糟谷修自がファイナル進出。大江なぎさRP3進出。ブラジルがリード。2024 ISA 世界マスターズ大会4日目

糟谷修自 Credit: ISA / Sean Evans

サーフシティ・エルサルバドル – 2024年10月23日

2024年サーフシティ・エルサルバドルISAワールドマスターズ・サーフィン選手権(WMSC)は大会4日目。エル・スンザルに押し寄せたクリーンでソリッドな4~6フィートのスウェルにより、すべての部門の最初のファイナリストが確定した。

Highlights – Competition Day 4 – 2024 ISA World Masters Surfing Championship

 

40歳以上のワールド・ベスト・サーファーたちは、今回も素晴らしいパフォーマンスを披露し、その一人ひとりの表情に浮かぶ興奮は、ISAカレンダーにこのイベントが戻ってきたことの価値を証明している。

 

ブラジルはチームランキングで首位に躍り出た。唯一、メンバー全員が勝ち残っているブラジルチームは、ディフェンディングチャンピオンのハワイ(3位)とともにメダル獲得でも優位に立っている。

 

両チームともすでに3人のサーファーがグランドファイナルに進出しており、ファイナルデーでは大接戦が繰り広げられることだろう。オーストラリアはチームの最初の2人のメンバーが脱落したため、現在2位につけている。フランスとUSAはそれぞれ4位と5位につけている。日本は10位に後退。

 

ベン・ブルジョア(USA)Credit: ISA / Jersson Barboza

ベン・ブルジョア(USA)のスムーズで洗練されたスタイルが、今日も存分に発揮された。3日目にまさかの敗者復活戦にまわったものの、ブルジョアはマスターズ(40歳以上)のリパチャージラウンド第4ヒートで、2本の波だけで9.50と10.00というスコアをたたき出し、前日のミスを払拭した。

ベン・ブルジョア(USA)Credit: ISA / Jersson Barboza

ノースカロライナ出身の彼のヒートトータルは、ほぼパーフェクトな19.50ポイントで、イベント最高得点を大きく引き離した。さらに、リパチャージラウンド5でも18.00ポイントというビッグスコアで、そのパフォーマンスを裏付けた。

トム・カレン(USA) Credit: ISA / Pablo Franco

ブルジョワのチームメイトであるトム・カレン(USA)は、2013年のワールドマスターズチャンピオンのマイク・ラトーニック(HAW)が、グランドマスターズ(50歳以上)のリパチャージ・ラウンド4でヒートを制したスコット・シンドラー(AUS)に次ぐスコアを最後に獲得したことで、このイベントから初めて敗退したワールドマスターズチャンピオンとなった。

 

しかし、ラトーニックは次のヒートで敗退し、リンドン・フェアバーン(NZL)がシンドラーとともにリパチャージ・ファイナルに進出した。

 

 

糟谷修自 Credit: ISA / Pablo Franco
糟谷修自 Credit: ISA / Sean Evans
糟谷修自 Credit: ISA / Sean Evans
糟谷修自 Credit: ISA / Sean Evans

 

2013年のカフナ・メダリストのエリック・グラシエ(FRA)は、イベント初ヒート勝利を収め、糟谷修自(HAW)とともにカフナ(60歳以上)の決勝に進出した。

糟谷はスタートからカービングのコンビネーションで5.33をスコア。3位と追い込まれた糟谷だったが、ヒート終了間際に掴んだラストウェイブで見事なランドハウスカットバックを見せ、6.00をスコアして大逆転。2位で勝ち上がった。

 

 

この2人は、2010年のワールドマスターズチャンピオンのロドニー・ボールドウィン(AUS)とエクアドルのルイス・サルバドール(ECU)をリパチャージに追いやった。

 

パトリシア・ロッシ、チーム・タヒチ / 写真:Jersson Barboza

 

2010年マスターズ銅メダリストのパトリシア・ロッシ(TAH)は、マスターズとグランドマスターズのリパチャージヒートに連続出場し、2つのヒートを連続で勝ち進んだ。1992年のISAワールド・サーフィン・ゲームズで入賞した51歳のロッシは、ISAワールド・ニーボード・チャンピオンシップで3つのメダルを獲得している。

 

ジョジョ・デ・オリヴェンサ(BRA)Credit: ISA / Sean Evans

 

 

ジョジョ・デ・オリヴェンサ(BRA)は、1994年にWSLチャンピオンシップ・ツアー(CT)に初めてクオリファイして以来、サーフィン界ではよく知られた名前である。

57歳の彼は、2011年のエルサルバドルでのグランドマスターズ・シルバーメダルを含む、WMSCメダルを3つ獲得しており、本日、4つ目のメダル獲得を確定させた。ブラジリアンらしい力強いドライブするようなフォアハンドで、メインラウンド4ヒートで8.50というスコアを獲得し、ヒートを終始コントロールした。

 

「今朝は少し緊張していて、落ち着いていられるように神に祈り続けていました」とデ・オリヴェンサは言った。「アウトの波は素晴らしく、とてもきれいな波です。ヒート中、10分間は波が来なかったのですが、最初の波をゲットできて、良いスコアも出せましたし、残りのヒートもコントロールできてとてもラッキーでした。でも、相手も本当に上手なサーファーです。自分にとって良いチャレンジでした」

 

デ・オリヴェンサは確固たるリードを維持したが、2位通過の座をかけた戦いは、ブザーが鳴った後も各サーファーがスコアを待つという形で、最後まで続いた。

 

ヒートで最も高いシングルウェイブ・スコア、8.63を記録したにもかかわらず、ゲイリー・ヴァン・ウィーリンゲン(南アフリカ)は、最後の最後に2.73のバックアップスコアを辛うじて獲得したに過ぎなかった。一方、ダニエル・ガルシア(スペイン)は最後の波で4.53をスコアし、7.17と合わせて、今大会唯一のスペイン人サーファーにメダル獲得を決めた。

 

ブラジルのジャクリーン・シルバとアンドレア・ロペスがファイナルに進出

 

ジャクリーン・シルバ(BRA)Credit: ISA / Sean Evans

 

ブラジリアンがこの日の女子メインラウンドのヒートを完全に掌握し、ジャクリーン・シルバ(BRA)とアンドレア・ロペス(BRA)がそれぞれマスターズとグランドマスターズで勝利し、母国にさらなる2つのメダルをもたらすことを決めた。

 

両サーファーは元CT選手であり、ロペスは1991年にツアーにクオリファイした最初のブラジリアン女性である。シルバはマスターズ初出場だが、ロペスは過去3回出場しており、2010年の銀メダルを含め、毎回メダルを獲得している。

 

ジャクリーン・シルバ(BRA)Credit: ISA / Sean Evans

 

「また勝ててとても嬉しい」とシルバは言った。「でも、こんなことになるなんて思ってもみなかった。ここにいられて、3つのヒートを戦って、1位になれて。最高に気分がいい。ツアーで戦っていたすべての年を思い出させてくれる。ブラジルのチーム、友人たちと一緒にここにいられて、セレナやロシェル、他の女の子たちに会えてとても嬉しい。

 

そして、ブラジルにポイントをもたらせて嬉しい。何年も経ってから再び試合に出場するのは本当に難しいことですから、とても誇りに思います。サーフィンも試合もしていなかったのですから。再びここに戻ってきてサーフィンができ、ヒートごとにベストを尽くそうとしています。そして、決勝に進出できれば、メダルを手にすることができます。本当に嬉しいです。興奮しています。

 

ロペスのヒートでは、2012年マスターズ世界チャンピオンのロシェル・バラード(HAW)がヘザー・クラーク(RSA)を僅差で抑え、2位通過を決めた。一方、セレナ・ブルック(AUS)はシルバとともに勝ち進み、WMSC初メダルを獲得することが決定的となった。

 

「Forever Young(いつまでも若く)」というメッセージをはじめ、妻や子供たちからの応援メッセージが書かれたサーフボードに乗って、タイレル・ジョンソン(南アフリカ)は、イベントで最も印象的なサーフィンを披露し続けた。

 

今日、43歳の南アフリカ人サーファーは、最初の波でエクセレントな8.00をマークし、さらに7.60を追加してヒートトータルスコアを15.60に伸ばし、自身とチームにメダル獲得を確実にした。

 

「最高に興奮している」とジョンソンは語った。「波は最高にパンプしていて、クリーンで、自分のサーフィンにぴったりだ。夢が叶った。この大会に参加し、自分の国を代表する機会を得ることをずっと望んでいた。そして今、それが現実になった。夢が叶ったんだ。」

 

ジョンソンは、現マスターズ世界チャンピオンのグレッグ・エムズリー(南アフリカ)の伝統を受け継いでいる。ジョンソンとエムズリーはイーストロンドンという同じ故郷を持つ。

 

ジョンソンは大会に備えてエムズリーとトレーニングを積み、エムズリーのチームが獲得した銀メダルを上回る成績を自国にもたらしたいと考えている。南アフリカは、出場したすべての大会で表彰台に上っており、2007年と2008年の最初の2大会ではチーム金メダルを連覇した。

 

 

明日のファイナルデイに繋いだ大江なぎさ

 

 

日本では経験できない素晴らしいコンディションの中、果敢にチャージを見せた日本チーム。

大江なぎさ  Credit: ISA / Sean Evans
大江なぎさ Credit: ISA / Jersson Barboza

 

女子グランドマスターズ(50歳以上)リパチャージ2を戦った大江なぎさは、スタートからクリーンな波を捉えて、4.83をスコア。ヒート後半にはカービングのコンビネーションで5.50をスコアし2位のポジションを固めた。

しかしヒート終盤に逆転され、追い込まれるも残り2分で5.00をスコアし逆転して2位でラウンドアップ。見事明日のファイナルデイに勝ち進んだ。がんばれ!

坂本應尚 Credit: ISA / Jersson Barboza
坂本應尚 Credit: ISA / Jersson Barboza

 

男子50歳以上クラスの坂本應尚は、リパチャージ3H2では再びトム・カレンらと対戦。1本目で坂本が5.5を出し良いスタートを切る。しかし高得点の出る波に乗ることができず3位で試合終了。今大会は11位でフィニッシュ。

 

久野孝 Credit: ISA / Jersson Barboza

 

男子60歳以上クラスの久野孝は、リパチャージ3に登場。1本目で4.17をスコア。そのあと波に乗るもののスコアを伸ばせず。プライオリティを使い波を待った久野だったが、そのままタイムアップ。4位となり8位でフィニッシュ。

 

日本選手

男子マスターズ(40歳以上):友重達郎 16位
男子グランドマスターズ(50歳以上):坂本應尚 11位
男子カフナ(60歳以上):久野孝 8位


女子マスターズ(40歳以上):清永亜希子 11位
女子グランドマスターズ(50歳以上):大江なぎさ

スタッフ:大石純也、大村奈央

 

■2024 ISA WORLD MASTERS SURFING CHAMPIONSHIP

名 称  2024 ISA WORLD MASTERS SURFING CHAMPIONSHIP
主 催  国際サーフィン連盟(ISA)
期 間  2024年10月18日(金)~10月24日(木)※現地時間
開催地  El Sunzal El Salvador(エルスンザル/エルサルバドル)

大会URL     https://isasurf.org/event/2024-isa-world-masters-surfing-championship/