写真、取材:山本貞彦
JPSAショートボード第8戦「ブルーエコシステム presents 仙台プロ」大会最終日。台風の影響で、前線が刺激され朝から雨。風はサイドオフ、オンと安定せず。
波は頭。セットで頭オーバー。昨日に比べれば、落ち着いたように見える。ただ、潮の満ち引きで状況は刻々と変化。流れも入るワイドブレイクは変わらない。
波数で言えば、正面。しかし、演技して戻るのはハード。左奥はサイズはあるものの、ゲッティングアウトはイージー。選手は会場正面か、左奥か。それぞれの作戦で分かれた。
西元エミリー&ジュリ、初の姉妹ファイナル。
コンテストは男子のクオーターファイナルからスタート。最終戦に相応しいコンディションで、素晴らしい戦いが繰り広げられ、女子のファイナルは西元エミリー&ジュリという初の姉妹対決が実現。
そのファイナルは、妹のジュリがバックハンドのソリッドなワンマニューバーで7.17をスコアしリード。続けてバックハンドでチャージするジュリは5.10をスコアしてバックアップ。リードを広げる。
姉のエミリーはフォアハンドで5.67をスコア。ヒート終盤に逆転を狙って、ビッグなバレルにプルインするもメイクできず。これを抜けていたら、間違いなく逆転できていただろう。そして、そのままジュリが逃げ切り、姉妹対決を制し、今季2勝目をあげて、初のグランドチャンピオンに華を添えた。
2年連続グラチャンの加藤嵐と村上舜
男子ファイナルは、渡辺寛とのセミファイナルで9.17のエクセレントを含む、大会最高得点となる 17.00をスコアして勝ち上がった加藤嵐と、大野修聖との激しいデッドヒートに競り勝った村上舜が対戦。
そのファイナルは、村上舜が先制攻撃。フォアハンドでエア気味に着地するリエントリーで7.67をスコア。続けてセカンドウェイブでソリッドなターンで6.77をスコア。ヒートスコア14.44とファイナルを大きくリードする。
後半に入り、ニード7.62と追い込まれた加藤嵐。ビッグなレフトにチャージするも、トップターンでスタックしてワイプアウト。スコアが伸ばせない。残り時間10分、村上舜が、的を絞っていた左奥のレフトのセットをキャッチ。
深いボトムターンから3マニューバーのメジャー・ターン・コンビネーションで9.50というイベント・ハイエストのスコアをマーク。勢いに乗る加藤嵐もコンビネーションに追い込まれて、村上舜が2017年のJPSA最終戦で有終の美を飾った。
村上舜
今期、JPSAに参戦したのは、3戦(新島、千葉、仙台)のうち2戦で優勝。「今シーズンは世界では納得できない試合が多かったけど、国内では優勝で終われて良かった。来シーズンは自分の目標を達成できるように頑張ります。」とコメント。
R-5から変わらず、左奥のポイントをセレクト。サイズはあるもののフェイスが長い。普通にサーフィンするだけでは高得点は望めない。
舜はそれをわかって、テイクオフから板の当て込み、レールの切り返しをハードにねじ込む。ファイナルでは9.50という今大会のハイエストを叩き出す。文句なしの優勝だった。おめでとう!
加藤嵐
ファイナルまでの戦い方を見れば、優勝候補筆頭は間違いなかった。戦略も見事、波を見極める目も確か。そして、セットの波でのメジャーマニューバー。今シーズンの集大成を感じさせるサーフィンだった。
グランドチャンピオンは2年連続。感慨深いかと思いきや、本人は至って冷静。自分のことよりも、その自分を支えてくれた家族や、コーチ、友人に改めて感謝。大人になったなー。
大野修聖
大野もセミでは左を選択。ただ、この時間帯、波がばらけて安定せず。それでも、フルカービングからの2発で、8.50ポイントをマーク。これで勝負あったかと思ったところに、村上舜がアベレージを出して、すかさず逆転。残念ながら今大会は3位という成績。
渡辺寛
寛が選ぶ波は、ミドルのロングウォールの技数が入る波。マニューバーもバリエーションがあって、良かったんだけどね。惜しかった。
松岡慧斗
ローカルの意地。最後まで左奥のセットを待ち続けて、タイムアップでクォーターで姿を消した。それでも会場からは拍手と歓声。皆が慧斗の健闘を讃えた。
西元ジュリ
姉と初の決勝対決。「楽しみたい」とコメントして試合に臨む。でも、今日の波は楽しむというには、ハードなコンディションだけどね。女子では、間違いなく大きな波を乗りこなせる選手の一人に成長。ストロングターンからの大技はジュリならでは。
最終戦の優勝に、グランドチャンピオン獲得!
おめでとう!
西元エミリー
ジュリがゲットにはまっている時に掴んだ、チューブの波。レールをセットできずに巻き上げられて、ワイプアウト。これを抜ければ、間違いなく逆転できていたかも。
野呂玲花
引きいっぱいで、ワイド。波数も安定せず、難しいコンディションだった。攻め手を間違ったか。ドンマイ!
脇田紗良
ルーキーオブザイヤーを取るも、この試合で3位という成績に納得いかず。でも、この大会での経験がまた次に繋がるんだ。ガンバです!
安室丈
プライオリティー・インターフェアを侵し、クオーターファイナルで敗退。
男子
優勝:村上舜
2位:加藤嵐
3位:渡辺寛、大野修聖
女子
優勝:西元ジュリ
2位:西元エミリー
3位:脇田紗良。野呂玲花
敢闘賞
男子:安室丈
女子:黒川日菜子
ハイプレイス賞(ローカルで一番成績が良かった選手を表彰)
男子:松岡慧斗
女子:高橋みなと
2017年JPSAショートボード
ルーキーオブザイヤー
男子:松本コア
女子:脇田紗良
グランドチャンピオン
男子:加藤嵐
女子:西元ジュリ
仙台ローカルの皆様
お疲れ様でした!
そして、ありがとうございました!
サーフメディアは現地から最新情報をお伝えする予定です。お楽しみに!
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ライブ中継はこちら。http://www.namiaru.tv/ust/jpsa/
JPSAオフィシャルサイト:http://www.jpsa.com/
今回ライブ中継を行ったAbemaTVでは、放送したハイライトシーンを「Abemaビデオ」にアップして見返せる機能を採用。ズームで寄ったスローのリプレイシーンなど数多くアップロード。JPSAのライブ映像とは一味違った映像が楽しめます。