ポルトガル・エリセイラ、リベイラ・デ・イーリャス(2025年10月2日木曜日) – ワールド・サーフ・リーグ(WSL)チャレンジャーシリーズ第4戦「EDPエリセイラ・プロ」の大会4日目。リベイラ・デ・イーリャスでは安定した2~3フィートの波がブレイク。男子ラウンドオブ32と女子のラウンドオブ16が行われた。
男子ラウンドオブ32のH4では、加藤翔平が、カラム・ロブソン(AUS) エドガード・グロッジア(BRA)イアン・ジェンティル(HAW)の元CTサーファーと対戦。ヒートはカラムとイアンが5点台をスコアして開始。

グロッジアはエンドセクションで高さのあるエアリバースをメイク。7.50をスコア。加藤もエアリバースで応戦し6.60をスコア。カラムはカービングターンのコンビネーションで6.10と7.77をスコアしてヒートをリード。加藤もバックアップ4.87をスコアして2位につける。



ヒート終盤、加藤は優先権を使ってビッグセットを掴み、再びエアリバースを試みるもインコンプリート。再度エアリバースにチャレンジした加藤は見事メイクしてバックアップを5.80まで伸ばす。そのまま加藤は2位で逃げ切りラウンドオブ16進出を決めた。
EDPエリセイラプロ男子ラウンドオブ16H3で加藤翔平は、南アフリカのアップカマーであるルーク・トンプソン(RSA)と対戦する。

満潮時にスローコンディションとなったことを受けて、試合はオンホールドとなり、その後に再開。
H7では西慶司郎が、 イーライ・ハンネマン(HAW)カイアス・キング(AUS) モーガン・シビリック(AUS)と対戦。
序盤に4.50を出したものの、その後は良い波をつかめず、リズムを崩して4位敗退。バックサイドで鋭いターンは見せたが、技のバリエーションが限られたことも響いた。

H8では大原洋人が、マテウス・ハーディ(BRA)ルーク・テマ(HAW)リアム・オブライエン(AUS)と対戦。
オープニングで大原洋人とルーク・テマが同じ波に乗ろうとし、大原がルークの妨害をしたとして、インターフェアを取られるトラブルが発生。ヒート開始直後のノンプライオリティのシチュエーションだった。
相手の存在に気づいていなかったという大原だが、ペナルティとしてインターフェアが発生した波のスコアはカウントされず、2番目のカウント対象となる波のスコアが半分となった。
それでも7.84をスコアするなど最後まで試合を諦めず、戦い続けた。結果は4位敗退。非常に調子の良いサーフィンをしていただけに悔しい敗退。今回25位でフィニッシュとなった。
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ジェイク・パターソンが大原のヒート中にWSLのインタビューに答えた。コーチとしても予想外の展開に動揺を隠せない様子だった。
(インタビュアー) ジェイク、先ほどのインターフェアランスについてどう思いますか?
(ジェイク・パターソン) ああ、ヒロトには本当に胸が痛みます。彼は今大会で最も好調なサーファーでした。昨日も最高のスコアリング・ウェイブを掴み、素晴らしい滑りを続けていたのに、あのような行動は彼にとって非常に残念なことです。わざわざ相手の前にパドルインする必要はなかったのです。波はまだまだあります。本当に残念です。
(インタビュアー) 長い間一緒にやっていますよね。彼をトレーニングする上で、何に重点を置いていますか?
(ジェイク・パターソン) 私はヒロトとは長い間一緒に仕事をしてきました。彼はスネーク・テイルズのクルーの一員として長年活動しています。見てください、彼のサーフィンの素晴らしさを。彼は本当に素晴らしいです。ですから、このインターフェアレンスが彼を大きく妨げてしまったのです。あれだけの努力が、すべて水の泡です。
(インタビュアー) こういう時、プロサーファーでもある、あなたならどうしますか?このようなフラストレーションが溜まる瞬間の後、どうやって立ち直るのでしょうか?
(ジェイク・パターソン) 難しいことではありますが、過去は過去です。戻ってやり直すことはできません。ですから、私たちは、この経験から学び、ブラジルではより強くなって臨みたいと思います。そして、この教訓を活かします。ヒートの開始時に、他人の前をパドルしないこと。できるのは、そこから学ぶことだけです。
(インタビュアー) ありがとうございました。

男子に続き女子ラウンドオブ16が続けてスタート、H2で中塩佳那が、優勝候補のティーア・ゼブロウスキー(FRA)と対戦。

ティーアは7ポイントでヒートを開始。今回好調な中塩も豪快なサーフィンで7.67というハイスコアを叩き出す。しかし直後にティーアは2本目の7ポイント、さらに8.60というエクセレントを叩き出し、リードを広げていく。

ハイスコアリング・ポテンシャルの波を待つしかない中塩佳那は、ニード8.24で優先権を使って波に乗るもスコアが伸ばせず。ここで惜しくも敗退となった。

H3では都筑有夢路が、フランシスカ・ベセルコ(POR)と対戦。都筑はインサイドでダブルアップする波を掴みスタートから7.00のハイスコアを叩き出す。都筑はバックアップを3.5としてヒートをリードしていく。
一方、べセルコはアウトとでセットを待ち、ノーライドのまま後半戦へ。ベセルコは鋭いカービングのコンビネーションで5.73をスコアするも、都筑はバックアップを5.17まで伸ばす。

ヒート終盤、都筑は優先権を渡してしまい、そこで掴んだ波でベセルコはクリティカルなビッグターンをメイク。5.27をスコア。
その直後に都筑は会心の1本をメイク。難しいセクションで、リスクの高いクリティカルなマニューバーを実行し8.50のエクセレントをマーク。そのリードを広げ、追い上げるベセルコの追撃を振り切り、ついにベスト8進出を決めた。
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(インタビュアー) 本当に素晴らしいヒートでしたね。素晴らしいスコアでした。地元のサーファー相手に見事な戦いぶりでしたが、いかがでしたか?
(都筑有夢路) 本当に…何て言えばいいかわからないです。今はただ嬉しいです。それと、日本の友達が、私をすごく、すごく応援してくれて。それでエネルギーをもらって、強くしてくれました。はい。
(インタビュアー) この波では本当に絶好調に見えました。波との関係性について教えてください。
(都筑有夢路) 実はいくつかミスをしてしまったんですけど、でも、8点台の波の時は、「あ、良い波を掴んだ」って感じで。それで、自分のサーフィンに集中しよう、みんなに自分のサーフィンを見せたいと思って、それができました。
(インタビュアー) 素晴らしいライディングでした。最高のサーフィンでしたよ。日本のファンへメッセージをどうぞ。
(都筑有夢路) 応援ありがとうございます。自分のサーフィンができてとても嬉しいです。次もみんながワクワクできるような試合をやりたいです。応援よろしくお願いします。
がんばれ!日本!
https://www.worldsurfleague.com/events/2025/cs/346/edp-ericeira-pro/
ライブ中継
EDPエリセイラ・プロは2025年9月29日(月)から10月5日(土)まで、エリセイラのリベイラ・デ・イーリャスで開催。WorldSurfLeague.comおよび無料WSLアプリでライブ中継される。




