田岡なつみと浜瀬海が優勝。井上鷹と吉川広夏がグラチャン獲得。JPSA「ALL JAPAN クリオマンション 茅ヶ崎ロングボードプロ」

写真、リポート:米地 有理子 「JPSAジャパンプロサーフィンツアー2019 ロングボード第5戦ALL JAPAN クリオマンション 茅ヶ崎ロングボードプロ」は9月28日(土)~29日(日)(予備日:30日)の日程で茅ヶ崎のパークポイントで開催された。

 

優勝した浜瀬海

 

しかし残念ながら試合を続行するには波が厳しいコンディションとなってしまったため、千葉県長生郡一宮町の釣ヶ崎海岸(志田下ポイント)で開催されたJPSAショートボード最終戦終了後に同ポイントで10月28日、29日(予備日30日)という日程で行われることとなった。

 

 

志田下ポイントは数多くのサーファーを育ててきた波乗り道場と言われるポイント、来年の東京オリンピックでサーフィン競技が行われる場所だ。ショートボードの最終戦のスタートから大波が押し寄せ、アウトに出るのもハードで、出てもポジションキープが大変な難しいコンディションとなった。その中でエキスパートならではのライディングが披露され、優勝者、年間グランドチャンピオンが決定し、感動のフィナーレで無事終了。

 

グランドチャンピオン井上鷹

 

そして、翌日からロングボードの最終戦の舞台となった志田下ポイントは、そのまま大波を引き継ぐ形となり、波質的にロングボードには、さらに激しいコンディションが選手たちを待ち受けていた。

 

 ニュース等でご存知のとおり、台風及び低気圧による大雨で、最終戦の開催地となった千葉県をはじめ各地で大きな災害が発生した。選手及び大会関係者は、開催にあたり被災者の方々にスポーツの持つ力で少しでも元気と勇気を送ろうと心を一つにし、試合前に被害に遭われた方に対し、選手、大会関係者で黙祷を捧げ、ヒートはスタートした。

 

 

 1日目(茅ヶ崎のヒートを入れると大会4日目)は天気は良いが北東風が吹きジャンクなコンディション。女子のラウンド1からとなったが、アウトに出るのがまずは第一関門。サーフボードが強烈な波のインパクトゾーンの餌食になったり、リーシュが切れたりとウォーターリスクマネジメントのジェットスキーに何人もの選手がお世話になった。

 

アウトに出るのに時間が掛かってノーライドになるよりもインサイド寄りの波で少しでも点数を出すということも戦略としてあったが点数はあまり伸びない。そんな中、アウトに出るのに成功して高さのある波に果敢に挑んだ選手はやはり点数を得ていた。

 

そしてこの日は女子のヒートはラウンド1のみで終了。続いて男子のラウンド3と4を行った。男子のヒートも同様にアウトに出るのに苦戦する選手が続出。インサイド寄りのブレイクでライディングをしてラウンドアップをする選手もいた。アウトに出るものの掘れ上がる波の手前でプルアウト、リップもノーズライドも難しく点数がなかなか出なかった。

 

しかしながら、ラウンド4に入るとトップシードの選手が登場し、難しいコンディションの中で波のフェイスを見つけて技を見せた。グランドチャンピオンが決定している井上鷹も最初は波のコンディションに渋い顔を見せていたが、海に入れば良い波を見つけ出して、さすがのライディングを披露。昨年度のグランドチャンピオンの浜瀬海も1位通過で勝ち上がり、最終日に女子はラウンド2から、男子はQFからスタートということで1日目は終わった。

 

優勝した田岡なつみ

 

 大会最終日は、朝から雨、オフショアで波の面は昨日よりも整いつつも、頭半以上の十分なサイズを残しつつ、ショートボード向きの掘れた波がロングボードの選手たちの前に待っていた。

 

アウトには昨日よりは出やすいものの、カレントも強く、掘れる波や厚くて続かない波が多い中で技をかける波を見つけるのが難しいコンディション。女子のラウンド2から始まり、ラウンド3へと続けて女子のヒートを行ったが、ラウンド3のトップシードの選手たちも、なかなか点数を出すことができない。

 

吉川広夏

 

そんな中で昨年度のグランドチャンピオンの田岡なつみをはじめ、グランドチャンピオン争いをする吉川広夏、小山みなみは勝ち上がり、セミファイナルへ駒を進めた。

 

3位 菅谷裕美

 

続いて男子のQFもサイズのある難しい波の中でポテンシャルのある波を見つけて安定したノーズライドやマニューバーを成功させた選手たちが勝ち上がって行った。女子セミファイナルも男子セミファイナルもこのハードなコンディションにもたじろぐことなく挑んだ顔ぶれが揃ったと言える。

 

そうして、男女ともにセミファイナルもノーズライドとマニューバーのコンビネーションを上手く仕掛けることができた選手がファイナルへ進出した。

 

小山みなみ

 

しかしながらグランドチャンピオンの井上鷹が、まさかのセミファイナルで敗退となった。

 

そして遂に女子ファイナル。ここで女子グランドチャンピオンが決定する。田岡はグランドチャンピオン争いには関わっていないが、サイズのある波は得意で各ラウンドを1位通過で来ている。

 

小山みなみ

 

菅谷裕美もキレのあるライディングを見せている。吉川もサイズのある波が好きで4度目のグランドチャンピオンが掛かる。小山は昨年惜しくもグランドチャンピオンを逃し、今年こそという状況。

 

ファイナルヒートのライディングは吉川からスタート。左の方のポジションから積極的に波に乗りヒートをリード。小山はレフト方向にライディングするが点数を伸ばせる波ではなかった。田岡はなかなか良い波が掴めない。菅谷がようやく1本乗り2位へ浮上。

 

田岡と吉川
田岡なつみ

 

その後、田岡がポテンシャルのある波を掴み、インサイドまで乗りつないで2位、優勝へは2.04以上が必要となった。ヒート後半に入るものの、各選手なかなか波を掴めない。残り1分のところで田岡がテイクオフ。そのライディングが決定打となり、田岡が吉川を逆転、見事優勝を決めた。吉川は2位で4度目のグランドチャンピオンが決定した。

 

森大騎

 

そして今年度JPSAの最終ヒートとなる男子ファイナル。森大騎が先行を切るも、その後右奥で波をしきりに待つ。全ラウンド1位通過で勝ち上がって来ている浜瀬海だが、左側の掘れた波で本数は乗るがミスが目立つ。

 

塚本将也
堀井哲

 

そんな中で堀井哲が際どいセクションでノーズライドを果敢に決めて5.60を叩き出した。塚本将也は早いブレイクに捕まり、点数が伸びない。残り時間が減っていく中、浜瀬にとうとう火がついたのか、落ち着いたノーズライドからのマニューバーできっちりインサイドまで決めて7.00という高得点で他を引き離す。

 

 

堀井は持ち前のスピードで早いセクションを抜けるも技が入らず点が出せないでいたが、残り時間がわずかのところでノーズライドからのリエントリーを2発決めて5.77を出す。しかしながら優勝に必要な点数には届かず。波を待ち続けていた森も右奥から乗るが、技を決めることができなかった。そして終了のホーン。最後は浜瀬が落ち着いて実力を発揮し、2017年と2018年のグランドチャンピオンの強さを見せた。

 

 女子優勝の田岡はヒートを振り返り、「なかなか良い波に乗れなくて、待って待って、自分の乗りたい波ではなくてたまたまポコンと来たミドルの形の良い波に乗れて、それが点に繋がって良かったです。残り時間がない中でニードの点数が頭にあって、本当だったらすぐにノーズに行けてたと思うのですが足がガクガクしてしまって良いセクション逃してしまっていたけど。でも逆転できて良かったです」とコメント。

 

男子優勝の浜瀬は「ファイナルは強豪相手だったので、自分はラウンド3からだったのですけど、体力が結構限界で。そこを気合いで乗り越えなくてはというのが1番でした。最近はロングボード中心で、波が掘れていたけど、そこは合わせて乗るようにしました。右奥は波が厚くなってしまう感じで点が出しづらいなと思っていたので左のなるべく繋がって来る波を選ぶようにしていました。久々のJPSA参戦だったのですけど最終戦優勝できて良かったです」と語った。

 

 こうしてJPSAロングボードの2019年のすべての大会が終了し、グランドチャンピオン及びルーキーオブザイヤーが決定した。以下はグランドチャンピオンのコメント。

 

男子グランドチャンピオン 井上鷹
「特別狙っていた訳ではなかったですけど、日本一という称号を獲ることができて良かったです。応援してくださった皆さんのおかげです。先日アジアツアーで優勝もできたので、あとは世界一を目指して頑張りたいと思います」

女子グランドチャンピオン 吉川広夏
「応援してくださった皆様ありがとうございました。4度目のグランドチャンピオンなのですけど、志田下は10年ぐらい前にNSAの初めて出た支部予選で優勝できたポイントでこう言う結果を残せて嬉しいです。また来年も頑張ります」

 

 今年度のJPSAのロングボードの試合は5試合。各地での大会が思い起こされる。細川哲夫理事長が最後の挨拶で言っていたことだが、「このようにロングボードの大会を年間国内で5戦開催するところは世界の他の国においてなかなかないこと」「JPSAに参戦している選手の中から世界で活躍する選手が育っていること」、このことを誇りに思いたい。若いロングボードの選手も増えて来ている。来年はどのようなヒーロー、ヒロインが誕生するのか、どのようにロングボードというスポーツの持つ力がますます発揮されていくのかを楽しみにしている。

 

大会結果

男子 
優勝:浜瀬海         
2位:堀井哲        
3位:塚本将也
4位:森大騎

女子

優勝:田岡なつみ 
2位:吉川広夏  
3位:菅谷裕美
4位:小山みなみ

ルーキーオブザイヤー

男子:梶原裕太 女子:平田夏帆

グランドチャンピオン

男子:井上鷹  女子:吉川広夏

 

サーフメディアは今シーズンも現地から最新情報をお伝えします。

https://twitter.com/SURFMEDIAJAPAN/

https://www.facebook.com/SURFMEDIA.JP

 

ライブ中継はこちら。http://www.namiaru.tv/ust/jpsa/

JPSAオフィシャルサイト:http://www.jpsa.com/