波乗りジャパンは惜しくもファイナルデイを前に全員敗退。ペルーで開催中のISA世界ジュニアサーフィン選手権大会8日目

波乗りジャパン Credit: ISA /Pablo Franco  

ペルー、プンタ・ロカス – 2025年12月13日

2025年ISA世界ジュニアサーフィン選手権(WJSC)8日目、ファイナルデー確定に伴い、オーストラリアがランキングで決定的なリードを勝ち取った。

3~4フィートのスウェルがプンタ・ロカスのピークを活気づけ、一日を通して両方向の波がハイスコアを生み出した。男子U18はラウンド5・6、男子U16はラウンド4・5、女子両カテゴリーはラウンド5が実施され、全部門で準決勝進出者が決定した。

明日は、世界ジュニアチャンピオンを決定するエキサイティングな一日となるだろう。

 

この日のランキングはシフトし、オーストラリアは徐々に順位を上げ、一日の終わりには大きなリードを築いた。数日間トップを走っていたブラジルは、2位のUSAに僅差で下回り、ペルーを僅かに上回る3位に後退した。3カ国の差は300ポイント以内であり、オーストラリアは900ポイント近くリードしている。日本は8位と後退。

 

カデン・フランシス(AUS)Credit: ISA /Jersson Barboza

 

オーストラリアにとっては、U18 男子の マベリック・ウィルソン(AUS)と サミュエル・ロウ(AUS)の痛恨の敗戦を、U16 男子の オーシャン・ランカスター(AUS)と カデン・フランシス(AUS)の活躍が補った。

ミラ・ココ・ブラウン(AUS)も U18 で挽回を続けたが、チームレースで最も決定的だったのは、U16 女子の 1 HEAT だったかもしれない。チャーリー・ヘイトリー(AUS)が、最後の瞬間に 4 位から 2 位に躍進し、ルーシー・ダラー(AUS)とともに準決勝に進出したのだ。

 

ルーシー・ダラー(AUS)Credit: ISA /Jersson Barboza


「チャーリー・ヘイトリーが最後にスコアをゲットし、本当に嬉しいです」とダラーは語った。「二人とも勝ち進めて最高だし、準決勝が楽しみです。この大会を一年間待ち望んでいたんです。チームで移動し、チームで過ごし、チームスピリットを感じられるんです。リング・オブ・ファイアやトンネルをくぐる時とか、本当に最高だった。 この大会は自分の予想を超えてました。」

 

ルーカス・スキナー(ENG) Credit: ISA /Sean Evans
ルーカス・スキナー(ENG)と父のベン・スキナーCredit: ISA /Pablo Franco

 

計画通りに大会を進めている、U16銀メダリストのルーカス・スキナー(ENG)は勢いをさらに加速させた。17歳の彼はペルーでの初日に最高のエクセレントスコアを記録し、午後にはU18男子部門で最高のシングルウェイブ・スコアを追加した。

 

メインラウンド5のヒートでは、8.00と8.27を合わせて16.27のヒートスコアを達成。シームレスなスタイルで滑らかなカーブと軽やかなエアを完璧なフローで繋いだ。メインラウンド6ヒートでは、重要な波の最初のカーブに圧倒的なパワーを込め、ついに感情を露わにした。9.10を勝ち取った瞬間だった。

 

「今週はずっと楽しんでます」とスキナーは語った。「これまで良いヒートが続いてる。あれが最高だったけど、まだ余裕はたっぷりますね。このまま突き進むだけです。ボードの感触が最高で、本当に興奮しています。昨日は危なかった。ギアを上げる余裕すらなかった。まだ6速も7速も残っている気がします」

 

スキナーは、2024年の決勝で彼を破ったディラン・ドネガン(スペイン)の前に勝ち抜け、メインラウンド6のヒートをホールドして勝ち抜いた。ドネガンは、現U16 ISAワールドジュニアチャンピオンのタイトルに加え、U18のタイトルも獲得しようとしている。

 

この2人に、ジェイコブ・ターナー(USA)、ジェイ・フィップス(FRA)、タイガー・アブボ(HAW)、イーリ・ティンペリ(フィンランド)が準決勝に進出。メインラウンド6でアブボとティンペリが2人のブラジリアンサーファーを敗退させたことで、ブラジルのランキングは大きな打撃を受けた。また、この2人にとっては、3回目のWJSC出場でこれまでで最高の成績となった。

 

レニア・モンス(USA) Credit: ISA /Sean Evans
レニア・モンス(USA) Credit: ISA /Sean Evans

 

2日連続で、レニア・モンス(USA)は、メインラウンド5のヒートをわずか2本の波で勝ち取り、圧倒的なヒート勝利を収めた。2023 年の U16 銀メダリストは、フォアハンドで 8.50 というエクセレントスコアでスタートし、6.17 を続けて記録した。

その結果、ヒート合計 14.67 は、このラウンドで最高スコアとなり、シングルウェイブ・スコアも最高となった。16 歳の彼女は、2 度目のメダル獲得まであと 1 ヒートと迫り、自信に満ち溢れていた。

 

競技は明日がファイナルデイ。12月14日(日)午前7時(PET)に再開され、プンタ・ロカスでU16男子準決勝からスタート予定。

 

12月13日(土) 大会8日目 がんばれ! 日本!

 

本日はメインバンク:プンタ・ロカスのみで試合が行われた。

U-18男子ラウンド5  H1 で小野里弦が登場。ハワイのジェイコブ・タナーとアメリカのデーン・リビーと対戦。この日の最初のヒートに登場した小野里弦。朝の練習で調整を行い、ヒート直前には日本チーム全員でこれまでにないほど大きな掛け声を響かせ、気持ちを一つにして海へ向かった。

 

非常にインコンシスタントなコンディション。スタート時に入ったライトのセットでタナーとリビーにハイスコアを出されて小野はリードを許す。

 

ラストライドで思わず顔を抑える小野里弦 Photo: Pablo Jimenez

 

その後スコアリング・ウェイブを待つ小野。一方でタナーはレフトの波でテールハイリバースをメイクし6.93をスコアしてトップを独走。

小野はサイズのある波を掴むもエンドセクションを決められずスコアを伸ばせない。終了ホーン間際に掴んだラストライドで3.50をスコアするも惜しくも小野は敗退となった。

 

松野太郎  Credit: ISA /Pablo Franco
松野太郎  Credit: ISA /Sean Evans

 

U-16男子ラウンド4 のH2 松野太郎は、スタートからレフトの波を掴み、バックハンドでクリティカルセクションへアプローチする難易度の高いハイリスクなマニューバーを披露。7.17というハイスコアをマーク。

 

松野太郎  Credit: ISA /Sean Evans
松野太郎  Credit: ISA /Sean Evans

 

更にバックアップを3.00として他の選手がまともなスコアを持たないうちに大きなリードを取る。今度はライトブレイクでカーヴィング主体のコンビネーションで5.17をスコア。そのまま最後までリードをキープして、松野がラウンド5へ1位で勝ち上がった。

 

馬場心 Credit: ISA /Jersson Barboza

 

U16女子ラウンド5 H2  馬場心が登場。台湾とニアスのQSで優勝している強豪ルーシー・ダラーとチャーリー・ヘイトリーのオーストラリア・ペアと対戦。

ヒートはダラーがバックハンドで5.83、4.67とスコアを重ねてリード。馬場はカービングのコンビネーションで4.67と3.33をスコアして2位につける。

しかし、後半にダラーは7.67という高得点をスコアしてヒートを完全にコントロール。馬場もレフトの波を掴みバックアップを3.90に塗り替え2位をキープした。

馬場が2位でアップかと思ったが、残り30秒でヘイトリーがラストウェイブにテイクオフ。バックハンドでチャージを見せて6.07をスコアし4位から逆転2位に浮上。

馬場はまさかのブザービーターを喰らい、惜しくもセミファイナル進出ならず。調子の良かった馬場だけに悔しい敗退となった。勝てるヒートを落とす形となったが、初の世界戦とは思えない堂々とした戦いぶりで、世界の舞台でも十分に通用する力を示した。

 

 

U-16男子ラウンド5 H2 松野太郎が本日2度目のヒートに登場。

ヒートはオーストラリアのオーシャン・ランカスターがビッグセットをつかみ、クリティカルターンを決めて7.00と5.50をスコア。松野も5.43と3.43をスコアして2位につける。

しかし後半逆転された3位を強いられる松野。ニード4.37は充分に逆転できるスコアではあったが、そのまま波は入らず終了となった。

 

松野もここで敗退となり、波乗りジャパンは惜しくもファイナルデイを前に全員敗退となった。結果は敗退となったが、世界トップレベルの中で戦い抜いた経験は、今後の大きな糧となるはずだ。

 

Go!Naminori Japan!

 

 

※今大会はリパチャージ(敗者復活戦)はR-1のみ。その後はノックアウト方式で勝敗が決まる。

ペルーとの時差は14時間。ペルーの朝7時は日本時間で21時。

 

波乗りジャパン Credit: ISA /Pablo Franco

 

サーフィン日本代表 NAMINORI JAPAN

 

  • U-18 男子: 小野里弦13位岡野 漣19位 足立海世19位(男子キャプテン)

  • U-18 女子: 高橋結奈19位池田美来13位松野 杏莉19位(女子キャプテン)

  • U-16 男子: 髙井 汰朗73位佐藤 頼斗49位、松野 太郎7位 

  • U-16 女子: 馬場 心7位、草深心虹49位、石井 有沙25位 

 

■2025 ISA World Junior Surfing Championship
名 称  2025 ISA World Junior Surfing Championship
主 催  国際サーフィン連盟(ISA)
期 間  2025年12月05日(金)~14日(日)※現地時間
開催地  Punta Rocas, Peru(プンタロカス/ペルー

大会オフィシャルサイト:https://isasurf.org/event/2025-isa-world-junior-surfing-championship/

スタッフ:

ディレクター:大石純也

コーチ:河村海沙、大村奈央

カメラマン:緒形清、難波聖

トレーナー:前原優湖

栄養士:近藤知佳

マネージャー:岡野宣正

大会の様子やヒートの結果、選手のオフショットなどを現地からInstagramで随時UP予定。NAMINORI JAPAN公式Instagram「@naminori_japan」をフォローいただき、応援のほど、宜しくお願いいたします!

 

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