ポルトガル、エリセイラ、リベイラ・デ・イーリャス(2025年10月3日金曜日) – ワールド・サーフ・リーグ(WSL)チャレンジャーシリーズの第4戦「EDPエリセイラプロ」は、厳しいコンディションがプレッシャーに満ちたヒートを生み、緊張感あふれる1日となった。
男女のラウンドオブ16が終了し、クオーターファイナル進出者が決定した。ランキングは、ビッグネームが敗退し、若手が躍進することで大きく変動した。ネクストコールは、現地時間10月4日(土)午前7時30分、日本時間15時30分。
男子ラウンドオブ16では、H3で加藤翔平が、現ランキング1位の南アフリカの「笑顔の暗殺者(スマイリング・アサシン)」と知られるルーク・トンプソンと対戦。ヒートは昨日と同様に満潮時のスローコンディションにより試合が中断して、再開直後のヒートで波数の少ない厳しい戦いとなった。

そんな中でもトンプソンがオープニングライドで8.50のエクセレントライドをメイクし、ヒートをリード。CS初のブラケット・ステージに立った加藤も、クリティカルなセクションでフィンを抜くリエントリーをメイクするなどして6.33をスコアして応戦した。


バックアップを揃えた加藤は一時逆転するも、トンプソンは爆発的なサーフィンでバックアップを5.07として逆転。加藤はニード7.25と追い込まれる。ヒート終盤に加藤は起死回生の波を掴み逆転を狙うもスコアは5.33と届かず。惜しくもここで敗退となった。
それでも加藤は日本男子の最高位となる9位でフィニッシュ。ライブランキングではランキングを22位上げて33位までアップ。ツアー後半戦につながる素晴らしい結果を残した。
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加藤翔平はSNSで「エリセイラ・プロ9位でした。ここまでのベストリザルトです。応援してくれた皆さん本当にありがとうございました。今回の会場は自分も大好きな波だったのでサーフィンが本当に楽しかったし、優勝したかった。サポートしてくれた家族、田中樹コーチ のおかげでこの結果を得ることができました。
今回学んだことを次のブラジルで生かして、また成長した姿を魅せれるように頑張ります。ありがとうEriceira」
明日試合が再開されれば、女子クオーターファイナルH2では、日本の都筑有夢路とアナト・レリオール(ISR)が対戦する。がんばれ!日本!
ヨランダ・ホプキンズ、4回連続のクオーターファイナル進出


クオーターファイナル進出のスポットをかけて、第2シードのヨランダ・ホプキンズ(POR)とラウラ・ラウプ(BRA)が対戦し、35分間の神経戦が繰り広げられた。
大会に残った最後のポルトガル人選手として、ホプキンズには大きな期待がのしかかっていた。ラウプがより良い波とより良いスコアを獲得する中、ホプキンズは少し苦戦しているように見えた。
しかし、スコアボードがホプキンズにわずかに有利になったとき、彼女はプライオリティをパーフェクトに活用してラウプをブロックし、最後の数秒でヒートベストのスコアを獲得、今シーズン4回連続のクオーターファイナル進出を決めた。
「自分にとって、少し心臓が止まるような瞬間でした」とホプキンズは語った。「ローラは自分よりもはるかに良いスタートを切り、より良いボウルを持つ波を見つけていました。
私は100%のパフォーマンスを発揮できていないと感じ、いくつかの重要な波で転倒してしまいました。最終的には、首位に立つスコアをゲットし、彼女をブロックするチャンスを得ました。5位という結果に満足していますし、まだ最低得点を記録していないことも嬉しいですが、あまり前に見過ぎないようにしています」
アリッサ・スペンサーのバックハンド・ハンマーが元CTサーファーを準々決勝へ導く


2023年エリセイラ・プロ勝者であるアリッサ・スペンサー(USA)は、エウェレイウラ・ウォン(HAW)を破り、今季初のクオーターファイナル進出を決めた。
スペンサーの鋭いバックハンド・アタックとウォンの豪快なフォアハンドが激突する、ゴーフィー vs. レギュラーの熱戦となったが、スティープな急勾配セクションでのスペンサーのバーティカルなアタックがスコアし、勝利をもたらした。
「ここでのサーフィンは本当に気持ちがいいです」とスペンサーは語った。「この波は私のスタイルにぴったりで、とても心地よく感じています。良いヒートを戦えたと思います。自分の優先権ミスで彼女がベストスコアをゲットした後、私は波を見つけてヒートを落とさないよう、本当に最高に奮起しました」
ルーカス・ビセンテのエクセレントなフォームが大会王者サミュエル・プポを破る


エリセイラではもう一人の巨人が倒れた。前回勝者で元CTサーファーのサミュエル・プポ(BRA)が、下馬評を覆した元世界ジュニアチャンピオンルーカス・ビセンテ(BRA)とのヒートで衝撃的な敗北を喫した。

イライラするほどスローなコンディションの中、ビセンテは素早くスコアを積み上げた。プポはリズムを崩し、明らかに苛立ちを隠せなかった。ビセンテはリードを広げ続け、キャリアベストの結果と大きな勝利を手にした。
「対戦カードを見た時点で戦略的な戦いが必要だと悟ったんです」とビセンテは語った。「ベストを尽くせたと思う。サミュエルはこの舞台で圧倒的な強さを見せる、倒すべき相手。だから勝てて感謝しています。ここはまるで故郷のようなんです。調子が良い。このまま続けたいですね」
カウリ・ヴァスト、モーガン・シビリックがランキングで躍進


2024年オリンピック金メダリストカウリ・ヴァスト(FRA)は、波が小さくスローなコンディションで計算されたパフォーマンスを見せ、オスカー・ベリー(AUS)を破った。
序盤の2試合で敗退していたヴァストは、ポルトガルでシーズンを立て直し、ランキングトップ10入りを果たした。元CTサーファーのモーガン・シビリック(AUS)は、マテウス・ハーディ(BRA)を相手に冷静さを保ち、今季初のクオーターファイナル進出を決めた。これによりランキングを12スポット上昇させた。
「今朝はすごく緊張しました」とシビリックは語った。「マテウスは今年ずっと好調で、ルーク・トンプソンとトップ争いをしている選手です。あの連中がポイントを独占している気がする。コンディションは日中に悪化したけど、自分のゲームプランを貫いて、そこそこのスコアを稼ぎ、ヒートを締めくくれて最高に嬉しいです」
EDPエリセイラ・プロ男子ラウンドオブ16結果:
HEAT 1:ジョージ・ピター(AUS)14.43 DEF. ケイド・マトソン(USA)14.27
HEAT 2:ルーカス・ヴィセンテ(BRA)14.00 DEF. サミュエル・プポ(BRA)6.83
HEAT 3:ルーク・トンプソン(RSA)13.57 DEF. 加藤翔平(JPN)11.66
HEAT 4:ルッカ・メシナス(ペルー)12.67 DEF. カラム・ロブソン(AUS)6.90
HEAT5:カウリ・ヴァースト(FRA)10.77 DEF. オスカー・ベリー(AUS)9.97
HEAT6:アドゥア・アマトリアン(EUK)12.44 DEF. ジャドソン・アンドレ(BRA)12.07
ヒート7:モーガン・シビリック(オーストラリア)11.80 DEF. マテウス・ハーディ(BRA)9.70
ヒート8:イーライ・ハンネマン(HAW)11.90 DEF. リアム・オブライエン(AUS)7.33
EDPエリセイラプロ男子クオーターファイナルマッチアップ:
HEAT1:ジョージ・ピター(AUS)vs. ルーカス・ビセンテ(BRA)
HEAT2:ルーク・トンプソン(RSA)vs ルッカ・メシナス(ペルー)
HEAT 3:カウリ・ヴァスト(FRA)vs アドゥア・アマトリアン(EUK)
HEAT4:モーガン・シビリック(AUS)vs イーライ・ハンネマン(HAW)
EDPエリセイラ・プロ女子ラウンドオブ16結果:
HEAT 1:キラ・ピンカートン(USA)14.84 DEF. サリー・フィッツギボンズ(オーストラリア)14.44
HEAT 2:ティーア・ゼブロウスキー(FRA)15.90 DEF. 中塩佳那(JPN)13.40
HEAT 3:都築有夢路(JPN) 15.50 DEF. フランシスカ・ベセルコ(ポルトガル) 13.23
HEAT 4:アナト・レリオール(イスラエル) 14.40 DEF. レイラニ・マクゴナグル(コスタリカ) 14.07
HEAT 5:ヨランダ・ホプキンズ(POR) 13.80 DEF. ラウラ・ラウプ(BRA) 12.07
HEAT 6:アリッサ・スペンサー(USA) 13.76 DEF. エウェレイウラ・ウォン(HAW) 12.80
HEAT 7:インディア・ロビンソン(AUS) 12.73 DEF. ソフィア・メディーナ(BRA) 11.57
HEAT 8:サノア・デンプフル・オリン(CAN) 13.43 DEF. イーデン・ウォーラ(USA) 12.40
EDP エリセイラ・プロ女子クオーターファイナルマッチアップ:
HEAT 1:キラ・ピンカートン(USA) vs. ティーア・ゼブロウスキー(FRA)
HEAT 2:都筑有夢路(JPN) vs. アナト・レリオール(イスラエル
HEAT 3:ヨランダ・ホプキンズ(POR) vs. アリッサ・スペンサー(USA
HEAT 4:インディア・ロビンソン(AUS) vs. サノア・デンプフル・オリン(CAN)
https://www.worldsurfleague.com/events/2025/cs/346/edp-ericeira-pro/
ライブ中継
EDPエリセイラ・プロは2025年9月29日(月)から10月5日(土)まで、エリセイラのリベイラ・デ・イーリャスで開催。WorldSurfLeague.comおよび無料WSLアプリでライブ中継される。




