伊東李安琉がセミファイナル進出。佐藤李がクオーターファイナル進出。QS5000二アス・プロ大会5日

伊東李安琉 Credit: WSL / Tim Hain

ラグンドリ・ベイ、ニアス/インドネシア(2024年6月12日水曜日)-ワールド・サーフ・リーグ(WSL)クオリファイング・シリーズ(QS)5000イベント「ニアス・プロ」は、ラグンドリ・ベイで6~8フィート・レンジのエピック・サーフが続き、歴史的なコンペティションの1日となった。

 

 

男子はラウンドオブ16とクオーターファイナル、女子はラウンドオブ32とラウンドオブ16でさらにマッシブなヒートトータルを記録し、最高のバレルに挑んだ。

 

シエラ・カー(AUS) Credit: WSL / Tim Hain

 


17歳のシエラ・カー(AUS)は、今日のニアスでのパンピング・サーフでパーフェクトな10ポイント・ライドを記録し、再び注目を集めた。

ホローでヘビーな波での腕前で知られるカーは、そのコミットメントを示す機会を待ち望んでいたが、今日それを披露するチャンスをものにした。

ヒート開始わずか2分、カーはセットにドロップインし、チューブをくぐり抜け、スピッツアウトしてパーフェクト10ポイントをスコアした。

ヒート終了間際、彼女は再び9.87(10点満点中)をマークし、ヒートトータルは19.87(20点満点中)となり、女子イベント最高、イベント全体でも2番目に高いスコアとなった。

 

「ウィロー(ハーディ)が波をゲットしたのを見て、「あの大きなバレルが欲しい 」と思いました。」とカーが言った。「ヒート中、一番大きなバレルを狙っていました。あれを見たとき、 ちょっと深いと思ったんですが、誰も乗ろうとしなかったんです。

それで『これにしよう』という感じでした。パーフェクトだったから。WSLコンペでバレルに乗ったことがあるかどうかも分からないし、10を取ったこともないから、2つも初めての経験。興奮しています。」


カーのヒート直後、彼女の父親であり、元チャンピオンシップ・ツアー・コンペティターであるジョシュ・カー(AUS)は、ヒート・トータル17.24で見事なヒート勝利を収め、クオーターファイナル進出を決めた。

 

ウィロー・ハーディ(AUS)Credit: WSL / Tim Hain


この日の序盤、西オーストラリアの新鋭ウィロー・ハーディ(AUS)は、キャリア初のパーフェクト10を記録。ハーディはバックハンドでレイトなドロップインをし、チューブのクリティカル・パートにラインをセットし、最終的にスピッツアウトして勝利を決めた。

ハーディは、ラウンドオブ16でも好調を維持し、クオーターファイナル進出を決めた。

 

「過去最高のヒートでした。」とハーディが言った。「パーフェクト10以上は望めません。これからもこのようなヒートが続くことを願っています。長い間、バックハンドのバレル・ライディングをトレーニングしてきましたが、今日はそれがやっと実を結んだ日です。

人生最高のバレルを手に入れることが出来ました。ニアスでの試合では、特に大きな波でサーフィンが上達し続けていると感じています。”どこにポジションを取れば良いのか、より良く理解できるようになりました。」

 

マデ・ジョイ・サトリアワン(INA)Credit: WSL / Tim Hain

 

バリ・サーファーのマデ・ジョイ・サトリアワン(INA)もパーフェクトな10ポイント・ライドを披露し、イベントを通して最も深くヘビーなチューブライドを見せた。

サトリアワンは最終的にクオーターファイナルで伊東李安琉(JPN)に敗退したが、イベントを通して8本のエクセレントスコアを記録し、自己最高のQSイベント成績を残した。

 

伊東李安琉 Credit: WSL / Tim Hain

 

伊東李安琉(JPN)は、完璧なバックハンドのバレル・ライディング・テクニックで注目を集め続け、ストールとウィービングで3本のエクセレント・スコアを獲得し、セミファイナルへと勝ち上がった。

 

ウィンター・ヴィンセント(AUS) Credit: WSL / Tim Hain

 

またオージーの若手、ウィンター・ヴィンセント(AUS)とカイアス・キング(AUS)もまた、最もスムースで、最も深く、最もヘビーなチューブライディングでセミファイナル進出をスコアした。キングは9.57をマークし、クオーターファイナルでは7.37をマークしてアクセル・クロッタ(AUS)を僅差で下した。

 

 

加藤翔平 Credit: WSL / Tim Hain

 

大会5日目は、昨日行われなかったH8からスタートし、加藤翔平が登場。昨日から素晴らしいバレルをメイクしていた加藤は、今日も9.10と8.93のエクセレントをスコアしてトップでアラウンドアップ。

 

 

加藤翔平「昨日ヒートがやるかやらないかギリギリの予定だったので、準備はしていたんですけど。昨日の波はパーフェクト過ぎて、いつでもやれる準備はしておこうと思っていました。今日も良い予報だったので、昨日は楽しみで即効寝ちゃいました。」

15分後のファーストライドについては「自分的にはちょっと待ち過ぎたかなって思って、いつもスタートが遅くて。でもみんな乗っていた波が自分的にはパッとしない波だったので、これはちょっと待って良い波来なければそれで良いやと思ってたんですけど、振り切ってそれで良い波乗れたんでよかったです。」

 

男子QSの後は女子のQS5000のラウンドオブ32がスタート。

 

H1にチャレンジャーシリーズの脇田紗良、H2に中塩佳那、佐藤李、H3に野中美波が登場。脇田紗良と佐藤李が2位で勝ち上がり、中塩佳那は惜しくも敗退。野中美波のヒートはウィロー・ハーディが女子初パーフェクト10をスコア。野中もハードなチャージを見せ物凄いワイプアウトを食らうも2位で勝ち上がった。

 

H4にはパリオリンピック日本代表でクルイで3位の松田詩野が登場。ヒートは昨年のイベント優勝者であるフィリッパ・アンダーソンが6.83をスコアしてリード。

 

思うような波を掴めない松田は優先権を持たない中で波を掴むもスコアを伸ばせない。アリス・クーパーはバレルをメイクし7.83をスコアヒートをリード。波を選びきれなかった松田は惜しくも4位で敗退となった。

 

H6にはクルイでW優勝した池田美来と都築虹帆が登場。波が朝よりサイズアップする中、ライヤ・キャンベルとパイパー・ハリソンがチャージを見せる。

ラインナップは潮の流れが速く、ポジションをキープするのが鍵となる。

それだけに経験がモノを言うコンディションでもある。パイパーはディープなロングバレルをメイクし9.70をスコアし1位通過。池田、都築は惜しくもここで敗退。

 

H8では都筑有夢路が登場。シエラ・カーがスタートから素晴らしいロング・チューブを披露。それがなんとパーフェクト10となる。比較的スローな展開となったヒートの中で、コーラル・デュラントがバックハンドで5.00、都筑は3.50をスコアしてワンライドのみで4位のポジション。

 

2位争いは僅差で残り5分を切って優先権を得た都筑は波を掴むも逆転ならず。ラストライドに望みをつないだが3位で敗退となった。

 

男子QSラウンドブ16には、H1とH2に昨日素晴らしいチューブライドを披露した安室丈、鈴木仁が登場。しかしスローなヒート展開に調子を崩したか、思ったようなセットを掴むことができず両者とも敗退となった。

 

 

 

H4には、10ポイント・ライドの伊東李安琉と本日2度目の登場となった加藤翔平がブロンソン・メイディとオニー・アンワート対戦。伊東は昨日の10ポイントを思い出すようなチューブライドで9.10をスコア。加藤もチューブをくぐり抜けて6.83で伊東に続く。メイディも8.17をスコアして2位に浮上。

 

伊東李安琉 Credit: WSL / Tim Hain

 

その後、加藤も伊東もハードなワイプアウトを食らいバックアップを伸ばせないままで後半戦へ。メイディはバックアップを6.53に塗り替え、逆転トップに。4位のオニー・アンワーがミディアム・サイズの波でチューブを抜けて2位に浮上。3位伊東。4位加藤というポジション。

優先権を持つ伊東のニードスコアは僅か4.83。残り時間30秒で爆弾セットを掴んだ伊東は8.50をスコアして大逆転トップ。加藤も8.60をスコアして2位にジャンプアップ。

伊東と加藤がワンツーでインドネシアン・ペアを下してクオーターファイナルへ勝ち上がった。

 

 

「とりあえず勝てたんで嬉しいですね」と伊東が言った。「またこのニアスの凄い波でもう1試合できるなって感じです。最後の波は、もう来ないのかなって思ったんですけど、このニアスの波を信じて、待ち続けていたら来たんで、超ハッピーです。リラックスして、波来い!みたいな、頼みます!みたいな感じでした。次もヤバイの決めるんで、見といてください!」

 

佐藤李がQSクオーターファイナル進出

 

女子QSラウンドオブ16には、H1に野中美波が登場。野中は終始2位のポジションをキープしていたが、最後に逆転されて惜しくも敗退。H2では脇田紗良、佐藤李が登場。4.17をスコアした佐藤がトップ、脇田が2位につけて後半へ。

パーフェクト10のウィロー・ハーディが6.50を4.83でバックアップしトップを独走。アリス・クーパーも2位に浮上。佐藤は2発のカーヴィングで4.93をスコアして逆転2位となりクオーターファイナルへ勝ち上がった。3位の脇田は惜しくも敗退となった。

 

男子QSクオーターファイナル

 

男子QSクオーターファイナルが本日の最後に行われ、日本の加藤翔平と伊東李安琉が登場。

H3ではオーストラリアのウインター・ヴィンセントと加藤翔平が対戦。だが波数が減りスローな展開。そして両者とも10分間ノーライドのためリスタート。しかしリスタート後も波が入らず、2度目のリスタートとなった。

ようやくヒートが開始となったが、スタート後もロースコアのライディングのみの予想外の展開となった。ヴィンセントが痺れを切らし小振りな波に手を出す中、加藤は波を待ち続けて、バレルをメイクし8.67をスコアする。

しかしヴィンセントも7.67と7.73を2本続けてスコア。加藤のニードスコアは6.73となり、残り時間は6分となっていた。

セットの波が再び止まり、波を待つ加藤の前に、終了間際に波が入ってきた。加藤はテイクオフからバレルにプルイン。しかし前が潰れてメイクできず。加藤は惜しくもここで敗退となった。

 

それでも加藤にとって、QS5000での5位はキャリア最高の成績。またこのような歴史的なコンディションでの多くのエクセレントスコアは今後の彼にとって大きな力になることは間違いない。

 

クオーターファイナルH4では、伊東李安琉がインドネシアのマデ・ジョイ・サトリアワンと対戦。このヒートもリスタート。その後も波が入らなかったがリスタートにならず続行。残り時間13分でBIGバレルをメイクした伊東は、9.60をスコア。

 

続けてマデジョイも8.10をスコア。バックアップ1.17を持っていたマデはニード1.51。再びBIGバレルにプルインした伊東だったが、バレルの中でスタックしてメイクできず。1.77をスコア。

残り5分、伊東はインサイドの波で小振りなチューブを抜けてターンを繰り出し、3.43をスコア。マデは6.93をスコアして逆転した。

伊東のニードスコアは5.43だが、残り時間は1分しかなかった。だが最後まで諦めない伊東は30秒でバレルをメイク。インサイドでビッグターンを決めて、5.77をスコアして大逆転。

 

今回絶好調の伊東李安琉がついにセミファイナル進出を決めた。

 

男子セミファイナル・マッチアップ
女子クオーターファイナル・マッチアップ

 

 

オフィシャルサイト:

ニアス・プロは6月8日 – 15日の日程で開催。

Nias Pro Nias, Lagundri Bay, Indonesia