、ぜひ帯同してもらったらどうか。

 

 この大会は短期決戦であるからこそ戦略が必須。そのためには選手のスキルや性格を知っておくことが必要だ。だからこそ、普段からその選手を指導している人が来るのがベストだと思う。

 

 いろんな事情で帯同できないというならば、もちろん、JJPでフォローすることはできる。しかし、今の状況でできるJJPのサポートは限定的だ。それは、この大会で初めて指導する選手の場合、その選手がどんな指導を受けているのか。また、選手の癖などもわからず、現場でやれることには限界がある。

 

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 そう考えるとJJPができること。普段から大会などで選手を見る、合宿を行うなど、年間での活動が在りきとなる。また、選手が18歳以下になったことで、引率するにあたりケアも格段に増えた。リスク管理を考えれば、スタッフの増員も不可欠となった。

 

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 この問題をそのままにしていれば、今回の結果を上回ることは正直、難しいと思う。ならば、協賛社を増やすことを考えなければならないが、業界各社の事情や景気の問題もあり、不確定要素が多過ぎだ。 

 

 だからこそ、やはり選手育成については、ライダーとして契約しているメーカーの主導で行うことがベストだと考える。JJPはメーカーの育成システムができるまでの肩代わりとしてスタートして、今年で8年目に入った。オリンピックも控え、待った無し。JJPの活動を続けるのか、メーカーに引き継ぐのか。答えを出す時期が来ている。

 

 最後に。この活動にご理解、ご支援、本当にありがとうございました!今年も応援ありがとうございました!

 

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WSL「Jeep World Junior Championship 2017」

期間: 2018.1/4-12
会場: オーストラリア(NSW)、 カイアマ、ボンボビーチ

・Mens

優勝: Finn McGill (HAW)
2位 : 安室丈 (JPN)
3位 : 西優司 (JPN)、Joao Chianca (BRA)
5位 : 和井田理央 (IDN)、Cody Young (HAW)、Barron Mamiya (HAW)、Samuel Pupo (BRA)

・Womens

優勝: Vahine Fierro (PYF)
2位 : Summer Macedo (HAW)
3位 : 川合美乃里 (JPN)、Taina Hinckel (BRA)
5位 : Kirra Pinkerton (USA)、Macy Callaghan (AUS)、Zahli Kelly (AUS)、Zoe McDougall (HAW)

※日本人成績

男子/ 準優勝:安室丈
    3位:西優司
   13位:都筑百斗、上山キアヌ久里朱
   25位:小笠原由織

女子/ 3位:川合美乃里
   13位:松田詩野、脇田紗良
※大会 HP

・Mens

http://www.worldsurfleague.com/events/2017/mjun/1755/jeep-world-junior-championship

・Womens

http://www.worldsurfleague.com/events/2017/wjun/1756/jeep-world-junior-championship-womens