写真、リポート:山本貞彦 2017年、日本で唯一開催されるWSLアジア男女ロングボードQS1,000イベント「Trump Onjuku Logger Pro」は大会最終日。女子のラウンド1からスタートしてファイナルまでが行われた。
昨晩からのオフショアで波のサイズはヒザモモでセットでコシへと一気にダウン。朝一は波が早くて女子は手こずる。崩れるのが早い最後のセクションで、ノーズに行っても戻れないというコンディション。潮が上げて多少良くなったものの、今日は波のセレクトで勝敗が決まった。
季節が入れ替わって、晴れても底冷えの寒さ。風が冷たくて、水の中の方が暖かいって、選手は言ってたな。
ピッコロ・クレメンテ(PER)が優勝
男子のLQSでは、セミファイナルで日本人選手が敗れ、ファイナルにはピッコロ・クレメンテ(PER)、カニエラ・スチュワート(HAW)、トニー・シルバニ(USA)、テイラー・ジェンセン(USA)といった優勝候補とされた世界のトップが顔を揃えた。
ファイナルは波数もかなり減り、スローな展開。ロースコアが続く中でピッコロ・クレメンテが長いハングファイブとテンをコンビネーションさせてエクセレントの8.33をスコア。
それに対しハワイアンのカニエラも7.33 をスコア。バックアップも6.67 をスコアしてトータル14.00でトップに躍り出る。トニー・シルバニも6.23を含むトータル11.40で2位につける。バックアップのないピッコロは3位、テイラーは全く精彩を欠きコンビネーションで4位。
残り時間5分を切って、再びセットを掴んだピッコロは、ハングファイブからテンをコンビネーションさせて7.50をスコア。3位から一気にトップに躍り出る。終盤に巻き返しを図るテイラーだったが時すでに遅し。ピッコロ・クレメンテが強者の追撃を振り切り、見事優勝した。
吉川広夏が優勝
女子のLQSファイナルでは、地元御宿の日本を代表するロングボーダーである吉川広夏、今シーズン彗星の如くシーンに登場した小山みなみ、セミファイルでは終了間際の大逆転でファイナルに勝ち上がったペルーのマリア・フェルナンダ・レイズ、プロ6年目のベテラン小高恵子が顔を揃えた。
そのファイナルは、スタートからフェルナンダがリードするも、吉川広夏がライトブレイクを掴み、ハイラインで綺麗なハングファイブを決めて、4.37 をスコア。続けて6.33 をスコアしてトップへ躍り出る。
さらに吉川は6.33 をスコア。トータル12.66としてファイナルを完全にコントロール。2位にフェルナンダ、3位に小山、4位に小高の順位で後半戦へ。
残り時間5分を切って猛チャージを開始した小山みなみは、5.93をスコアして2位に浮上。逆転にニード6.73と追い上げ、残り2分で再びレフトブレイクを掴んだ。小山はハングファイブをコンビネーションしてコンプリート。しかしスコアは6.50と僅かに逆転ならず。吉川広夏が逃げ切り、WSLロングボードツアーでの今季初優勝を決めた。
テイラー・ジェンセンがTrim&Glideで優勝
シングルフィン・ロングボードの特別戦TRUMP Trim&Glideのファイナルでは、ショートボードもロングもマルチに乗りこなす16才の井上鷹、宮崎から世界にチャレンジするスタイルマスター秋本祥平という日本人2名が、テイラー・ジェンセン (USA)、トニー・シルバニ (USA)と対戦。
長身のテイラー・ジェンセン (USA)が、小波でも見事なノーズライドを披露。スタートから7.00、終盤に8.33という2本のエクセレント・レンジのをスコアしてファイナルを終始リード。
ハングテンのソウルアーチを見せて高得点を手にいれた井上鷹は、ヒート終盤まで2位をキープ。秋本も終盤に巻き返すも、終了間際にシルバニが長いハングファイブを決め、2位になりタイムアップとなった。
世界チャンピオンのテイラー・ジェンセン
昨日のオーバーヘッドの波でのパワフルなマニューバーから、今日のスモール・コンディションではシングルフィンで流石のパフォーマンスを見せたテイラー。
浜瀬海
クオーターファイナルを勝ち上がるも、セミファイナルでは波運に見放されて敗退となった浜瀬。
世界的サーフィンレジェンドのナット・ヤングを父に持ち、テイラー・ジェンセンの妻であるナヴァは今回セミファイナルで敗退。
会場では「ヘアーカリフォルニア」の軽部京介氏のヘアーカットも。
岡田匡平
波を知ってるねー。御宿ローカルの意地を見せて、今大会5位。
吉川広夏
御宿ローカルとして、初めての大会開催に感謝。最後まで落ち着いた試合運びは見事。さすがです。優勝!おめでとう!
今回、久しぶりに日本の試合に出場した植村未来。セミファイナルで敗退。
田岡なつみ。日本チャンピオンを自力で掴んだ自信。「勝つんだ」というオーラがこちらまで伝わる。しかし、セミファイナルでは、4名中3名がJPSAグラチャン獲得者というタフなヒート。攻め続けたものの0.1ポイントの僅差で敗退。SUPのエキシビションも行われて、地元御宿のユージン・ティールが優勝。
WSL ASIA Men’s&Women’s LQS1000「Trump Onjuku Logger Pro」
Men’s
優勝:ピッコロ・クレメンテ(PER)
2位:カニエラ・スチュワート(HAW)
3位:トニー・シルバニ(USA)
4位:テイラー・ジェンセン(USA)
Women’s
優勝:吉川広夏
2位:小山みなみ
3位:マリア・フェルナンダ・レイズ(PER)
4位:小高恵子
Trim & Glide
優勝:テイラー・ジェンセン(USA)
2位: トニー・シルバニ(USA)
3位:井上鷹
4位:秋本祥平
SUP Exhibition
優勝:ユージン・ティール
2位:畑雄二
3位:高貫佑麻
4位:佐藤広
特別賞
Men’s :秋本祥平
Women’s:小山みなみ
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イベント公式ページ http://www.worldsurfleague.jp/2017/trump/
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