クラウドナイン、フィリピン・シャルガオ島(2025年10月28日火曜日) –ワールド・サーフ・リーグ(WSL)クオリファイ・シリーズ(QS)6000 「シャルガオ・インターナショナル・サーフィンカップ」大会5日目は、一日を通してハイレベルなパフォーマンスのスペクタクルが繰り広げられた。
クラウドナインでは、3~4フィートのファンな波が続き、オーストラリア/オセアニア地域とアジア地域から集まったトップサーファーたちが見事なパフォーマンスを披露した。男女ともにラウンドオブ32が終了し、女子のトップシード選手たちが登場した。
アイラ・ハパッツ(AUS)は、オーストラリア/オセアニア地域ジュニアチャンピオンのタイトルを勝ち取った直後にシャルガオに到着した。この結果により、18歳の彼女は1月に再びフィリピンで開催されるWSLワールドジュニア・チャンピオンシップ(WJC)への2度目のクオリファイを果たした。


ハパッツは昨年のWJCでクオーターファイナルに進出しており、これが同国での初めての競技経験だったが、その勢いをすぐに取り戻した。初めてクラウドナインのゼッケンを着て、すぐに波のラインナップに慣れる時間を無駄にせず、ハパッツは15.50(満点20点)のHEAT合計を記録した。
これは大会現時点での最高得点である。バーレーヘッズ出身の彼女は、ヘビーなセクションでリップをテールで切り裂くと、さらに2つのターンをシームレスに繋ぎ、8.17(10点満点)のハイスコアをマークした。
「まだHEATに出場したことがなかったので、かなり緊張していました。でもその後、素晴らしい波に乗ることができました」とハパッツは語った。
「少しオンショア気味でバレルは多くありませんでしたが、ターンを決めながら良い波を選んで、全力で攻めました。本当に楽しい波で、多くのセクションがあり、ただ、思いつくままにサーフィンを楽しんでいます」
本日の女子はラウンドオブ32でトップシードが登場。H1の池田美来がローカルのニルビー・ブランカダ、スカイ・ブラウンらと対戦。
池田はセカンドウェイブのクローズセクションで極めて難しいフォアハンドのクラックを決め、6.50 をスコア。最後に3.93でバックアップして1位でラウンドアップを決めた。チャレンジャーシリーズ初シーズンを戦う池田は、アジアQSランキングでの地位維持に向け、順位を上げたいと考えている。

「本当に素晴らしいバレルライディングを目にしたので、バックアップを取る必要があり少し緊張しましたが、このヒートで勝つ事ができて本当に嬉しく思います」と池田は語った。
「私はバレルが得意ではないので、もっと練習を重ねなければなりません。次のヒートでは良い波を見つけられることを願っています。ここの波も、食べ物も、そしてこの雰囲気も大好きなんです」




H4ではイエロージャージの中塩佳那、鈴木莉珠、馬庭彩がチャーリー・ハーストと対戦。
鈴木莉珠が前半にチャージを見せリードするも、後半にチャーリー・ハーストが6.50と5.60を続けてスコアして逆転トップに。中塩佳那がラストウェイブで逆転し2位に滑り込んでラウンドアップを決め、ボンソイ・アジア・スーパーシリーズでの圧倒的な首位をさらに固めた。
H6の佐藤李は、ヒート終盤に5.93のヒートのベストスコアを叩き出して、ラストウェイブではバックアップを4.73まで伸ばし、2位でラウンドアップを決めた。



H2の脇田紗良、H3の松岡亜音、H5の野中美波、H7の松田詩野、H8の都築虹帆、清水ひなたはチャージを見せてスコアを重ねるも惜しくも敗退となった。

引き続き男子ラウンドオブ32がスタート。H2金沢呂偉、増田来希、加藤翔平がブロンソン・メイディと対戦。金沢呂偉がバレルライドをメイクして、ブロンソンに次いで2位でラウンドアップ。
H3ではエアゲームを貫くデーン・ヘンリーに次いで新井洋人が、4.67と4.60をスコアして2位でラウンドアップ。岩見天獅は惜しくも4位敗退。
H4では仲村拓久未がパワーサーフィンを炸裂させてヒートをリードした。しかし、4位に追い込まれていた鈴木仁が終了間際に、クリーンなバレルをメイクし、その後にエアリバースをメイク。6.07 をスコアして大逆転。2位で勝ち上がった。
H5で渡邉壱孔が、モーガン・シビリック、稲葉玲王ら強豪と対戦。渡邉壱孔はスタートから5.33のハイスコアをマークしてヒートをリード。稲葉もバックハンドでバレルをメイクして応戦する。
渡邉はヒート終盤ビッグセットを掴み、難しいセクションで、リスクの高いクリティカルなマニューバーを実行。6.13をスコアしてトップに躍り出て、1位でラウンドアップを決め、QS6000レベルで初のラウンドオブ16進出を果たした。
今シーズンはQS初優勝を浜松で勝ち取って以来、渡邊の成績は安定しなかったが、別のQS2000大会で準決勝進出を果たしたことで、アジア地域ランキング8位に浮上している。
元チャンピオンシップツアーサーファーのモーガン・シビリック(AUS)とオリンピック選手稲葉玲王(JPN)との対戦は、渡辺にとって神経をすり減らすものだった。しかしこの勝利で自信を得た彼は、次のヒートに勢いを持って臨む。


「本当に楽しかったです」と渡邉は語った。「大好きなサーファーの一人であるモーガン・シビリックと対戦するにあたり、とても緊張していました。自分のサーフボードには大変満足しており、シャープアイのサーフボード(ファイナルフィフティ)はこのコンディションにぴったりでした。次のヒートでも最高のパフォーマンスを発揮できるよう、最善を尽くします」
H6では安室丈と長沢侑磨が登場。安室がじっくりと波を待ってバレルライドをメイク。インサイドのセクションも決めて6.67をスコア。バックアップも5.03を揃えて2位でラウンドアップ。

H8で小林桂は2発のビッグ・レイバック・ハックで5.50をスコアしてヒートを開始。2位のポジションをキープして後半戦へ。
残り10分を切って、優先権を使ってビッグセットを掴んだ小林は、大きなスプレーをあげるビッグリエントリーを含む3ターンコンボで5.67をスコアして、3位からトップのポジションへ。そのまま逃げ切る1位でラウンドオブ16進出を決め、ボンソイ・アジア・スーパーシリーズでの首位を守った。


ヒート終盤の猛攻でドム・トーマス(AUS)が大会男子ヒート・トータル最高得点を記録し、ラウンドオブ16進出を決めた。残り4分を切った時点で3位につけていたトーマスは、フルローテーションの技を決めて7.00を獲得し、ヒート首位に立った。そして、わずか1分後、20歳のトーマスはさらにエア技を決め、驚くほど滑らかなランディングで8.17を獲得。ヒート合計15.17を記録した。
「スタートはかなりショッキングでした」とトーマスは語った。「良いセクションを見つけられず、結局は悪い波ばかりに引っかかってしまいました。でも最後に運良く良いランプを見つけ、そこから再び波を捉え、その直後にまた別の波に恵まれたんです。
精神的にはとても良い状態です。ここにいられて、サーフィンができて、大好きなんです。現在のサーフィンの調子は非常に良いと感じています。必要な時には確実に決められるエア技も持っていますが、厚い波でも薄い波でも、レールワークにも自信を持っています。ですから、とても良い状態です。」
デーン・ヘンリー(AUS)とトム・ウィットペイン(AUS)は全く異なるアプローチで、それぞれ7.83を記録しヒートを制した。ヘンリーはロフトの効いたフルローテーションで、ウイットペインはバーティカルなバックハンドでそれぞれヒート勝利を勝ち取った。
同様のバックハンドがハーレー・ウォルターズ(AUS)とベン・ロレンソン(AUS)にも功を奏し、両者ともヒートを制した。一方、現WSLワールドチャンピオンのブロンソン・メイディ(INA)もラウンドオブ16に勝ち進んだ。
明日試合が再開されれば、女子はラウンドオブ16ではH1池田美来、中塩佳那、H4佐藤李、男子ラウンドオブ16では、H1新井洋人、鈴木仁、H2金沢呂偉、H3渡邉壱孔、H4安室丈、小林桂が登場する。
2025年シャルガオ・インターナショナル・サーフィンカップQS6000は、2025年10月24日から31日までクラウドナインで開催される。
オフィシャルサイト:Siargao International Surfing Cup
Cloud 9, Siargao Island, Philippines




