ベルズビーチ、トーキー、ビクトリア州、オーストラリア(2025年9月18日木曜日) – ワールド・サーフ・リーグ(WSL)2025ロングボードツアー(LT)第2戦 バイオグラン・ベルズビーチ・ロングボードクラシックの2日目は、男女のエリミネーション・ラウンドがベルズのパーフェクトなコンディションで行われた。
16ヒートが完了した長い競技日となり、クリーンな3~4フィートの波の中でラウンドオブ16進出者が決まった。
ハワイアン・デュオがエリミネーション・ラウンドを突破

カニエラ・スチュワート(HAW)はベルズでの意気込みを明確にした。それは2日目にエリミネーション・ラウンドで敗退しないことだ。この超スタイリッシュなナチュラル・フッターは、イグナシオ・ピニャタロ(URY)を破るため、大会最高となる16.27というエクセレントなHEAT合計を記録した。
スチュワートはエクセレントスコアの2本とも、最初の難関セクションでノーズをメイクし、ハングテンを決めた。その後、ステップバックして力強くスタイリッシュにカーブを描き、岸まで乗り繋いだ。これによりピニャタロはコンボシチュエーションに追い込まれ、スチュワートは圧勝でラウンドオブ16進出を決めた。

スチュワートと同様に、2023年WSLロングボードワールドチャンピオンのカイ・サラス(HAW)も、2023年にこの大会で優勝を勝ち取った選手として、エリミネーション・ラウンドでの姿は意外なものであった。
サラスは初戦のヒートで得点機会を掴むのに苦労し、今日の試合で地元の期待の星ベン・コンシディン(AUS)と対戦する際には、最高の波に乗ることを確実にしようとしていた。
サラスは序盤にミドルレンジのスコアを記録したが、プライオリティを握ったまま波を待った。リンコンでセットを捉えると、高速で力強いレールターンと、クリティカルかつスタイリッシュなノーズライドを繋ぎ、2ウェイブ・トータルを14.17でヒートを制した。これは男子エリミネーション・ラウンドで2番目に高いスコアである。
「自分は最高のサーフィンをし、目の前の波に乗るためにこの大会に出ているんです」とサラスは語った。「昨日は自分でジンクスを台無しにした気がします。風が強くて言い訳ばかりしていたが、今日はずっと高いモチベーションがあった。
典型的なリンコンのコンディションで、鏡のように平坦な海面に長い波がラインナップしていて、もっと長く乗りたかったですね。 ボードは新調したものですが、あのコンディションにパーフェクトに合い、最高の感触でした」
現世界王者、エリミネーション・ラウンドで巻き返し


WSLワールドチャンピオン2連覇中のレイチェル・ティリー(USA)は、エリミネーション・ラウンド進出という失望から立ち直り、H1で井上桜(JPN)を圧倒的な強さで下した。ヒート中盤にリンコンからボウルへシフトし、より良い波を捉える機会を増やした。ベルズでの初優勝を目指す彼女は、見事勝利を掴み取った。
ヒートは井上桜も好調な滑り出しを見せ、リフォームするセクションでのノーズライドやハングファイブをコンビネーションさせるなどの演技を披露し5.50をスコア。
レイチェルはビッグセットで大きなカービングのハングファイブのコンビネーションで7.00をスコア。5.27でバックアップ。5点台を2本揃える井上は、ニード6.28でラストウェイブをキャッチ。素晴らしいハングファイブを披露しトップスコアを6.00まで伸ばすも逆転ならず。17位でフィニッシュとなった。
「良いヒートでしたね」とティリーは言った。「私がリンコンに向かった途端、彼女は私を振り切り、ボウルへ向かったんです。私は戦略を考え直さねばと焦りましたが、幸いリンコンで波を捉え、続けてボウルでも波に乗れました。両方のスコアが確定した時点で、ボウルが勝機だと確信しました。
ヒート中に戦略を変えることは決してありませんから、うまくいって良かったです。エリミネーション・ラウンドに進むことはあまりないので、少し緊張していました。到着が遅れたため、今日は水中でさらに時間を過ごす良い機会と考えました。その後、明日に向けてずっと気分が良くなりました。

13歳のイタリアの若き天才ジンジャー・カイミ(イタリア)は、WSLロングボードツアー2度目の出場ながら、まるでホームグラウンドのように波を切り裂き、ハングテンを決めて10.50ポイントのヒート合計を記録。ヌーサのキラ・モルナー(AUS)を破って勝利を収めた。

波数が減る中、H5で田岡なつみは、地元ビクトリアのベアトリス・コンロイ ( AUS )と対戦。スタートから田岡は4.50をスコア。
ビクトリアン・ロングボード・タイトルズで優勝し、ローカルワイルドカードを獲得したコンロイ。この波をよく知る彼女は安定感のあるサーフィンで7.50 をスコア。4.83でバックアップしてヒートリードした。
田岡はベストスコアを6.50まで上げるが、ニード5.83と追い込まれる。
後半、波が止まり田岡は優先権を持ってセットを待つ。コンロイは優先権のない間に6.00をスコアして、田岡はニード7.01となり万事休す。
昨年準優勝だっただけに活躍が期待されていた田岡は今大会17位でフィニッシュと厳しい結果となった。

H8では井上楓(JPN)はシヴェ・ジャラード(ASM)と対戦。アメリカンサモア出身の彼女はハワイ/タヒチ・ヌイリージョン代表で、2024年に脱落したWSLロングボードツアーへ今年復帰した選手。
ヒートは井上がスタートから4.07をスコア。ジャラードは5点台を2本揃えて後半戦へ。ヒート終盤に井上は素晴らしいノーズライドのコンビネーションで7.00をスコア。続けてバックアップスコアを5.17まで上げて逆転トップに躍り出る。

しかし、残り2分でニード6.68と追い込まれたジャラードは最後の波にテイクオフ。インサイドでハンファイブ・テンのコンビネーションを披露し、6.83をスコア。まさかの大逆転で井上楓は悔しい敗退となり、17位でフィニッシュとなった。
バイオグラン・ベルズビーチ・ロングボードクラシック男子エリミネーション・ラウンド結果:
HEAT 1:ギャビン・イドーネ(USA)10.83DEF. ジョン・マイケル・ヴァン・ホーエンシュタイン(HAW)10.56
HEAT 2:コール・ロビンス(USA)13.10 DEF. トニー・シルヴァーニ(USA)8.60
HEAT 3:カイ・サラス(HAW)14.17 DEF. ベン・コンシディン(AUS)10.03
HEAT 4:ケビン・スクヴァルナ(USA)12.57 DEF. サム・クリスチャンソン(RSA)11.83
HEAT 5:カニエラ・スチュワート(HAW)16.27 DEF. イグナシオ・ピニャタロ(ウルグアイ)9.84
HEAT6:オリバー・パッカム(RSA)9.04 DEF. ネルソン・III・アヒナ(HAW)8.54
HEAT7:ジョマリー・エブエザ(PHL)12.33 DEF. ベン・スキナー(イギリス)11.83
ヒート8:ジャック・タイロ(ニュージーランド)12.03 DEF. アントニオ・ダンタス(POR)8.57
バイオグラン・ベルズビーチ・ロングボードクラシック 女子エリミネーション・ラウンド結果:
HEAT1:レイチェル・ティリー(USA)12.27 DEF. 井上桜(JPN)11.63
HEAT 2:ナタリア・ワンダーリッヒ(HAW)11.00 DEF. オフェリー・ア・クエン(FRA)7.60
HEAT 3:キャッシュ・フーバー(USA)11.00 DEF. アリス・リモイン(FRA)10.84
HEAT 4: ジンジャー・カイミ(イタリア)10.50 DEF. キラ・モルナー(AUS)8.56
HEAT 5: ベアトリス・コンロイ(AUS)13.50DEF. 田岡なつみ(JPN)11.00
HEAT 6: メイソン・シュレマー(USA)10.84 DEF. ルアナ・ソアレス(ブラジル)8.40 ルアナ・ソアレス(BRA)8.40
HEAT 7:エミリー・レスブリッジ(AUS)11.50 DEF. マリア・イラガン(USA)10.84
HEAT 8:シヴェ・ジャラード((ASM) )12.33 DEF. 井上楓(JPN)12.17
バイオグラン・ベルズビーチ・ロングボードクラシック男子ラウンドオブ16マッチアップ:
HEAT 1:ロジェリオ・ジェイ・アール・エスキヴェル(PHL)vs. クリントン・ゲスト(AUS)
HEAT 2:コール・ロビンス(USA)vs. マックス・ウェストン(AUS)
HEAT 3:カイ・エリス=フリント(AUS)vs. ジャック・タイロ(ニュージーランド)
HEAT 4:デクラン・ワイトン(AUS)vs. オリバー・パッカム(RSA)
HEAT 5:テイラー・ジェンセン(USA)vs. ギャビン・イドーネ(USA)
HEAT 6:ケビン・スクバーナ(USA)vs. 井上鷹(JPN)
HEAT 7:カイ・サラス(HAW)vs. ジョマリー・エブエザ(PHL)
HEAT8:カニエラ・スチュワート(HAW)vs. エドゥアール・デルペロ(FRA)
バイオグラン・ベルズビーチ・ロングボードクラシック 女子ラウンドオブ16 マッチアップ:
HEAT1:レイチェル・ティリー(USA)vs. ベアトリス・コンロイ(AUS)
HEAT 2:ナタリア・ワンダーリッヒ(HAW)vs. 吉川広夏(JPN)
HEAT 3:アヴァロン・ガル(USA)vs. エミリー・レスブリッジ(AUS)
HEAT 4:ホノルア・ブルームフィールド(HAW)vs. メイソン・シュレマー(USA)
HEAT 5:ソレイユ・エリコ(USA)vs. キャッシュ・フーバー(USA)
HEAT 6:クロエ・カルモン(BRA) vs. ジンジャー・カイミ(イタリア)
HEAT 7:ケリス・カレオパア(HAW) vs. シヴェ・ジャラード(ASM)
HEAT 8:ソフィア・カルヘイン(HAW) vs. タリー・ホワイト(AUS)
2025年バイオグラン・ベルズビーチ・ロングボードクラシックの詳細はWorldSurfLeague.comを参照のこと。




