2年連続で日本の静波サーフスタジアムで行われていた『スタブ・ハイ presented by Monster Energy 』が今年は10月10日と11日の2日間、オーストラリアのURBNSURFシドニーで初開催。
これはウェイブガーデン・コーブ・テクノロジーで初めて開催されるエア・フォーカス型イベントで、このイベントにはモリー・ピックラムとヤゴ・ドラの世界チャンピオンが2人も初参加。
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今回、世界チャンピオンとして初めてスタブ・ハイに参加したヤゴ・ドラは、ブラジルから32時間の長旅を経てシドニーに到着。
試合スタート直後にバックハンドで巨大なコークアウトのインディスピンを決めてフラットに着地した。世界チャンピオンらしい力強い動きで他を圧倒。世界チャンピオンの意地を見せた。
サーフィン界で最も賛否両論のある人物の一人、ジェイコブ・“ジーク”・セケリーは、対戦相手を煽ろうと、ジュリアン・ウィルソンとヤゴに「お前たちは10年間、同じエアを続けている。何か違うことをやれ!」と、2010年のボビー・マルティネスを彷彿とさせるヒート後のインタビューで語った。
大会予選ラウンドの最後には、シェーン・ボーランドが39点でスタートし、ラスタ・ロブが40点で続く。そして、ジョエル・ヴォーンが38点を出したが、ヒューイが巨大なコークアウトローテーションを決めて45点を叩き出し、トップに立った。
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ジョエル・ヴォーンがラストライドで大逆転勝利
大会最終日、プロ男子ファイナルでは、ラスタ・ロブことロビー・マコーミックとジョエル・ヴォーンがレフトの波で高難度のバックサイド・ステイルフィッシュ・フルローテをメイク。
サーフオフに持ち込まれる寸前となったが、ジョエル・ヴォーンが最後の波で、静波大会で優勝している弟のヒューイからアドバイスを受けていたコークアウト・リーンバックフリップを決め、ランディングを完璧に決めて、大会最高スコア叩き出して、勝利を勝ち取った。
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優勝直後、興奮冷めやらぬジョエルはマイクを向けられ、インタビュアーから「弟のヒューイといいヴォーン家はStab Highを支配しているのか?」と賞賛の言葉を浴びた。これに対し、彼は最高の笑顔で勝利の喜びを語った。
「最高の気分だよ。兄弟が応援してくれて、家族みんながここにいる。そして地元のノース・シェリー・ボードライダースの仲間たちが応援に来てくれたんだ。信じられないよ」と、彼を支える人々への感謝を口にした。
「なぜヴォーン家はこれほどエアリアルに強いのか?」という質問には、「わからないよ。ただ、僕らはとにかくたくさんエアの練習をしているからかな」と謙虚に答え、その弛まぬ努力を窺わせた。
決勝の舞台で彼が対峙したのは、現役WSLワールドチャンピオンのヤゴ・ドラ。世界最高のサーファーと競い合えたことについて、ジョエルは特別な思いを語った。
「ヤゴと戦えたのは信じられない経験だった。彼は間違いなく今年のベストサーファーだし、僕に『もっと上手くなりたい』と思わせてくれる、ものすごいインスピレーションを与えてくれる存在なんだ。彼や他の素晴らしいサーファーたちと一緒にここで戦えて、そして勝てたことを本当に嬉しく思うよ」
勝利の祝杯、そしてオフシーズンの過ごし方について問われると、「まずは体重を増やして、もっと体を大きくしたい。そして、すべてのマニューバーをもっとビッグにすることが目標だよ」と、来シーズンへの力強い意気込みを見せた。
家族の絆と地元のサポートを力に変え、頂点に立ったジョエル・ヴォーン。彼のサーフィンへの情熱と絶え間ない向上心は、これからもサーフシーンに新たな衝撃を与え続けるだろう。
シエラ・カーが大逆転優勝。プロ女子2連覇でスタブハイで4勝目
プロ女子決勝では、SNSでこの8ヶ月間は、自分にとって非常に困難な健康状態の連続だったと語っていたシエラ・カーが優勝した。
ヒートのラストライドとなったシエラは完全に追い込まれていたが、バックハンドのフルローテーションを成功させミラ・ココ・ブラウンを逆転。
これによりシエラはレディバーズ2連覇、プロ女子2連覇でスタブハイで4勝目を挙げた。
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「ええ、とても良い気分です。ライトの波を乗り終えた後、レフトの波では一瞬何もできなかったんです。でも「よし、最後の波で決めてしまえば、すごい話になるぞ」と思いました。
そしてスーパーレイトになってしまったんですが「よし、思い切って攻めてみよう」と。それがパーフェクトに決まったんです。本当に興奮しています。
ミラがライトの波で素晴らしいパントを決めていて、私は「よし、レフトで何かやらなきゃ」と思ったんです。
最初はインディをしようかとも考えたんですが、どうもうまく決まらなくて。それで「よし、思い切ってフルローテを決めよう」と試みたんです。そしたらパーフェクトに決まったんです。」
スカイ・スーツが悲願の初優勝
レディーバーズではハワイ出身で日本人の母親を持つスカイ・スーツが、ライトの波でインディエアを決めて3度目の出場で初優勝を手に入れた。
「信じられない気持ちです。ここに来る前から、スタブ・ハイで優勝したいと強く願っていました。今回が3度目の出場ですが、自分自身をプッシュする形で限界まで追い込みたかったんです。」とスカイが語った。
「この目標を達成できて、本当に感激しています。しかも今年が最後の年ですから、この喜びは格別です。チームメイトの皆さんも素晴らしく、私をずっとプッシュしてくれました。応援してくれた母、兄、父、本当にありがとうございます。本当に大きな意味があります。
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ボトルロケッツ決勝では、ジャガー・フィリップスが力強いスタートを切り、分厚いローテーションで基準を打ち立てたが、前回の静波大会でも優勝したロキ・カレンが2連覇。
カレンはレフトの波で巨大なバックサイド・ステイルフィッシュ・ローテをメイク。45.00をスコアし、ライトの波でも42.00をスコア。圧倒的な演技で連覇を決めた。
プロ男子決勝(賞金20,000 ドル)
優勝:ジョエル・ヴォーン 48.00
2位:ロビー・マコーミック 42.00
3位:ハーレー・ウォルターズ 41.00
4位:ヤゴ・ドラ 38.00
5位:ジェイコブ・セケリー 37.00
プロ女子決勝(賞金20,000 ドル)
優勝:シエラ・カー 43.00
2位:ミラ・ココ・ブラウン 37.00
3位:スカイ・ブラウン 26.00
4位:モリー・ピックラム 22.00
5位:ベラ・ケンワージー
ボトルロケッツ決勝(賞金5,000ドル)
優勝:ロキ・カレン45.00
2位:ルーク・ロペス38.00
3位:ジャガー・フィリップス33.00
4位:クルス・ウロス
レディバーズ決勝(賞金5,000ドル)
優勝:スカイ・スーツ42.00
2位:ピータ・ケンワージー39.00
3位:レイハニ・ゾリック36.00
4位:ゾーイ・ブラッドショー35.00
5位:ゾーイ・カイナ
モンスターエア (賞金10,000 ドル)
ヤゴ・ドラ




