オーストラリアがISAワールド・ジュニアで8度目のチーム金メダル。渡邉壱孔がカッパーメダル、足立海世6位。日本5位

男子U18 Photo: Pablo Jimenez

サーフ・シティ・エルサルバドル – 2024年5月12日

2024年サーフ・シティ・エルサルバドルISAワールド・ジュニア・サーフィン・チャンピオンシップ(WJSC)のファイナル・デーは、ISAワールド・ジュニア史上最多優勝チームであるオーストラリアが、11年間続いた苦難を打ち破り、ISAの大会で最も圧倒的な勝利を収めた。

 

 

デーン・ヘンリーとジギー・マッケンジーの金メダルに続き、フレッチャー・ケレハーが銀メダル、ミラ・ブラウンが銅メダルを獲得。女子U/18リパチャージ・ラウンド9でのブラウンのヒート勝利とウィロー・ハーディの活躍は、グランドファイナルが始まる前にオーストラリアがチーム金メダルを獲得することが確定するほど圧倒的な勝利となった。

 

オーストラリアがチーム金メダルを獲得 Photo: Pablo Jimenez

 

最終日は、世界チャンピオンを決定するに相応しいパーフェクトに近いコンディション。ラ・ボカナのクリーンな4~6フィートのピークは、最高のコンディション。風が止んだサーフ・シティ・エルサルバドルは、ワールド・ベスト・ジュニア・サーファーに歴史的な勝利を手にする無限のチャンスを与えた。

 

デーン・ヘンリー(AUS)Photo: Pablo Jimenez

 

オーストラリアはチームとして長い優勝の壁を破っただけでなく、デーン・ヘンリー(AUS)がオーストラリア人として15年ぶりで男子U18を制した。今大会唯一のパーフェクト10を達成するなど、ヘンリーの活躍が話題となったが、メインイベント・ファイナルでは、1本しか決められずにリパチャージ・ファイナルに回った。その教訓を生かし、17歳の彼は次の2つのヒートで誰よりも多くの波を掴み、グランドファイナルでは9.23をマークした。

 

デーン・ヘンリー(AUS)Credit: ISA / Pablo Franco

 

「人生で最高の瞬間です」と語ったヘンリー。「準決勝の前に、正式にチームの金メダルが決まったと聞いて、みんなで大喜びしました。10年間、金メダルから遠ざかっていたのが嘘のよう。信じられないです。言葉を失いました。人生で最高の経験でしたし、この素晴らしいオーストラリアチームのキャプテンを務めることができて本当に感謝しています」。

 

渡邉壱孔(JPN)Credit: ISA / Sean Evans

 

リパチャージ・ラウンド9のヒートでイベント最高のヒート・トータル18.17を記録したリクソン・ファルカン(BRA)だったが、グランド・ファイナルでは同じマジックを起こすことができず、ヘンリーのチームメイトであるフレッチャー・ケレハー(AUS)がファイナル・ウェイブで8.10をスコアして銀メダルを獲得し、男子U18でオーストラリアがワンツー。渡邉壱孔(JPN)がカッパーメダルを獲得した。

 

ジギー・マッケンジー(AUS)Credit: ISA / Sean Evans
ジギー・マッケンジー(AUS)Credit: ISA / Pablo Franco

 

ジギー・マッケンジー(AUS)は、ガールズU16メインイベントファイナルで残り1秒で波を取ったことで勝利をつかんだ。6.54が必要だった15歳の彼女は、6.57をスコアしてメダル獲得が確実的なものとなった。

非常にタイトなファイナルで、マッケンジーの6.83がハイポイントとなり、ヒート終盤に5.93のバックアップスコアを出すと、それが決め手となり、同じオーストラリア出身のステファニー・ギルモアとタイラー・ライトに続くワールド・ジュニア・チャンピオンに輝いた。

 

「最高です」と語ったマッケンジー。「私がこれまで積み重ねてきた努力と、オーストラリア・チームからのサポートがすべて結集した感じです。この大会に臨むにあたり、誰もが興奮すると同時に、とても緊張していたと思います。強いチームなので、とにかく全力でプッシュしたかったんです。私たちはトップに立っているし、チームのためにとても興奮しています」。

 

昨年のメダリスト2人が連続の決勝進出、2023年銅メダリストのイーデン・ウォラ(USA)が銅メダル、2023年銅メダリストのクレマンス・ショルシュ(FRA)が銀メダルを獲得、ルイーズ・レプロント(RSA)は銅メダルを獲得し、南アフリカの女子選手がメダルを獲得したのは、東京2020オリンピック銀メダリストのビアンカ・ビュイテンダグが2011年に銀メダルを獲得して以来となった。

 

ディラン・ドネガン Credit: ISA / Pablo Franco

 

スペインのディラン・ドネガンは、チームメイトのハンス・オドリオゾラが2023年に獲得した金メダルをバックアップし、U/16世界チャンピオンに輝いた。

ドネガンとオドリオゾラはともに、再び銀メダルを獲得したルーカス・スキナー(ENG)に勝利。ドネガンは、今週サーフィンをした7ヒート全てに勝利した。クリティカル・セカンド・クローズアウト・ヒットをフィーチャーしたバックハンドの2ターン・コンボで8.17をマークし、7.13でヒート・トータル15.30をマーク。

 

「本当に、本当に嬉しいです」とドネガンは語った。「素晴らしい気分です。スペインのチームへのクオリファイだけでも、本当に本当に難しい。この瞬間を楽しまないといけないと思うし、出場が決まったら気が狂いそうになるだろうね』 とコメント。

 

チアゴ・パセリは熱のこもった演技で、アルゼンチン人選手がとして自国初のボーイズU/16メダル(銅メダル)を獲得。

 

ヴァイヒティ・インソ(HAW)Credit: ISA / Pablo Franco
ヴァイヒティ・インソ(HAW) Credit: ISA / Jersson Barboza

 

ハワイの女子はWJSCで最多の金メダルを獲得しており、ヴァイヒティ・インソはその伝統を受け継ぎ、ハワイで11個目の金メダルを獲得。新U/18ワールド・チャンピオンのインソは、自身のチームと文化を代表する勝利に誇りを感じるとともに、ソリッドなサーフィンを披露したことに感激。グランドファイナルでは、8.50と8.17をスコアし、ラ・ボカナのレフトでのパワフルでスタイリッシュなフォアハンドのカーブで勝利をつかんだ

 

「ほとんど言葉が出てきません」と語ったインソ。「正直なところ、私の一番の目標は結果ではなく、ただ良い演技をすることでした。私はサーフィンが大好きで、それまでレフトがなかったのに、突然レフトが来たんです。だから、全ての神と波に感謝したいと思います。」

 

 

U/16とU/18の両方で印象的なパフォーマンスを見せた、2022年のU/16銅メダリスト、ティーア・ゼブロウスキー(FRA)がU/18銀メダルを獲得し、サラ・フレイレ(USA)とミラ・ブラウン(AUS)がそれぞれカッパーメダルと銀メダルを獲得した。

 

男子U18キャプテン渡邉壱孔がカッパーメダル、男子U16足立海世が6位。

渡邉壱孔と足立海世 Credit: ISA / Pablo Franco
足立海世 Credit: ISA / Jersson Barboza

 

日本チームの最後の砦となった渡邉壱孔と足立海世。男子U16リパチャージ9H1に足立海世が登場。見事2位で男子U16リパチャージ10に勝ち上がったが、惜しくも4位で敗退。グランドファイナルを目前にして今大会6位でフィニッシュとなった。

 

渡邉壱孔 Credit: ISA / Jersson Barboza
渡邉壱孔 Credit: ISA / Jersson Barboza

 

男子U18メインラウンド6に勝ち上がった日本のキャプテンである渡邉壱孔は、大逆転2位でついにグランドファイナルへ勝ち上がった。

 

しかし、ファイナルでは精彩を欠き、そこまでのラウンドで見せたサーフィンを披露することなく4位でフィニッシュ。それでもキャプテンとしての大役を果たし、日本に唯一のメダルをもたらした。おめでとう!

 

男子U18キャプテン渡邉壱孔がカッパーメダル、男子U16足立海世が6位。

 

渡邉壱孔 Credit: ISA / Pablo Jimenez

 

ISA会長のフェルナンド・アギーレがコメント:

「信じられないような1週間でした。エルサルバドルでのISAイベント史上最高の波がいくつもありました。エルサルバドル政府との素晴らしいパートナーシップでした。ブケレ大統領、そして私たちを変わらず温かく迎えてくれたエルサルバドルの人々に感謝します。

「メダリストの皆さん、おめでとうございます。皆さんはチャンピオンとして、そしてジュニア部門の世界トップサーファーとして帰国します。タヒチで開催されるオリンピックまであと75日です。しかし、ほとんどの選手は2028年にロサンゼルスで開催されるオリンピックに出場するチャンスがあります。」

 

 

大会結果

チームランキング
金メダル – オーストラリア
銀メダル – ハワイ
銅メダル – フランス
カッパーメダル – USA

日本:5位

 

男子U16 Photo: Pablo Jimenez

男子U/16
金メダル – ディラン・ドネガン(ESP)
銀メダル:ルーカス・スキナー(ENG)
銅メダル:チアゴ・パセリ(ARG)
カッパーメダル:アレクシス・オーウェン(NZL)

 

女子U16 Photo: Pablo Jimenez

女子U/16
金メダル:ジギー・マッケンジー(AUS)
銀メダル:クレマンス・ショルシュ(FRA)
銅メダル:ルイーズ・ル・プロント(RSA)
カッパーメダル:イーデン・ウォラ(USA)

 

男子U18 Photo: Pablo Jimenez

男子U/18
金メダル:デーン・ヘンリー(AUS)
銀メダル:フレッチャー・ケレハー(AUS)
銅メダル:リクソン・ファルカン(BRA)
カッパーメダル:渡邉壱孔(JPN)

女子U18 Photo: Pablo Jimenez

女子U/18
金メダル:ヴァイヒティ・インソ(HAW)
銀メダル:ティーア・ゼブロウスキー(FRA)
銅メダル:サラ・フレイレ(USA)
カッパーメダル:ミラ・ブラウン(AUS)

 

 

 

ISAワールド・ジュニア・チャンピオンシップ日本代表出場選手12名

 

U18男子
長沢侑磨33位、小野里弦65位、渡邉壱孔4位

U16男子
髙井汰朗33位、岡野漣29位、足立海世6位

U18 女子
松野杏莉9位、池田美来13位、清水ひなの13位

U16 女子
石井有沙9位、森舞果49位、高橋花音33位

 

●大会名称 2024 ISA World Junior Surfing Championship
●開催期間 2024年5月3日(金)~12日(日)

●開 催 地 Surf City El Salvador El Sunzal/La Bocana

●主 催 International Surfing Association

 

大会期間中は下記にて随時経過や結果が更新されます。