大番狂わせが続出し、サーフシティ・エルサルバドル・プロの男子CTリーダーボードを揺るがす大会6日目

マルコ・ミニョ(FRA)WSL / Aaron Hughes

プンタ・ロカ、ラ・リベルタッド、エルサルバドル(2025年4月10日木曜日) – ビルドアップするスウェルを待つために2日間のオフを挟んだ後、世界トップクラスのサーファーたちがプンタ・ロカに戻り、サーフシティ・エルサルバドル・プロの男子ラウンド32が開催された。

 

ミッドシーズン・カットまで残すところ3つのイベントとなった今イベント。イベントウィンドウのファイナル2日間に向けてランキングに変動をもたらす戦いが繰り広げられた。

 

4~5フィートの波で行われた男子ラウンドオブ32では、終了間際の逆転劇や、ワールドタイトル候補の敗退、過去のイベント勝者の敗退、ルーキーのラウンドオブ16進出など、波乱の展開となった。

 

ネクストコールは現地時間の明日4月11日(金)朝6時45分。日本時間の 2025年4月11日22時3分で、23時03分スタートの可能性もある。

 

 

ワールド・サーフリーグ(WSL)チャンピオンシップ・ツアー(CT)第4戦の今日の注目すべきパフォーマンスには、2度のワールドチャンピオンに輝いたフィリッペ・トリード(BRA)がルーキーのアラン・クレランド・ジュニア(MEX)に敗れた試合もあった。

 

 

一方、世界ランキング1位のイタロ・フェレイラ(BRA)は地元期待のワイルドカードのブライアン・ペレス(SLV)を粉砕。またレオナルド・フィオラバンティ(ITA)は、ライアン・カリナン(AUS)に対して、これまでのイベントで最高のヒートトータルスコアを獲得するエクセレントなパフォーマンスを見せ、マシュー・マクギリヴレイ(RSA)は、2022年のイベント勝者であるグリフィン・コラピント(USA)を破り、2025年で初めてのラウンドオブ16進出を決めた。

 

 

ブライアン・ペレス(SLV)WSL / Aaron Hughes
ブライアン・ペレス(SLV)WSL / Emma-Sharon

 

 

男子ラウンドオブ32で最も期待されたヒートのひとつは、地元観客の前で番狂わせを起こそうと狙うワイルドカードのブライアン・ペレス(SLV)と、現世界ランキング1位のイタロ・フェレイラ(BRA)の一戦だった。

ペレスはオープニングの波で基準を打ち立てたが、フェレイラはバックハンドアタックと得意の華麗な技でワイルドカードを退けた。フェレイラは今シーズン4回連続でラウンドオブ16に進出している。

 

イタロ・フェレイラ(BRA WSL / Emma-Sharon

 

また、ラウンド32でもその実力を示した、現在世界ランキング6位のレオナルド・フィオラヴァンティ(イタリア)は、ライアン・カリナン(オーストラリア)を相手に、イベントのヒート合計スコアでこれまでの最高得点となる15.97(20点満点)を記録した。

このヒート勝利により、フィオラヴァンティはリオ・ワイダ(インドネシア)を抜いて世界ランキング5位に浮上した。フィオラヴァンティのエクセレントな活躍は、オージー・トレブルのワールドタイトルキャンペーンをリードする。

 

レオナルド・フィオラヴァンティWSL / Aaron Hughes

 

「長い1年になるし、正直、そんなことは考えてもいませんでした。前も後ろも、みんなハイレベルなサーフィンをしていますが、エルサルバドルを後にして、年末にはトップ5に入りたいと思っています。正しい方向への一歩です」とフィオラバンティは言った。

 

マクギリヴレイ、コラピント、ムニーツによるブザービーター

 

マシュー・マクギリヴレイ(RSA)WSL / Aaron Hughes

 

今日、南アフリカのCT選手であるマシュー・マクギリヴレイ(RSA)が、長年ワールドタイトル候補であるグリフィン・コラピント(USA)を破る、番狂わせを起こした。この勝利は、マクギリヴレイにとって今年初のラウンドオブ16進出となった。

 

コラピントはリップの上手さを発揮し、フルローテーションでフラットへ着地、トップに躍り出た。マクギリヴレイはすばやくレールゲームで応戦し、見事なブロウテールリバースを繰り出したが、わずかに及ばなかった。

 

しかし、2人が次々と波に乗る中、最後の攻防ではマクギリヴレイが6.90(10点満点中)を出し、コラピントから首位の座を奪い返した。試合終了間際、コラピントの最後の試みはスコアに結びつかず、彼は競技から姿を消すこととなった。

 

 

「このラウンドを突破するのは本当に難しい」とマクギリヴレイは語った。「みんなとても才能がある。そして、このイベントでグリフ(コラピント)と対戦することになって、彼がここで非常に上手いことは明らかでした。 彼を打ち負かすのは本当に難しいです。 今日は本当に緊張していましたが、それをすべて忘れるようにしていました。 もちろん、ベストを尽くすことしかできませんし、何が起こっても起こったことなのです。 最後に良いスコアを出せたので、とても嬉しいです。

 

 

 

五十嵐カノアとクロスビー・コラピントのヒート。

 

勝利者インタビューに応えるクロスビー・コラピント(USA)WSL / Aaron Hughes

 

かなりSNSでのコメントが荒れていたカノアとクロスビーのヒート。

 

グリフィンの弟であるクロスビー・コラピント(USA)は、世界タイトル候補の五十嵐カノア(JPN)との対戦で運を味方に付けた。

 

クロスビー・コラピント(USA)WSL / Emma-Sharon
五十嵐カノア(JPN)WSL / Emma-Sharon
五十嵐カノア(JPN)WSL / Aaron Hughes

 

ヒートはカノアがリードしており、試合終了間際、コラピントはライトハンド・ポイントの奥深くで波を見つけ、ホーンが鳴る前にテイクオフ。しかし五十嵐は不運にも終了のホーンが鳴ってからのテイクオフとなった。

 

 

これにより、ラウンドオブ16目前だったカノアが保持していたプライオリティは無効となり、カノアはコラピントに対しインターフェアとしてペナルティ(セカンドウェイブがノーカウント)が課せられた。

 

あの時点でカノアは行くしか手がなかった。あの最後の波にカノアが手を出さなくてもクロスビーが逆転していた可能性は高い。

とはいえ、あと1秒カノアのテイクオフが早かったら、あのカノアのとった行動は優先権を持った選手のブロックで妨害とはならなかったはず。カノアにとって悔しい敗退となった。

 

アレホ・ムニーツ(BRA)WSL / Aaron Hughes

 

さらに劇的なブザービーターが追加され、大逆転を果たしたのが、アレホ・ムニーツ(BRA)が世界ランキング2位のバロン・マミヤ(HAW)を破った試合だ。

プレッシャーのかかる状況でムニーツが繰り出したフォアハンドの攻撃は、試合終了のホーンが鳴る直前に、重要な5.43ポイントを獲得した。マミヤのヒート最高得点となる6.83にもかかわらず、ムニーツは攻撃のチャンスを見つけ、今シーズン初のラウンドオブ16進出を決めた。

 

「本当に気分がいい。シーディングが低いので、どのコンテストでも常にベストサーファーたちと戦ってきた」と、ムニーツは語った。「パイプラインではイーサン(ユーイング)に負けましたし、ポルトガルではフィリッペ(・トリード)に負けました。ヒートごとにチャンスはありましたから、正しい方向に向かっていることは分かっていました。このラウンドを突破するには、もっと頑張らなければなりませんでした。ですから、本当に本当に嬉しいです。」

 

 

ルーキーのクレランド・ジュニア、ミニョ、ピターがラウンドオブ16に進出

 

マルコ・ミニョ(FRA)WSL / Aaron Hughes

 

ルーキーのマルコ・ミニョ(FRA)が、ポルトガルで5位、アブダビで2位入賞と絶好調の和井田リオ(INA)に対して、ブザービーターマジックを披露し、番狂わせを続けた。

ミニョはフルローテーションをメイクして7.17をスコアした。和井田も7.83で応戦し、徐々にリードを奪った。ミニョは最後のチャンスを活かし、タイムリミットが切れると同時に6.50を叩き出して和井田を退け、大逆転で勝利を決めた。

 

「素晴らしいです。家族全員が揃うのは初めてです。私の2人の兄弟、父、母が揃うのは初めてです」とミニョは言った。「家族全員が揃って、このような瞬間を共有できることは、私がずっと夢見てきたことです。私は一生懸命やってきました。ここにいて、家族とこのような瞬間を共有できることは本当に特別なことです。」

 

ルーキーのジョージ・ピター(AUS)は、昨年の世界ランキング4位のジャック・ロビンソン(AUS)と対戦し、エルサルバドルプロのキャンペーンを継続した。

両者ともエクセレントスコアを出し、ピターは8.17、ロビンソンは8.00をマークした。ピターのレールを使った多彩なパワーと、フィニッシュのセンスが、ワールドタイトル常連のロビンソンを上回った。結局、ロビンソンの追撃はピターのリードを上回ることはできなかった。

 

アラン・クレランド・ジュニア(MEX)WSL / Aaron Hughes

 

 

ラウンドオブ16を締めくくるのは、2度のワールドチャンピオンであり、2023年のイベント勝者であるフィリッペ・トリード(BRA)を破った、アラン・クレランド・ジュニア(MEX)だ。

ヒートはクレランドの好スタートにより、トリードの忍耐力が試された。一時は2位にプッシュされたが、クレランドはヒート最高得点の7.17を叩き出し、ルーキーイヤーの2025年に記念すべき勝利を収めた。

 

「ヒートドローを観て、ただただ信じられない気持ちでした。フィリッペ・トリードは自分のアイドルの一人で、彼とサーフィンをしたいとずっと思っていました。」とクレランドは言った。

「このような波で彼とサーフィンできるなんて光栄です。もっとやりたいです。私はこの街にたくさんの良い友人がいますし、多くの人々を尊敬しています。彼らを愛していますし、彼らも私を愛してくれているので、ここは第二の故郷のように感じます。自分への声援を送ってくれる観客の存在は特別でした。」

 

 

一方、ルーキーのジョエル・ヴォーン(AUS)とジャクソン・バンチ(HAW)は敗退した。ヴォーンは元世界4位のジョアオ・チアンカ(BRA)と対戦。24歳のチアンカは昨年エルサルバドルでクオーターファイナルに進出した。そして、今日はその経験の差を見せつけ、ルーキーを退けた。21歳のバンチは、2025年のファーストラウンドで初めてR16進出したラムジ・ブーキアム(MAR)と対戦した。

 

ヤゴ・ドラ(BRA)WSL / Aaron Hughes

 

MEOリップ・カール・プロ・ポルトガルの勝者であるヤゴ・ドラ(BRA)は、男子ラウンド32で2024チャレンジャー・シリーズ勝者のサミュエル・プポ(BRA)を破り、勝ち上がった。

コンディションがスローな中、両選手の忍耐力が試された。 最終的にドラは海が活気づいた瞬間を活かし、プポを圧倒した。プンタ・ロカでフリーサーフィン中に負った足の怪我は9針を要するほどだったが、ドラは勢いに乗って次のラウンドに進む。

 

「友人と対戦するのは辛いですが、サミー(・プポ)にはツアーで頑張って欲しいと思っています。彼の潜在能力は知っていますし、今以上の活躍ができると信じています。残念ながら、このようなマッチアップが続いています」とドラは言った。

「ポルトガルはハードでしたし、ここでもハードでした。まともな良いヒートができるのが待ち遠しいです。足はまだ治りきっておらず、少し痛みもありますが、かなり良くなっています。2つのヒートに出場できたこと自体が自分にとって勝利なので、とても嬉しいです。ポルトガルでの勝利の勢いを維持していきたいと思っています。

 

 

コナー・オレアリー WSL / Emma-Sharon
コナー・オレアリー(JPN)WSL / Aaron Hughes
コナー・オレアリー(JPN)WSL / Aaron Hughes

 

また、コナー・オレアリー(JPN)、イーサン・ユーイング(AUS)、ジョーディ・スミス(RSA)、コール・ハウシュマン(USA)、ミゲル・プポ(BRA)らもラウンドオブ16進出を決めた。

オレアリーは、セス・モニーツ(HAW)とのスローなセットでリズムをつかみ、今シーズン初の躍進を目指している。

ユーイングはワイルドカードのリーバイ・スローソン(USA)とのマッチアップを制し、今シーズン4度目のラウンドオブ16進出を果たした。

 

ジョーディ・スミス(RSA)WSL / Emma-Sharon

 

2025年はジョーディ・スミス(RSA)にとってツアー18年目となり、今日、ツアー160回目の出場イベントでヒート勝利をスコアした。スミスはデイヴィッド・シルバ(BRA)をコントロールし、2025年で初めてラウンドオブ16進出を果たす。

 

コール・ハウシュマン(USA)は、同じ南カリフォルニア出身の26歳、ジェイク・マーシャル(USA)を破り、ソリッドなリードを維持して勝利した。マーシャルは、レクサス・パイプ・プロで5位に入賞して以来、ラウンドオブ32を突破できていない。

CTのベテランであるミゲル・プポ(BRA)とイアン・ゴウベイア(BRA)によるブラジリアン同士のマッチアップは、両者ともバックハンドの攻撃を披露する展開となった。最終的に、プポがヒート勝利を収め、ラウンド・オブ・16進出を決めた。

 

 

サーフシティ・エルサルバドル・プロ 男子ラウンドオブ32の結果:

HEAT 1:ヤゴ・ドラ(BRA)9.50 対サミュエル・プポ(BRA)4.43

HEAT 2: コナー・オレアリー(JPN)13.20 DEF. セス・モニーツ(HAW)12.27

HEAT 3: マシュー・マクギリヴレイ(RSA)13.10 DEF. グリフィン・コラピント(USA)12.86

HEAT 4: マルコ・ミニョ(FRA)13.67 DEF. 和井田リオ(INA)13.50

HEAT 5: イーサン・ユーイング(AUS)13.23 DEF. リーバイ・スローソン(USA)11.13

HEAT 6: ジョアオ・チアンカ(BRA)12.97 DEF. ジョエル・ヴォーン(AUS)9.13

HEAT 7: クロスビー・コラピント(USA)11.60 DEF. 五十嵐カノア(JPN)6.83

HEAT 8: ジョージ・ピター(AUS)13.50 DEF. ジャック・ロビンソン(AUS)13.17

HEAT 9: イタロ・フェレイラ(BRA)13.40 DEF. ブライアン・ペレス(SLV)13.13

HEAT10:ラムジ・ブーキアム(MAR)11.17 ジャクソン・バンチ(HAW)9.67

HEAT11:ジョーディ・スミス(RSA)12.50 デイヴィッド・シルバ(BRA)5.20

HEAT 12: レオナルド・フィオラバンティ(ITA)15.97 DEF. ライアン・カリナン(AUS)12.00

HEAT 13: アレホ・ムニーツ(BRA)10.93 DEF. バロン・マミヤ(HAW)10.83

HEAT 14: コール・ハウシュマン(USA)13.17 DEF. ジェイク・マーシャル(USA)11.13

HEAT 15: ミゲル・プポ(BRA)12.50 DEF. イアン・ゴウベイア(BRA)11.70

HEAT 16:アラン・クレランド(MEX)13.00 :フィリッペ・トリード(BRA)10.00

サーフシティ・エルサルバドル・プロ 男子ラウンド16:

HEAT 1:ヤゴ・ドラ(BRA)vs. コナー・オレアリー(JPN)

HEAT 2:マシュー・マクギリヴレイ(RSA)vs. マルコ・ミニョ(FRA)

HEAT 3:イーサン・ユーイング(AUS)vs. ジョアオ・チアンカ(BRA)

HEAT 4:クロスビー・コラピント(USA)vs. ジョージ・ピター(AUS)

HEAT 5:イタロ・フェレイラ(BRA)vs. ラムジ・ブキアム(MAR)

HEAT 6:ジョーディ・スミス(RSA)vs. レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)

HEAT 7:アレホ・ムニーツ(BRA)vs. コール・ハウシュマン(USA)

HEAT 8:ミゲル・プポ(BRA)vs. アラン・クレランド(MEX)

サーフシティ・エルサルバドル・プロ・ウィメンズ・クオーターファイナル・マッチアップ:

HEAT 1:ケイトリン・シマーズ(USA)対ソーヤー・リンドブラッド(USA

HEAT 2:ガブリエラ・ブライアン(HAW)対ベラ・ケンワージー(USA

HEAT 3:モリー・ピックラム(AUS)対ブリサ・ヘネシー(CRC

HEAT 4:イザベラ・ニコルズ(AUS)対ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW

 

 

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