ペルー、プンタ・ロカス – 2025年12月12日
2025年ISA世界ジュニアサーフィン選手権(WJSC)7日目は、最終の数秒まで続く激しい戦いで熱戦が繰り広げられた。
2~3フィートの不安定なうねりの中、ウェイブセレクションが勝敗を分けた。U18男子、U18女子、U16女子のメインラウンド4がプンタ・ロカスで終了し、U16男子メインラウンド3はエル・ボスケのインサイドレフトで行われた。

3日連続でブラジルが単独首位を維持した。本日2名の選手を落としたものの、2度のチーム世界王者である同国はU16男子でフルメンバーをホールドし、残り3部門でも各2名の選手を残している。
オーストラリアは、波の不安定なコンディションの中で発生した数多くのインターフェアレンスのうちの1つにより、この日のオープニングヒートで複数の選手を敗退させるという初の大敗を喫したが、1部門を除く全部門で2人の選手が勝ち残っている。

U18 男子メインラウンド 4 の激戦では、U/16 男子の銀メダリストである ルーカス・スキナー(ENG)と イニゴ・マディーナ(FRA)が、ミッチェル・ピーターソン(AUS)と ロメオ・チャベス(COL)と対戦した。
チャベスはスタートからコントロールし、ライバルたちが何かを見つける前に 2 つのソリッドなスコアを記録した。2つのスコアリング・ウェイブの後、スキナーは2位に浮上した。一方、ピーターソンとマディーナは4点台から抜け出せずに苦しんだ。6回目のWJSC出場となるチャベスは、2024年にコロンビアにとって歴史的なU16のメダルを1位差で逃したが、ペルーでのドローで力強い活躍を続けている。

U18女子で苦い敗戦を喫したオーシア・グリーン(CAN)は、U16部門で再び大きく巻き返した。大会で2度目となる最高シングルウェイブ・スコアを記録したグリーンは、バックハンドでテールを大きくドリフトさせ、8.67をスコアした。
5.73のバックアップスコアを加え、グリーンはこの日の女子のベスト・ヒートトータルスコア(14.40)を記録し、ソリッドなヒートを戦ったゾーイ・カイナ(HAW)を前に勝ち上がった。

このトリッキーなコンディションの中で、海と完全にリズムを合わせたサーファーが、レイア・ミラー(NZL)だった。彼女はヒートトータル 13.64 を獲得し、U18 女子でこの日の最高スコアを記録した。
ミラーは、18歳の彼女にとってパーフェクトな立ち上がりを見せた2つのインサイドダブルアップのライトを捉え、タイトでクリティカルなアークを描いてスコアを獲得した。3回目となる最後のWJSC、そしてU18女子としては初めての出場となったミラーは、すでに自己最高成績を更新している。
松野太郎(JPN)のダイナミックな演技で最高得点をマーク

スローなコンディションの中、松野太郎(JPN)はU16男子ヒートを通じて、スピード感あふれる攻撃的なバックハンドで勢いを増していった。
15歳の彼は3ターンの連続技を極めて難しい最終セクションのヒットで締めくくり、7.43に続いて8.50を獲得。松野のヒートトータル15.93は男子競技における当日の最高得点であり、シングルウェイブ・スコアでもトップだった。初のISA大会出場となる松野は、トーナメントを勝ち進んだことに興奮を隠せなかった。
「ヒート突破できて超興奮してます、本当に嬉しいです」と松野は語った。「エクセレントスコアを取れて最高に興奮しました。ヒートが進むにつれて相手も強くなる。だから自分は最高のサーフィンを、それ以上を見せて絶対勝つ」

大会7日目は日本勢にとっては厳しい一日となり、多くの選手が僅差で敗退した。中でもU18女子ラウンド4の H3は特に厳しい結果となった。
元メダリストであるラネア・モンス(USA)、クレマンス・ショアシュ(FRA)、池田美来(JPN)に加え、高橋結奈(JPN)が対戦するこのヒートは、最初から厳しい戦いとなることが予想されていた。
しかし限られたチャンスの中で、モンスが最高の波をものにし、他の3人はより小さな内側の波を選ぶしかなかった。ショアシュが大きな波で決めたバックハンドのワンターンが勝敗を分け、日本の2選手は敗退した。
「あの選手たちは皆、本当に実力があります。それは最初から承知していました。ただ、サーフィンの大会では、どのヒートにも有名な選手もいれば、無名の選手もいます。いずれにせよ、何が起こるかは決して予測できないということなんだと思います」とモンスは語った。
「20分間も波が全く来ないような状況もあれば、無名の選手が突然9を決めましたという形になったり、実力のある選手がミスを犯したり、あらゆる可能性が考えられます。
そして、それは自分にも起こり得るということを理解しています。ですから、謙虚さを保ちつつ、ヒートでは非常にエネルギッシュで積極的になり、できる限りの力を尽くすこと。他の選手の動きを完全にコントロールすることはできないけれど、自分ができる範囲で最善を尽くし、コントロール可能なことに集中するんです」
競技は明日12月13日(土)午前7時(PET)より、プンタ・ロカスにてU/18男子メインラウンド5を再開する。
12月12日(金) 大会7日目 がんばれ!日本! 暫定6位
TOWER1:プンタ・ロカス ではU18 男子R4からU18女子 R4、U16女子 R4までが行われた。
U18男子ラウンド4のH3 では、小野里弦、キャプテン足立海世が同じヒートで対戦。出遅れた足立に対して、小野はレフト方向へバックハンドで縦のアプローチを組み込み、6.50と6.17の2本のハイスコアを叩き出して、完全にヒートをコントロールした。




足立も後半にバックハンドでクリティカルなターンをメイクして5.90。そして続けて4.23をスコアして2位に浮上。これで日本がワンツーかと思ったが、ヒート終了間際にアンダープライオリティで4位のフランスの選手が波を掴み4.87をスコア。逆転2位となり、足立は3位に転落。
4人が波を取れる状況だった最後のエクスチェンジ。ホワイトの選手に波を渡してしまった日本チームの痛恨のミス。好調だった足立だっただけに悔しい敗退となった。

H4では岡野漣が登場。スタートから4点台を2本揃えて、2位のポジションをキープした。しかし、後半に入り。コスタリカとハワイの選手に逆転されて3位に追い込まれる。終盤にはレフトの波を掴みエンドセクションでビッグターンをメイクし5.53をスコアするも、逆転ならず。岡野もここで敗退となった。

U18女子ラウンド4ではH1に松野杏莉が登場。松野はオープニングライドで4.83をスコア。タヒチの選手が6.50と5.43を揃えてトップを独走する。
松野は優先権を持ちながら波を逃してしまい、その間にアイラ・ハパッツ(AUS)に波を乗られてしまうが直ぐに修正し逆転して2位のポジションをキープ。
しかし、ヒート終盤にハパッツが5.33をスコアして再び逆転。更に4位のスペインの選手がヒートのベストコアとなる6.80をスコアして2位にジャンプアップ。松野は4位を強いられる。そのままタイムアップとなり松野はここで敗退となった。
H3では池田美来、高橋結奈が同じヒートに登場。池田は4.67でヒートを開始。高橋は3.83をスコア。池田はバックアップを4.40として2位のポジション。アメリカのラネア・モンスが6.50と5.33を揃えてトップを独走。高橋は4位を強いられる。
ヒート終盤にフランスの選手がバックハンドのワンターンで5.23をスコアして逆転2位へ。池田はニード5.46で3位と追い込まれる。
池田も高橋もレフトを掴み、バックハンドでチャージするも逆転には僅かに届かず。2位の選手の執拗なマークを振り払いコミットメントのあるバックハンドを見せた池田だったが逆転ならず。優勝候補の一人であった池田は3位、高橋4位で敗退となった。


U16女子ラウンド4のH2に馬場心が登場。スタイリッシュでスムースなサーフィンを見せる馬場心は今回のヒートでも4.33でヒートを開始。その後じっくりとセットを待ち、ヒート終盤までワンライドで4位を強いられるも6.17をスコアすると一気にトップに躍り出る。残り3分でトップスコアを6.50に塗り替えて圧勝。ラウンド5へ勝ち進んだ。


TOWER2:エル・ボスケでは、U16男子ラウンド3が行われ、H2に松野太郎が登場。ヒート前半は波とのリズムが合わず後手に回った松野。しかし、後半に入りバックハンドでクリティカルなターンを決めて7.43をスコア。バックアップを5.10としてトップに浮上。
さらにラストウェイブでは、クローズセクションでハイリスクなリエントリーを決め、8.50のエクセレントをマークしてトップでラウンド4へ勝ち進んだ。
大会7日目が終了し。波乗りジャパンはU18男子の小野里弦、U16男子の松野 太郎 、U16女子の馬場心の3名が勝ち進んでいる。
※今大会はリパチャージ(敗者復活戦)はR-1のみ。その後はノックアウト方式で勝敗が決まる。
ペルーとの時差は14時間。ペルーの朝7時は日本時間で21時。
サーフィン日本代表 NAMINORI JAPAN
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U-18 男子: 小野里弦、岡野 漣 足立海世(男子キャプテン)
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U-18 女子: 高橋結奈、池田美来、松野 杏莉(女子キャプテン)
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U-16 男子: 髙井 汰朗、佐藤 頼斗、松野 太郎
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U-16 女子: 馬場 心、草深心虹、石井 有沙
■2025 ISA World Junior Surfing Championship
名 称 2025 ISA World Junior Surfing Championship
主 催 国際サーフィン連盟(ISA)
期 間 2025年12月05日(金)~14日(日)※現地時間
開催地 Punta Rocas, Peru(プンタロカス/ペルー
大会オフィシャルサイト:https://isasurf.org/event/2025-isa-world-junior-surfing-championship/
スタッフ:
ディレクター:大石純也
コーチ:河村海沙、大村奈央
カメラマン:緒形清、難波聖
トレーナー:前原優湖
栄養士:近藤知佳
マネージャー:岡野宣正
大会の様子やヒートの結果、選手のオフショットなどを現地からInstagramで随時UP予定。NAMINORI JAPAN公式Instagram「@naminori_japan」をフォローいただき、応援のほど、宜しくお願いいたします!




