JPSA さわかみ S.LEAGUE 24-25 特別戦 「さわかみ チームチャレンジ 鴨川」が、ショートボード第3戦「さわかみ KAMOGAWA PRO」の翌日である11/24に千葉県鴨川市東条海岸(マルキポイント)で行われた。
さわかみグループ代表の澤上 龍氏の発案による ”都道府県対抗マラソンのように、実力ある選手が集まって戦う” というコンセプトから始まった「さわかみ チームチャレンジ 」。
将来的にはプロ、アマチュア関係なく、全国各地の代表が集まる大会にして、サーフィンの地域活性を目指す。
今年はJPSAオフィシャルブランドの6チームに、地元ローカルチーム(鴨川)、NSA(日本サーフィン連盟)チーム、NSSA(日本学生サーフィン連盟)チームの全9チームが、ここ鴨川に集まり熱い戦いを繰り広げた。
今回も優勝チームに100万円、準優勝には40万円という賞金が与えられる。
この大会にはWSL CS選手の安室丈、伊東李安琉、西慶司郎、大音凛太。女子は都築虹帆、脇田紗良も参加。その他、QS選手も多く出場し、 NSSA (日本学生サーフィン連盟)では秋季学生選手権を団体優勝した日本大学が中心となり、レベルがまた一つ上がった大会となった。
3回目を迎える今大会。新たなルール変更点はチーム構成で選手4名+コーチ1名のうち、選手1名は必ずアマチュア選手(JPSAプロ登録のない選手)を加えることに改訂。
また、「グループラウンド」チームの3位のポイントを4点から3点に。「ノックアウトラウンド」選手の3位のポイントを4点から3点、4位を0点から1点に変更となった。
この「さわかみチームチャレンジ」は二人一組で戦うチーム戦。よって、ヒート内ではプライオリティー、マキシマムウェイブが共有となる。
最初の「グループラウンド」では、それぞれが獲得した点がチーム全体のポイントとなり、ベスト2で順位を決める。
ここでは、チームの4人がそれぞれ分かれて2回戦う。チーム1回戦目の結果が3位だと3ポイント。なので、次の2回戦目は1位通過が必須となる。だから、試合では対戦相手の順位も考慮し、攻め方を決めなければならない。
2回戦目が終わった時点で、「グループラウンド」のチーム順位が決まり、1位の3チームはそのまま「ノックアウトラウンド」へ進出。3位はここで敗退となる。2位の3チームはラウンド2へ進み、そこで1位となったチームのみ「ノックアウトラウンド」へ。
その「ノックアウトラウンド」。こちらは個人成績の結果にポイントがつく形に変わる。1位(10pt)、2位(6pt)、3位(3pt)、4位(1pt)。1位が10ポイントなので、この選手のチームが、結果、勝ち上がることになるので、何としても1位を狙うしかないといったところか。
そこで、チーム内の役割を決めて、攻めるのか、守るのか、どこにポジショニングするのかなど。ここはコーチの腕の見せ所となる。選手自身も試合経過の中で、相手選手の点数も気にしながら戦うわけで、これがこのチームチャレンジの面白いところだろう。
さて、本日の会場は晴れ。風はオフ。波のサイズはコシからセットでハラ。昼に向けて上げ込む潮回りでサイズが若干、上がり、たまにムネサイズの波も入る。ただ、ワイドブレイクなので、やはり、今日も波のチョイスで勝敗が分かれた。
まずグループラウンドを1位通過したのは、O’NEILL、QUIKSILVER & ROXY、BILLABONGの3チーム。
ラウンド2に進んだのはNSSA、ROCKHOPPER & WAVEWARRIORS、KAMOGAWA。このラウンドで姿を消したのはNSA、Hurley、昨年、準優勝のThe RLM Rubberとなった。
大健闘はNSSAとKAMOGAWA。NSSAは1回戦目で、KAMOGAWAは2回戦目で1位を獲得して、ラウンド2へ進出。
ただ、ラウンド2は1位しか「ノックアウトラウンド」へ進めないために、各チームはエース級を投入。ガチンコ対決でCS選手の西慶司郎、脇田紗良を揃えたROCKHOPPER & WAVEWARRIORSが進出という結果となった。
セミファイナルのヒート1はBILLABONG 対 QUIKSILVER & ROXY。BILLABONGは安室丈が1位、岡野漣が2位で試合をリード。このままBILLABONGがラウンドアップかと思いきや、QUIKSILVER & ROXYの伊東李安琉が終了間際に怒涛の攻めで、1位を奪取。そのまま大逆転で決勝へ進んだ。
ヒート2はO’NEILLとラウンド2を勝ち上がったROCKHOPPER & WAVEWARRIORSの戦い。オニールは中塩佳那、石井有紗。ROCKHOPPER & WAVEWARRIORSは宮城和真と、ここでも西慶司郎を投入して勝負に出た。最終的には西と中塩の1位争いとなり、西が1位となってファイナル進出。
続けて3位決定戦。ここはBILLABONG ( 鈴木仁、馬場心 )vs O’NEILL ( 新井洋人、川合美乃里)。
BILLABONGの鈴木がヒートを引っ張っり、新井が追いかける。川合、馬場がフォローに回りながら、隙あればハイポイントを狙う。結果、鈴木がそのまま1位抜けして、BILLABONGが 3位確定。
ファイナルはQUIKSILVER & ROXYvs ROCKHOPPER & WAVEWARRIORS
そのファイナルはQUIKSILVER & ROXY( 平原颯馬、都築虹帆)vs ROCKHOPPER & WAVEWARRIORS(脇田紗良、持齋心)という対決。
午後の引きに向かい、セットの本数が少なくなる中、脇田が出だしで4.83ポイントとヒートをリード。しかし、相手は平原颯馬、都築虹帆とポイントゲッター揃い。ここは何としても2本揃えたいとセットを待つ脇田。後半に入り脇田が勝負強さを見せて、5.43ポイントで再びトップに返り咲き。
何とか1位を狙いたい平原、都築。沖の脇田が乗れなかった波を都築が手前でゲット。テイクオフするも自分のチームに優先権があると思った持齋が都築に対してプライオリティ・インターフェアを犯す。
しかし、チーム戦ではあるものの、個人に対してインターフェアとなるため、1位の脇田は変わらず。平原も試合終了前には平原が渾身のエアーを決めるが、ポイントは届かず。ここは逃げ切りでROCKHOPPER & WAVEWARRIORSが、昨年の3位の雪辱を果たし優勝を勝ち取った。
「さわかみ チームチャレンジ 鴨川」結果
優勝:Team ROCKHOPPER & WAVEWARRIORS (賞金 100万円)
2位:Team QUIKSILVER & ROXY supported by BOARDRIDERS JAPANr(賞金 40万円)
3位:Team BILLABONG
「S.LEAGUE / 大会ページ」 https://sleague.jp/2024/3rd_kamogawa_tc.php
「S.LEAGUE」 https://sleague.jp/
JPSA:HP
https://www.jpsa.com/
オープニングセレモニーでは国旗掲揚に併せ、国歌斉唱も行われた。
大野修聖チェアマンが今大会のコンテストディレクター。オープニングセレモニーでは選手へ熱いメッセージを送る。
参加チームのロゴがプリントされたバナーを選手とコーチが待機するテントに設置。
特別戦でも「チェックイン時に選手カードの提示が必要」となっている。(写真はTeam QUIKSILVER & ROXY)
ゼッケンは個人を認識するために、デザインと色目を同系色にして変えている。
優勝、準優勝チームにはトロフィーではなく、この銀のプレートが授けられる。
参加選手とコーチには、ランチボックス(チリビーンズ弁当、チキンの照り焼き弁当)が配布された。
Team KAMOGAWA supported by Kamogawa Surfing Clubの小川幸男プロ。「グループラウンド」ヒート2でチームを牽引した立役者。「兄ちゃん(故・小川直久プロ)が波を送ってくれた」と笑顔。
JPSAがお送りする人気のYoutube「Catch Up」。今回もレポートは宮坂莉乙子と酒井まいカメラマン。大野修聖コンテストディレクターから、決勝で起きたインターフェアについての説明が行われた。
※この大会は特別戦であるものの、JPSAルール(=WSLルール)に則って行われている。今回の決勝で起きたインターフェアについて、意図的であったかどうかが協議されたが、ジャッジ側からは意図的でないと裁定が下った。
この「チームチャレンジ」は二人一組で戦うもの。だから、相手をブロックすることも作戦のうちだ。ただ、それもスポーツマンシップに則って戦うのが前提である。そこは忘れないようにしたい。
ただ、「ノックアウトラウンド」で改訂された 選手の1位(10pt)、2位(6pt)、3位(3pt)、4位(1pt)のポイント差。これは1位さえ取ればチームの勝ちが決まってしまうので、意図せずでも捨て身の作戦が、これからも出てくる可能性はあるだろう。
この大会はプライオリティも乗る本数もチーム全体で共有する。ただ、「ノックアウトラウンド」では、この個人での獲得ポイントで順位がつくということで、インターフェアについても個人に対してペナルティがつくことになっている。
ならば、これをチームへのペナルティーとするか。もしくは、この各順位のポイント差を再度調整するか。それか、「グループラウンド」のようにチーム全体で獲得したポイントに順位がつく形にするか。ここは再協議する必要があるだろう。
WSLでもインターフェアについて問題が起こるとルール自体を協議し直して、新たなルールが追加される。また、この特別戦でもルールを明文化しておくことも重要だろう。
チームチャレンジの概要は下記の通り。
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【大会概要とルール】
チーム数:9チーム
(オフィシャルブランドチーム 6、地元ローカルチーム 1、NSAチーム 1、NSSAチーム 1)
チーム構成:
選手4名+コーチ1名(計5名)/ 1チーム4名のうち男女最低各1名の混成チームとする。選手のうち1名は必ずアマチュア選手(JPSAプロ登録のない選手)にする。
試合形式: 「グループラウンド」3チーム3グループ
1ヒートは3チーム各2名の6名ヒートで対戦 / 同じチームの選手が2人ずつ出場。グループの3チームごとに2ヒートを行う。
各グループ1位の3チームは「ノックアウトラウンド」へ進出。2位の3チームは R-2へ進出、3位は敗退。2位の3チームで1ヒートを行い1位のチームのみ「ノックアウトラウンド」へ進出。
「ノックアウトラウンド」
1回戦1位の3チームに、2回戦1位の合計4チームでセミファイナルを戦う。
1ヒートは2チーム各2名の4名ヒートで対戦 / 同じチームの選手が2人ずつ出場。勝ち上がったチームがファイナルへ。敗退したチームは3位決定戦へ。
ポイント:
ヒート内での順位に応じて配分し、チームポイントを計算。
「グループラウンド」チームの1位(10pt)、2位(6pt)、3位(3pt)
「ノックアウトラウンド」選手の1位(10pt)、2位(6pt)、3位(3pt)、4位(1pt)
レギュレーション:
チーム全体で 得点、マキシマム本数、プライオリティを共有。
・1ヒート「グループラウンド」25分ノックアウトラウンド」25分
・スコア:「グループラウンド」ではチームのベスト2ウェイブカウント。チームポイント合計でグループ内の順位が決まる。「ノックアウトラウンド」は各選手のベスト2ウェイブカウント。チーム順位は各選手順位によるチームポイントで決定。
・マキシマムウェーブ:「グループラウンド」チーム全体で7本
「ノックアウトラウンド」 チーム全体で9本
勝敗について:
同点の場合、チームのライディングスコアによって勝敗が決まる。「グループラウンド-R1」では各ヒートのベスト2ウェイブカウント合計4ウェイブ「グループラウンド-R2」では、ベスト2ウェイブカウントで決定。
※ ベストウェイブカウント合計で勝敗が決まらない場合、チームライディングスコアのハイポイント順。それでも決まらない場合は順次カウントバックして 勝敗を決定。
「ノックアウトラウンド」では、ベスト2ウェイブカウントで決定。チームポイントが同点の場合、チームのライディングスコア。各選手ベスト2ウェイブカウントの合計によって勝敗が決まる。
※ ベスト2カウントの合計で勝敗が決まらない場合は、チームごとのライディングスコアのハイポイント順。それでも決まらない場合は、順次カウントバックして勝敗を決定する。
その他:チームはヒート毎に出場者を選抜。
「グループラウンド」の1回戦と2回戦では、1選手は1ヒートにしか出場できない。各チームの選手4人全員が、グループラウンドで必ず1回出場すること。
「ノックアウトラウンド」では、1人の選手は1度しかヒートに出場できない。
「ノックアウトラウンド」開始前に、セミファイナルとファイナルのヒート出場選手のオーダーシートを提出。決定後は、出場選手を変更することはできない。
【出場チーム / 選手&コーチ】
Team BILLABONG
選手:安室丈、鈴木仁、岡野漣、馬場心
コーチ:田中英義
Team Hurley
選手:田中大貴、岩見天獅、小野里弦、馬庭彩
コーチ:河村海沙
Team O’NEILL
選手:新井洋人、中塩佳那、川合美乃里、石井有紗
コーチ:田中樹
Team QUIKSILVER & ROXY supported by BOARDRIDERS JAPAN
選手:伊東李安琉、平原颯馬、都築虹帆、髙井悠二朗
コーチ:野中美波
Team ROCKHOPPER & WAVEWARRIORS
選手:西慶司郎、脇田紗良、宮城和真、持齋心
コーチ:髙梨直人
Team The RLM Rubber
選手:松永大輝、本郷拓弥、藤田澪駿、森舞果
コーチ:緒形清
Team KAMOGAWA supported by Kamogawa Surfing Club
選手 :小川幸男、大音凛太、松山黎音、須加崎隼
コーチ:関谷利博
Team NSA (日本サーフィン連盟)
選手 :菅原大地、窪田栞太、山田海光、後藤夏子
コーチ:佐々木正人
Team NSSA (日本学生サーフィン連盟)
選手 :金沢呂偉、小松凛輝、浮島琉色、原田葵
コーチ:世良英生