
一般社団法人日本プロサーフィン連盟(JPSA)は、「INTERSTYLE 2025」展示会にて、「S.LEAGUE」の最新情報を発表した。
昨年、ツアー名を「JAPAN PRO SURFING TOUR」から新たに「S.LEAGUE」に変更したJPSAは、今年度「S.LEAGUE 24-25」の残る試合として、ショートボード第4戦が2月25日~28日にバリで、ロングボード第3戦が3月14日~15日に千葉・千倉で開催。
そして、4月16日~19日に行われるグランドファイナルにて、ショートボード、ロングボード、マスターズの初代チャンピオンを決定する。
さらに、「S.LEAGUE 24-25」特別戦として「SAWAKAMI ASIA CHALLENGE 24-25 KOREA」を5月に韓国(ウェイブプール)で開催予定。グランドファイナル終了後の最終ランキング結果に基づき、ショートボード・ロングボードそれぞれの男女上位3名が出場権を獲得する。
「S.LEAGUE25-26」から二部リーグ制が導入
そして、新たなシーズンを迎える「S.LEAGUE25-26」から二部リーグ制が導入される。本シーズンでは、S.1プロのみが出場する「S.1 TOUR」と、S.1プロおよびS.2プロが出場する「S.2 TOUR」の二つのツアーが実施される。
この「S.LEAGUE25-26」の参加基準は「S.LEAGUE24-25」の成績によって決定される。各カテゴリーの上位選手は「S.1 TOUR」へ、それ以外の選手は「S.2 TOUR」に振り分けられる。具体的な基準は以下の通り。
ショートボード男子:29位以内
ショートボード女子:13位以内
ロングボード男子:22位以内
ロングボード女子:10位以内
「S.1 TOUR」はトップ選手のステージ、「S.2 TOUR」はチャレンジカテゴリーと位置づけられる。この構造は、WSL(ワールド・サーフ・リーグ)のCT(チャンピオンシップ・ツアー)とCS(チャレンジャー・シリーズ)の関係に近い。
S.1プロの中でも残留の可能性が低い選手は、シーズン途中からS.2 TOURにも参戦し、次年度のS.1 TOUR復帰を目指すことができるからだ。
さらに大きな変更点として、この二部リーグ制の導入により、プロクラストライアルが廃止される。アマチュア選手は「S.2 TOUR」に参加(S.1シード枠による出場の場合もあり)し、規定のラウンドを勝ち上がった選手のみが、プロ登録の権利を得られる仕組みとなる。
「S.LEAGUE 25-26」の開幕戦は7月の北海道


また、「S.LEAGUE 25-26」の開幕戦も発表された。「S1 TOUR」は、7月10日から13日(予備日: 14日)に「さわかみ北海道プロ(ショートボード/ロングボード)」として、北海道勇払郡厚真町の浜厚真(はまあつま)ポイントで開催される。
一方、「S2 TOUR」は、6月19日から21日(予備日: 22日)に「S.LEAGUE 井戸野浜オープン(ショートボード/ロングボード)」として、千葉県旭市の井戸野浜海岸で開催となる。さらに、井戸野浜では同時開催として「マスターズトライアル」も実施される予定だ。
その後の各ツアー(暫定)は下記のとおり。
新しい二部リーグの仕組みと詳細はツアーマネージャーの田中樹氏がスライドを掲示して説明を行った。「S.LEAGUE25-26」の詳細は下記のとおり。

S.1ランキング戦
ランキング戦(3~5戦)の結果で、最終戦出場権+翌シーズンのS.1 / S.2クオリファイ決定
最終戦 S.LEAGUE Grand Finalsも含み、ランキング戦の結果と合わせて、最終ランキングを決定
→S.1ツアーのうち、最終戦と特別戦を除く試合を「ランキング戦」とする
・出場選手 / S.1選手+シード選手(左からS1選手+シード選手=合計)S.1の大会はこの人数で戦う
ショートボード男子: 29名+ 7名= 36名
ショートボード女子: 13名+ 5名= 18名
ロングボード男子 : 22名 +2名= 24名
ロングボード女子. : 10名+ 2名 =12名
・ランキングの計算
1.対象試合の獲得ポイントのうち、最も低い1戦をカットした合計ポイントを比較
※対象の試合が3試合以下の場合、全戦の合計ポイント
2.同点の場合、カットした1戦を加算した総合計ポイントを比較
3.総合計が同点の場合、1戦ごとのポイントを最高得点から順に比較する
※上記すべて同順の場合、ランキングは同位となり、シード枠やS.1/ S.2クオリファイ枠などは
過去年度順位を比較する
・翌シーズンの選手振り分け(左からS.1参加人数=S.1残留人数 / S.2降格人数)
ショートボード男子: 29名 = 18名 / 11名
ショートボード女子: 13名 = 8名 / 5名
ロングボード男子 : 22名=16名 / 6名
ロングボード女子. : 10名 = 6名 / 4名
・S.1ランキング戦のシード枠(ワールド=WSL / スポンサー / ローカルシード等)
ショートボード男子: 7
ショートボード女子: 5
ロングボード男子 : 2
ロングボード女子. : 2
※スポンサー/ローカルシードで出場した選手のポイントは、S.1ランキングには反映されない
※シード枠で出場したアマチュア選手は、規定ラウンドを勝ち上がることでプロ登録権利を獲得する
・S.LEAGUE Grand Finals 25-26
25-26シーズン S.1ランキング戦の結果、翌シーズンのS.1残留を確定させた選手は最終戦「S.LEAGUE Grand Finals 25-26」の出場権を獲得
→ランキング戦とGrandFinalsの全ての試合を対象として、S.1ツアー最終ランキングを決定する
・出場選手 / S.1残留選手+シード選手
ショートボード男子: 18名+2名
ショートボード女子: 8名+2名
ロングボード男子. :16名+2名
ロングボード女子. : 6名+2名
※スポンサー / ローカルシード枠で出場した選手のポイントはS.1ランキングには反映されない
S.2ランキング戦
S.2ランキング戦(特別戦を除く3戦~全ての結果)でランキングが確定し、翌年のS.1クオリファイが決定
・出場選手
S.1プロ選手: S.1ツアーに加えて、S.2ランキング戦にも出場可能
S.2ランキング戦の結果は、S.1ランキングには反映されない
※ S.ONE/S.TWO合同大会をのぞく
S.2ランキング戦の結果は、S.2ランキングに反映される
出場ラウンドは、前戦までのS.1ランキングによるシードラウンドとなる
S.2プロ選手:S.2ランキング戦全戦に出場可能
出場ラウンドは、前戦までのS.2ランキングによるシードラウンドとなる
アマチュア選手: S.2ランキング戦のうち、プロクローズドの大会をのぞく、オープン大会に出場可能。出場ラウンドはラウンド1からとなる
S.2オープン戦や、S.1シード枠による出場の結果、規定のラウンドを勝ち上がったアマチュア選手は、プロ登録の権利を獲得する
※プロ登録権利を獲得した選手は、当年度のプロ登録完了後S.2プロとしてツアーに参戦することができる
・ランキングの計算 ※ S.1と同様
・S.2ランキング戦のシード枠(スポンサー / ローカルシード+NSAシード+NSSAシード)
ショートボード男子: 2名+2名+ 1名
ショートボード女子: 2名+2名+ 1名
ロングボード男子 : 2名+2名+ 1名
ロングボード女子 : 2名+2名+ 1名
※シード枠で出場するアマチュア選手は、S.2プロラウンドからの出場となる
NSAのシード選手はまだ未定。
NSSAの選手はショートボード男子が小松凛輝、女子が原田紫。
ロングボード男子が宍倉泰人、女子が大庭風美
『ALL JAPAN PRO』S.1 / S.2合同大会
ランキング戦の中で、S.1 / S.2 合同大会『ALL JAPAN PRO』を開催予定
S.1 / S.2 すべてのプロ選手がエントリー可能
S.2選手が獲得するポイントは、S.2ランキングに反映される
S.1選手が獲得するポイントは、S.1 / S.2ランキングに反映される
アマチュア選手は基本的にエントリー不可
ただし、シード枠(スポンサー/ ローカル/ S.2団体)を有しているアマチュア選手はエントリー可能
マスターズツアー
S.1大会と合同開催で3戦を予定(マスターズトライアルは1戦を予定)
・出場選手
選手資格は2025年末時点で45歳以上となるJPSAショートボードおよびマスターズプロ
・ランキングの計算 ※ S.1、S.2と同様
・マスターズツアーのシード枠(スポンサー / ローカルシード)
ショートボード男子:2名
※スポンサー / ローカルシード枠で出場したマスターズ未登録選手のポイントは
マスターズランキングには反映されない
S.LEAGUE 特別戦
Legend Pro Invitational:開催検討中
Asia Challenge:S.LEAGUE 25-26 S.1ツアー終了後に1戦を開催予定
Team Challenge:S.LEAGUE 25-26 ツアーシーズンに1戦以上を開催予定
ここからはタイトルについて。
S.LEAGUE チャンピオン(ショートボード/ロングボード/マスターズ)
S.1ランキング戦およびS.LEAGUE Grand Finalsのすべての結果によるツアー最終ランキングで決定
※マスターズチャンピオンは、マスターズツアーランキングにより決定
S.LEAGUE ルーキー・オブ・ザ・イヤー(ショートボード/ロングボード)
S.1 / S.2ランキング戦およびS.LEAGUE Grand Finals
すべての結果によるツアー最終ランキングで決定
S.2 Most Inspiring Award(ショートボード/ロングボード)
S.2ランキング戦のすべての結果によるS.2ツアーランキングで決定
アジアチャレンジ代表
S.LEAGUE 25-26シーズン S.1ランキングの上位者は特別戦Asia Challengeの出場権を獲得
日本代表強化指定 (ショートボード/ロングボード)
S.LEAGUE 25-26シーズン S.1ランキングの上位者は日本代表強化指定選手の選考対象
情報は下記HPまで。
「S.LEAGUE」
https://sleague.jp/

「S.LEAGUE」に参加するNSA(日本サーフィン連盟)、NSSA(日本学生サーフィン連盟)、JPBA(日本プロボディボード連盟)の各団体も登壇した。
NSA(日本サーフィン連盟)副理事長の佐藤正麗穂氏
「昨年からNSA枠としてアマチュア選手を受け入れていただき、選手たちを世界に向けて強化し、ともに歩んでいけることに心から感謝しております。今後もアマチュア選手がプロの環境の中で成長できるよう、私たちも全力で応援してまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。」
NSSA(日本学生サーフィン連盟)長岡新一郎 代表理事
「24-25おいては2名のうちシード選手の枠をいただきまして、1名の男子選手が見事プロ資格をいただくことができました。これは学生にとって大きな励みとなり、次に繋げる動機付けとなっております。今年度はさらに4名の選手がチャレンジすることになります。今後もよろしくお願いいたします。」
JPBA(日本プロボディボード連盟)前山剛志 理事長
「 Sリーグ、グランドファイナルに男女とも8名参加させてもらえること、とても光栄に思っております。ボディーボードを通じてサーフィン業界をさらに盛り上げていきたいと考えています。選手にはグランドファイナルに向けて最高のパフォーマンスを発揮してもらえるよう努めてまいります。引き続きよろしくお願いいたします。」
大野修聖チェアマンは
「少しずつではありますが、サーフィン業界が一つになり、より良い未来へと進んでいる実感があります。サーファーにとって、日本のサーファーが世界へ挑戦することはもちろん重要ですが、Sリーグを通じて、日本全国—北は北海道から南は沖縄まで—の地域とつながり、日本の文化や波の魅力を世界へ発信していくことも大切だと考えています。
インターネットを活用して世界中の人々に日本の波を知ってもらうだけでなく、実際に現地に足を運んでいただけるような構想を持っています。また、「アジアチャレンジ」などの取り組みも進めており、その先にはさらに大きな展望があります。ただ、1年前に掲げた目標も、一歩一歩着実に進めていかなければなりません。今は足元を見つめ、何をすべきかを慎重に模索している段階です。
まだ手探りの部分も多いですが、ここにいらっしゃる皆様、そしてサーフィンに関わる多くの方々の力をお借りしなければ、この挑戦は成し遂げられません。2025年がスタートしましたが、Sリーグ、そしてサーフィン業界全体へのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。」述べた。