
静岡県浜松市・中田島海岸(凧場ポイント)で開催されているMen’s & Women’s「ISumatranSurfariis Hamamatsu Open QS 2000」および「SumatranSurfariis Hamamatsu Open LQS 1000」は、本日が最終日を迎えた。
会場は朝から天候がめまぐるしく変化。雨から曇り、そして晴れへと移行し、風はサイドオンショア。波は徐々にサイズアップし、頭から頭半まで達するコンディションとなった。
今日のスケジュールはQS男子セミファイナル→QS女子セミファイナル→LQS男子セミファイナル→LQS女子セミファイナルへ。サイズはどんどんアップするということで、先にロングボードの決勝を行うことになり、LQS男子ファイナル→LQS女子ファイナル→QS男子ファイナル→QS女子ファイナルという順番となった。
ロングボードQS男子ファイナル
まずはロングボードから。波はクローズアウト気味のジャンクコンディション。正直に言えば、ロングボードには厳しい状況だった。アウトに出るのも一苦労で、絶え間ないブレイクに息継ぎすら困難な場面も見られたが、そこはさすがプロフェッショナル。果敢にチャレンジする姿が印象的だった。



男子のファイナリストは、塚本将也、Jomarie Ebueza(PHL)、井上鷹、秋本祥坪の4名。
Jomarie Ebuezaは正面でレフトの波を選び、他の3人は右側にポジショニングしてライトを狙う展開。一本乗ると戻るのが困難なパドル地獄で、インサイドまで乗るか、途中でプルアウトするか。それぞれの体力との勝負でもあった。

Jomarie Ebuezaが早々に2本のスコアをまとめ、リードを広げる。残り3人はバックアップスコアを伸ばせず、このまま決まりかと思われたが、終了間際に井上鷹がテイクオフ。ノーズライドを長く保ち、マニューバーをしっかりと織り交ぜた完璧なライディングで8.33ポイントを獲得し、大逆転での優勝を果たした。おめでとう!

井上鷹
「ヒートの状況もわからなかったし、怪我もしていて、今回がWSL初優勝なんです。最後の波はコンビネーションは抜け出している自信はあったので、最後に当てに行って決められたので良かったです。
でも点数が開いてるのは分かっていたので、決して低い点数で無いのはわかっていましたし、最後のセクションでは当てに行こうと思っていました。
これでアジアランキング1位になって、LTへのクオリファが妹の楓に引き続き決定したと思うので、7月のUSオープンに向けて怪我も治して頑張っていきたいです。
ロングボードQS女子ファイナル


ロングボード女子決勝は、セミファイナルで9.33のエクセレントを出した田岡なつみと井上桜、吉川広夏、井上楓の4名が出場。
序盤から吉川が積極的に攻め、2本のスコアを揃えて主導権を握る。田岡は2本目のスコアが伸びず、井上姉妹もなかなか点数を出せず苦戦。インサイド勝負へとシフトするも、状況は好転しなかった。


このまま吉川の優勝かと思われたが、田岡がラストライドでアウトからインサイドまで見事につなぎ、スムーズなマニューバーを見せて高得点をマーク。こちらも劇的な大逆転での勝利となった。おめでとう!


田岡なつみ「最後まで諦めずにラスト1本で逆転することが出来て、本当に本当に嬉しいです。ファイナルはスムーズにアウトに出れなくて、何回も何回も喰らってテトラの横に戻っての繰り返しで、体力を奪われてしまって、思うような試合運びができなかったんですけど。最後は意地でアウトから乗るって決めていて、最後の最後に乗ることが出来てラッキーでした。
海の中ではスコアは何も聞こえなかったので、誰が一番なのかも分からなくて。自分は1本しか乗っていなかったので、もう1本は必要だと考えて。最後に負けたと思って上がってきて、逆転となったので本当に嬉しかったです。
昨日まで小波用のボードを使っていて、今日のセミファイナルからエルサルバドルの大きい波用のボードを使用していて、スピード感があって調子が良くて、それで勝てたので自分の板の選択も正しかったなって思っています。
今回は最後の最後まで諦めないで、頑張れば大逆転できるっていうのを感じて、これからも最後の1本まで1秒まで諦めずに頑張っていきたいと思いました。私はLTにクオリファイしているので世界一を目指して頑張ります。
ショートボードQS男子ファイナル


ショートボードQS男子ファイナルは、セミファイナルで加藤翔平を破った西優司と、足立海世を破った渡邉壱孔の対決。
試合は西が序盤から攻めの姿勢を見せ、先手を取る展開。対する渡邉は追いかける形となるが、持ち前の爆発力で逆転を狙う。どんな波にも対応できる西の安定感に対し、渡邉はここ一番で魅せる攻めのライディングを連発。最後まで攻撃の手を緩めず、見事な逆転勝利でWSL初優勝を手にした。おめでとう!
渡邉壱孔
「凄く嬉しいです。最後の1本は、絶対に決めてやるぞっというのがあって、2発に分けずに1発に賭けようと思ってやりました。決まった時は言葉では表せないぐらい、ごちゃごちゃになってましたね。最初の7点台を出した波は、サイズはなかったんですが、ライトの波で2発しっかり決めるという作戦が頭の中に入っていたので、2発しっかり当てられて良かったです。
風が右から吹いているので、得意のバックサイドのエアを仕掛けようと思っていたんですけど、西優司くんのオーラが凄すぎて、近付かないとヤバイと思って、近づいたんですけど意外と距離があって追い付かなかった感じです。今日は野球好きな弟の誕生日なので賞金でバットでも買おうかなって思います。あとナナハン買いたいです。やっとWSL優勝できました。クルイとニアスも頑張るので応援お願いします。
ショートボードQS女子ファイナル


女子ファイナルは、脇田紗良を破った野中美波と、松野杏莉を破った中塩佳那の一騎打ち。ここまでの連戦で野中に疲労が見え、アウトに出るのが遅れる。その間に中塩が1本目をしっかり決めてリードを奪う。
コンディションはさらに悪化し、乗れる波が極端に少ない中、野中も懸命に演技を見せるが、タフなコンディションの中でも冷静に試合を運び、高いスキルを見せた中塩が、見事な優勝を果たした。おめでとう!
中塩佳那
「凄くタフなヒートだったんですけど、1本目からまとめて楽しく試合を動かせたので良かったです。とにかく沖に出ることを第1目標にしていて、波も朝と違って、レギュラーの波も来ていたので、とにかく1本1本大事に乗ろうと思って海に入りました。
見た目よりもサイズはあるし、パワーもあるので気持ちはドキドキしていたんですけど、1本から決めて気持ちが楽になりました。
今回は日によって波も変わって、ファイナルデイはすごく波がデカくなって、自分の波乗りがもっとしたかったんですけど、相手との戦略面とかメンタル面とかもできたので、次の試合に向けて良い練習になりました。
先週の韓国のウェイブプールに引き続き優勝できたことは自信にもなってますし、CSでは、もっともっと強い海外の選手が相手なので、1週間ちょっとあるので、もっと練習していきたいです。今年からCTのクオリファイがトップ7になったので、すごくチャンスだなって思いますし、最低でもクオーター以上を狙って、CT入れるように頑張りたいです。
大会 HP
https://hamamatsu-open.surfingjapan-int.com/
WSL HP
QS
https://www.worldsurfleague.com/events/2025/qs/380/sumatransurfariis-hamamatsu-open-qs-2000/main
LQS
https://www.worldsurfleague.com/events/2025/lt/381/sumatransurfariis-hamamatsu-open-lqs-1000/main
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Asia – 2024/2025 Men’s Longboard Tour Final Rankings(5/25付)
1位:井上鷹 1500点
2位:Jomarie Ebueza(PHL) 1450点
3位:Roger Casugay(PHL) 1150点
4位:Rogelio Jr Esquievel (PHL) 1000点
5位:Perry Ventura (PHL) 1000点
https://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/mlt?regionId=6&year=2024
Asia – 2024/2025 Women’s Longboard Tour Final Rankings(5/25付)
1位:田岡なつみ 1800点
:吉川広夏 1800点
3位:井上楓 1250点
4位:井上桜 1150点
5位:Ashlee Lopez (PHL) 650点
https://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/wlt?regionId=6&year=2024
この後のLQSとロングボードツアー(LT)の予定は
LQS 1000 7/18-20「Siheung Korea Open LQS 1000」韓国 Wave Park
LT 第1戦 7/26-30「Huntington Beach Longboard Classic」アメリカ ハンティントンビーチ
この大会結果で2024/2025 WSLアジアランキングは男子が井上鷹がトップ。女子は田岡なつみと吉川広夏が同点首位となった。これで今年度のロングボードツアー(LT)には男子が井上鷹。女子は田岡はすでにロングボードツアー(LT)に参戦が決定しているために、吉川が内定となる。WSLからの正式な発表を待とう。
Asia 2025/2026 Men’s Qualifying Series Rankings (5/25付)
1位 渡邉壱孔 2000点
2位 西優司 1560点
3位 足立海世 1220点
加藤翔平 1220点
https://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/mqs?regionId=6&year=2025
Asia 2025/2026 Women’s Qualifying Series Rankings (5/25付)
1位 中塩佳那 2000点
2位 野中美波 1560点
3位 松野杏莉 1220点
脇田紗良 1220点
https://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/wqs?regionId=6&year=2025
これからのWSL ASIAのQS(クオリファイシリーズ)とCS(チャレンジャーシリーズ)は
QS 6000 6/11-17「Krui Pro」インドネシア クルイ
QS 6000 6/21-26「Nias Pro」インドネシア ニアス
QS 6000 7/18-20「Siheung Korea Open QS 6000」韓国 Wave Park
CS 第1戦 6/2-8「Burton Automotive Newcastle Surfest」オーストラリア
CS 第2戦 6/30-7/6「Ballito Pro」南アフリカ
Men’s & Women’s「SumatranSurfariis Hamamatsu Open QS 2000」
男子
優勝:渡邉壱孔 ( AU$2500 / 2000pts)
2位:西優司 ( AU$1500 / 1560pts)
3位:加藤翔平、足立海世( AU$1000 / 1220pts)
女子
優勝:中塩佳那 ( AU$2500 / 2000pts)
2位:野中美波 ( AU$1500 / 1560pts)
3位:脇田紗良、松野杏莉( AU$1000 / 1220pts)
「SumatranSurfariis Hamamatsu Open LQS 1000」
男子
優勝:井上鷹 ( AU$1600/ 1000pts)
2位:Jomarie Ebueza(PHL) ( AU$1000 / 800pts)
3位:塚本将也 ( AU$700 / 650pts)
4位:秋本祥坪 (AU$600 / 600pts)
女子
優勝:田岡なつみ( AU$1600/ 1000pts)
2位:吉川広夏 ( AU$1000 / 800pts)
3位:井上桜 ( AU$700 / 650pts)
4位:井上楓 (AU$600 / 600pts)
SumatranSurfariis賞(メンタワイボートトリップ)
秋本祥坪、田岡なつみ
竹内克斗、中塩佳那
Super Kids Challenge(U-12)
BOYS
優勝:窪田海琉(千葉)
2位:原田海真(千葉)
3位:長谷川漣(愛知)
4位:西川玲以(静岡)
GIRLS
優勝:宗政優実(神奈川)
2位:川瀬煌渚(三重)
3位:石川芽衣(神奈川)
4位:中嶋凜(神奈川)
ベストライディング賞(空気清浄機):窪田海琉
【大会概要】
日程:2025/5/21.22.23.24.25
会場:静岡県浜松市中央区中田島海岸
公認:WORLD SURF LEAGUE APAC
主催:濤起組 (HAMAMATSU OPEN ORGANIZATION)
共催:浜松市
主管:一般社団法人サーフィン・ジャパン・インターナショナル
協力:日本サーフィン連盟静岡3区支部/遠州灘サーフィンサポートユニオン
大会特設サイト:https://hamamatsu-open.surfingjapan-int.com/
イベント公式Instagram:https://www.instagram.com/hamamatsu_open/
【濤祭2025概要】
日時:2025年5月21日 (水)~25日 (日)
時間:9:00-17:00 ※コンテンツにより開始時間が異なります。
場所:浜松市中央区中田島海岸
・浜松駅より遠鉄バス4番線、中田島砂丘下車徒歩5分
・無料駐車場1000台以上 (臨時駐車場を含む)
内容:ビーチ及び隣接広場での各種スポーツ大会、スクール等の参加型アクティビティ、キャンピング、ミュージックライヴ、トークショー、衣類・雑貨・飲食 (酒類含) 等の販売
主催:濤起組 (HAMAMATSU OPEN ORGANIZATION)
共催:浜松市
特別後援:静岡新聞社、静岡放送、浜松商工会議所
後援:静岡県、磐田市、湖西市、浜松青年会議所、浜松・浜名湖ツーリズムビューロー、浜松市教育委員会
5日間の大会会場を綺麗にしてお返しするために、みんなでビーチクリーン。
イベントの締めはスタッフ、キッズ選手たちと記念撮影。お疲れ様でした!