写真、リポート:永島未知子 ビアリッツ、フランス、2017年5月24日「ISA World Surfing Games フランス2017」の大会5日目。
「ちょっと待ちくたびれました」と波乗りジャパン選手がいうように、堀越力のラウンド2が始まったのは日没に近い20時半。波はセットで腰腹ぐらいと昨日よりサイズダウン。点差が出づらそうな波ではあるが、堀越力のヒート相手をみるとラウンド1を2位通過した2名と、敗者復活戦の勝者1名。それだけを見ると勝てるラウンドだと思われた。
ヒートが始まるとセットが入り各選手が次々にチャージする。当然、堀越力も乗るのだがラウンド1の試合と比べると波選び、技など精鋭を欠いた印象。そのまま他の選手にリードを許したまま後半戦へ突入。残り5分近くになったところで勝ち抜けるのに必要な点数が6点台になるまで、追い込まれてしまう。どうしたキャプテン、堀越力!
堀越力の調子が出ないのにはわけがあった。前日からひいてしまった風邪が本日悪化し、かなりの熱があるとのこと。「キャプテン、足に力が入らないと思うんです」と波乗りジャパンチームの他の選手もいう。
1週間のうちに冬から夏があるというこの時期のビアリッツの激しい気温の変化にやられてしまったようだ。堀越力は試合以外にも自分の体調とも戦っていた。
そして残り時間5分を過ぎたころ。「沖、沖、力!」と波乗りジャパンチームが叫ぶように、セットが入ってきた。フォアハンドでターンを3発繰り出す。終了までの時間が見えてきたところで体力を振り絞り、集中したのだろうか。
その1本に続き、もう1本もターンを2発。すると6.47、4.97という得点をスコアし、逆に3位の選手に6.42のリードを付け、高熱を出しながらも堀越力は2位でラウンドアップを果たした。
エネルギーを最小限に集中させ、決めるとこで決めた。「思ったより点数が出た」と言っていたが、キャプテンさすが! あとは体調回復に務め、明後日には回復していることを強く願う。
さてこの大会も後半戦に突入。大会6日目となる明日は他の男子3名のヒートが予定されている。ラウンド2について、それぞれがこう延べてくれた。
大音凛太「リラックスしていい波に乗り、勝てるように頑張ります」
田中大貴「ラウンド1での修正点をなおし、エクセレントスコアを出したいです。波も思ったより小さいのですが、地元福岡の波に似ている部分もある。ホームポイントを思い出して、波のサイズ関係なくスプレーを出すいいサーフィン、順位より自分のサーフィンができるようにしたいです」
小笠原由織「ラウンド1の試合内容みたいなヘマはしないで勝ち上がりたいです」
ちなみにコールが現地時間12時(日本時間19時)、試合が順当に進行すれば
13時40分(日本時間20時40分)に大音凛太のヒート82、14時(日本時間21時)に小笠原由織のヒート83、16時20分(日本時間23時20分)に田中大貴のヒート90です。
明日も本日同様に気温は30度超え。またフランスの祝日ともあり午前中から多くのギャラリーが集まり、1日を通して盛り上がることが予想される。波乗りジャパンのサーフィンを多くの人に印象づける大事な1日。体調を崩している選手、スタッフがいる波乗りジャパンに日本からの応援もぜひよろしくお願いします!
2017 ISA World Surfing Games
開催国 ビアリッツ フランス Biarritz, France
開催日 2017年5月20日~5月28日(現地時間)
<派遣選手>
・メンズオープン
大音凜太 小笠原由織 田中大貴 堀越力
・ウィメンズオープン
大村奈央 7位
野中美波 17位
・スタッフ
酒井 厚志 (選手団長)
吉永 修 (マネージャー)
井本 公文 (マネージャー)
ウェード・シャープ(コーチ)
大石 純也(通訳)
オフィシャルサイト:
http://isaworlds.com/wsg/2017/en/