JPSA最終戦「鴨川ロングボードプロ 」でユージン・ティール優勝。グラチャンに華を添える。
撮影:佐原健司。
JPSAロングボード最終戦「鴨川ロングボードプロ supported by 海童」は大会最終日。穏やかな東ベースのウネリが続き、腰腹のクリーン・コンディションをキープした鴨川マルキで、最終戦に相応しい熱い戦いが繰り広げられた。今回の注目は、最終戦までもつれ込んだ男子のグランドチャンピオン争い。そして、その結末は以外と早い時点で決まった。
それはクオーターファイナルで、カレントリーダーのユージン・ティールと、ランキング2位の畑雄二によるガチンコ対決。この時点でグラチャンに手が届くはこの2人のみに絞られた。そして、このヒートでユージンが勝てばグラチャン決定。逆に自分の手でユージンを下して、グランドチャンピオンを引き寄せたい畑雄二だった。
戦いは両者ともオープニングライドから素晴しい演技を見せ、ユージンはハング5からソウルアーチを決め、スコアを重ねて行く。それに対し、畑雄二もカーヴィングターンのコンビネーションで7.25をスコア。白熱したヒート展開となった。畑がヒートを僅かにリードする中、プライオリティを上手く使い、セットの波を自分のもとえ呼び込んだユージンが、ヒート後半に入り大逆転。そのままユージンが逃げ切り、呆気無くグランドチャンピオンが決定した。
男子ファイナルは、昨年のマルキでもファイナルに駒を進めた岡部祐司をセミファイナルで下した高知の鍋島木口里(ナベシマ・アンリ)と、イベントを通してハイポイントをマークしていた鈴木剛を、エクセレントスコアで下したグランドチャンピオンのユージン・ティールの戦いとなった。
ファイナルは鍋島がパワフルなマニューバーで4.50、5.50をスコア。ヒートスコア9.50で前半をリードする。プライオリティを持って沖で波を待ったユージンが、ハング5とカーヴィングターンのコンビネーションでインサイドまでキッチリと乗り繋ぎ、7.00をスコア。鍋島を逆転して、前半を折り返す。
思わぬところでバランスを崩し、ワイプアウトする鍋島。一方、ハイタイドに向い緩慢なセクションが多いなか、ユージンは再びセットを掴み、ハングファイブからスピードを付けてホワイトウォーターでのリエントリーもキッチリと決める。6.5をマークして、バックアップを塗り替えたユージンは、更にリードを広げていった。
鍋島に必要なスコアは8.5ポイント。多くの技を入れ込み、インサイドまで繋ぐ鍋島は5.65をマーク。その差を縮めるも、残り時間は僅か。最後にプライオリティを手に入れスコアリング・ウェイブを探し続けた鍋島だったが、そのままタイムアップ。ユージン・ティールが今季3度目の優勝を手に入れ、素晴しい今シーズンを締めくくった。
女子は3Xグラチャンの植村未来が貫禄の勝利
女子のファイナルは、今回の女子のベストスコアをマークした3Xグラチャンの植村未来と、今回プロ公認を得たばかりの岡澤紫穂の戦い。試合はは植村がオープニングライドをゲット。ライトブレイクを得意のバックハンドでキレイに乗りつないで先制攻撃を仕掛けて行く。
今回が初のJPSAファイナルの岡澤紫穂だが、アマとしてのコンペティター経験は豊富。NSAでは輝かしい戦歴を持ち、今年のISA世界大会では日本代表として出場。今年のASPジャパンツアーでは2度のファイナルを経験している。実はこの2人、今年の春に太東で行われたイベントのセミファイナルでもマンオンマンで対決。その時は岡澤が植村を破る大金星をあげた。今回、植村はそのリベンジを果たしたいところだ。
じっくりと波を待つ岡澤に対して積極的に波を掴む植村未来。2本目もバックハンドで5.00をスコア。ヒートスコアを9.25としてファイナル前半をリードする。ペースを崩さずにライディングを続ける植村未来はフォアハンドで5.75をスコア。ヒートスコアを10.75としリードを広げ、ファイナルは完全なワンサイドゲームの展開となる。
何とか巻き返したい岡澤は、レフトブレイクをキャッチ。フォアハンドでハング5からステップバックしてのターンと、得意のクラシカルスタイルを披露し、その差を縮める。しかしテールコントロールの見事なサーフィンを披露した植村未来が、素晴しい今シーズンを締めくくる最終戦を有終の美で飾った。
JPSAジャパンプロサーフィンツアー2013
ロングボード第5戦(最終戦)
鴨川ロングボードプロ supported by 海童
- 期 日/11月1日(金)~3日(日)
※プロトライアル同時開催 - 会 場/千葉県鴨川市 東条海岸 (マルキ)
- 特 別 協 賛/濵田酒造 株式会社
結果:
男子:優勝:ユージンティール、2位:鍋島 木口里、3位:鈴木 剛、岡部 祐司
女子:優勝:植村 未来、2位:岡澤紫穂、3位:吉川広夏、大島みどり
ベストオブ・ベストライド賞男子:でユージン・ティール 女子:植村未来
グランドチャンピオン男子:ユージン・ティール、女子:植村未来
ルーキーオブザイヤー:吉川広夏