ティーア・ゼブロウスキーがポルトガルで完全優勝、カウリ・ヴァストもCS初優勝。CS第4戦EDPエリセイラ・プロ大会最終日

ティーア・ゼブロウスキーとカウリ・ヴァストがEDPエリセイラ・プロで優勝 Credit: WSL/ Manel Geada

ポルトガル・エリセイラ、リベイラ・デ・イーリャス(2025年10月5日(日)) – ティーア・ゼブロウスキー(FRA)とカウリ・ヴァースト(FRA)が、ワールド・サーフ・リーグ(WSL)チャレンジャーシリーズ第4戦となるEDPエリセイラ・プロで優勝した。

両選手は、2026年ワールド・チャンピオンシップ・ツアー(CT)へのクオリファイという究極の目標を追い求める、非常に強力なライバルたちを制した。

残り3大会となったポルトガル大会で、ランキングの勢力図に明らかなシフトが生じた。次戦サクアレマ・プロまで間を置かず、ゼブロウスキーとヴァストが首位をキープしたままブラジルへ乗り込む。

 

 

ポルトガルで完全優勝を果たしたティーア・ゼブロウスキー

 

ティーア・ゼブロウスキー(FRA) Credit: WSL/ Manel Geada
ティーア・ゼブロウスキー(FRA)Credit: WSL/ Damien Poullenot

 

2024年に2位に終わったリベイラ・デ・イーリャスでの雪辱を誓い、14歳のティーア・ゼブロウスキー(FRA)は今年こそ優勝を固く決意してエリセイラに臨んだ。リベイラ・デ・イーリャスが投げかけるあらゆるコンディションの中で、彼女の勢いは止めようがなかった。

このタヒチ出身の若者は、CT(チャンピオンシップ・ツアー)へのクオリファイする、さらには史上最年少での達成を公言してきた。本日、彼女はフランス人女性として初めて、そして史上最年少でチャレンジャー・シリーズ大会を制した。ランキングトップで圧倒的なリードを築き、2026年のクラスへ向けて弾みを付けている。

 

ティーア・ゼブロウスキー(FRA) Credit: WSL/ Manel Geada

 

「本当に素晴らしい気分です。とても幸せです!」とゼブロフスキーは語った。「ポルトガルでの優勝を心から嬉しく思います。昨年は2位でしたので、今年優勝できたことに大変感激しています。自分にとって非常に大きな意味を持つ勝利です。会場に応援に来てくれた家族、そしてご支援をしてくれたスポンサーの皆様に心より感謝します。この勝利を叔母さんに捧げたいです。」

 

 

女子決勝では元CT選手インディア・ロビンソン(AUS)が最初にスコアを叩き出したが、ゼブロウスキーは自らの戦略を貫いた。徐々に得点を積み上げ、6.20(満点10点)で首位に立つと、さらに攻勢を強めた。

より自由なサーフィンで、彼女はヒート最高の波を見つけ、力強いターンでセクションをつなぎ、インサイドまで乗り切り7.33をスコアした。ロビンソンの時間は尽き、ゼブロウスキーのポルトガルでの優勝という夢が現実となった。

 

 

カウリ・ヴァスト、チャレンジャーシリーズ初優勝

カウリ・ヴァスト(FRA)Credit: WSL/ Damien Poullenot
カウリ・ヴァスト(FRA)Credit: WSL/ Manel Geada
カウリ・ヴァスト(FRA)Credit: WSL/ Manel Geada

 

カウリ・ヴァスト(FRA)のシーズンはニューカッスルでの2位という輝かしいスタートを切った。そして2024年五輪金メダリストは、エリセイラでのチャレンジャーシリーズ初優勝をスコアし、CT(チャンピオンシップ・ツアー)出場権争いに再び名を連ねることとなった。

 

バリートとUSオープン・オブ・サーフィンでの不振を経て、ヴァストは元CTサーファーのジョアン・ドゥルを味方につけ、CT資格獲得への道を再始動させた。

波の高いコンディションでタヒチ出身の彼が示した計算されたアプローチとリーサルなバックハンドは、男子ファイナルでオーストラリアのジョージ・ピターを圧倒。ヴァストはランキングナンバー1のスポットを保持したままブラジルへ向かう。

 

 

カウリ・ヴァストとコーチのジョアン・ドゥル Credit: WSL/ Damien Poullenot

 

「この優勝をとても嬉しく思います」とヴァーストは言った。「チャレンジャーシリーズでの優勝を長年夢見てきました。素晴らしいチームと良き人々に支えられてきました。今回はまさに戦いでした。必死に戦わねばなりませんでしたが、最初から良いヒートを続けられたと感じています。

4大会中2度の決勝進出は、大変満足してます。ティーアと共にこの勝利を掴めたことは、まさに我々の夢でした。共通の目標として掲げ、同じ大会で競い合うことを願いながら、懸命にトレーニングを重ねてきたのです。ジョアン・ドゥル コーチには、何よりも感謝しています!」

 

 

 

ヴァストは決勝で素早く攻勢に出た。バックハンドの豪快なハックを決め、7.83を獲得して好スタートを切った。ビッグスウェルと干潮が重なり、ウェイブセレクションが勝負の分かれ目となった。ピターは適切な波を捉えきれず苦戦。一方ヴァストは海のリズムに完全に同調し、6.23の安定したスコアでこれをバックアップ。合計14.06(満点20点)で優勝を確定させた。

 

インディア・ロビンソン、CT入り争いに加わる

インディア・ロビンソン(AUS)Credit: WSL/ Damien Poullenot
インディア・ロビンソン(AUS)Credit: WSL/ Damien Poullenot

 

インディア・ロビンソン(AUS)は2023年ニューカッスルでのチャレンジャーシリーズ優勝で2024年CT進出を果たしたが、ツアーから脱落し再資格を得られなかったため、今季は苦しいスタートとなった。シーズン前半で2度の早期敗退を喫した後、ポルトガルでの2位でようやく流れを変えつつある。ランキングで19スポットも大きく順位を上げ、CTクオリファイへの扉を叩くためにブラジルへ向かう。

 

「これは間違いなく私のお気に入りのイベントの一つです」とロビンソンは言った。「この大会に臨むにあたり、楽しみながら参加したいと思っていましたが、同時に、今年はまだ達成できていないヒート突破をぜひ成し遂げたいとも考えていました。」

 

ヨランダ・ホプキンズ(POR)Credit: WSL/ Damien Poullenot

 

ロビンソンは、準決勝でヨランダ・ホプキンズ(POR)を撃破し、ビーチに集まったポルトガルのサーフィンファンたちの心を打ち砕いた。ホプキンズは、この大会でポルトガル人選手の中で最高の成績を収め、3位に入り、ランキング2スポットでブラジルへと旅立つことになった。

 

ジョージ・ピター、ポルトガルで印象的なパフォーマンスを披露

 

ジョージ・ピター(AUS)Credit: WSL/ Damien Poullenot
ジョージ・ピター(AUS)Credit: WSL/ Manel Geada

 

ジョージ・ピター(AUS)は、エリセイラでさらにギアを上げ、今年 2 度目の2位を果たし、ランキング 3 位に浮上した。これまで 1 回しかソリッドな結果を残せていなかったピッターは、ポルトガルで結果を出す必要があった。

 

元CTサーファーである彼は、これまでリベイラ・デ・イーリャスではパズルのピースを組み立てるのに苦労していたが、その分析的な思考力により、他の選手たちよりも早くその解法を見出し、1週間を通して最高の波を捉え、パワー、フロー、スタイルを兼ね備えたセクションをつなぎ合わせた。残念ながら、決勝ではリズムを乱し、再び2位に甘んじる結果となった。

 

「複雑な気持ちです」とピターは語った。「バリートでは2位でしたが、それが今日のモチベーションとなり、ここで優勝を目指しました。しかしカウリは本当に素晴らしいサーファーです。今はただ表彰台に立てたことが嬉しくてたまりません。ポルトガルは素晴らしい場所ですし、仲間たちと共に過ごしたこの1週間は本当に素晴らしいものでした」

 

日本チーム Credit: WSL/ Damien Poullenot

 

がんばれ!日本!

今大会が終了した時点で女子では、都筑有夢路がランキング10位、大原洋人が14位につけている。都筑有夢路も大原洋人も相性の良いブラジル戦。更なるランキングアップでCT入りを目指せ!

 

2025 Women’s CSランキング
10位(▲4) 都筑有夢路 13090点
29位(▲4) 池田美来 6150点
34位(▲3) 野中美波 5500点
36位(▲7) 中塩佳那 5370点
39位(▼4) 都築虹帆 4950点
42位(▼3) 松岡亜音 3950点
49位(–) 佐藤李 2400点

WSL Men’s CS ランキング
14位(▼3) 大原洋人 11385点
33位(▲22) 加藤翔平 6020点
34位(▼3)西慶司郎 6000点
53位(▼4)伊東李安琉 3700点
69位   (–) 安室丈 1850点
70位  (▼3) 岩見天獅 1750点
78位(▼2)田中大貴 1150点

 

次戦はサクアレマ・プロで、開催期間は2025年10月11日~19日。

本日のEDPエリセイラ・プロ大会のハイライトや詳細情報は、WorldSurfLeague.comで確認できる。

 

EDPエリセイラ・プロ 女子ファイナル結果:

優勝: ティーア・ゼブロウスキー(FRA)13.53

2位 インディア・ロビンソン(AUS)11.93

EDPエリセイラ・プロ 男子ファイナル結果:

優勝: カウリ・ヴァスト(FRA)14.06

2位 ジョージ・ピター(AUS)11.64

 

EDP エリセイラ・プロ女子準決勝結果:

HEAT 1:ティーア・ゼブロウスキー(FRA) 10.33 DEF. アナト・レリオール(イスラエル) 6.77

HEAT 2:インディア・ロビンソン(AUS) 12.83 DEF. ヨランダ・ホプキンズ(POR) 11.93

EDP エリセイラ・プロ男子セミファイナル結果:

HEAT 1:ジョージ・ピター(AUS) 15.84 DEF. ルッカ・メシナス(PER) 9.50

HEAT 2:カウリ・ヴァスト(FRA) 12.67 DEF. イーライ・ハンネマン(HAW) 10.83

EDP エリセイラ・プロ女子クオーターファイナル結果:

HEAT 1:ティーア・ゼブロウスキー(FRA) 12.83 DEF. キラ・ピンカートン(USA) 10.00

HEAT 2:アナト・レリオール(ISR) 11.00 DEF. 都筑有夢路(JPN) 9.83

HEAT 3:ヨランダ・ホプキンズ(POR) 13.83 DEF. アリッサ・スペンサー(USA) 9.50

HEAT 4:インディア・ロビンソン(AUS) 12.13 DEF. サノア・デンプフル・オリン(CAN) 4.60

EDP エリセイラ・プロ男子クオーターファイナル結果:

HEAT 1:ジョージ・ピター(AUS) 13.50 DEF. ルーカス・ヴィセンテ(BRA) 8.57

HEAT 2:ルッカ・メシナス(PER) 13.16 DEF. ルーク・トンプソン(RSA) 9.90

HEAT 3:カウリ・ヴァスト(FRA)13.50 DEF. アドゥア・アマトリアン(EUK)10.00

HEAT 4:イーライ・ハンネマン(HAW)12.13 DEF. モーガン・シビリック(AUS)8.26

 

 

https://www.worldsurfleague.com/events/2025/cs/346/edp-ericeira-pro/

 

ライブ中継

 

EDPエリセイラ・プロは2025年9月29日(月)から10月5日(土)まで、エリセイラのリベイラ・デ・イーリャスで開催。WorldSurfLeague.comおよび無料WSLアプリでライブ中継される。