大原洋人、野中美波、田岡なつみ、ジェイアールがバレアー・プロで優勝。大原と野中はランキング3位へ。

野中美波と大原洋人 WSL / Abdel Elecho

サバン・ビーチ、バレアー、フィリピン(2024年2月6日火曜日)-バレアー・インターナショナル・プロのアクション満載のファイナル・デーで、4名のチャンピオンが誕生した。

1フィートから2フィートの小さなスウェルは、ワールド・サーフ・リーグ(WSL)クオリファイング・シリーズ(QS)3000とロングボード・クオリファイング・シリーズ(LQS)イベントのファイナル・バトルを繰り広げたアジアのベスト・サーファーたちのパフォーマンスを減速させることはなかった。

 

 

ロジェリオ・ジェイ・アール・エスキヴェル(フィリピン)は、LQSのパーフェクト記録を更新し、唯一の日本以外の サーファーとして勝利を勝ち取った。

 

浜瀬海、田岡なつみ、デイジーとジェイアールWSL / Abdel Elecho

 

一方、女子LQSファイナルでは、田岡なつみ(JPN)がフィリピーナのデイジー・バルデス(PHL)を下して優勝を飾り、女子QS3000では野中美波(JPN)が、男子QS3000では大原洋人(JPN)がそれぞれ優勝した。

 

野中美波はランキング3位にジャンプアップ。

 

 

22歳の野中は、親しい友人の一人である脇田紗良(JPN)に勝利。2人は以前から決勝を共にすることを夢見ており、しばしば「決勝で会おう!」と言い合っていた。

 

野中美波  WSL / Abdel Elecho
脇田紗良 WSL / Abdel Elecho

 

30分間のうち、最初の20分間は脇田が優勢に試合を進めるも、野中が6.40(10点満点中)を叩き出し、僅差でリードを奪うと、さらに野中は8.00を叩き出し2ターンのスピードあるコンボを決め再び7.65を叩き出し、脇田にエクセレントスコアを要求。

準優勝にもかかわらず、脇田は友人にとってこれ以上嬉しいことはないほど嬉しかったようで、2人は一緒に飛び跳ねてハグをして祝福した。

 

野中美波 WSL / Abdel Elecho
野中美波 WSL / Abdel Elecho

 

「優勝できて本当にうれしいです。紗良(脇田)と対戦できて本当によかったです。ファイナルで2人とも7ポイントを取って、本当に良いヒートが出来て嬉しいです。

ランキングはあまり気にしていませんが、順位を上げることができて嬉しいです。オーストラリアではあと2イベントあります。チャレンジャーシリーズに出場できるかどうかが決まるので、そこでベストを尽くします」。

 

 

 

野中にとって今季3度目のQS3000決勝であり、これまで2018年と2019年にそれぞれ南アフリカで開催されたQS1000で2度優勝しており、このレベルでは初優勝。また脇田は準優勝でランキングのリードをさらに広げている。

 

 

大原洋人は優勝でランキング3位に浮上

大原洋人 WSL / Abdel Elecho
大原洋人 WSL / Abdel Elecho

 

男子ファイナルのオープニングを飾った大原洋人(JPN)は、シングルウェイブでイベント最高スコアとなる9.00(10点満点)をマーク。スローなアウトサイド・セクションからインサイドの速いセクションへ、大原はアグレッシブに波を攻めてエアリバースをメイクした。

 

安室丈 WSL / Abdel Elecho

 

セミファイナルで電光石火の活躍を見せた安室丈(JPN)は、ファイナルでは6.90を超えるスコアが出せず。カウントダウン5分前に大原が8.25をスコアし、ヒート・トータルをイベント・ハイの17.25(20点満点)に伸ばしたため、安室はコンビネーションに追い込まれ、そのスコアを崩すことが出来ずにタイムアップとなった。

 

前回のラウニオンでは悔しい結果となった大原。今大会では見事優勝しアジアQSランクも3位アップ。CSクオリファイへ大きく前進した。

 

大原洋人

 

「まずは、ほっとしたの一言です。昨年の試合を通して自分の得意なことをやっていった方がいいと感じた一年だったので今大会でエアーができるときはやっていこうと思い、小さい波でエアーが出来るか怪しかったですが成功させること出来たのが今回の結果につながったと思います。

「QSランキングが3位まで上がって、こんなにも上がるとは思ってなかったのでラッキーっていう感じです(笑)

次の試合は、オーストラリアの2戦に出場する予定です。CSで戦う前にアジアではない選手と戦うことが出来るので、自分のレベルを上げる為にもCS前の準備をするためにも、いい試合に出来ればなと思ってます。引き続き、応援の程宜しくお願い致します。」

 

大原は今シーズン2度目のQS3000優勝で、チャレンジャーシリーズのクオリファイ・カットラインにジャンプアップし現在3位。準優勝の安室は2位に浮上。大音凛太(JPN)はセミファイナルで敗れたもののランキングトップに躍り出た。

 

田岡なつみと浜瀬海がクオリファイ。

 

田岡なつみ WSL / Abdel Elecho

 

先週のラ・ウニオン・インターナショナル・プロのセミファイナリストが、今週のバレアー・インターナショナル・プロのファイナリストとなり、田岡なつみとデイジー・バルデスがLQS女子ファイナルで対戦。

 

娘と夫もコンペ・サーファーであり、フィリピン・サーフィンのアイコンの一人であるバルデスにとって、初のLQSファイナル。しかし、田岡はロングボードツアーのクオリファイに向けて、この勝利が必要であり、ベテラン・コンペティターはスタートからヒートを支配し、その勢いを止めなかった。

 

 

田岡なつみ WSL / Abdel Elecho
田岡なつみ WSL / Abdel Elecho

 

タイトなフットワークとクリーンなノーズライドで魅了した田岡は、今シーズン2勝目を挙げ、その結果、2024年ロングボードツアーへの出場が決定した。

 

「優勝できて本当に嬉しいです。結果にこだわっていたわけではありませんが、クオリファイできたことは本当に重要です。デイジーとファイナル・ヒートでサーフィンが出来て本当に楽しかったです。」と田岡なつみが言った。

 

 

優勝したジェイアール WSL / Abdel Elecho

 

前人未到のLQSパーフェクト記録を継続するフィリピンの誇り、ロジェリオ・ジェイアール・エスキヴェルは、エントリーした4つのLQSイベント中4度優勝。エスキベルはファイナルで、最も近いライバルである浜瀬海(JPN)と2度目の対戦。

 

2人は再び互いのパフォーマンスをプッシュし合うように高得点をマーク。エスキヴェルはファイナルでイベント最高のヒートトータル17.40を記録し勝利した。

 

ジェイアール- WSL / Abdel Elecho

 

「素晴らしい気分です」とエスキヴェル。「以前は、ここに来ることが夢でした。フィリピンの選手たちは、毎回本当に上達しているから本当に最高ですね。RJ(チコ・ロペス)、リコ(ドゥマギン)、ジョマリー(エブエザ)。デイジー(バルデス)も本当によくやってくれました。次の大会に向けて、もっと練習します」。

 

ジェイアールと浜瀬 WSL / Abdel Elecho
浜瀬海 WSL / Abdel Elecho

 

準優勝でLQSランキング2位となったものの、2024年ロングボードツアーへの出場権を獲得した浜瀬。シーズン終了は6月であり、また新たなイベントが追加される可能性はあるものの、浜瀬の現在のトータル成績は、他の選手には手が届かないところに位置している。

 

「クオリファイできて本当にうれしいです。ジェイアール(エスキヴェル)に勝ちたいです。今回はまた負けてしまいましたが、次はまたジェイアールに勝てるように頑張ります。」と浜瀬が言った。

 

QS3000ファイナリスト

 

QS3000バレアー・インターナショナル・プロ結果
男子優勝:大原洋人
2位:安室丈
3位:大音凛太、ケトゥ・アグス(IDN)

女子優勝:野中美波
2位:脇田紗良
3位:都築虹帆、都筑有夢路

 

LQSバレアー・インターナショナル・プロ結果
男子優勝:ロジェリオJRエスキヴェル (PHL) 
2位:浜瀬海
3位:井上鷹、RJチコ・ロペス (PHL)

女子優勝:田岡なつみ
2位:デイジー・バルデス (PHL) 
3位:井上楓、吉川広夏

 

 

アジアから男子6名、女子4名に2024年チャレンジャーシリーズの出場権が与えられる。

 

2024 CSクオリファイは、アジアからは男子6名、女子4名が2024年チャレンジャーシリーズに出場。

その内訳は男子がリージョナルQSランキング上位5名+リージョナル・ワイルドカード1名、女子はリージョナルQSランキング上位3名+リージョナル・ワイルドカード1名 。

2023/24シーズンのQSでは、2023年4月から2024年3月までに開催されたイベントのトップ5がカウントされる。試合は残り2戦だ。

 

 

詳細については、WorldSurfLeague.comをご覧ください。

 

 オフィシャルサイト:Baler International Pro

オフィシャルサイト:Baler International Pro LQS