フィリピン・シャルガオ島クラウドナイン(2025年10月26日日曜日) –ワールド・サーフ・リーグ(WSL)クオリファイするシリーズ(QS)6000 シャルガオ・インターナショナル・サーフィンカップ大会3日目、クラウドナインは引き続きファンな波を提供した。
男子はいよいよトップシードが登場するラウンドオブ64と女子ラウンドオブ32の2ヒートまでが3~4フィートの波の中で終了した。
今シーズンからチャンレンジャー・シリーズに参戦している加藤翔平はCSポルトガルで9位になるなど調子を上げている。今回のクラウド9も大好きな場所での試合とあってバレル、エアとハイパフォーマンスを披露した。

「ここは僕の大好きなポイントの一つで、ここに戻って来れたことがすごく嬉しくて、最初はちょっと緊張するんですが、待ち過ぎずリズムよく乗っていこうという作戦だったので、それができて良かったです。緊張をパワーに変えてます。」と加藤が語った。
7点のエアについては「パドルしている時に、前からエアのセクションが来るのがわかっていたんで、飛ぶしかないと思いました。回すかストレートか悩んだんですが、自分はストレートエアが得意だったので、バッチリ決めれたんで良かったです。
今シーズンは初めてチャレンジャー・シリーズに出て、自分が想像していた以上にレベルが高いし、自分でも勝てるってことがわかったので、サーフィンやトレーニングにフォカースしていることも自分の中で自信になっていると思います」
H5で岩見天獅、仲村拓久未は、ジェイ・オクルーポらと対戦。岩見はディープなロングバレルをメイクしてトップ通過。仲村拓久未は、ラストウェイブでクリティカル・セクションでのビッグリエントリーをメイクし大逆転で2位でラウンドアップ。

ヒートを終えた岩見は、「すごく楽しいヒートでした。対戦相手が全員仲間だったので」と、ライバルであり仲間でもある選手たちとの戦いを笑顔で振り返った。
波選びが難しいコンディションの中、「良い波を掴むのは大変でしたが、幸運にも一本乗ることができて、本当に嬉しいです」と、僅差の勝利を喜んだ。
このヒート前、彼には心強いサポートがあった。それは親交のある地元シャルガオのレジェンドであるフィルマー・アリパヨ(PHL)から、「奥を狙いすぎるな(Don’t go too deep)」という的確なアドバイスを受けていたという。
岩見は「最初はそのアドバイスとは逆に、少し奥を狙いすぎてしまったんです。でも、彼の言葉を思い出して、落ち着いて波を待ち、6.5ポイントの波を掴むことができました。あのアドバイスは最高でしたね」と、勝利の裏にあった秘話を明かした。
最後に、日本のファンへのメッセージを求められると、力強く日本語で応えた。「朝早くから応援ありがとうございます。なかなか難しいヒートでしたが、なんとか1本良い波に乗れてラウンドアップできました。この勢いのまま勝ち進んでいきたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願いします!」と語った。

H11では稲葉玲王、安室丈、小濃来波が同じヒートで対戦。安室丈がバレルとビッグターンのコンビネーションで7.17をスコアしてヒートをリード。稲葉玲王は序盤スコアを上げられずに苦しんだが、バックハンドのソリッドなリエントリーで2位に浮上してラウンドアップを決めた。



H7の鈴木仁は、想像していた波と全く変わってしまいコンディションの急激な変化に苦しんだことを語った。
「全く予想していなかった展開で、かなり厳しい戦いでした。最初から飛ぶ気で乗ってました。とにかく1点でも点数が欲しかったので飛びに行こうと思いました。」
2本目のエアも「時間も残り少ない中で4点以上の波を揃えるのは厳しいと思ったので負けてられない気持ちで飛びました。このQS6000のフィリピンと台湾は大切な試合で準備をしてきました」
H12では渡邉壱孔、長沢侑磨が同じヒートで対戦。長沢がバックハンドでバレルをメイクして6.83をスコアして開始。渡邉壱孔もクリティカルなターンで5.00をスコア。バックアップを4.07とし日本選手2名がワンツーで決めた。


その他に金沢呂偉、増田来希、新井洋人がラウンドアップ。矢作紋乃丞、大音凛太、矢作紋乃丞、森友二、井上龍一、小濃来波、伊東李安琉、須田喬士郎は惜しくも敗退となった。


ブレイク後に試合が再開され、H15にはイエロージャージの小林桂が登場。波を確かめるように小林はバレルやエアリバースを決めて、ヒートをリード。後半に入り小林はクリティカルなターンのコンビネーションで5.67をスコア。リードを広げ勝利を掴んだ。

イエロージャージを身にまといヒートを終えた彼は、「クラウドナインは世界で一番好きな波の一つです。このアジア/オーストラリアツアーに参加しているみんなにとってもお気に入りの場所だと思います。
個人的には最高のツアーですね。時にはCT(チャンピオンシップツアー)よりも良い波があるんだから。これはかなり大胆な発言だけ、本当にクレイジーで良い波があるんです。
今日はロータイドで少しトリッキーだったけど、このヒートに勝てて本当に嬉しいです。一つ一つのヒートが重要だし、自信につながります。」と、安堵の表情で語った。徳之島での優勝後、約10日間の短い帰郷でリフレッシュし、万全の状態で今大会に臨んでいる。




日本へのルーツと決断
今シーズン、彼は所属リージョンをアメリカから日本へ変更するという大きな決断を下した。その理由について、「僕のルーツは日本にあります。そして何よりも、良い波でサーフィンがしたいという強い思いがありました。この決断をサポートしてくれた周りの人々にも感謝しています」と語り、自身のアイデンティティとサーフィンへの純粋な情熱が決断の背景にあったことを明かした。
QSツアーで世界中の素晴らしい波を旅できることに「夢のようだ」と感謝を口にし、その環境が彼のパフォーマンスをさらに引き上げている。
インタビューの最後、彼は流暢な日本語で日本のファンへメッセージを送った。「ラウンドオブ64の初戦を勝つことができました。まだ自分のサーフィンを出し切れていませんが、まずは勝てて良かったです。明日からのラウンド32では、潮のコンディションも良くなると思うので、一つずつ勝てるように頑張ります。応援よろしくお願いします!」
明日、本日の続きで女子ラウンドオブ48から再開となれば、H4馬庭彩、石井有紗、H5佐藤李、H7清水ひなた、H8松田詩野。
男子はいよいよラウンドオブ32。H2金沢呂偉、増田来希、加藤翔平、H3岩見天獅、新井洋人、H4仲村拓久未、鈴木仁、H5稲葉玲王、渡邉壱孔、H6安室丈、長沢侑磨、H8小林桂。
女子ラウンドオブ32からはH1池田美来、H2脇田紗良、H3松岡亜音、H4中塩佳那、鈴木莉珠、H5野中美波、H8都築虹帆。
2025年シャルガオ・インターナショナル・サーフィンカップQS6000は、2025年10月24日から31日までクラウドナインで開催される。
オフィシャルサイト:Siargao International Surfing Cup
Cloud 9, Siargao Island, Philippines




