ジョン・ジョン・フローレンスがWSL復帰戦で驚異的なスタート。 カリッサ・ムーアもバックドア・バレルをメイク。QS2000フローレンス・パイプ・プロ

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) Credit: WSL/ Heff

バンサイ・パイプライン、オアフ島、ハワイ、USA(2025年12月16日火曜日) – ワールド・サーフ・リーグ (WSL)ハワイ/タヒチ・ヌイクオリファイングシリーズ(QS)の男女QS2000において、男子ラウンドオブ64(ヒート5~16)と女子クオーターファイナルが、パイプラインとバックドアのクリーンな4~6フィートのコンディションで実施された。

トップシード選手たちは不安定なスウェルの中で大会序盤から激闘を繰り広げ、さらに番狂わせが続出した。こうして男子ラウンドオブ32と女子セミファイナルのマッチアップは決定し、2025年フローレンス・パイプ・プロのタイトルを懸けた戦いが始まる。

 

 

ジョン・ジョン・フローレンスが驚異的なスタートを切る

 

 

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) Credit: WSL/ Heff

3度の世界王者であり、前回パイププロQS優勝者のジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は、ラウンドオブ64H16に登場。初登場のヒートで期待を裏切らなかった。

 

スタート直後、フローレンスはバックドアの長いバレルをメイクすると、巨大なストレートエアを成功させ、9.33(満点10点)をスコアした。その後、アンダープライオリティのフローレンスは休む間もなく、再び巨大なバレルのチャンスを捉え、8.77をスコア。ヒート合計18.10(満点20点)での圧勝となった。

 

フローレンスと兄弟のアイバンネイザンにとって、この大会のスポンサーとなり出場する機会は夢の実現だった。

 

アイバン。ネイザン、ジョンジョン

 

「本当に、本当に楽しいです。こんな風は滅多に吹かないから、すごく興奮したよ。エアもターンもバレルも、とにかく全部に最適なコンディションだ」とフローレンスは言った。

「最初にやってきた2本の波は、しばらく来ていなかったセットだった。だからみんな、これから来ると思ってたんだ。でも最初の1本を掴んだ後は、プライオリティを活かしてただ楽しむだけだった。試合でサーフィンできるだけで最高に興奮してるよ。このイベントをスポンサーするのはすごいこと。全てがあっという間に進んで、若い頃にはここでコンテストをスポンサーするなんて夢にも思わなかったよ」

 

ジョン・ジョンとアイバンは、ラウンド32を前に、この大会で2年連続のファイナルズスコアを目指している。

 

カリッサ・ムーアが好調でパイプラインに復帰、エウェレイウラ・ウォンが女子準決勝進出をリード

 

カリッサ・ムーア(HAW)Credit: WSL/ Heff

 

フローレンスと共に、5度の世界チャンピオンでオリンピック金メダリストのカリッサ・ムーア(HAW)がデビュー戦でラインナップを支配。ソリッドなスタートを切り、カバータイムを見つけ、フォアハンドのパワーを披露した。

ムーアはヒート合計13.83をスコア。2025年CTルーキー・オブ・ザ・イヤーのエリン・ブルックス(CAN)、2025年チャレンジャー・シリーズで活躍したキラ・ピンカートン(USA)、リージョナル代表のゾイ・ジーツ(NDL)をプッシュし、ジーツが重要なラウンドアップ・ポジションを獲得した。

 

カリッサ・ムーア(HAW)Credit: WSL/ Heff

 

「この冬はもちろん、ここ2年間も十分なセッションができていなかったから、今日はジャージーを着てパドルアウトするのも少し緊張しました」とムーアは語った。

「何が起きるか分からず、今日の期待値は低かったですね。でも波が大きすぎず、再び競技の場に立つことでラインナップやリーフ、そのエネルギーに触れられたことが本当に嬉しかったです」

 

エウェレイウラ・ウォン(HAW)Credit: WSL/ Heff

 

一方で注目を集めたのはハワイ/タヒチ・ヌイQSリージョナル王者エウェレイウラ・ウォン(HAW)だった。彼女は驚異的な18.27のヒート合計を記録した。ウォンはバックドアのバレルをくぐり抜け、再び現れると長いカットバックで締めくくり、9.50と8.77を獲得し、HEATヒートをコントロールした。

 

ケアラ・トモダ-バナート(HAW)Credit: WSL/ Heff

 

2022 CTパイププロ勝者であるモアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)、直近のワールドジュニア・チャンピオンシップへの出場が決まっているヴァイヒティマハナ・インソ(HAW)、そして常にリージョンで頭角を現すケアラ・トモダ-バナート(HAW)が名を連ねる激戦を制した。

 

トモダ-バナートの奮闘はジョーンズ・ウォンを上回るのに十分で、彼女は大会終了時にナンバー1をホールドできるかを見守る立場となった。

 

「すごく楽しかったです。コーナーで運良く8.77と9.50を決められて最高に興奮しました。パイプでたった3人の女性選手と共に海に入れるだけで感激です」とウォンは語った。「波が不安定じゃなかったのも良かったです。普段は不安定な波は好きじゃないから、今日は本当に楽しかったです」

 

 

イーライ・ハンネマンとイズキール・ラウ、デビュー戦で元CT選手の力量を示す

 

イーライ・ハンネマン(HAW)Credit: WSL/ Heff

 

元CTサーファーのイーライ・ハンネマン(HAW)は2026年に世界トップクラス復帰を目指し、現在チャレンジャーシリーズのナンバー1。バックドアでは16.43という本日最高レベルのパフォーマンスで実力を示した。

ハンネマンはエア技を披露した後、バレルとエアの組み合わせへとシフト。スタートからフィニッシュまで、他の選手を完全に引き離した。ハネマンの8.93は、ファーストプライオリティで波を追い、ソリッドなバレルを捉えた後、見事なスラブグラブを決めたものだった。

 

「今日は楽しかった。風がライトサイドに吹いてたけど、バレルが開いたままになる絶妙な強さだった。バレルを決め、エアも決めることができて、こういうヒートはいつも最高ですね」とハネマンは語った。

「ただ楽しんで、最高のサーフィンをしようと思ってます。これから大きな大会が控えてるから、エンジンに油を差しておくのは大事ですね。ジャージを着て緊張感が高まるのはいつも気持ちがいいです。良いスコアを叩き出せたのも嬉しい」

 

 

元CTの主力選手の一人、イズキール・ラウ(HAW)は、ジャージを着ての腕前を対戦相手に思い知らせるように、エクセレントな8.00と15.33のヒート合計を記録した。

ラウはバレルの中でチャンスを見つけ、2位争いの激戦の中でそれを活かした。この戦いでマナナル・チャンドラー(HAW)がシード選手であるルーク・テマ(HAW)を破り、ラウンドオブ64を突破した。

 

イズキール・ラウ(HAW)Credit: WSL/ Heff

 

「最大級の波ではないけど、とてもファンな小さなバレルが立ち、風もクリーンで、まだオフショアです」とラウは言った。「もしこれがタウンだったら、ベストデーだったでしょう(笑)。

そういう気持ちで臨んできました。長く一箇所に留まらず、何度も挑戦を続け、たくさんの波をキャッチしたんです。このヒートを勝ち抜くことだけを願っていました。そしてウェイティング期間の最終日は非常に良さそうです。大きなバレルをいくつかキャッチできれば、それが自分のプランです」

 

さらに、オリンピック金メダリストのカウリ・ヴァスト(FRA)、オリバー・ジーツ(NDL)やジョシュア・モニーツ(HAW)といったトップシード選手たちも、ラウンドオブ32進出をかけてのヒートを勝ち抜き、順当に勝ち進んだ。

 

ケイン・トゥラルデ(HAW)の躍動的なパフォーマンスが、新鋭選手にとって大きなヒート勝利をもたらした。彼はバックドアのチャンスを見出す能力を発揮し、現ランキングナンバー1のフィン・マクギル(HAW)トゥル・アリイトゥ(PYF)、ナル・デオダート(HAW)を抑え、ヒート合計15.23を記録した。

 

ヒート終了時点でマクギルが勝ち進みのポジションを確保しようとしていたが、トゥル・アリイトゥ(PYF)によるマクギルへの重大なプライオリティ・インターフェアレンスがスポーツマンシップに反する行為と判定され、失格となった。

 

これによりナル・デオダト(HAW)の最後の試技が8.23のエクセレントなスコアをスコアし、マギルを上回る勝ち進みポジションを獲得した。

 

トゥラルデと共にラウンド32進出を決めた勝利者には、大会序盤から活躍したアイバン・フローレンス(HAW)、ブロディ・セール(HAW)、ビリー・ケンパー(HAW)、シェルドン・パイション(HAW)、ヘロニモ・バルガス(BRA)らが名を連ねた。

 

大会主催者はハワイ時間の午前7時に再集合し、午前8時開始の可能性を検討する。現地時間の 2025年12月17日8時0分 は、日本時間の 2025年12月18日深夜3時0分です。

 

ライブ中継を見る

フロレンス・パイプ・プロは12月20日(土)まで競技をホールドする。WorldSurfLeague.comおよび無料のWSLアプリでライブ中継を視聴可能。

 

 

フローレンス・パイプ・プロ男子ラウンドオブ64(HEAT5~16)結果:

HEAT5:ヘロニモ・バルガス(BRA)10.16 シオン・クロフォード(HAW)6.50、ローガン・ベディアモル(HAW)5.77、ケイデン・ルッシ(HAW)5.57

HEAT 6:カネ・トゥラルデ(HAW)15.23   ナル・デオダト(HAW)14.63、フィン・マクギル(HAW)13.73、トゥロ・アリイトゥ(PYF)0.00

HEAT7:ブロディ・セール(HAW)14.23 ライラン・ビーバーズ(HAW)11.90、キングストン・パネビアンコ(HAW)6.17、ペイオ・シャリオ・オストロサガ(PYF)4.43

HEAT 8:ビリー・ケンパー(HAW)12.67 DEF. バロン・マミヤ(HAW)8.84、ルーカス・ゴッドフリー(HAW)5.00、シェイデン・パカロ(HAW)3.50

HEAT 9:シェルドン・パイション(HAW)10.57 DEF. ジェイク・マーシャル(USA)8.77、ジェシー・ジョンソン(USA)4.80、リアム・ウィルソン(USA)4.33

HEAT 10:カウリ・ヴァスト(FRA)13.00   カイアノ・コスタ(HAW)9.50、ジェイク・マキ(HAW)7.44、カイ・マーティン(HAW)3.67

HEAT 11:イーライ・ハンネマン(HAW) 16.43 DEF. メイソン・ホー(HAW) 16.20、キロン ジャボール(HAW) 9.83、クィオ・ヤング(HAW) 5.03

HEAT 12:オリバー・ジーツ(NLD)14.83 DEF. ケオ・タマトア・シャブリエ(PYF)8.67、ディエゴ・フェリ(HAW)7.40、メリック・モックカテル(HAW)1.97

HEAT 13:アイバン・フローレンス(HAW)9.23 イアン・ジェンティル(HAW)7.66、レジェンド・チャンドラー(HAW)4.77、ギブン・グッドウィン(HAW)3.90

HEAT 14:イズキール・ラウ(HAW)15.33  ルーク・テマ(HAW)12.37、マナナル・チャンドラー(HAW)12.33、ギャビン・ホーガン(HAW)1.50

HEAT 15:ジョシュア・モニズ(HAW)11.76 コア・スミス(HAW)8.67、マイカイ・バーディン(HAW)7.03、タイラー・ニュートン(HAW)1.97

HEAT 16:ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)18.10  テレバ・デイヴィッド(PYF)10.54、ジョン・メル(USA)10.20、サム・デボネット(USA)8.94

フローレンス・パイプ・プロ男子ラウンドオブ32マッチアップ:

HEAT 1:ジャクソン・バンチ(HAW)vs. シロ・テンバーグ(HAW)vs. レヴィ・ヤング(HAW)vs. アイメオ・チェルマク(PYF)

HEAT 2:ハウヌイ・デイヴィッド(PYF)vs. コーディ・ヤング(HAW)vs. ベンジー・ブランド(HAW)vs. マカナ・パング(HAW)

HEAT 3:ヘロニモ・バルガス(BRA) vs. ケイン・トゥラルデ(HAW) vs. ライラン・ビーバーズ(HAW) vs. バロン・マミヤ(HAW)

HEAT 4:シオン・クロフォード(HAW) vs. ナル・デオダト(HAW) vs. ブロディ・セール(HAW) vs. ビリー・ケンパー(HAW)

HEAT 5:シェルドン・パイション(HAW)vs. カウリ・ヴァースト(FRA)vs. メイソン・ホー(HAW)vs. ケオ・タマトア・シャブリエ(FRA)

HEAT 6:ジェイク・マーシャル(USA)vs. カイアノ・コスタ(HAW)vs. イーライ・ハンネマン(HAW)vs. オリバー・ジーツ(NLD)

HEAT 7:アイバン・フローレンス(HAW)vs. イズキール・ラウ(HAW)vs. コア・スミス(HAW)vs. テレバ・デイヴィッド(PYF)

HEAT 8:イアン・ジャンティル(HAW)vs. ルーク・テマ(HAW)vs. ジョシュア・モニズ(HAW)vs. ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)

フローレンス・パイプ・プロ女子クオーターファイナル結果:

HEAT 1:アエラン・ヴァスト(PYF)10.67   ガブリエラ・ブライアン(HAW)5.53、アリッサ・スペンサー(USA)4.90、キアラ・グールド(PYF)2.57

HEAT 2:ヴァヒネ・フィエロ(FRA)8.44 ルビー・ベリー(AUS)7.00、チェズニー・ギノット(HAW)3.83、ルーシー・ジャラード(ASM)1.17

HEAT 3:カリッサ・ムーア(HAW)13.93  ゾイ・ジーツ(NLD)9.00、キラ・ピンカートン(USA)6.17、エリン・ブルックス(CAN)3.10

HEAT 4:エウェレイウラ・ウォン(HAW)18.27  ケアラ・トモダ・バナート(HAW)10.33、ヴァイヒティマハナ・インソ(HAW)4.40、モアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)4.23

フローレンス・パイプ・プロ女子準決勝マッチアップ:

HEAT 1:アエラン・ヴァースト(PYF)vs. ガブリエラ・ブライアン(HAW)vs. ヴァヒネ・フィエロ(FRA)vs. ルビー・ベリー(AUS)

HEAT 2:カリッサ・ムーア(HAW)vs. ゾイ・ジーツ(オランダ)vs. エウェレイウラ・ウォン(HAW)vs. ケアラ・トモダ・バナート(HAW)