稲葉玲王と大原洋人は1位でメインR2進出、西慶司郎はリパR2へ。ISAワールドサーフィンゲームズ2日目

稲葉玲王 Photo: Pablo Jimenez

サーフシティ・エルサルバドル – 2025年9月7日

2025年サーフシティ・エルサルバドルISAワールド・サーフィンゲームズ(WSG)2日目も驚異的なコンディションが続いた。4~6フィートのスウェルが再び会場の2つのポディウム、ラ・ボカーナとエル・スンザルを盛り上げた。


男子メインラウンド1の後半ヒートはラ・ボカーナで終了し、女子メインラウンド1はエル・スンザルで終了。その後、男子メインラウンド2の最初の16ヒートまでがロングライトのポイントで続けて行われた。

 

ルーク・グイナルド(USA)Credit: ISA /Pablo Jimenez

 

ラ・ボカナのレフトでフォアハンドを駆使するサーファーの活躍が続く中、ルーク・グイナルド(USA)が爆発的なWSGデビューを飾った。ISA大会初波で8.17点を叩き出したのだ。20歳の彼はさらに8.00点を追加し、HEAT合計16.17点を記録。今大会初のエクセレントな2ウェイブ合計となった。

 

グイナルドの勝利により、USAチームはメインラウンド1を完全制覇。初日、オーウェン・モス(USA)とジェイブ・スウィアコッキ(USA)がラ・ボカナで勝利を勝ち取った、イーデン・ウォーラ(USA)、リード・ヴァン・ワゴナー(USA)、エラ・マカフレイ(USA)がエル・スンザルで勝利を勝ち取った。3人の男子選手も、この日の終わりまでにメインラウンド3へのプログレッションを決めた。

 

 

「ヒート前は非常に緊張してました」とグイナルドは語った。「幼い頃からずっと夢見てきたことですから。祖国を代表できることは本当に光栄です。大好きなスポーツに携わりながら、生まれ故郷の国を代表できることは、おそらくこの上ない名誉ですね。

今日は流れに身を任せる感じでしたね。ただパフォーマンスをしているだけで、競争しようとはしていません。普段のフリーサーフィンで自分がしたいようにサーフィンしたいのです。海では本当に気持ちの良い感覚でした。

 

 

カラム・ロブソン(AUS)Credit: ISA /Pablo Jimenez

 

オーストラリアのカラム・ロブソン(AUS)は初戦ヒートで8点台を2回スコアし、ヒート合計16.67をマーク。これは現時点で大会最高得点だ。チームメイトで現ISA U/18男子世界ジュニアチャンピオンのデーン・ヘンリー(AUS)は、大会初のビッグエアのランディングを決め8.00をスコアした。

 

デーン・ヘンリー Credit: ISA /Sean Evans

 

初日にオーストラリア女子3選手が勝利したのに続き、ヘンリーの勝利でオーストラリア勢のファーストラウンド全勝が確定した。ほぼ同時刻、モーガン・シビリック(AUS)はエル・スンザルで行われたメインラウンド2のHEAT 2をプログレッションし、ラファエル・ペレイラ(VEN)と共に勝ち上がった。

 

 

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2021年にエルサルバドルで開催されたISAイベント(東京2020最終予選)以来の出場となる日本の大原洋人(JPN)は、メインラウンド1を圧勝で勝ち取った。

 

稲葉玲王(JPN)Photo: ISA / Pablo Jimenez

 

同じく五輪出場経験を持つレイラニ・マクゴナグル(CRC)、ブライアン・ペレス(ESA)、テレサ・ボンバロ(POR)、稲葉玲王(JPN)、ダニエラ・ロサス(PER)、ティム・エルター(GER)、ルッカ・メッシーナス(PER)もメインラウンドを突破し、五輪金メダリストのカウリ・ヴァスト(FRA)も同様にプログレッションを遂げた。

 

カウリ・ヴァスト(FRA)Credit: ISA /Pablo Jimenez

 

ヴァストは本日、メインラウンド3へ進出。妹のアエラン・ヴァスト(FRA)もメインラウンド1初戦で勝利した。過去にISAワールド・ジュニア・サーフィン選手権(WJSC)でフランス代表として2度共に戦った兄妹だが、WSGで並んで競技するのは今回が初めてだ。

 

フランス代表のキアラ・グールド(FRA)は15歳と大会最年少選手の一人だが、女子部門でこの日最高得点の一つを記録し自身のヒートを制した。アネット・ゴンサレス・エチャバリ(ESP)も最高得点の一つを叩き出し、姉が初日に見せた活躍に続く結果となった。

 

エル・スンザルのアウトサイドセクションで放った強烈なフォアハンドアタックが、フランシスカ・ベセルコ(POR)に早い段階で8.00点という高得点を届けた。ベセルコはこれに6.83を加え、2波合計14.83を記録。これは現時点で女子部門最高得点だ。

ヨランダ・ホプキンス(POR)とテレサ・ボンバロ(POR)という2人のオリンピック選手と共にポルトガル代表として出場する22歳のベセルコは、自身のオリンピック夢を追う道程において、キャリアで最も成功した年の一つを過ごしている。

 

フランシスカ・ベセルコ(POR)Photo: Jersson Barboza

 

今年は本当に良い年を過ごしています。サーフィンが上達していることを実感し、自信も持っています」とベセルコは語った。「ISA大会に出場し、祖国を代表し、国旗の色を背負い、世界各国の方々と共にここにいられることが何より嬉しいです。

これは本当に特別なことです。これほど多くの人々と波を共有する機会は滅多にありません。波のコンディションも最高で、本当に素晴らしい時間を過ごせました。ライトの波に乗るのが大好きなんです。ここエルサルバドルでは、まさに夢のような状況で、一日中パーフェクトな波が続いています。」

 

エルサルバドルのブライアン・ペレス(ESA)、好調なスタートを切る

 

ブライアン・ペレス Credit: ISA /Pablo Jimenez

 

地元ヒーローブライアン・ペレス(エルサルバドル)は、2024年パリオリンピック出場以来初めてISA大会に復帰した。25歳の彼は、2017年ISAワールドジュニアサーフィン選手権のU-18男子メダリスト2名、金メダリストナチョ・グンデセン(アルゼンチン)と銅メダリストコーディ・ヤング(CAN)との接戦を制し、初戦をヒート勝利で飾った。

 

初戦ならではの緊張感はあったものの、ペレスのサーフィンは相変わらず落ち着きと自信に満ちており、国内でも国際舞台でもその存在感はますます高まっている。

五輪のタトゥーを入れたブライアン・ペレス Credit: ISA /Pablo Franco

 

「初めてのヒートだったので、少し緊張していました」とペレスはと語った。「ただ最高の波を2本捉え、海で楽しむことに集中していました。今や私はオリンピックサーファーです。

母国で、この美しい波と素晴らしい人々に囲まれ、チーム全員と家族と共に祖国を代表できることは、まさに恵みです。エルサルバドルで再び素晴らしい波、素敵な人々、美味しい食事、そして良い雰囲気に恵まれ、大変感激しています」

 

西慶司郎   Photo: Jersson Barboza
西慶司郎   Photo: Jersson Barboza
稲葉玲王(JPN)Photo: ISA / Pablo Jimenez

 

昨日素晴らしいサーフィンでエクセレントを叩き出した西慶司郎は、メインラウンド2を3位でリパチャージ2へ。メインラウンド1を戦った稲葉玲王、大原洋人は余裕の1位通過でメインラウンド2へ勝ち進んだ。

 

稲葉はヒート終盤にクリティカルなフォアハンドターンを連続してメイクし6.27と6.00をスコア。大原は前半、手前の良い波を選び5.67でスタート。2位を強いられるも終盤にバックハンドで2発のクリティカルなバックハンドのターンをメイクし7.67をスコアして1位で勝ち上がった。

 

男子ラウンド2・ヒート6には西慶司郎が登場。エルスンザルは昼にかけてオンショアが入り、ヒート中は満潮。波数が少なく、ショルダーも張りづらい難しいコンディションでの戦いとなった。

オープニングで4.33をスコアしし、ヒートをスタート。しかしその後、波のセレクトに苦しみ、残り8分間も狙いの波を掴めず、惜しくも3位敗退。リパチャージ2に回ることになった。

 

 

東京五輪代表・大原洋人、エルサルバドルで快勝!「次こそメダルを」と力強く宣言

 

2020年東京五輪代表の大原洋人がラウンド1のヒートを快勝し、好調な滑り出しを見せた。試合後のインタビューでは、五輪での経験を胸に秘めた次なる目標と、日本のファンへの感謝を語った。

 

冷静な判断が生んだ高得点

大原はこの日のヒートで7.67という高得点をマーク。そのライディングについて、「3番目か4番目のプライオリティでしたが、毎日練習しているインサイドの良い波が来たんです。前の2人がその波を見逃したのを見て、『これは良いバックアップスコアになる』と思い、乗ることができました」と、冷静な状況判断と日々の練習が勝利につながったことを明かした。

 

五輪の経験を胸に、次なる目標へ

インタビュアーから東京五輪の経験について問われると、「(4年前の五輪は)自分の故郷が舞台で、本当に素晴らしい経験でした。でも、メダルを獲ることができなかった」と振り返り、「だからこそ、間違いなく次のメダルを目指しています」と力強く宣言。五輪の悔しさをバネに、世界の舞台で結果を出すことへの強い決意をにじませた。

現在、他の日本人選手も好調を維持しており、日本男子チーム全体の躍進が期待されている。大原選手も「『ゴールデンチャイルド』というモデルのボードが、ここの波にとても合っている」と語り、万全の準備が整っていることをうかがわせた。

 

日本のファンへ深夜のメッセージ

インタビューの最後には、日本のファンに向けて日本語でメッセージを送った。「夜中なのに皆さん、応援ありがとうございます。まだ1回戦ですが、これからもしっかり体をケアして、次も良いサーフィンができるように頑張るので、また応援よろしくお願いします」と、深夜にも関わらず応援を続けるファンへの感謝と、今後の戦いへの意気込みを語った。

五輪という大舞台を経て、さらなる成長を遂げた大原。その視線は、すでに表彰台の頂点を見据えている。

 

大会3日目の競技は明日9月8日(月)午前7時(CST)に再開。日本時間の今夜9月8日22時に開始。

 

ラ・ボカーナで女子メインラウンド2が16ヒート、エル・スンザルで女子メインラウンド1のH25からH32、男子メインラウンド2のH17からH24、男子リパチャージ1がH19まで行われる。

女子のメインラウンド2H7に都筑有夢路H9に中塩佳那、H10に都築虹帆。

男子メインラウンド2のH20に稲葉玲王、H22に大原洋人とオリンピアン2名が登場。

男子リパチャージ2のH2西慶司郎は明日はオフとなる。

 

 

SURF CITY EL SALVADOR ISA WORLD SURFING GAMES 2025

(世界サーフィン選手権)

【男子代表】

  • 大原洋人(おおはら ひろと)

  • 西慶司郎(にし けいじろう)

  • 稲葉玲王(いなば れお)

【女子代表】

  • 都筑有夢路(つづき あむろ)

  • 都築虹帆(つづき ななほ)

  • 中塩佳那(なかしお かな)

スタッフ

ディレクター:大石 純也

ハイパフォーマンスアシスタントディレクター(HPAD):岡野宣正

コーチ:田中 樹、大野修聖

カメラマン:緒形清、難波聖

トレーナー:前原優湖

栄養士:近藤知佳

 

https://naminori-japan.org/

 

ISA World Surfing Games(世界サーフィン選手権)

開催地 :エルサルバドル

開催日程:202595日~914

https://isasurf.org/event/2025-isa-world-surfing-games/