都築虹帆がメインラウンドを勝ち進む。リパチャージの波乗りジャパンは全員敗退。ISAワールドサーフィンゲームズ6日目

サーフシティ・エルサルバドル – 2025年9月11日

2025年サーフシティ・エルサルバドルISAワールドサーフィンゲームズ(WSG)6日目、チームレースは激しさを増した。3~4フィートのスウェルのディレクションが変化し、アクションは主にラ・ボカナのライトサイドで行われたが、エル・スンザルのロングライトの波は引き続き活気を見せた。

 

男子メインラウンド5はラ・ボカナで開催され、女子メインラウンド4とリパチャージラウンド4~6も同時に行われた。エル・スンザルでは、男子リパチャージラウンド3と4が終了した。

 

 

オーストラリアとペルーがチームランキング首位を分け合う。日本21位。

 

 

全6選手を勝ち残らせた唯一のチームとして、オーストラリアとペルーがランキング1位で並んだ。オーストラリアはメインラウンドに残る14選手中5名を擁する。

ペルーは3名、フランスはリパチャージを除く選手で2名を保持する唯一の国であり、現在ランキング10位だ。ブラジル、スペイン、USAが現在のトップ5を締めくくる。日本は21位と大きく後退。

 

 

3ラウンドにわたり、フランスのカウリ・ヴァーストジョーガン・クズネットはヒートを連勝している。メインラウンド3と4ではヴァーストが先に勝利し、クズネットが続いた。今日のメインラウンド5ではクズネットが先に勝利したが、オリンピック金メダリストであるヴァーストがヒートに臨む際の集中力の強さを痛感した。

 

カウリ・ヴァーストCredit: ISA /Pablo Jimenez

 

「ジョーガン・クズネットのヒートの後に出場したんだ。彼は僕のヒートの前に軽く握手をしてきた。僕はあまり反応しなかった。だって、ヒートを勝ち抜かなきゃいけないって思ってたからね。

だから、眉をひそめて、タヒチアンスタイルみたいな感じになったんだ。落ち着かなきゃって思ったよ。でも、ヒートは楽しかった。彼と一緒に予選を通過できて、本当に、本当に嬉しい。だから、これからも頑張ろう、行こう」

 

ブラジルのダグラス・シルバ(BRA)がこのラウンドの3つのヒートのうち、最初のHEATを勝ち取り、ソリッドなスタートを切った。ペルーのオリンピック選手アロンソ・コレア(PER)は、エクセレント8.00を含む堅実なスタートを切った。

 

一方、シルバはヒートの終盤まで、目立ったスコアを獲得するのに苦労していた。ラ・ボカナのレフトでシルバがバックハンドで攻撃した波は、コレアの同じ波よりも 0.5 ポイント近く高く、8.47 を獲得した。更にシルバは終了直前に 2 つ目のカウントスコアを獲得した。2 人のヒート合計は 13.30 で同点だったが、シルバはシングルウェイブ・スコアが高かったため、勝利を収めた。

 

「金メダルを持って帰るのが目標だ。一歩ずつ着実に進んでいる。チームブラジルに感謝する」とシルバは語った。

 

メインラウンド6を締めくくったのは、オーストラリアのモーガン・シビリック(AUS)とデーン・ヘンリー(AUS)だ。両者ともフランス選手に次ぐ2位でプログレッションを遂げた。

 

 

都築虹帆(JPN)が日本勢を牽引、オーストラリア女子も健闘

 

都築虹帆 Credit: ISA /Pablo Jimenez
都築虹帆 Credit: ISA /Pablo Jimenez

 

都築虹帆(JPN)は、日本チームで唯一残った選手として注目を集め続けている。ラ・ボカーナレフトで決めた3ターンバックハンドコンボで、22歳の彼女は女子メインラウンド4のベスト・シングルウェイブ・スコアとなる8.00を獲得した。

2019年ISA世界ジュニアサーフィン選手権に出場経験のある都築は、WSGで初めて国を代表するという経験を満喫している。

 

都築虹帆  Credit: ISA /Pablo Franco

 

「本当に強い相手と対戦するから、すごく緊張しました」と都築は語った。「でも逆に、それが自分をプッシュするきっかけになったんです。自分のことに集中して、勝つことができました。すごくいいフローを作れたと思うし、次のラウンドが楽しみです」

 

前回ISAに出場したのは2019年のジュニア時代です。その後約2年間、コロナの影響で全ての大会が中止になり、本当に厳しい時期でした。でも今振り返ると、あの経験が自分をさらに強くしてくれたと思います。復帰できて本当に嬉しいし、さらに成長した姿を世界に見せられるよう全力を尽くします」

 

 

2位争いは緊迫した展開となった。残り40秒を切ってプライオリティを持つミラ・ブラウン(AUS)は2.11ポイントが必要な状況でパドルしたが波を逃した。プライオリティを失ったブラウンは残り20秒で再び急いでパドルし、ほぼクローズアウト寸前の波に挑んだ。ソリッドな波でチェックターンを決めただけで2.13点を獲得し、オーストラリア選手は勝ち進んだ。

 

大会の注目選手であるフランシスカ・ベセルコ(ポルトガル)とアネット・ゴンザレス・エチャバリ(スペイン)は敗者復活戦に回った。

 

女子チャンピオンで、WSG で 4 回の金メダリストである サリー・フィッツギボンズ(オーストラリア)は、またもやヒートを勝ち取った。エリー・ハリソン(オーストラリア)もプログレッションを遂げたことで、オーストラリアは、男女ともにメインラウンドに 3 人のサーファーを残している唯一の国であり、男子側では、これを達成している国は他にない。

 

ポルトガルのヨランダ・ホプキンズ(POR)も、この大会で4回目のヒート勝利を収め、ジャニール・ゴンザレス・エチェバリ(ESP)とともに、メインラウンド4の最初のヒートでプログレッションを収めた。また、ペルーのダニエラ・ロサス(PER)とアレナ・ロドリゲス(PER)もメインラウンド5に進んだ。

 

ブライアン・ペレス(エルサルバドル)Photo: Jersson Barboza

 

メインラウンド 3 で悔しい敗戦を喫した ブライアン・ペレス(エルサルバドル)は、リパチャージの最初のヒートで、エル・スンザルの長いウォールで強力なフォアハンドを披露した。8.33 と 7.17 のスコアで、このホスト国のオリンピック選手はヒート合計 15.50 を獲得し、この日の最高スコアを記録した。

 

ペレスのチームメイトであるジュリッサ・ムーディ(エルサルバドル)は、ISA世界ジュニア選手権で2度のメダル獲得者であるクレマンス・スコルシュ(FRA)にブザー直前で逆転され、リパチャージラウンド5で3位に終わった。

 

リパチャージに進んだオリンピック選手、レイラニ・マクゴナグル(CRC)とテレサ・ボンバロ(POR)は、3 ラウンドを共に戦い抜いた。リパチャージラウンド 5 では、2 人がこの大会 2 回目のヒートをシェアした。

ノア・クラップ(GER)が 8.50 というエクセレントなスコアを記録し、ヒートを制した。ボンバロはヒートの大半で2位をキープしていたが、マクゴナグルが残り90秒で得点を奪い返し、トーナメント生き残りを果たした。この日終了時点でクラップも敗退し、マクゴナグルはまたもや圧倒的なヒート勝利で勝ち進んだ。

 

競技は明日9月12日(金)午前7時(CST)に再開される。

 

7-9AM MEN REPECHAGE ROUND 5
9-11AM MEN REPECHAGE ROUND 6
11AM-11:40AM WOMEN ROUND 5
11:40AM-12:40PM MEN REPECHAGE ROUND 7
12:40PM-1:20PM WOMEN REPECHAGE ROUND 7
1:20PM-2:20PM MEN REPECHAGE ROUND 8

 

 

GO! NAMINORI JAPAN!

波乗りジャパン   Credit: ISA /Pablo Franco
都築虹帆 Credit: ISA /Pablo Jimenez
都築虹帆 Credit: ISA /Pablo Jimenez
都築虹帆  Credit: ISA /Pablo Franco

 

日本で唯一メインラウンドを勝ち進んでいる都築虹帆は、今日も絶好調。スタートからビッグセットを掴み、際どいセクションで思い通りのマニューバーを描いた。

難しいセクションで、リスクの高いクリティカルなマニューバーを実行。スピード、フロー、コントロールされたバックハンドでランディングを披露しエクセレントの8.00をスコア。ミラ・ブラウン、フランシスカ・ヴェセルコら強豪を抑え、トップでラウンドアップ。

ラウンド5ではH2でサリー・フィッツギボンズ、ジャニーレ・エチェバリ、エリー・ハリソンと対戦する。

 

8ポイントライド10ポイント・スマイルのナナホの躍進は続く。

 

エクセレントの波について「この波はラッキーでした。ヒートにこの波はこれしか来なかった。次の波を探していたんですが、来ませんでした。本当に最初の波でこの波を掴めてラッキーでした。これからもガンガン勝っていきますので応援お願いします」

 

中塩佳那は、RP4でノア・クラップ、エラ・マカフレイらと対戦。この2名に6点台を揃えられて、ニード8.27と大差をつけられて惜しくも3位で敗退となった。

 

西慶司郎 Photo: Jersson Barboza
西慶司郎 Photo: Jersson Barboza

 

西慶司郎は、フランスのサム・ピター、チリのマニュエル・サルマンらと対戦。ヒートはピターとサルマンが5点台をスコアし先行する形となり、西は終始追いかける戦いとなった。4位の西は最後に5.03をスコアして3位に浮上するも、ニード5.21でラストウェイブにチャージするも4.07と逆転ならず。

 

稲葉玲王 Photo: Jersson Barboza

 

稲葉玲王は、3.33でヒートを開始。その後波が入らず3位で後半へ。残り時間10分で4.67をスコア。さらにバックアップを3.70に上げ、2位に浮上。しかし終了間際に3位の選手がラストウェイブで逆転。稲葉は3位に押し出されて、悔しい敗退となった。

 

大原洋人  Photo: Jersson Barboza

 

大原洋人はヒートを先行されて後手にまわるが、後半に入りファーストライドで6.50をスコア。しかし、その後セットが入らず。ニード3.93だった大原はワンライドのみで試合は終了。4位で敗退となった。

 

これでリパチャージの波乗りジャパンは全員敗退で、メインラウンドを勝ち進む都築虹帆のみとなった。

 

 

 

SURF CITY EL SALVADOR ISA WORLD SURFING GAMES 2025

(世界サーフィン選手権)

【男子代表】

  • 大原洋人(おおはら ひろと)

  • 西慶司郎(にし けいじろう)

  • 稲葉玲王(いなば れお)

【女子代表】

  • 都筑有夢路(つづき あむろ)

  • 都築虹帆(つづき ななほ)

  • 中塩佳那(なかしお かな)

スタッフ

ディレクター:大石 純也

ハイパフォーマンスアシスタントディレクター(HPAD):岡野宣正

コーチ:田中 樹、大野修聖

カメラマン:緒形清、難波聖

トレーナー:前原優湖

栄養士:近藤知佳

 

https://naminori-japan.org/

 

ISA World Surfing Games(世界サーフィン選手権)

開催地 :エルサルバドル

開催日程:202595日~914

https://isasurf.org/event/2025-isa-world-surfing-games/