
3月7日から9日の3日間に渡り、「競技サーフィン強化指定選⼿による強化合宿」が千葉県鴨川市東条海岸/マルキポイント)で開催。
今回は、2025年に開催されるISA主催の3⼤会の選考合宿という位置付けの強化合宿。ISAワールド・ロングボード・チャンピオンシップ(WLC)、ISA -WSG、ISA世界ジュニア(WJSC)に加えて、第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)のサーフィン競技(ASF)へ出場する選手の1枠が決まる予定。ただし、選手名の正式な発表は後日になる予定(4月以降)。
強化合宿初日の7日はマルキの胸前後のクリーンなコンディションで、ISAワールド・ロングボード・サーフィン・チャンピオンシップ(WLSC)の日本代表の選考会が試合形式で行われ、午後からは男女ショートの選考会2ラウンドが行われた。
今回の選考会では来月4/25-5/1まで、エルサルバドルで開催される「2025 ISA ワールド・ロングボード・サーフィン・チャンピオンシップ(WLSC)」日本代表の男女1枠が内定、もう1枠が協会からの推薦で決まる。(補欠枠もあり)
ロングボード男子は、秋本祥坪、 ⽥岡遼平、渡辺真通 、⼟屋貴洋 、森⼤騎 、堀井哲 、井上鷹 。女子は、 ⽥岡なつみ、吉川広夏 、 市川梨花 、宮崎友祈⼦、⼭⼝ 晴菜、⼤橋 寛⼦、井上 楓 の男女各7名が出場。
これらの選手は男女ともに NSAランキング上位2名、JPSA上位4名、WSL上位2名から選出され、今回JPSA1位、WSLインター日本人2位の浜瀬海は不出場となった。
ヒート開始を前に、強化部から日本代表選考枠および選考基準の説明があり、選考枠1枠目は、鴨川合宿選考リザルト(試合形式での1位獲得選手)。2枠目は選考委員会による推薦枠。それに加え各男女2名の補欠枠を選定するという説明があった。
試合はそれぞれ2回実施し(R-1とR-2)、その結果をポイントに換算。 獲得ポイントの合計で上位4名が最終ラウンドのR-3へ進出。( 1位の選手が7点 を獲得。2位が5点 3位が3点 4位が1点と、順位にポイントが加算される。)
同点の場合は、 ヒートでのトータルハイポイント(合計得点)が高い選手。 それも同点の場合、シングルスコアのハイポイント(最高得点)を持つ選手が勝利。
そして、R-3(ファイナル)の結果ポイントをこれまでの持ち点に加算し、最終順位を決定。 1位の選手が出場枠を獲得することとなった。

波のサイズはあるものの、インサイドのエンドセクションで技を入れるのが難しいコンディション。ロングには大敵な強いサイドの風が急に強く吹き付け海面を乱した。
女子のファイナルには、日本の2トップである田岡なつみと吉川広夏、そして急成長を見せている井上楓、そしてNSA枠から勝ち上がった14歳の山口晴菜が勝ち上がった。


ヒートは他の選手がスコアを伸ばせない中、吉川広夏がライトの波で5.00をスコアして好スタートを切る。
そして、続けて吉川はレフトの波を掴み、バックハンドの長いハング5で4.15をスコアしてヒートスコアを9.15としてヒートを完全にリード。



吉川は後半にインサイドのクローズセクションでのリエントリーもメイクし、6.10をスコア。トータル11.10で他を圧倒。
田岡も終盤に2位に浮上するも、そこで終了となり、ラウンド1、2とも1位通過で最終ラウンドも1位となった吉川広夏が自力で出場枠を獲得した。

「オーストラリア遠征から帰ってきたばかりで、冬の環境に慣れるのに少し時間がかかったんですが、鴨川は私がプロになったところであったり、すごく相性が良くって、気持ちよくサーフィンができました。」と吉川が語った。
「優勝できたのはすごく嬉しいです。去年は選考会で優勝が出来なくて、なんとか繋いで代表になれたので、今年は自信を持って戦ってきたいと思います。
いまはアジアのロングボードは弱いという印象だったんですが、今回は日本を代表して頑張ってきたいと思います。
私はシングルフィンでノーズライドとかの技がすごく好きなので、強さだけではなく、優雅に美しく波に乗るようなスタイルを目指して頑張っていきます。
ロングボードがオリンピック種目に追加されたら、また一つ世界が変わるのかなと思っています。追加されたらロングボードの歴史の中でまた一つ動きがあるんじゃないかなって思って、すごく楽しみです。」
男子ファイナルでは、秋本祥坪、森⼤騎 、堀井哲 、井上鷹 の順当な選手が勝ち上がり。

ヒートは秋本がスタートからライトでノーズからインサイドでフローター気味のリエントリーでクローズセクションをメイク。6.50をスコアして好スタートを切る。更に秋本は4.15でバックアップして、ヒートをリード。

スタートから5.00をスコアした森はバックアップを探し、ヒート後半にレフトを掴み、バックハンドでの長いハングファイブでインまで繋ぎ、4.80をスコアするも逆転ならず。


そして、3つのラウンドが終わり、獲得ポイントが19対19で同点となった森と秋本だったが、ラウンド1で13.50のトータルハイポイントを持っていた 森⼤騎 が勝利し代表枠に内定した。

「マルキポイントは結構普段からやってるポイントなので、やりやすくて、今日も凄くコンディション良かったですね。最終的な目標はやっぱりWSLで結果を残していきたいなって思います。」と森が語った。
「今は結構ロングボードのシーンがシングルフィンのスタイルの方が加点されるので本当にノーズライディング、ハング5、ハングテンを武器にして戦っていきたいです。
ISAの会場となるエルサルバドルには行ったことがないんですが、映像では見たことがあります。波のクオリティもすごく良いですし、是非やってみたいポイントだと思っていたんで楽しみです。
エルサルバドルは日本と波質が全然違うので、(試合に向けて)サーフボードのチョイスから入って、映像とかをみて波を研究していきたいなって思います。
今後ロングボードがオリンピックになれば嬉しいですし、ロングボードもそれでもっとメジャーなスポーツになってくれて、子供たちも増えてくれるといいなと思います。」
強化部から日本代表の男女1枠の内定者が発表、もう1枠は協会からの推薦で決まることになっており、男子では昨年のISAで銀メダルを獲得し、WSLランキングでも上位の井上鷹、女子ではISA銅メダルを獲得し、WSLーLT5位の田岡なつみが代表内定。
補欠枠として、男子が秋本祥坪、女子が井上楓が内定した。
本日はヒート終了後に男女ショートボードの強化指定選手を対象としたインティグリティの講習会が行われ、明日の強化合宿ではジュニアのヒート練習。そしてショートシニアのヒート練習、そしてジュニアに向けた日本アンチ・ドーピング機構(JADA)講習やビーチクリーンが行われる予定になっている。