
モーメンタム・ジェネレーションのスターであり、ドライブスルー・シリーズのクリエイター、そして最近ではアスリートのコーチとしても活躍したグレッグ・ブラウニングは、30年以上もサーフィン界の中心人物であった。
そんなグレッグ・ブラウニングは、2023年8月に手足・のど・舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉がだんだんやせて力がなくなっていく、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という指定難病と診断された。この残念ながら、ALSには治療法がないため、長期にわたる治療と高額な医療費が必要となる。そんな彼のために治療費を募る寄付活動も行われた。
難病との闘いを支援する多くの人々の願いも虚しく、闘病の末、51歳という若さで彼は静かに息を引き取った。

「グレッグは私がこれまでに出会った中で、常に最も思いやり深い人物でした」と、長年の友人であり仕事のパートナーであるテイラー・スティールはインスタグラムで述べている。
「私たちは30年以上の友人であり、さまざまな人生の困難を共に乗り越えてきたが、グレッグは常に私がこれまでに出会った中で最も思いやりのある人物であった。しかし、ALSという病と向き合うという彼の人生の最終章において、彼はより深く力強い姿を見せた。それは、彼が病と闘った姿だけでなく、体が衰えていく中でも、他の人々のために見せた姿でもあった。
彼は決してそれを自分のことだとはしなかった。彼は親切で、好奇心旺盛で、深い思慮を持ち続け、笑いと前向きな考えを周囲の人々に与え、内に閉じこもる理由がいくらでもあったにもかかわらず、周りの人々を鼓舞し続けた。
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ロサンゼルス・サウスベイの出身であるグレッグは、1986年にハーモサビーチ・ピアでサーフィンを始め、映画スターのようなルックスでモーメンタム・ジェネレーションのヒーローとなった。初期のスティールのビデオプロジェクトの被写体となり、ケリー・スレーター、シェーン・ドリアン、テイラー・ノックス、ロブ・マチャドといった面々と共に、90年代初期の熱狂的な時代を駆け抜けた。
やがてフィルムメーカーへと転身したグレッグは、映画監督および編集者としてその才能をいかんなく発揮した。 制作した「ドライブ・スルー」シリーズは大成功を収め、ドノヴァン・フランケンレイター、ベンジー・ウェザリー、カラニ・ロブといったキャラクターが世界の海岸をクルージングしながらトラブルに巻き込まれるという内容であった。
映画監督としての仕事が生活を支えていた一方で、グレッグはオリンピックメダリストのカリッサ・ムーアやタティアナ・ウェストン・ウェブ、そしてアレックス・グレイといったサーフィンのスター選手たちのコーチやメンターとしても活躍していた。
ALSの診断は死を宣告するものであり、グレッグは自分の終わりが近いことを知っていた。自身で人工呼吸器の電源を切ることを決断。友人や家族はグレッグにさよならを言い、彼をどれほど愛しているかを伝えることが出来たそうだ。
グレッグのご家族やご友人の皆さまに、心よりお悔やみ申し上げます。グレッグがこの世に残した功績は、これからも末永く語り継がれることでしょう。彼のご冥福をお祈りいたします。