現代のサーフシーンに新たな楽しみ方を提案する「大人のモダン・ツインフィン」。糟谷修自と千葉公平のコラボレーションサーフボード完成

日本を代表するレジェンドサーファーがタッグを組んだ。ハワイを拠点にSKサーフボードをプロデュースする糟谷修自と303サーフボードの千葉公平というサーフシーンを長年牽引してきた二人のレジェンドによる、夢のコラボレーションサーフボード【KONA】が、ついにベールを脱いだ。

 

今回はそんな二人にインタビューして、多くのファンを待つ二人が作ったサーフボードのこと。その誕生の背景にある想いや経緯について話を聞いた。

 

 

長年の友情が生んだ、必然のコラボレーション

 

shuji & kohei ALL photo:Keisuke Fukamizu

 

「公平さんとは若い頃からの付き合いで、ハワイや四国で顔を合わせるたびに、いつも気にかけてくれて、良い付き合いがずっと続いています」と糟谷氏。

 

糟谷氏が語るように、二人の間には長年にわたる深い友情とリスペクトが存在した。ウェットスーツやサーフボードのスポンサーを通じて接点を持つ中で、自然な流れとして今回のコラボレーションが実現したという。

 

 

約1年半前、千葉氏から「コラボでもやる?」という一言がきっかけだった。「面白いですね」と即答し、プロジェクトはスタート。ハワイで50年近くサーフィンと向き合ってきた糟谷氏の経験と、日本のクラフトマンシップを体現する千葉氏の技術。お互いが求めるものが共鳴し合い、理想のボード作りが始まった。

 

 

コンセプトは「誰でも楽しめる、大人のパフォーマンス」

 

 

糟谷修自ほどサーフボードに関する知識を持っているプロサーファーはいないだろう photo:Keisuke Fukamizu

 

【KONA】のコンセプトは「大人のモダン・ツインフィン」。糟谷氏はそのターゲットについて、「週末サーファーから子供まで、幅広い層に楽しんでもらえるボード」だと語る。

 

「パキパキのショートボードとは違う、少し優雅さのある乗り味。でも、良い波ではパフォーマンスもできる。癖をなくして、誰が乗っても楽しめることを第一に考えました」

 

そのデザインには、緩やかなコンケーブにチャンネルボトムを組み合わせるなど、乗りやすさとパフォーマンス性能を両立させるための工夫が随所に凝らされている。

 

「ハワイの波で調子が良ければ、世界のどんな波でも通用する。J-BAYのようなメローな波や、オーストラリアのポイントブレイクにも間違いなくフィットするはず」と、その完成度に絶対の自信を見せる。

 

 

ハワイの風を感じるモデル名「KONA」

 

 

モデル名の「KONA」は、糟谷氏のインスピレーションから生まれた。「ハワイに住んでいると、コナウィンドが吹く日に、風が弱くて綺麗な波が立つことがあるんです。

そんな日に、ゆったりと、でもパフォーマンスもできるようなイメージが、このボードにぴったりだと思いました」。ハワイの心地よい風の名を冠したこのボードには、彼のサーフィンへの想いが深く込められている。

二人の情熱が込められて完成したサーフボード photo:Keisuke Fukamizu

 

二人の魂の融合

 

「四国で一緒にサーフィンをしていた時に、ふと『二人で共同製作で何か作ってみたいね』と声を掛けたのが始まりです」。千葉氏がそう語るように、このプロジェクトは二人の深い絆から自然発生的に生まれた。

 

4チャンネルの入ったボトム

 

 

千葉氏が個人的に乗っていたツインフィンのピンテールボードを糟谷氏がテストライドし、その滑り出しの速さなどに手応えを感じた。「それなら修自の思うようなデザインを取り入れてみよう」と、プロジェクトは新たな方向へと舵を切った。

 

糟谷氏からは、ノーズの幅や厚み、ボトムのチャンネルデザインの深さなど、具体的なアイデアが次々と寄せられた。

 

 

サーフボードに関する知識が豊富な糟谷修自からのアイディアを具現化しシェイプに落とし込んでいった千葉公平

 

「修自がデザインを出してくれたから、その感じで2本目を作ってみたんです」。完成したボードをハワイへ送り、しばらくして糟谷氏から届いたのは「すごく良いよ!」という絶賛の言葉だった。

 

「そのレスポンスが良かったから、じゃあこれでいこうか、とまとまった感じですね」。レジェンドサーファーの鋭い感覚と、熟練シェイパーの技術。二人の魂が融合し、【KONA】はついに完成したのだった。

 

 

誰が乗っても乗りやすいボードを作ろう

 

 

千葉氏も「バキバキのコンペティターというよりは、少し肩の荷を下ろして、純粋にサーフィンを楽しみたい人に乗ってもらいたい」とそのターゲット像を語る。

 

「誰が乗っても乗りやすいボードを作ろうと思った」という言葉通り、【KONA】は幅広いレベルのサーファーが楽しめるように設計されている。

 

 

 

「売れるかどうかは関係なく、この二人がやるっていうこと自体が面白いかなと思ってね」。千葉氏はそう言って笑う。

 

二人のレジェンドが純粋な情熱を注ぎ込んで作り上げたサーフボード。それは、現代のサーフシーンに新たな楽しみ方を提案する、特別な一本となりそうだ。 

 

 

コラボボードのテストをする糟谷修自と千葉公平 photo:Keisuke Fukamizu

 

一本でも多く、楽しいサーフィンを

 

最後に、糟谷氏はこれから【KONA】を手にするサーファーたちへメッセージを送った。

「このボードに乗ってもらうことで、少しでも『サーフィンって楽しいな』と思ってもらえたら一番嬉しい。基本的なターンから大きなカットバック、そしてリップまで、どんなアクションも可能なデザインになっています。

僕と公平さんの気持ちがこもったKONAで、ぜひ一本でも多く、楽しいサーフィンを体験してください」

 

レジェンド二人の魂が宿るサーフボード。それは、年齢やレベルを問わず、すべてのサーファーに波乗りの本質的な喜びを再発見させてくれる一本となりそうだ。

 

 

サーフボードの詳細はオフィシャルサイトでご確認ください。オーダーは303のディーラーもしくはオンラインからでも可能となっている。