オリンピック日本代表への道。ジャパンオープンは今回、ISA同様のリパチャージ制(敗者復活戦)を導入。

text by sadahiko yamamoto

 

「第2回ジャパンオープンオブサーフィン」が11月1日から千葉県一宮町釣ヶ崎海岸のオリンピック会場で開催される。本日、10月31日には強化強化合宿が行われ、明日の本戦にむけ選考が行われている。

 

その強化合宿とはヒート形式のトレーニング。つまり、明日からの本戦「第2回ジャパンオープンオブサーフィン」の予選となる。また、これは今後のISA世界選手権、世界Jr.選手権選考の為の1つの評価対象となることが公式に発表されている。

 

今大会参加選手は強化指定選手(A指定、B指定、C指定、ジュニア指定)71名の中から選出。その中で、今回は男子が36名+免除7名、女子が17名+免除6名となっている。

 

ISA世界選手権と同様のリパチャージ(敗者復活戦)を導入。

 

昨年のISA宮崎大会. PHOTO: ISA / Ben Reed

 

今回の「第2回ジャパンオープンオブサーフィン」で変更点がいくつかあった。まずは大会のヒートフォーマット。第1回ジャパンオープンオブサーフィン 」:ヒートフォーマットでは男女とも16名の参加でクオーターファイナルからマンオンマン形式であったものが、今大会では男女とも24名になり、ISAの世界大会のようにリパチャージ(敗者復活戦)を導入。

 

 

昨年の第1回大会のフォーマットではQFから先がマンオンマン

 

男女とも4マンヒート、R-1の上位2名の勝ち上がりがR-2へ。3位、4位の選手はリパチャージ(敗者復活戦)のR-1へ回る。

 

その後もヒートの上位2名はそのまま本戦を進み、3位、4位の選手はその都度、リパチャージに回る。リパチャージで上位2名に入らなければ、今大会はそこで敗退確定し、終了となる。

 

最終のグランドファイナルは、本戦を勝ち続けた上位2名とリパチャージ を勝ち続けた上位2名の4マンヒートで行われ、そこで今大会の勝者が決まる仕組みだ。

 

 

「第2回ジャパンオープンオブサーフィン 」:ヒートフォーマット

男子

https://japanopenofsurfing.jp/wp-content/uploads/2020/10/2020_JAPAN-OPEN-Heat-Format.m1030.pdf

女子

https://japanopenofsurfing.jp/wp-content/uploads/2020/10/2020_JAPAN-OPEN-Heat-Format.w1030.pdf

 

 

ジャパンオープンにおけるシード枠

 

このリパチャージが導入になったことで、負けてもそのまま敗退とならず、もう一度トライできるチャンスがある。選手にとっては戦うヒート数が増えるものの、実力を出せずに終わることは避けられるシステムだ。

 

シード枠で本戦から出場する大原洋人

 

そして、今回は強化合宿の免除があり、この時点で本戦から出場すことが決定しているのが、男子:稲葉玲王、大原洋人、安室丈、新井洋人、村上舜、加藤嵐、鈴木仁。女子:前田マヒナ、脇田紗良、黒川日菜子、橋本恋、川合美乃里、野中美波となっている。

 

つまり、これはシード枠。この導入に関しての経緯はこうである。本来、今大会は今年の4月に行う予定であり、その時期にはWSLの大会も重複していたため、この大会開催で選手のスケジュールを拘束したくない。

 

よって、海外で戦う選手の予定を妨げる事のないように、3団体(NSA、JPSA、元WSL JAPAN)で協議をし、2019年のWSL-QS(クオリファイシリーズ)のワールドランキングの日本人上位8名をシードとし、強化合宿の参加を免除。さらに「ジャパンオープンオブサーフィン 」の大会参加者を16名から24名と増やしたのである。これが今大会から導入されたわけである。

 

 

2019年WSL-QS日本人ワールドランキング

男子
1. 稲葉玲王 (30位)
2. 大原洋人 (46位)
3. 五十嵐カノア (55位) 
4. 安室丈 (149位)
5. 新井洋人 (164位) 
6. 村上舜 (164位)
7. 加藤嵐 (172位)

8. 鈴木仁 (178位)

https://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/mqs?year=2019

女子
1. 都筑有夢路 (8位)
2. 前田マヒナ (15位)
3. 脇田紗良 (16位)
4. 黒川日菜子 (37位)
5. 橋本恋 (40位)
6. 川合美乃里 (46位)
7. 野中美波 (54位)
8. 西元エミリー (56位)

https://www.worldsurfleague.com/athletes/tour/wqs?year=2019

 

 

ここで男子の五十嵐カノア、女子の都筑有夢路はWSL CTとして代表枠を確保しているので除き、女子のハワイ在住の西元エミリーは不参加ということで、男子は7名、女子は6名が今回のシード選手となったわけである。

 

この大会は2021年5月開催予定の「2021 ISAワールドサーフィンゲームス・エルサルバドル大会」ISA世界選手権の日本代表を決める大会。この出場枠は男女とも3名である。

 

その枠で決定しているのが、WSL CT枠の男子の五十嵐カノア、女子の都筑有夢路。また前回、宮崎で開催されたISA世界選手権でアジア1位を獲得した村上舜と松田詩野。そして、今回のジャパンオープン優勝者がISA世界選手権に出場する。

 

 

松田詩野がシードでない理由。男子は参加が32名から17名に絞られる

 

今回の「第2回ジャパンオープンオブサーフィン」において、村上舜がトライアル強化合宿を免除で、松田詩野がなぜシードでないのか。疑問に思う方もいると思う。これは前述した昨年のWSLのワールド日本人ランキングが元になっており、村上はランキング6番目で獲得。松田は日本人の中で11位であったため、免除されなかったことになる。

 

松田詩野

 

とはいえ、女子は今回、強化合宿参加選手が17名+免除6名ということで合計23名。よって全員が明日の本戦に進むこととなる。男子は参加が32名なので、そこから17名に絞り、シード選手の7名を加えて24名となる。

 

今大会にはWSL CT枠の五十嵐カノア、都筑有夢路は参加しない。ただし、都筑はセレモニーには参加予定。また、村上舜は「怪我の回復具合で試合に出るかどうか決める」とのことで、当日には結果がわかるだろう。

 

シード枠があろうと無かろうと、オリンピックの日本代表になるためには優勝するしかない。最後の1枠、日本代表は誰の手に。11/1からのジャパンオープンを見逃すな!

 

 

本戦の出場選手は、11月1日(日)AM10:30 頃に JAPAN OPEN OF SURFING HPにて発表予定。http://www.nsa-surf.org/news/news20201029/

 

大会パンフレットをダウンロード

11/1 (日)
10:30 – 開会式
11:00 – 15:55 競技

11/2 (月)
07:00 – 16:05 競技

11/13(火・祝日)
07:00 – 12:45 競技
13:20 –  表彰式・閉会式

 

※今大会は無観客にて開催。競技スケジュールは日程や諸事情による変更もあります。 詳細は下記ホームページから確認ください。

https://japanopenofsurfing.jp/

 

11月1日(日)からABEMA(アベマ)」で独占ライブ配信

 

■ ABEMAでのLIVE中継概要
放送日:2020年11月1日(日)~3日(火・祝)
[11/1(日)]
https://abema.tv/channels/world-sports-2/slots/AakjHXF9ziNB1Z
[11/2(月)]
https://abema.tv/channels/world-sports-2/slots/C3NiBQPqTFrYbh
[11/3(火・祝)]
https://abema.tv/channels/world-sports-2/slots/AakjGuEfq6cy6w

 

オリンピック日本代表選考について

 

 

オリンピックには男女各20名が参加できる。
各国、最大で2名ずつ。


選出する優先順位は


1、2019年のWSLのCT

2、2021年のワールドサーフィンゲーム

3、2019年のワールドサーフィンゲーム

以上の条件で、男子は五十嵐カノアが、来年5月のISA世界選手権(開催地:エルサルバドル、2021年5月8日~16日)に出場することで確定。

 

もう一人は内定の村上舜ではあるが、2021年5月のISA世界選手権で、村上以外の選手が男子全体順位5位に入れば、その選手が代わり代表になる。

 

女子の内定は松田詩野。2021年のISA世界選手権で都筑もしくは松田以外の選手が女子全体順位7位に入れば、松田とその選手が代表になれる。

 

しかし、都筑と松田以外の2名がこの上位7名に入った場合、その2名にオリンピック出場権が与えられる。また、都筑と松田以外の2名が7位までに入らなければ、日本の女子の出場枠は1名となり、松田詩野のみの出場となる。

 

詳しくは以下のリンク先をご覧ください。

https://surfmedia.jp/2020/02/22/olympic-2020/