JPSAロング開幕戦でジェイソン鈴木と鈴木由貴がアベック優勝

JPSAロングボード第1戦 

RealBvoice千倉プロ、大会最終日。

JPSAロング開幕戦でジェイソン鈴木と鈴木由貴がアベック優勝。(5/13)

ジェイソン鈴木と鈴木由貴は夫婦優勝 photo:s.yamamoto

5月11日から千葉県南房総市千倉において開催されていたJPSA2012ロングボード第1戦「RealBvoice千倉プロ」は大会最終日。千倉ポイントの天候は晴れ。北西のサイド。波は腰腹セット胸肩のコンディションで,男子のクオーターファイナルからスタート。試合は朝から波乱の展開を見せた。昨日ハイスコアを出した,昨年のグラチャンであるユージン・ティールと石川剛が敗退したのだ。ヒート2では6タイム・グラチャンの宮内謙至も敗退。ヒート4ではランキング3位の新城譲がインタフェアをとられながらも,ラストウェイブで大逆転。尾頭信弘と石塚晃がここで敗退となった。

男子セミファイナルのヒート1では、桜岡甲太の追撃を振り切って,ベテランの松山欣則と新城譲が、ヒート2ではノーズライドと見事なテール・コントロールのサーフィンのコンビネーションで圧倒的なサーフィンを見せた喜納元輝とジェイソン 鈴木がファイナルへ勝ち上がった。

鈴木由貴
ツアー4年目で初優勝の鈴木由貴 photo:s.yamamoto

ビーチクリーンの後に行われたのは女子のファイナルでは,昨年初のグランドチャンピオンとなった小熊明美と、2010年のグランドチャンピオンである植村未来、昨年のバリでもファイナルに残った一ノ瀬 さゆり、ベテランの鈴木由貴といったメンバーが顔を揃えた。ファイナルでは、一ノ瀬 さゆりが前半に板を折るアクシデントに見舞われる。今回絶好調の鈴木由貴は、前半にライトの波を掴み、カットバックとノーズライドのコンビネーションで4.00をスコアして、前半をリード。一方、植村未来は前半インコンプリートが目立ち,小熊明美もチャージを見せるがスコアを伸ばすことが出来ずに居た。

後半に入り,好調にスコアを重ねる鈴木は,バックハンドで3.90をスコアし、ヒートスコア7.90でファイナルをコントロールした。しかし、後半調子を上げてきた植村未来は4.40で逆転出来るところまで追い上げて来ていた。さらに植村は,残り時間1分を切り、起死回生のレフトをゲットすると、スピードに乗ったハングファイブから、リエントリーでフィニッシュ。結果が分からないまま,試合終了のホーンが鳴り、海から上がって来る選手たち。そして,スコアがコールされると植村のスコアは逆転には僅か0.05ポイント足らず、鈴木由貴がツアー4年目にして初優勝を決めた。

ジェイソン鈴木
序盤から積極的に攻めたジェイソン鈴木。嬉しい初優勝 photo:s.yamamoto

男子のファイナルは、松山欣則、新城譲、喜納元輝、ジェイソン 鈴木というメンバーで、いきなりスタート直後から新城譲が板を折るアクシデントが発生。一方で,妻の優勝に触発されたジェイソン鈴木が,スタートからバックハンドの素晴しいサーフィンを披露して,6.25をスコアしてヒートをリードした。新城はスペアボードに乗り換えるも、セミファイナルまでの勢いがなく精彩を欠く。イベントを通して,ハイスコアを叩き出していた喜納元輝は、後半に入りハングファイブとリエントリーのコンビネーションで6.55をスコアしてトップに躍り出る。ベテラン松山はバックハンドで素晴しいパフォーマンスを披露して5.25をスコアし食い下がる。

喜納元輝
2位の喜納元輝。最後まで諦めないで攻め続けるも逆転ならず。photo:s.yamamoto

残り時間10分を切り,ジェイソン鈴木が再びバックハンドでレフトの波にテイクオフ。ハングファイブとカーヴィングのコンビネーションから,フィニッシュもヴァーティカルなリエントリーを決めて、6.95をスコアして再びトップの座を奪い取った。しかし残り時間5分を切り,最後まで諦めない喜納元輝がレフトの波にテイクオフ。深いボトムターンからフローター気味に当て込み,次のセクションに繋ぎ,最後はリエントリーでフィニッシュ。このラストウェイブのスコアは6.40。僅かに逆転には届かず,ファイナル初進出のジェイソン鈴木が,嬉しい初優勝を手に入れた。

夫婦優勝を決めたジェイソン鈴木と鈴木由貴。二人とも初優勝という最高の喜びを夫婦で分かち合う事となった。

 

JPSA ロングボード第一戦「RealBvoice 千倉プロ」

男子優勝 ジェイソン鈴木、2位 喜納元輝、3位 松山欣則、4位 新城譲、5位 桜岡甲太、藤井辰緒

女子優勝 鈴木由貴、2位 植村未来、3位 一ノ瀬さゆり、4位 小熊明美、5位 小高恵子、塩川増美

 

2位 植村未来
2位 植村未来 photo:s.yamamoto
板を折って4位の新城譲 photo:s.yamamoto
3位 松山欣則。あと1本が足りなかった。photo:s.yamamoto
女子ファイナリスト photo:s.yamamoto
男子ファイナリスト photo:s.yamamoto

今シーズンは全5戦が予定されているJPSAロングボード。第2戦は5月24日(木)~26日(土)でインドネシアのバリ島で開催される「ガルーダ・インドネシア トラベルシーンプロ」。第3戦は7月7日(土)~8日(日)で湘南・辻堂で開催される「マーボーロイヤル プロ」。第4戦は,9月1日(土)~2日(日)新島の羽伏浦で開催される「ALL JAPAN PRO」。そして最終戦が11月にスリランカでの開催に向け調整中の「スリランカロングボードプロ」となっている。

昨年のJPSAロングボードは、男子ではユージン・ティールが2度目のグランドチャンピオンを獲得。そして女子では小熊明美が初のグランド・チャンピオンを獲得した。アグレッシッブなマニューバー系サーフィン が台頭するなかで、しっかりとした試合運びで安定したロングボード・サーフィンを見せた選手が活躍した一年だった。今シーズン注目したいのはロングボードはジャッジ基準の改定されたこと。昨年まではノーズライドなどのトラディショナル・マニューバーと、ショートボードのようなモダンマニューバーのふたつを織り交ぜたパフォーマンスが高得点に繋がっていた。しかし今回の改訂で、どちらか一方のマニューバーでも波のコンディションに合った演技に高得点がでることになった。ASPジャッジ基準で行われているJPSAも、この75%ルール廃止により、試合の勝敗が大きく変わって来る事が考えられる。昨年のRealBvoice千倉プロの優勝はユージン・ティールと植村未来。果たして今シーズンはどのようなドラマが生まれるのか。注目したい。今回もサーフメディアでは現地から最新情報を配信予定なのでチェックして下さい。

 

【Surfing for all がんばろう日本!】 

JPSAジャパンプロサーフィンツアー2012

ロングボード第1戦

RealBvoice千倉プロ
期   日/5月11日(金)~13日(日)※プロトライアル同時開催 

会   場/千葉県南房総市 千倉

特別協賛/RealBvoice

主   催/JPSA

後   援/千葉県南房総市

協   力/南房総サーフィン協会(MSK)

 

大会の写真はこちらからご覧下さい。

http://twitpic.com/photos/SURFMEDIA_LIVE

また今大会の情報はJPSAのオフィシャルページに掲載されています。