JPSAロング第1戦 ガルーダ・インドネシア トラベルシーンプロは、畑雄二と植村未来が優勝。
クラマス、バリ/インドネシア(2014年4月18日金曜日)バリ島 クラマスにおいて開催中の、JPSAジャパンプロサーフィンツアー2014 の開幕戦となる「ガルーダ・インドネシア トラベルシーンプロ」は大会2日目。本日はロングボードのファイナルデイ、そして明日からはショートボードが4月23日まで開催される。
昨日は昼前からオンショアが強まり、コンディションが悪化したが、本日はオンショアも強まることなく、クリーンなコンディションを保った。しかし、本日の最後の最後、予想外の展開が待っていた。
男子セミファイナルで、昨年のグランドチャンピオンで、優勝候補であるユージン・ティールや尾頭信弘、阿隅 寛典、藤井 辰緒が敗退するなか、男子のファイナルは、畑 雄二、森 大騎、鈴木 剛、秋本 祥平の4名が顔を合わせた。しかし、クリーンなコンディションの中、スタートしたメンズのファイナルは希に見る波の来ないファイナルとなった。
それまでオーバーヘッドのセットが入っていたクラマス。しかしクリーンなコンディションはキープしつつも、セットらしいスウェルがピタリと止まり、乗れる波が全く入って来ない。
辛うじて森 大騎がライディングしたため、リスタートにはならないが、長い沈黙が続く。ついにヒート時間の半分が経過したが、まだ森の1.85の1本のみ。痺れを切らした鈴木剛がインサイドの波に手を出し2.75をスコア。そして、森が再び2本目の波をゲットし、ハングファイブからカーヴィングで3.5ポイントをゲット。そして、鈴木剛も再びインサイドの波で3.0ポイントをゲット。ヒートスコア5.75で1位となる。この時点で畑と秋本はノーライド。
残り7分、畑雄二がテイクオフ。ハングファイブからクローズセクションへの激しいリエントリーを決めて、4.50をスコア。予想だにしなかった異例のロースコア・ファイナル。3本目の波を掴んだ森は、素早いハング5でダウンザライン。カーヴィング・ターンを組み合わせて、4.00をスコアしてトップへ。しかし、終了間際に畑雄二が5.25をスコアして大逆転。ヒート終了ホーン寸前に森が再びライド。奇跡の大逆転には5.75が必要だったが逆転ならず。畑雄二が勝利を手に入れた。
妊娠7ヶ月の植村未来が開幕優勝。
女子のファイナルは、セミファイナルで2本のエクセレントを揃えたグラチャン植村未来、 鈴木由貴、小髙恵子、吉川広夏の4名。ファイナルはスローな展開。まず勝負を仕掛けたのは吉川広夏。形の良いミドルサイズのライトをキャッチすると、テイクオフからすぐにハングファイブ。そのままダウンザラインしカーヴィングのコンビネーションで4.00をスコア。それに応えるかのようにビッグセットを掴んだ植村未来は、バックハンドでキレのある素晴しいビッグターン2つを披露。6.75をスコアしてファイナルをリードする。鈴木、小高はリズムを掴めない。
他の選手が、掘れ上がる波のパワーに翻弄される一方で、植村は本当に力強いターンを見せる。完全にテールコントロールのサーフィンで、深いボトムターンからオフザトップのビッグスナップ。他の選手とは完全にマニューバーの取り方違っていた。再び6.50をスコア。ヒートスコア13.25で2位以下の選手を大きく引き離す。ヒート中盤にスコアをまとめた鈴木がヒートスコア6.60 で2位に付けるも、そのまま試合終了。昨年のリベンジを果たし、植村未来が開幕戦を制した。
また、ヒーローインタビューで妊娠7ヶ月ということを明かした植村未来。今季はこのバリで休場し、間に合えば最終戦に出場するという。身重のハンデを全く感じさせないサーフィンを披露した植村未来。むしろいつもよりもサーフィンにキレがあるとさえ感じた。元気な赤ちゃんとともに試合に戻って来て欲しいと思う。おめでとう!
明日からは、ショートボード第1戦「ガルーダ・インドネシア トラベルシーンプロ」が開幕。まずはプロトライアルからスタート予定で、AM6:30集合(現地時間)。
男子ロング結果:1位 畑 雄二、2位 森 大騎、3位 鈴木 剛、4位 秋本 祥平
女子ロング結果:1位 植村 未来、2位 鈴木 由貴、3位 吉川 広夏 4位 小髙 恵子
今回サーフメディアは、コンテスト期間中、バリ島在住のサーフィンフォトグ「ノブ・フク」氏の写真とキャプションで、現地から最新情報をお伝えします。お楽しみに!